【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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ビアンナ・ドバルド
同盟軍に属するエースパイロットで褐色の美女。ローグレッド隊の隊長。階級は少佐。
赤褐色を基調とする専用のザクIⅣに搭乗している。
※オリーブドラブさんが活動報告にて、自由に使っても良いと書いていたので、遠慮なく使用させていただきます。


ヘルガーン艦隊戦

 連邦・同盟、双方の後方で凄惨な紛争が起こる中、両軍は前方の敵に集中し、大規模な艦隊決戦に入ろうとしていた。

 

「百姓のヴェクタン共が。ヘルガーン人(グレースキン)共の首領を捕らえるのは、この私だ! 艦砲射撃終了後、艦載機展開! 敵防衛ラインを一気に突破し、惑星ヘルガーンを制圧するぞ!!」

 

 先にヘルガスト軍と同盟軍が展開している防衛ラインに攻撃を仕掛けたのは、ISAヴェクタの連合艦隊ではない連邦軍の大艦隊であった。大艦隊旗艦の艦橋にて、司令官は己の功を優先して攻撃を仕掛けた。

 この連邦軍艦隊の大半は、無理やり戦力として徴用したコロニー連合軍(UCA)の海軍艦隊であり、三輪防人率いる軍同様、士気は低かった。

 物量による艦砲射撃で、一時的に防衛ラインに展開している敵艦隊に損害を与えられたが、ヴェサリ老の演説で士気が高まっているヘルガスト軍は怯まずに反撃してくる。

 ヘルガスト軍の殆どは戦時徴兵や志願兵で構成されており、訓練期間は短いが、先のヴェサリ老の演説を初め、祖国防衛精神で士気が高く、我が身を顧みない攻撃で連邦軍に被害を与えていた。

 

『ヘルガーン万歳!』

 

「こ、こいつら怯まずに!? ギャァァァッ!!」

 

 ヘルガストのパイロットが駆るサイリオンが特攻機の如くスーパー・ソニック・ブレイカーで突っ込んでくるため、ストライクダガーに乗るUCAのパイロットは怯み、ブレイク・フィールドの高速突撃を受けて機体共々潰された。

 このサイリオンのみならず、コスモリオンを初めとしたヘルガスト兵が乗る機動兵器は狂気的な特攻戦法を行い、連邦軍やUCAの将兵らを恐怖させる。派遣された同盟軍機は、通常通りの防戦を行っている。異常なのは、ヘルガスト軍だけだ。

 

「おいおい、あいつら異常だな。そんなにあの禿のおっさんが好きなのかい?」

 

 ヘルガスト軍の狂気的な攻撃で怯んでいるUCAのジェガンJ型を仕留めた赤褐色のザクⅣを駆るパイロットであるビアンナ・ドバルドは、ヘルガスト軍の指導者であるヴェサリ老を揶揄する発言をした。

 彼女は同盟軍ヘルガーン派遣軍に参加している部隊の一つ「ローグレッド」隊の隊長であり、最新鋭機のザクⅣを与えられ、高機動型ザクⅡのようなカスタマイズを許されるほどのエースパイロットである。

 

『隊長、ヘルガストの聞こえたら、撃たれますよ! そういうのは控えてください!』

 

「けっ、事実を言ったまでだよ。ヴェサリのおっさんが死ねと言えば、喜んで死にに行く。理解できないね!」

 

『止めてくださいよ隊長! ヘルガスト軍のラデックって奴に聞かれたら、殺されますよ!』

 

「ち、分かってるさ!」

 

 率いるローグレッド所属のザクⅣの部下に、ヘルガスト軍の悪口を咎められたビアンナであるが、止めずにカルト宗教呼ばわりした。流石に言い過ぎなのか、ラデックの名を出して注意すれば、ビアンナも噂を聞いており、それまでにしてUCA軍機を次々と仕留めていく。

 

「歯応えが無いね! まるで的だよ!」

 

 注意されたことに苛立ち、八つ当たりのようにUCA軍機を次々と落とすビアンナであるが、余りの手応えの無さに更に苛立ち、弾幕を張って近付けないようにしているUCA所属のサラミス改巡洋艦に接近する。僚艦のドレイク級護衛艦二隻ともに全火砲を使って対空弾幕を強化し、ビアンナのザクⅣを近付けないようにするが、彼女のザクはそれを躱しながら迫り、ザクマシンガンで僚艦のドレイク級二隻を容易く沈めてしまった。

 

「艦載機を戻せ!」

 

「間に合いません!」

 

「ワァァァッ!!」

 

 僚艦二隻が撃沈され、慌てた艦長は艦載機に戻すように通信手に告げたが、間に合わずにザクマシンガンを環境へ撃ち込まれた。艦橋を破壊したところで、サラミス改はまだ健在だ。ヒートホークで甲板を引き裂き、グレネードをそこへ投げ込んでサラミス改を撃沈した。その爆発を利用し、ビアンカは戻ってきたサラミス改の艦載機であるストライクダガーやダガーL数機を続々と撃墜していく。

 

『隊長、流石です! バズーカ無しで敵艦三隻を続けて沈めるとは!』

 

「あぁん? こんな雑魚共潰して、面白いと思うか? 巡洋艦あたりでも沈めるかね。あっちはでかいしな」

 

『冗談を。いくらこの最新型のザクでも、UCAの巡洋艦だなんて。一瞬でハチの巣にされますよ!』

 

「あたしだって分かってるさ。さて、連邦の奴らでも相手にするか!」

 

 随伴機のローグレッドのザクⅣもそれなりの戦果を挙げており、UCAを圧倒していた。余りにも歯応えの無さに、ビアンカは千メートル級の巡洋艦でも沈めてやろうかと口にすれば、部下が最新型のザクでも無理だと告げる。ビアンカも巡洋艦の対空砲火を理解しているようで、部下より予備のバズーカを受け取った後、迫る連邦軍に向かっていった。

 

「おうおう、流石は連邦軍! 装備も植民地人共(UCA)とは違って最新だよ!」

 

 ビアンカらローグレッドに迫るのは、ジャベリンにドートレス・ネオ、ウィンダム、クランシェ、最新鋭機のジムⅣと言った最優装備の連邦軍だ。これを見たビアンカは喜び、配下のザクⅣ等と共に交戦を開始した。

 

「良いね! これなら、植民地人共よりは楽しめそうだ!」

 

 最新鋭機群から放たれる凄まじい弾幕にビアンカは手応えを感じ、スペースストライカーやロケットランチャーストライカー装備のウィンダム群に突っ込み、ザクマシンガンを連射しながら一機、また一機と撃墜して戦闘を楽しむ。

 

「な、なんだこの赤褐色のザクは!?」

 

『つ、強いぞ!?』

 

「こっちに来る!」

 

 それからジャベリンをヒートホークですれ違いざまに切り裂き、ドートレス・ネオをハチの巣にした。これに連邦軍のパイロットらは驚き、接近してくるビアンカのザクⅣに恐怖を覚える。

 

「可変機の相手は、散々してきたからね!」

 

 数機のクランシェはその可変機と機動力を活かし、連携攻撃でビアンカの動きを一時的に止めることに成功したが、彼女は幾度となく戦った経験があり、見抜かれてマシンガンでハチの巣にされるか、ヒートホークで切り裂かれた。

 

「ほら新顔! お前の力を見せろ!」

 

『赤褐色のザクが来るぞ!』

 

『こっちはジムだ! ザクがジムに勝てるもんか!』

 

『取り囲んで、七面鳥にしてやる!』

 

 次々と敵機を撃ち落とすビアンカのザクⅣに、新型のジムⅣに乗るパイロットらは恐れ戦くが、ザクに勝る性能を持つジムに乗っている自信なのか、四機と言う数的有利を活かした戦法で挑んだ。

 

「ほぅ、流石は新型って言ったところか! だが、パイロットがお粗末じゃねぇ!」

 

 新型のジムⅣの性能に舌を巻くビアンカであるが、動きで性能頼りの腕前と見抜き、直ぐに見切って一機目をマシンガンの連射で撃破した。

 

『ば、バカな!? 性能ではこちらが勝っているはず!』

 

「はっ! 性能頼りなんだよ!」

 

 僚機が撃破されたことで、浮付いてしまった。ビアンカはそこを突き、次々とジムⅣを撃墜していく。最後の一機を切り裂けば、期待外れなことに落胆の声を上げる。

 

「ちっ、こんなもんかい。こんなパイロットじゃ、せっかくの機体が台無しだね」

 

 パイロットが性能を引き出さなければ、せっかくの新型の意味がないとビアンカは口にしながら、向かってくる敵機の迎撃を行う。

 

「MS隊、損害拡大中!」

 

「MA隊並び、PT隊も損害拡大! AT隊、壊滅状態です!」

 

「UCA、指揮系統が混乱し、後退!」

 

「ど、どいうことだ!? 何故こうも我が軍が押されているのだ!?」

 

 UCAを含める連邦軍の大艦隊旗艦の三千メートルほどの大型空母の艦橋にて、次々と入ってくる味方の損害報告に、大艦隊司令官は狼狽えていた。

 この戦力差であれば、同盟軍の防衛ラインを突破し、惑星ヘルガーンに向けて大規模な地上部隊を展開できるはずであったが、防衛ラインは突破できず、ヘルガスト軍の狂気的な攻撃で味方の損害は増えるばかりである。状況は時間が経つごとに悪化し、ヘルガスト軍の命を顧みない攻撃で旗艦の近くまで迫ってきている。

 

「ヘルガスト軍艦隊、艦艇と艦載機によるカミカゼ攻撃を繰り返しながら当艦に接近中!」

 

「ゆ、UCAは!? UCAの連中は何処へ行った!?」

 

「UCA第22艦隊、壊滅的状況により、戦闘継続不可能! 第23艦隊も損耗により、戦闘継続が困難!」

 

「なんだと!? て、撤退だ! 撤退しろ!!」

 

 ヘルガスト軍の異常な特攻戦法で接近していることを知った大艦隊司令官は、盾にしているUCAの艦隊は何処へ行ったと問えば、通信士官は二つとも戦闘不可能なほど戦力が損耗していると答えた。盾が消えて慌てふためく司令官は、撤退指令を出した。撤退命令が出たところで、この混乱した状況が変わることが無く、むしろ損害は増えるばかりだ。

 

『敵空母を奪取せよ!』

 

「了解!」

 

 そんな自分だけ逃げようとする大艦隊の空母を奪うべく、ヘルガスト海軍の突撃艇が司令部からの命を受け、味方艦隊と共に敵空母へ向けて突撃する。旗艦に近付けまいと、大多数の連邦軍艦艇は対空弾幕を張るが、ヴェサリ老の演説で士気が最高潮に達し、命を顧みないヘルガスト軍の将兵らを止められず、逆に破壊されるか、特攻されて道連れにされた。

 

「敵巡洋艦、止まりません!」

 

「回避ィーッ!」

 

「間に合いません!!」

 

 火を噴きながら突っ込んでくるヘルガスト軍の巡洋艦に、標的にされた巡洋艦の艦長は回避を命じるが、相手の速度が速過ぎて間に合わず、突っ込まれて道連れにされた。

 

「うぉぉぉっ!!」

 

「ワァァァッ!?」

 

 撃墜されたコスモリオンは尚も止まらず、絶叫する量産型ヒュッケバインMk-Ⅱに特攻を仕掛け、道連れにして爆散した。この味方の特攻の犠牲により、突撃艇数隻は敵空母へ強行上陸に成功する。

 

「よし、行け、行け! 連邦のクズ共を皆殺しにしろ!」

 

 無理やり甲板に突っ込んだ突撃艇より、黒いの軍装で赤いゴーグルを光らせるヘルガスト兵たちがSTA-52アサルトライフルの安全装置を外し、艦内に続々と乗り込んでいった。狭い艦内での戦闘を想定してか、STAー11サブマシンガン、軍用散弾銃、火炎放射器と言った火器を持った兵士たちも艦内へと乗り込んでいた。

 

「へ、ヘルガスト兵が侵入したぞ! 応戦しろ!!」

 

 そんなヘルガスト兵たちを迎え撃つため、空母に居る乗員らは火器を持って応戦するが、士気の高い敵兵たちを止められず、次々と撃ち殺されていく。艦内の通路が瞬く間に血で赤く染まり、乗員たちと少数のヘルガスト兵の死体で溢れかえる中、戦意を喪失した乗員たちが、ヘルガスト兵たちに降伏しようとする。

 

「こ、降伏する! 撃たないでくれ!」

 

「フン、腰抜けが! お前に食わせる飯は無い!」

 

「そ、そんな! 捕虜の虐殺は条約…」

 

「お前らが俺たちを面白がって殺しているのは知ってんだよ、クズめ!」

 

 降伏した乗員らに対し、ヘルガスト兵たちは容赦なく散弾銃を撃ち込み、次々と射殺していった。どうやら、連邦軍も同盟軍の捕虜を虐殺していると知っているようだ。

 

「て、敵上陸部隊、この艦橋内にも接近中!」

 

「防衛線、火炎放射器により破られます!」

 

「ひっ、ヒィィィッ!?」

 

 空母内で殺戮を行いつつ、ヘルガスト兵たちは司令官のいる艦橋まで迫っていた。火炎放射器で艦橋へ続く通路の防衛線を張っていた兵士たちを焼き払い、銃を持った赤い双眸を光らせた兵士たちが乗り込もうとして来る。やがて艦橋へ続くドアが破られると、続々とヘルガスト兵たちが艦橋内へと雪崩れ込んでくる。その乗り込んでくる敵兵らに対し、司令官らは抵抗を止め、両手を上げて降伏してしまった。

 

「おかしな動きをするなよ、ブタ共。出なければ、道中の奴らと同じ目に遭うぞ?」

 

「わ、分かった。でっ、要求は何だ?」

 

 小隊長がサブマシンガンで脅しながら言えば、司令官は要求が何かと額に汗を浸らせながら問う。

 

「要求? この空母を我がヘルガスト軍が接収することだ。お前の艦隊の残りは、旗艦を置いて早々に逃げちまったよ」

 

「そ、そうか! では、我々は戦時捕虜として扱ってもらおう。特に私は将軍待遇を要求したい。この階級章が見えるか? 私は宇宙軍大将なのだ」

 

「あぁ、待て。本部に確認を取る」

 

 その問いに小隊長は、残りの連邦艦隊は旗艦を置いて逃げたと答え、要求が空母の接収であると告げた。既に抵抗の余地が無い司令官は、自身の階級章を見せびらかしながら、将軍待遇として連行するように要求した。これに小隊長はヘルメットの無線機で、本部に確認を取ると言って片手で銃を構え続ける。

 

「指示は何だ?」

 

「乗員らは不要だ。撃沈した艦から脱出した乗員らが空母を動かす」

 

「そうか。では、私は将軍待遇として、本部まで連行を願おう」

 

 本部からの連絡を受けた小隊長に、指示は何だと司令官が問えば、空母の乗員は不要で、艦を失った乗員たちに動かせると答えた。それを聞いた司令官は、自分が殺される心配は無いと思い、艦隊の参謀たちを除いて艦長を含める乗員らが顔を真っ青にして、悲鳴を上げながら射殺されるのを余所に安堵していた。

 配下の将兵らが次々と射殺されても、偉そうな態度を変えず、上官気取りで敵軍の士官に、自分を本部まで連行するように司令官が告げたが、自分にも銃口が向けられていることに気付き、何の真似なのかと問い詰める。

 

「おいおい、そこの連中はともかく、私は大将だぞ? 貴官らが求める情報を、待遇次第では提供しようと言うのに、そのピストルの銃口は何だ?」

 

「本部からの命令だ。参謀以外必要ないとさ」

 

「いいか? よく聞け。私を射殺すれば、せっかくの情報が…」

 

 銃口を向けられているにも関わらず、自分は大将で有益な情報を待遇次第で提供すると図々しく条件を出し、撃たないように説得を試みたが、小隊長は本部からの指令だと返答して、司令官に向けている拳銃の引き金を引き、彼を射殺した。それを見ていた参謀たちは恐怖で震え、数名のヘルガスト兵たちに連れられて艦橋から連れ出された。

 

「よし、死体を片付けろ。我が軍の乗員たちを迎え入れるんだ」

 

 拳銃を腰のホルスターへ仕舞ってから、小隊長は部下たちに指示を出し、これから入ってくる自軍の乗員らの迎え入れの準備を始める。

 

 競争相手よりも戦果を急いだ別の連邦軍大艦隊は、同盟軍のエースパイロットであるビアンナ・ドバルドの活躍とヘルガスト軍の異常な攻撃で壊滅状態に陥り、撤退を余儀なくされた。

 だが、数的不利は覆せず、そればかりか無視できないほどの損害を負ったので、迫るISAヴェクタや連邦軍の連合艦隊による大戦力を前に、次の戦いでは突破されることだろう。




活動報告にて、参加者募集中~

大丈夫かな?
取り合えず、使うなと言われたら、直ぐに別のキャラに変える予定です。
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