【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
アガサ騎士団所属の謎多き天才科学者。束と認識がある。
自分が認める程に嫌な奴であるが、根が優しくて面倒見が良くてサポートしてくれる。
情報収集能力も高く、ヴィンデルについての情報を持って居ることから、アガサ騎士団によるヴィンデルの歪んだ理想郷への調査は、クルワルドのおかげ。
容姿はミリアルド・ピースクラフトであったが、あんまりチート過ぎるので、作者の意向により、新ゲッターロボの安倍晴明に差し替えられた。
搭乗機はガンダムアクエリアス
キャラクター提供は山の下に更科さん
ゴリ・ロッグハート
アガサ騎士団に属する外見が「ハンター×ハンター」のゴレイヌな騎士。ゴリラが渾名。
前ではマテリアが使える設定だが、ここでは難しいので念能力も使えないえげつねぇ弱体化したゴレイヌにされた。でも、三人分の耐久力はある。
搭乗機はヴィンセント・ウォード・カスタム
キャラクター提供は緑ネコさん
ユウ・アオバ
アガサ騎士団に属する日系の騎士。宇宙での初陣でグレイズを破壊された際、偶然に流れ着いたメイソン騎士団の宇宙戦闘艦より保管されていた偽F91ことシルエットガンダムをかっぱらうと言う大挙を成す。
戦いには負けたが、メイソン騎士団の顔に泥を塗ったと言う功績でそのままシルエットガンダムのパイロットとなる。
搭乗機はシルエットガンダム
ジョン・セイバー
アガサ騎士団のMS隊隊長。ユウの上官。
ユウを保護した騎士であり、彼を立派なアルゴン王に忠誠を誓う騎士に育て上げた。
結婚願望があるのか、任務がてらに嫁探しをしている。
搭乗機はシュヴァルベ・グレイズ
ユウとジョンのキャラクター提供はエイゼさん
版権キャラ
アトリオックス
ヘイロー・ウォーズ2に出てきたタルタロスを超える最強のブルート。
全盛期のコヴナントが斃せなかったバニッシュトの総帥であるが、部下の頭が悪過ぎる所為で、UNSCのはぐれ部隊を倒せない。てかそのはぐれ部隊が強かった。
シップマスター
アトリオックスを始めとしたブルート族が船を碌に動かせないので、代わりに動かしているエリート族の人。名前は不明。
コヴナントに離反したアトリオックスに同調してついて来た。
ヴォリドゥス&パヴィウム
DLCに出てきたバニッシュトの幹部の兄弟。アホ。
身長が小さくてモヒカン頭の単細胞がヴォリドゥスで、上下二本にクローが付いたシールドを持って居る。
身長が大きくて禿で、右手に腕部装着型ロッドガンを持ち、シールドを左手に持ってる奴がパヴィウム。慎重な性格であり、ジラルハネイらしくない。
面倒ごとを起こしたので、アトリオックスの近くに居る。
ライザ・エンザ
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第二期に出てきたギャラルホルンの青年将校団のリーダー。
この二次創作ではメイソン騎士団の派遣部隊の隊長である。
ベン・ウッダー
機動戦士Zガンダムに出てきたティターンズの将校。手段を選ばぬ軍人。
この二次創作ではメイソン騎士団の派遣部隊の副官を務めている。
惑星同盟軍の勢力下にある星系にて、影より支援するヴィンデル・マウザーより援軍を用意すると言って迎えに来たメイソン騎士団の派遣艦隊は、指定された座標に到着していた。
メイソン騎士団の派遣艦隊はアマルテア級宇宙戦艦を初め、僚艦二隻にカリスト級巡洋艦、ハーフビーク級戦艦一隻と言う編成だ。
彼らが待っているのは、アトリオックスが率いる新生バニッシュトの遠征隊である。
「隊長、そろそろ約束の時刻でありますが…」
「ぬぅ…! 遅い! 我らの異種族の同志は本当に来るのか!?」
派遣艦隊旗艦のアマルテア級戦艦の艦橋にて、副官のベン・ウッダーに問われたライザ・エンザは約束の時刻となっても一向に現れないアトリオックスのバニッシュトに苛立ちを覚えていた。
ここはメイソン騎士団にとって未知の世界だ。それにこの星系の支配者である惑星同盟軍にいつ狙われてもおかしくない。
ここに来るまでに、ライザの派遣艦隊は幾つかの同盟軍の部隊と交戦している。最初は六隻以上はあった派遣艦隊の数は、長引く戦闘の所為で今は四隻となっていた。
ちなみに、ヴィンデルが同盟軍に話を通しているはずだが、派遣されたライザの艦隊はモーリック十三世よりそれを聞かされておらず、同盟軍と交戦してしまっている。
かなりの犠牲を払って指定された座標に来たにも関わらず、一向に来ないバニッシュトにライザが苛立つのも無理は無かった。その犠牲は、自分の誤判による物だが。
「こちらはかなりの同志を喪っておるのだ! クソっ、アガサの者共の罠でなかろうな!?」
「そんなはずはありません。彼奴等にあんな真似は出来ませんよ」
「私も分かっている! 奴らに協力している部隊かと思うが、こんな所で仕掛けて来るはずがない!」
苛立つ余り、敵方のアガサ騎士団の罠では無いかと疑うライザに対し、ウッダーはアガサ騎士団にはそんな手は使わないと告げる。これにはライザも分かっており、こんな見知らぬ場所では仕掛けて来ないと怒鳴り返す。
これにウッダーが若い上司に内心苛立つ中、レーダー手が見知らぬ機影が来たことを知らせる。
「っ!? レーダーに反応! 識別に該当する物なし!」
「敵襲か!? スクランブル…」
「いや、命令書に書いてあった絵の船だ!」
その知らせにライザは敵襲と誤判する中、ウッダーは命令書にある絵の船だと告げる。
彼らに渡された命令書に描いてあった船の絵とは、バニッシュトの旗艦であるCAS級強襲空母であった。船体が五千メートル以上もある巨大な宇宙船を前に、ライザを始めとした何名かの騎士たちは驚愕する。
「な、なんて巨大な船だ…!」
「マクロス級よりもデカいぞ…!」
「移民船か!?」
CAS級強襲空母を見た騎士たちは、自分らの知るマクロス級よりも大きいと驚く。メイソン騎士団や敵方のアガサ騎士団が属するワルキューレに、CAS級のような巨大な宇宙船は長距離移民船しかないのだ。
そんなコヴナント海軍の巨大な船より、それに乗っているバニッシュトの総帥アトリオックスからの映像通信がライザの乗艦に来る。
「前方の巨大船より映像通信! これは、我々メイソン騎士団しか知らぬ暗号通信です!」
「なに? 繋げ!」
『あぁ、もしもし? お前が我らバニッシュトを異界の戦場に案内する使者か?』
「怪物だぞ…!」
「そ、そうだ! 我々が貴官ら異種族の同志を迎えに来たものだ!」
良く見える位置に設置してある画面に映し出されたアトリオックスの風貌に艦橋内にいる騎士たちが驚く中、その異種族の同志とやらに問われたライザは答える。
『そうかい。では、連絡船でうちの船に来い。その船は、息苦しそうだ』
映像越しよりアマルテア級の艦橋は狭いと感じたアトリオックスは、自分の船まで来るように告げる。これにライザはウッダーを見れば、副官は行くべきだと無言で告げる。
「分かった。貴官の船に行こう!」
『是非ともそうしてくれ。人間の船の艦橋は狭くて敵わん。ガイドビーコンを出して置く』
このアトリオックスの要望に、ライザ等は連絡船で彼の母艦に行くことを決めた。
バニッシュトとメイソン騎士団の派遣艦隊が合流したその頃、付近の惑星にはガーランド達とは違うアガサ騎士団の調査部隊が降下し、周辺を捜索していた。調査隊はKMF九機と九十人の騎士で編成され、辺りを調査している。
「えげつねぇな…」
降下した調査隊の隊長であるゴリ・ロッグハートは、周囲に広がる人間味や同情心も欠けた光景を見て言葉を漏らす。
その光景とは、皆殺しにされた同盟軍の基地であった。周辺には同盟軍の将兵たちの死体が転がっており、空薬莢や銃弾の跡があちらこちらに残っていることから、戦闘が行われた事を物が立っている。だが、防衛側の同盟軍の将兵らは投降を許されず、略奪者たちに皆殺しにされたようだ。基地に集積されていた物資が残らず奪われている。
「どうやら、略奪があったようですな」
「んなもん、見れば分かるぜ。辺りが死体だらけだ。この死体が持って居た銃も全部奪われてやがる。ここを襲った連中は、恐ろしくてヤベェ奴らだ」
副官が略奪があったようだと言えば、ゴリは見れば分かると言って、基地を襲って壊滅させた者たちは恐ろしく強く、そして残忍であると口にする。
「あっちの、司令部の方を調査しよう。メイソン騎士団の連中が使っている登録にねぇ兵器の出所が分かるかもしれねぇ」
次にメイソン騎士団が使う自分らアガサ騎士団やワルキューレのデータには無い兵器に関する情報を得るべく、ゴリは黒煙を上げる司令部を指差しながら調査すると言って二名を連れて調査に向かった。
基地の電源の設備は生きておらず、何処も開けっ放しであった。司令部に入ったゴリが辺りを見渡す中、随伴する二名の騎士は兜の側頭部左右に付いた小型のライトを付け、周囲を照らす。この司令部でも死体だらけであり、空薬莢と血痕が残っている。
「ひでぇ事しやがるぜ。現地の住人か?」
司令部の惨状を見て、ゴリはこの基地を襲って同盟軍の将兵を虐殺したのは現地の住民による報復では無いかと思い始める。
司令部の奥まで進む中、ライト付き兜を被っている騎士は目前より何かが迫っていることを隊長であるゴリに知らせる。
「隊長、前から何かが…!」
「なんだって? 暗くて良く…」
その知らせにゴリは暗くてよく見えないと言った途端、巨大な拳が彼の顔面に向けて飛んできた。
暗闇の中で飛んできた右拳にゴリは避け切れず、諸に顔面に受けてしまい、余りの威力に外まで吹っ飛んでしまう。殴り飛ばされたゴリに二名の騎士は思わず振り返って叫ぶ。
「隊長!!」
「くそっ! なんだ一体!?」
凄まじい勢いで吹き飛ばされたゴリの身を案じる中、もう一人の騎士は腰の剣を抜いて警戒する。自分らの上司を出入り口まで殴り飛ばした正体は、遅れて剣を抜いた騎士をシールドの上下二つのクローで抉り殺し、気付いて斬りかかろうとした二人目の騎士を素早く腰から抜いたハンマーで殴打して壁に叩き付け、とどめの一撃を素早く叩き込んで殴り殺した。
一方で吹き飛ばされたゴリは何事も無かったかのように起き上がり、殴られた頬を抑えてその痛みで声を上げる。
「い、いてぇ~! 一体何が起きてんだ?」
「隊長、ご無事ですか!?」
「大丈夫だ、俺は三人分頑丈だ。それより、ミグとガリオは?」
無事を問う部下に対してゴリは自分が頑丈なので大丈夫と返し、随伴した二名の部下の身がどうなっているのかを問う。
「応答しろ! 隊長は無事だぞ! どうした!?」
これに直ぐに部下は無線機を内蔵しているガントレットで問うが、応答は返ってこない。それもそのはず、司令部内部に潜んでいた何者かに二人とも殺されたのだから。
二名の騎士を殺害した正体が姿を現す。その正体は小柄のジラルハネイ族であり、更に一人腕部装着型のロッドガンを右腕に付け、左手にシールドを持った者が増えている。これに騎士たちは直ぐに戦闘態勢を取る。
「あいつらが、俺の部下をぶっ殺した奴か!」
「戦闘態勢! ナイトメアフレームは直ちに発砲しろ!!」
自分の二人の部下を殺したのが、あのジラルハネイであると分かれば、ゴリは腰の剣では倒せないと判断し、自分のKMFであるヴィンセント・ウォード・カスタムに向かって走る。
それを援護するべく、副官は待機している射撃兵装を持つ六機のサザーランドや二機のヴィンセント・ウォードに攻撃を命じた。残る騎士たちは得物を持って構え、弓やボウガンを持つ者たちはKMFと共に射撃を行う。
その攻撃に、二名のジラルハネイは盾で攻撃が止むまで防ぎ続ける。
「やったか!?」
自分の機体に乗ったゴリは二名のジラルハネイを肉塊へと変えたと思って、その死を確認したが、敵は健在であった。
「同盟軍の奴らかと思ったが、まさか変な連中だとはな。油断するなよ、ヴォリドゥス!」
「珍しい物が揃ってるべ~! 略奪してえぇかぁ~? パヴィウムぅ?」
「まぁ、ボスより言われてねぇが、皆殺しにするなよ!」
「略奪だべぇ~!」
盾とエネルギーシールドのおかげで健在であった二名のジラルハネイは、見慣れぬアガサ騎士団の騎士たちを見て珍しがる中、スキンヘッドのジラルハネイのパヴィウムが慎重に当たるように言う中、小柄のジラルハネイのヴォリドゥスは略奪して良いかと問う。
これに自分らの上司であるアトリオックスの機嫌を損ねないなら許可するとパヴィウムが言えば、ヴォリドゥスは突っ込み始める。それと同時に二人の背後から多数のジラルハネイが姿を現し、ヴォリドゥスと共に突撃を行う。
「生きてるぞ!?」
「なら撃ちまくれ!!」
生きていて突っ込んでくるヴォリドゥスに驚く騎士たちに対してゴリは攻撃命令を出し、自分も突っ込んでくるジラルハネイに向けてライフルを撃ち込む。
「側面から攻撃だ!」
「なんだと!?」
ヴォリドゥスとジラルハネイに集中砲火を浴びせる調査隊の側面より、付近に息を潜めていたバニッシュトの兵団が飛び出して襲ってくる。攻撃を受けて倒れる味方を見た騎士が叫ぶ中、ゴリは気付いて側面より現れたサンヘイリやジラルハネイを攻撃する。彼らの中には改造されたATも含まれていた。
「さて、俺も仕事をするか!」
集中砲火を受けるヴォリドゥスにパヴィウムは右腕に装着したロッドガンを発射し、弓兵等を数名ほど纏めて吹き飛ばす。ロッドガンの威力に騎士たちが驚く中、サザーランドの照準が自分に向いたところで盾を構え、マシンガンによる弾幕を防ぎつつロッドガンで反撃した。
ロッドガンを受けたサザーランドは爆散した。KMFすら破壊するロッドガンの威力にゴリは驚き、最近になって増えているヴァルキュリア・アーマー並みであると口にする。
「なんだあの威力は!? ヴァルキュリア・アーマーかよ!」
パヴィウムのロッドガンの威力に驚く中、側面より来たブルート・チョッパーをゴリは手持ちの射撃兵装で次々と撃破した。その次に上空より迫るバンシーを撃ち落とす。
数機を撃ち落としたところで、ヴォリドゥスは弾幕を突破し、周囲に居る騎士たちを片手で扱えるほど小さいグラビティハンマーで次々と叩き殺し、挙句にサザーランドですら破壊する。余りの強さのヴォリドゥスに、放置しておけば調査隊が全滅すると判断したゴリは小柄なジラルハネイの対処に回る。
「あいつもVA並じゃねぇか! これ以上殺されてたまるか!」
腰の剣を抜き、暴れ回るヴォリドゥスにゴリは立ち向かった。
「おぇ? オデに挑む気かぁ~? 返り討ちにしてやんべぇ!」
向かってくるゴリ専用のヴィンセント・ウォードに、ヴォリドゥスは最初の斬撃を盾で防ぎ、ハンマーで反撃しようとした。だが、最初の一撃を生身で防いだヴォリドゥスに驚いたゴリは思わず下がってしまい、その反撃は躱された。
「なんだこいつは!? 生身でKMFの攻撃を防いだぞ!? クソっ、なんだってんだ!」
生身でVA以上の戦闘力を誇るヴォリドゥスに、ゴリは戦意を挫かれそうになる。そんなゴリにパヴィウムのロッドガンの攻撃が迫るが、何とか躱すことに成功する。
「とんでもない所に来ちまったぜ! こいつ等とやり合うには、MS以上の奴が必要だ! 全員聞こえるか!? 撤退だ! 撤退するぞ!!」
余りにも強過ぎる二体のジラルハネイに、このままでは勝てないと判断したゴリは、調査隊に撤退命令を出した。それに応じ、エナジーソードを持つサンヘイリと剣で斬り合っていた騎士は応じ、撤退命令を伝達した。
「ほぅ、貴様が案内人か?」
付近の惑星でアガサ騎士団の調査隊と幹部のヴォリドゥスとパヴィウムによる交戦が行われる中、バニッシュトの母艦の艦橋内に案内されたライザとウッダー等はその広さと自分らの先を行くほどの技術力に茫然としていた。
そんな彼らに、バニッシュトの総帥であるアトリオックスは、ヴィンデルより聞いていた案内にであるかを問う。
「そうだ! 我々が貴殿を案内しに来た派遣艦隊の者だ!」
アトリオックスからの問いに、ライザは怯えつつも意気揚々にそうだと答えた。アトリオックスは警戒心が強いウッダーが隊長だと思っており、答えたライザに驚いた。
「ん? なんだ、この青臭いのが隊長か。俺はてっきり、その隣の老けた人間かと思ったが」
「き、貴様…!」
「そんな事はどうでもいい。速く新しい戦場へ案内してくれ。部下共が我慢できずに、正規軍の基地を襲っちまった」
怒りを露にするライザを軽くあしらったアトリオックスは、部下であり幹部でもあるヴォリドゥスとパヴィウムの部隊が勝手に同盟軍の基地を襲ったことを知らせた。
それを聞いたライザとウッダーはバニッシュトは野蛮な組織であると認識する。バニッシュトを自分らの領内に連れて行けば、彼らは略奪を始めることは間違いなしだ。だが、敵方のアガサ騎士団の領内に居れてしまえば、存分に暴れてくれる。使い様によっては、強力な戦力である。
その有望なる戦力をこちらの陣営に入れるべきと判断したウッダーは、早速バニッシュトの案内を行おうとライザを押し退けて告げる。
「なんと野蛮な…」
「それは置いておき、貴官らを案内せよとモーリック王より申し付かっている。貴殿を見れば、存分に我らの敵であるアガサ騎士団をあの世界より放逐できると私は見ている。それに異世界は貴殿らにとっては大変珍しく、役立つ物で溢れている。どうだ、来ないか?」
押し退けられたライザは静かに怒るが、ウッダーはこれが最善であると表情で黙らせ、IS世界での略奪をバニッシュトに許可してやる気を出させようとした。
向こうでは存分に略奪を働いても構わないと言われたアトリオックスは、異世界には略奪物が沢山あると思ってウッダーの誘いに応じた。それにヴィンデルより新生バニッシュトの初の実戦を行えると聞いているので、俄然に行く気になっていた。
「良いだろう。貴様らの敵の領地で好き勝手出来るなら、我らバニッシュトの本望である。それに戦いたくてウズウズしている」
「それは助かる! モーリック王もお喜びになろう! それと敵は手強く、貴殿の軍団の兵が幾人か戦死する可能性があるが…」
やる気であるアトリオックスが行くと言えば、ウッダーは自分らの思い通りの展開となったことに喜んだ。ウッダーは敵のアガサ騎士団が手強いことを告げたが、強い敵なら尚更戦ってみたいとアトリオックスは答える。
「フン、戦とはそんな物だ! 手強いなら尚更で、是非とも戦ってみたくなる。おっと、言い忘れていたが…」
強い敵との戦いを所望するアトリオックスが意気揚々と答える一方で、ライザらに言い忘れていたことを思い出し、それを彼らメイソン騎士団らの使者に伝えた。
「アガサ騎士団だったか? そいつらの鼠がこの辺を嗅ぎまわっていてな。今し方、幹部の配下の隊が近くの星で戦闘をしているようだ。それに、お前らを尾行していたのも居る。気付かなかったか?」
「…なんだと!?」
「真か!?」
それは、幹部の兄弟が戦っているアガサ騎士団のゴリが率いる調査隊との交戦であった。更にアトリオックスは、ライザ等の派遣艦隊を隠れながら追跡していたアガサ騎士団の艦隊も居ることを伝えた。
自分らが追跡されていることに気付いたライザらは驚き、ウッダーは事実であるかと問い詰める。
「真も何も、大真面目で本当のことよ。気付かなかったのか? まぁ良い、アガサ騎士団とやらがどれほどの強いか試す機会だ。グラント共に攻撃させろ!」
アトリオックスはそれが事実であると答え、アガサ騎士団の実力を測るべく、潜伏させているMSに乗ったアンゴイの部隊に攻撃するように命じた。
アガサ騎士団に追跡されていることに、アトリオックスに聞かされるまで気付かなかったライザ等も追跡された失態を帳消しにすべく、自分たちも出撃すると答える。
「なら、我々も出撃する! ウッダー、母艦に戻るぞ!」
「うむ、お前たちメイソン騎士団の実力も測らんとな。いいぞ」
自分らが共に戦列を組むメイソン騎士団の実力も測るべく、アトリオックスは下船の許可を出した。
「なんて巨大な船だ…!」
『あれがCAS級強襲空母、バニッシュトの旗艦だ』
その頃、メイソン騎士団の派遣艦隊の隠密に追跡し、姿を隠しやすいデブリ帯で監視を行っていたアガサ騎士団の追跡隊は、ライザたちと同じくCAS級強襲空母の大きさに驚いていた。周辺を警戒しているシュヴァルベ・グレイズに乗るパイロットで、MS隊の隊長であるジョン・セイバーは臆してしまう。
コヴナントの巨大空母がバニッシュトの旗艦であることを、ガンダムアクエリアスに乗るパイロットであるクルワルド・ピースブレイクは伝える。なぜ知っているかは、クルワルドが情報収集に長けており、天才科学者だからである。
『隊長、いつ仕掛けるので?』
「馬鹿か。あんなデカい船、何機の機動兵器が乗っているか分からん。それに、極力戦闘は避けるように厳命されている。我々はただ見たことを記録し、それをアルゴン王に報告すれば良い」
シルエットガンダムに乗るパイロット、ユウ・アオバがいつ仕掛けるのかと問う中、ジョンは今の戦力ではバニッシュトと交戦は出来ないと返し、自分らの任務は追跡で監視が任務であると言った。
その青年が乗るシルエットガンダムは、メイソン騎士団より初陣のユウが偶然に流れ着いた宇宙船より盗んで来た物であり、勝利したメイソン騎士団の顔に泥を塗るため、アルゴン王と騎士団の団長と幹部らは彼に奪ったガンダムに乗ることを許可した。以降、シルエットガンダムはユウの乗機となっている。
『セイバーの言う通り、少数であれに仕掛けるのは愚策だ。返り討ちにされるのがオチだ』
『…腹立つな、こいつ』
『何か言ったか?』
『いや、何も』
クルワルドは仕掛けるのかと言ったユウを小ばかにするような言い方をすれば、腹が立つとつい言ってしまう。これにクルワルドが何か言ったのかと問う中、ユウは何も言ってないと答える。
「はぁ、こんなところに見合いの相手が…」
『スルガより各機に報告! 付近の惑星に調査に向かったロッグハート隊が未確認の敵と交戦中! 奇襲による戦力半減で撤退を開始した! 付近に展開中の隊は警戒せよ!』
「感付かれたか? それとも…? 全機、警戒しろ! 何か来るかもしれん!」
バニッシュトとメイソン騎士団の派遣艦隊との接触を監視する中、母艦であるアーガマ級強襲揚陸艦よりゴリの調査隊がバニッシュトに襲われたことを知らせる無線連絡が入る。
それを聞いて自分の結婚願望を口にしている暇は無いと判断したジョンは、直ちに周辺に展開している部下たちに警戒を命じた。
周辺にカメラを向け、レーダーに目を配りつつ何処から敵が来るかどうか警戒する中、同盟軍の巡洋艦の残骸の近くに居たグレイズが、MSが隠れられるほどの残骸や隕石の中より飛び出してきた重装甲のMSであるマン・ロディ数機に襲われ、撃破された。
『隊長! うわぁぁぁ!!』
「くそっ、隠れてやがったか!」
『敵襲だ! 敵襲!!』
『こいつ等、何処から出てきた!?』
友軍機の一機が隠れていた数機の敵機に纏わり付かれて破壊されれば、ジョンは自分の部下を数機がかりで殺したマン・ロディとの交戦を始める。
その直後に簡易MSであるドラッツェが飛び出し、右腕に装備されたコヴナント製のブラスター兵器でグレイズやレギンレイズに襲い掛かる。そのドラッツェに乗ってるのも、アンゴイである。
味方が混乱する中、シルエットガンダムに乗るユウは即座に応戦して、何機かのドラッツェを撃ち落としていく。ガンダムアクエリアスに乗るクルワルドも応戦して、マン・ロディ二機をヒートロッドで撃破した。
「俺たちに気付いたのか…?」
マン・ロディをランスで串刺しにして撃破したジョンは、メイソン騎士団かバニッシュトが自分らの存在に気付いたと思い始める。後者の方が先に気付いたのだが。
こうして、アガサ騎士団の追跡隊とメイソン騎士団とバニッシュトの同盟軍による交戦の火蓋が切って落とされた。
次回から本格的な戦闘に入りまする。ではでは。
それと次の更新は、来年になるかも。