【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
戦争貴族の異名を持つファルツ家の現当主。ファルツ家の至上最高の当主にして、至上最低の当主としての二面性を持つ身長193センチの大男。簡単に言うと、性格と思考以外は史上最高の外道。左腕に第1SS装甲師団の師団マークの刺青を入れている。
最高と最低の二面性を持っていることから、弱肉強食思考の持ち主で性格は極めて残忍で冷酷非道。
貴族らしい振る舞いをするが、時折狂暴なヤクザの本性を現すこともある。
正義の大帝国に、同じ名前の奴がいるが、無関係。
乗機はシュヴァルツリッター(ブラックナイトスコード)
名前:ヴィクトール・フーベルトゥス・フォン・ライン・ファルツ
性別:男
年齢:20歳?
階級:中佐
所属:地球連邦軍 装甲師団「ファルツ」
武器:両手剣、ワルサーP38自動拳銃
概要:戦争貴族としての異名を持つファルツ家の長兄。ヴィクトリアの男体化した感じであるが、南斗弧鷲拳のシンに似ている。
長身美形に加え、チート染みたハイスペックの持ち主。言うなればチート。凄まじい頭脳と身体能力の持ち主でもある。現実主義者で機械的な性格。目的のためなら、卑劣な行為でも躊躇なく実行する。
実はヴィクトリア・フリーデリーケ・フォン・ライン・ファルツをベースとした改造クローンシリーズの一人。ベースは既に故人、弟である現当主のバルトルトに謀殺された。
名前:ヴィクトリア・フリーデリーケ・"アインス"・フォン・ライン・ファルツ
性別 女
年齢 20歳?
階級 大尉
所属:独立機動大隊「ファルツ」
乗機:シュヴァルツリッター・カピテーン(ブラックナイトスコードシヴァの改造機)
概要:ヴィクトリア・フォン・ファルツと瓜二つの美女。ファルツ家の令嬢にして第一中隊の隊長。
ヴィクトールと同じヴィクトリアのクローンであるが、オリジナルと瓜二つの容姿をしている。
こちらもアコードであり、高度な知能と高い身体能力を有している。アインスを初め、全部で十五人の同個体が居る。
キャラ提供はGー20さん
装甲師団「ファルツ」
ファルツ家の現当主であり、連邦地上軍の大将であるバルトルトが個人的に編成した機甲部隊。
ヴィクトールが指揮する独立機動大隊「ファルツ」を初め、オーファンや周囲の惑星で集めた現地志願兵を徹底的に訓練し、精鋭にした将兵で編成された機甲旅団や連隊を保有している。
師団の装備こそ連邦軍の共通規格だが、制服は正規の物ではなく、兵や下士官、士官とも武装親衛隊の野戦服の様なデザインとなっている。
ターニャ・フォン・デグレチャフ
久方ぶりに登場した最強の幼女。
新百合帝国軍のオタクランド侵攻作戦にフェアリー戦闘団を率いて参加している。
ISAヴェクタの独断によるヘルガーン侵攻作戦が始まる一週間前、軍事結社「ワルキューレ」の勢力圏内にある世界にて、イヴ人の国家である新百合帝国軍が狙っていたオタクランドと呼ばれる権威主義国家が、謎の勢力による奇襲を受けていた。
謎の勢力の装備は、第二次世界大戦のドイツの武装親衛隊その物であり、ティーガー戦車やティーガーⅡ、パンター戦車、Ⅲ号突撃砲、Sd.Kfz251ハーフトラック、プーマ装甲偵察車といった当時の戦闘車両が並んでいる。
歩兵に至っても武装親衛隊が大戦時に着用していた迷彩服であり、その武装はワルサーG43半自動小銃、MP40短機関銃、Stg44突撃銃、MG42と言う徹底ぶりだ。
違いとすれば、性別関係なく男女混合で敵軍に突撃していることだが。
オタクランド軍も多数の機動兵器を保有しているはずだが、武装親衛隊の様な勢力が使う十数機の機動兵器に蹂躙され、壊滅状態へと陥っていた。
その勢力が使う機動兵器は、
「武装SSに正体不明のMS大隊、何者だ?」
オタクランドに元々侵攻を仕掛けるつもりであった新百合帝国軍に属するターニャ・フォン・デグレチャフは、双眼鏡から見える異常な光景に、眉をひそめていた。
攻め込むつもりであった国が謎の勢力によって蹂躙され、壊滅状態になっているのだ。帝国からすれば、無駄な損害を受けずに済んだかもしれないが、敵か味方か分からない武装親衛隊のような勢力に、迂闊に手を出せないでいる。
「司令部はどうしている? 攻撃するのか、しないのか?」
「攻撃は…まだ協議中だそうで」
「そういえば、この作戦の指揮官は新任の貴族だったな。全く、実戦経験はあるだろうな?」
司令部に攻撃許可は出ているのかと問えば、イヴ人の無線兵は協議中だと返答する。これにターニャは、このオタクランド侵攻作戦の指揮官が、特権で陸軍少将になったイヴ人の貴族であることを思い出し、その能力に疑念を抱く。もしくは、能力の高さで少将にされた実戦経験が無い貴族だろう。
空軍大佐のターニャも空軍総司令部の特権を持っているが、周囲を気にしてか、乱用はしていない。それでも、余りの決定の遅さに苛立ちを覚え、ターニャは総司令部の特権を行使した。
「あのままでは、こちらに攻撃してくるかもしれん! ここは空軍総司令部の特権を行使する! 陸軍の作戦司令官殿には、空軍上層部にでも抗議してもらおう!」
その特権を行使したターニャは、フェアリー戦闘団を率いて出撃した。
様々な兵科の混成部隊である戦闘団のこともあってか、指揮下の航空魔導士連隊のみならず、空戦が可能なMSで構成されたMS大隊、バルキリー大隊と言った部隊で構成されている。航空魔導士の小回りの良さと機動力を売りにしてか、機動力の高い部隊を指揮下に入れていた。
「や、止めてぇ! 殺さないでぇ!!」
情けなく泣き叫び、命乞いをするオタクランドの兵士に、武装親衛隊の将兵の格好をした男は、笑みを浮かべながら持っているG43半自動小銃の銃口を頭に向け、躊躇することなく引き金を引いて射殺した。他にも武器を捨てて投降する敵兵らも居たが、古めかしい迷彩服を着た武装集団は、面白半分に射殺していく。MP40やMG42の銃声が響き渡る中、フェアリー戦闘団を率いるターニャがそこへ到達する。
「随分と殺し回っているな。まるでヘルシングのロンドンのようだ。それじゃあ武装SSが悪だと認めているようなものだぞ。では、蛮行を止めるとするか」
武装していない民間人ですら容赦なく殺し回っている武装親衛隊の武装集団を見て、ターニャはサラリーマンであった人生で読んだ漫画を例えに出した後、好きな勢力を悪と証明しているようなものと断じて攻撃を開始した。
空に対して何の警戒もしてないのか、武装親衛隊の武装集団はターニャら航空魔導士が放つ爆裂術式で吹き飛ばされていく。ティーガーやパンターなどの戦闘車両も気付くが、対空戦闘車両を随伴させていないのか、容易く爆裂術式で吹き飛ばされる。肉片と残骸がまき散らされる中、ターニャは飛んできた敵兵の頭を掴んで、性別が男性ばかりでないことに気付く。
「ん、女の死体? 武装SSじゃないのか? まぁ、人種は統一されている様だが」
爆裂術式で吹き飛んできた頭を掴み、それが女性の物であると分かれば、敵が武装親衛隊でないと分かった。人種は白人で構成されているようだが、殲滅することに変わりはない。掴んだ首をそこらに捨て、G36A突撃銃を単発で撃ち、地上の敵兵らを次々と魔力で貫通力を強化したライフル弾で撃ち殺していく。
「あぁぁ、アァァァッ! ムッタァー!!」
燃え盛るハーフトラックから、火達磨となった敵兵らが叫び声を上げながら降りてきた。当然、フェアリー戦闘団の航空魔導士らは、容赦なく銃弾を撃ち込んで射殺していく。両手を失って泣き叫ぶ敵兵も、両足を失って這いずりながら逃げようとする敵兵も容赦なく撃ち殺した。
「相手が第二次世界大戦で助かる。我が戦闘団だけでも殲滅は可能だな。本部には…」
相手の装備が第二次大戦の物ばかりで、ろくな訓練も積んでいない素人ばかりであると分かったターニャは、自分の戦闘団だけで殲滅できるものと判断し、作戦司令部に連絡を取るように命じた。だが、敵にも航空魔導士が居たらしく、随伴している部下が攻撃を受ける。その部下たちは、防御術式を張って無事でいた。
「敵に航空魔導士だと? 武装SSにそんな兵科は無いぞ!」
敵の航空魔導士の存在に、ターニャは前世の記憶で武装親衛隊に航空魔導士と言う兵科は存在しないと言いつつ、敵に反撃する。数は二個大隊ほどだ。アーデルトラウト・ブラウトクロイツを初めとする歴戦の部下たちもそれに続き、交戦を始めた。
「FG42と降下猟兵? 他は武装SSに爆乳の双子? 敵は軍オタが生み出した軍隊か? 双子は、ナチス政権では強制収容所送りだぞ」
今度は降下猟兵の迷彩服を着て装備を纏った航空魔導士だが、殆どが歩兵の武装親衛隊と同じだ。中には大きな胸部を持つ高身長の金髪碧眼の美女が二人もいる。二人とも、双子のように容姿が瓜二つである。これを見たターニャは、当時では強制収容所送りにされると口にし、敵が軍事オタクが生み出した軍隊であると見なした。
「ウワァァァッ!?」
「キャァァァッ!?」
「この程度か。後は、爆乳双子だな」
男女の降下猟兵を同時に魔法強化した両手の手刀で斬殺した後、続けて敵航空魔導士数名を一瞬で排除したターニャは、双子に標的を定める。
双子もまた武装親衛隊の士官用野戦服を着て、上から迷彩スモックを羽織って身体のラインが見えないが、その大きな胸の膨らみは隠せていない。一人がStg44を持ち、一人はMG42を持っている。ターニャは見たままのあだ名で呼べば、始末するために攻撃を始めた。
「ちっ、どんなチートを付与してるんだ?」
他の航空魔導士とは違い、金髪碧眼の双子は魔法障壁を張って的確にターニャの攻撃をガードしている。これにターニャは舌打ちし、貫通術式を撃ち込むが、それを回避して的確に反撃してくる。
阿吽の呼吸のように息の合ったコンビネーションで攻撃する双子であるが、ターニャには前世を含めた豊富な実戦経験があり、この手の敵とは何度も交戦してきた経験がある。相手が初陣であると見抜いたターニャは、敵を攪乱する幻術を生み出した後、自分は姿を消す魔法を使って姿を消し、双子が幻術を攻撃している間に背後へ近付き、MG42を持つ片割れを魔法強化の手刀で切り裂いた。
「えっ…?」
切り裂かれた片割れは、何が起きたか理解できぬまま、驚愕した表情を浮かべながら死んだ。切り裂かれて二つに分かれた身体は、凄まじい血飛沫を上げながら落下していく。
「貴様ッ!」
Stg44を持つもう片方は、セレクターをフルオート射撃に切り替え、乱射しながら仇を取ろうとターニャに向かってくる。これに返り血まみれのターニャは、慌てるどころか、動じることなく目にと止まらぬ速さで相手に近付き、首に手刀を突き刺した。
「がはっ! あっ、あぁ…」
突き刺した隙間から鮮血が噴き出し、ターニャの顔を真っ赤に染める。貫かれたもう片方は血反吐を吐き、数秒後に出血多量で死亡する。直ぐに引き抜いた後、相手の懐からいつの間にか盗んでいたハンカチで自分の顔を拭いて血を拭う。
「こいつ等は一体なんだ? まぁ、大方ワルキューレあたりの所属だろ」
襲い掛かった双子を経験の差で勝利したターニャは、相手の容姿でワルキューレの手先であると予想する。そんなターニャに、金髪碧眼の双子と同じ背丈と面影を残す青年が襲撃してきた。
「貴様! ドライツェとフェアツを!!」
「あの爆乳双子のお兄ちゃんか!?」
双子と同じく金髪碧眼の高身長で同じ長い金髪で美形。そればかりか、身に着けているのは、特注品の将校用の野戦服である。兵科は航空魔導士の様で、野戦服の上から演算宝珠などの装備を身に着けていた。双子を殺されて相当頭にきているのか、ターニャに殺意剝き出しで両手剣を振るってくる。
これにターニャはあの双子の兄であると思い、斬撃を躱しながら反撃の隙を伺う。先の双子とは違い、良く訓練されているらしく、剣術も長けていて隙が全く見えない。切れ味を倍増させるため、刀身に魔力を込めており、下手に防げば腕ごと両断されかねない。
『おい、そこまでだ!』
そんな回避に徹するしかないターニャに、真っ黒なブラックナイトスコードと同型機数機、それにあの双子と全く同じ容姿を持つ航空魔導士数名が来た。これを増援と見たターニャだが、相手は戦う気が無く、空いた左手でワルサーP38自動拳銃を抜き、安全装置を外して銃口を向ける金髪碧眼の美青年を拡声機で止める。
『これ以上の戦闘は不要だ、ヴィクトール。アインスらと共に本部まで帰投しろ』
『ヴィクトール、バルトルト様の言う通り。既にオタクランドの首都は制圧しました。新百合帝国軍との交戦は不要です。ご領主殿言う通り、本部に帰投を』
「ですが、奴は妹たちを殺した! 仇は取らなくては!!」
『おいおい、また作ってやるって。そう喚くな』
「なんだ? オタクランドを制圧? おいおい、どういうことだ?」
後から来たブラックナイトスコードの集団が、ヴィクトールと呼ばれる金髪碧眼の美青年に戦闘を止めるように呼び掛けているが、あの双子の仇を取ると言って応じない。ターニャは揉めている隙に、ヴィクトールと言う青年を殺害しようとしたが、ブラックナイトスコードに乗るバルトルトなる男に止められる。同時にブラックナイトスコードはヴィクトールを右手で掴み、行動を封じた。
『味方である我々を攻撃する気か?』
「味方だと? どういう意味だ?」
『本部に確認を取ってみろ。軍法会議に掛けられたいなら、交戦しても構わないが』
バルトルトが味方だと言い始めたので、ターニャは本当かどうか確かめるべく、作戦司令部に無線連絡を入れる。
「こちらフェアリー1、
『こらっ! 何やってんのあんた! 速く首都へ向かいなさい!』
「な、なんだ!? どいう言う意味だ!?」
『答えてる暇はないの! そういうのは後で答えるから、今は首都へ向かって住民の暴走を止めなさい!』
司令部に無線連絡を入れれば、新任の指揮官による命令が来た。どういうことなのかを問うターニャであるが、指揮官は慌てているようで、後で答えるから今は首都へ向かえとだけ返し、無線連絡を切った。
この反応に、ターニャは作戦指揮官と何か取引をしたと思い、目前のブラックナイトスコードに乗るバルトルトに問う。
「貴様、作戦指揮官と何か取引をしたのか?」
『あぁ、私の兵隊共に実戦を積ませるため、オタクランドを攻撃させてもらった。全く、せっかく集めた兵隊共を吹き飛ばしやがって…』
これにバルトルトは、自分の私兵部隊の実戦を経験させるためにオタクランドを攻撃したと、ブラックナイトスコードのコクピットのハッチを開けて姿を晒しながら答えた。その姿は金髪碧眼の長身の男であり、ヴィクトールより身長は十センチほど高く、身体は軍人のように筋肉質であった。普段は貴族の振る舞いをしていないのか、自身の私兵らを吹き飛ばしたターニャたちに悪態を付きつつも、相手がいるのか、貴族らしく自己紹介を行った。
「遅れて申し訳ない、私はバルトルト・ジルヴェスター・フォン・ライン・ファルツ。異世界の貴族だ。私の
ターニャに向け、バルトルトは自分のフルネームを名乗った後、異世界より来た貴族であると明かす。そのついでか、自分が捕まえているヴィクトールのことも伝える。
「この私がヴィクトリア・フリーデリーケ・フォン・ライン・ファルツ。貴方が先ほど殺害したドライツェーンとフェアツェーンと同じクローンです。バルトルト様の姉上の遺伝子を使って人工子宮で生み出されました。私のことはアインズとお呼びください」
「お前、なに勝手に名乗ってんだ? まぁいい、話を戻すか」
次に別のブラックナイトスコードに乗る先の双子と同じ容姿、即ちクローンであるヴィクトリアはハッチを開け、聞いてもいないのにターニャに向けて自己紹介を始めた。これにバルトルトは睨み付けるが、大したこともないので水に流し、オタクランド首都の現状を語り始めた。
「今のオタクランドは無政府状態だ。なんたって、暴力を独占している軍や警察などの公的機関を、俺たちがぶっ潰しちまったからな。今頃、圧政から解放された国民の皆様は、無政府状態を楽しんでいることだろう。ついでに未払い続きの出稼ぎの移民も、故郷の為に金目の物を略奪してるな」
「偵察中隊、直ちに首都を偵察しろ!」
恐ろしい混乱状態なのに対し、バルトルトは楽し気に首都の無政府状態ぶりを語っていた。その口調から貴族らしさは消えており、まるでやくざ者の口調である。冗談にも聞こえそうだが、ターニャは念のために戦闘団の指揮下に入れている偵察部隊に、首都を偵察してくるように告げた。それが聞こえていたのか、バルトルトは偵察だけで良いのかと問う。
「おいおい、偵察中隊だけで良いのかよ? そいつら見たら驚くだろうな、首都の無政府状態ぶりを。確かイヴ人の奴隷もいたな。急がないと、無法者共にレイプされちまうぞぉ」
「戦闘団全隊へ! 戦闘は中止しているな!? 後方部隊は負傷者と墜落した機の生存者を回収しろ! 残りは私と共に、首都へ急行せよ!」
悠長に偵察を行っている状況でないことも相手の答えも聞かず、煽るように告げた。その際のバルトルトの表情は、相手のことを侮辱しているような物であったが、先ほど見てきたかのような口調なので、ターニャはそれが真実だと思い、後方部隊に負傷者と生存者の回収を命じ、戦闘可能な部隊と共に首都へと全速力で向かった。
これがバルトルト等が逃げるための作戦だが、ターニャは一目見るだけで、彼が本気で実行する男であると見抜いており、首都の無政府状態が事実であると理解できるのだ。
当然、バルトルトを初めとする配下のヴィクトールとヴィクトリアは、無政府状態を生み出すためにオタクランド首都の軍や警察などの施設を破壊していた。自身らが逃げるためであり、ターニャらの戦闘団を治安維持のために向かわせるためである。もっとも、余りのヴィクトールたちの強さに、政府機関を初めとする行政や軍、治安維持機構の警察等は、守るべき市民を見捨てて逃げ出してしまっているが。それでも、無政府状態を作り出すことに成功していた。
『こちらハーゼ。首都内で多数の黒煙と銃撃戦を確認! 軍や警察の存在は確認できず! 市民らが暴走! 無秩序です!』
「やはりそうか! 逃げるために、首都を無政府状態にするとは! やってくれる!」
先行して送った偵察隊から、首都の無政府状態ぶりを知ったターニャは、バルトルト等に構っている暇は無いと理解し、保護対象を守るため、配下の戦闘団と共に急いで首都へ向かった。
「ふぅ、あいつとマジで
ターニャが戦闘団の足の遅い部隊を残し、残りの戦闘部隊を率いてオタクランド首都へ向かったのを見て、バルトルトは読み通りに動いたことに安堵し、額の汗を拭った。
能力だけの新百合帝国軍の作戦指揮官と交渉、念のために残っている軍や警察を排除し、取り残された市民らを扇動して無政府状態を生み出したことが功を奏した。ターニャが命令に忠実でなければ、バルトルトらは相手の経験と圧倒的な力の前に敗北し、死亡していた。安全が確保できた後にコクピットへ戻り、ヴィクトールを拘束していた右手を開放する。
『何をするんです! 奴は妹たちの仇なのですよ!?』
「おいおい、直接
『私の魔力とアコードの力なら、あの悪魔でも殺せます!』
「青二才が! 誰に貰った力だと思ってんだ!? 自分の力だと思って粋がってんじゃねぇぞ!!」
解放されたヴィクトールは、バルトルトの脳内に直接入り込み、あの二人のクローンの仇をなぜ見逃すのかと怒鳴る。頭の中で怒鳴られたバルトルトは、機嫌を悪くしながらも注意するが、感情的になっているヴィクトールは聞かず、彼の頭の中に入った能力と魔力でターニャを倒せると宣った。これにバルトルトは激怒し、誰に貰った力だと思っていると怒鳴り、再び機体の右手でヴィクトールを強く掴んだ。
『グッ…!? も、申し訳ございません! 全てバルトルト様が授けてくれた物です! 私が、私が感情的になり過ぎました!』
「それで良いんだよ、お前は大事な後継者だからなぁ。少しは頭が冷えたか? 重要な作戦が控えてんだ、無理すんな」
この暴力的な手段と一瞬の殺意を込めることで、ヴィクトールは恐怖してバルトルトに服従した。相手が謝罪した後、機体の右手を緩めて解放し、バルトルトは大事な後継者と言って落ち着かせる。
『ファルツ司令官。全軍の集結、完了しました。いつでも撤退できます』
「よし、我々も直ぐに合流する。その後、次元転移装置作動し、元の世界へ帰るぞ」
『
その後、安全な後方へ配置していた司令部より、全攻撃部隊が撤退地点まで集結したことを知らせる無線連絡が入った。これにバルトルトは、自分らの合流後に次元転移装置を起動させるように指示すれば、司令部は応じて無線を切った。
その後、バルトルトを初めとする通称ファルツの軍は、ターニャが居るこの世界からヴィンデル・マウザーが支配する自分たちの世界へと帰投した。
久しぶりにデグ様を書いた気がする。
次回も回想でございますぞ!