【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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佐鳴明人(さなる・あきと)
武士階級出身の大宇宙大和帝国軍の軍人。年齢23歳にして階級は海軍少佐。同盟軍全領域軍では特務大佐。
凄まじい技量の持ち主であり、大和帝国海軍の中では三番目に位置する程の実力。
が、非情に傲慢で自意識過剰な性格をしており、武士道精神を重んじる他のパイロットたちから毛嫌いされている。
同盟軍全領域軍に属する十指と呼ばれるスーパーエースパイロットの一人。
乗機は二式可変歩行型戦闘機「烈風」の専用機「村雨」

ジルベルト・ロードボルト
惑星同盟軍全領域軍に属する軍人。階級は特務大佐で第5特別機動師団の師団長。
一人称は某であり、武人の様な性格であるから、同盟軍内では人気が高い。敵方の連邦軍内からは恐れられ、「中指(ファックフィンガー)」と言う畏怖や侮辱的な仇名で呼ばれている。
明人と同じく、同盟軍全領域軍のスーパーエースパイロット集団「十指」の一員。
乗機はデスティニーガンダム
キャラ原案はオリーブドラブさん

十指
オリーブドラブさんのガンダムの二次創作「烈火のジャブロー」に登場するジオン公国軍の十人のエースパイロットからなる集団。この二次創作では、同盟軍全領域軍の一騎当千のスーパーエースパイロットの集団となっている。
十指に属するパイロットは、赴いた戦線の部隊やその物資を好きに使用できる権限を与えられている。その権限を持つことから、前線部隊からはジルベルトを除き、余りいい顔をされていない。
尚、十指の指揮官であるレゾルグ・バルバを初め、裏から世界を支配するヴィンデル・マウザーの息の掛かった者たちで構成されている。
現時点のメンバー
レゾルグ・バルバ特務大将
佐鳴明人特務大佐
ジルベルト・ロードボルト特務大佐
ゲオルグ・トリケラ特務少将
エリート(サンヘイリ)の特務中将
ブルート(ジラルハネイ)の特務中将
その他四名のパイロット


ヘルガーンへ 後編

 戦果を横取りせんとする連邦軍の司令官たちの心情を利用し、自軍の損害を最小限にしたアレックス・グレイ長官のISAヴェクタ連合艦隊は、惑星ヘルガーンの衛星軌道上まで進軍した。

 先に進軍した連邦軍の第1連合艦隊は、未だ交戦中である。後方で大和帝国海軍の機動艦隊に襲われていた補給船団は、ISAヴェクタ連合艦隊より送られた援軍により、護衛艦隊こそ壊滅的損害を受けたが、ほぼ無傷で済んだ。

 別の方面からも連邦軍を初め、ヴェクタ植民地政府の要請で他の植民地惑星のISAやUCA海軍、UNSC海軍による陽動攻撃が行われており、ヘルガーンに防衛線を展開するヘルガスト海軍と惑星同盟軍の派遣軍を圧力を掛けていた。

 

「ヴェクタン共は何処だい? ISAつっても、他の星の奴じゃないか」

 

 別の方面でISA海軍の部隊を見付けた赤褐色の専用ザクⅣを駆るビアンナ・ドバルドであったが、所属マークでヴェクタではないと気付く。それでも撃墜スコアを稼ぐため、散会して攻撃してくるジムⅣの等に、傘下のローグレッド隊と共に攻撃を行う。

 一斉攻撃を行うビアンナらのザクであるが、新型のジムを駆るISA海軍のパイロットたちは、機種転換訓練を受けて機体を身体に馴染ませているのか、初撃を躱して反撃してくる。

 

「あいつ等が噂のローグレッドって奴らか! 二週間の機種転換訓練の成果、見せてやるぜ!」

 

『敵機一機に対し二機で攻撃! こいつらは俺たちが抑えるぞ!』

 

 ビアンナのローグレッド隊と交戦したISA海軍所属のグリーンカラーのジムⅣ部隊は、二週間の機種転換訓練の成果を見せるべく、標的にしたザクⅣにビームライフルを撃ち込んだ。二機一組で一機を攻撃し、その対応を困難とする攻撃でザクを一機撃破することに成功する。右肩にキャノンを装備したキャノンタイプのジムは、届かない位置から中距離支援砲撃を行い、ローグレッド隊の動きを封じていた。

 

『隊長、連邦の奴らとは違うぜ!』

 

『こいつ等、機体を馴染ませてら!』

 

「へぇ、性能を限界まで引き出してるようだね。面白い!」

 

 ジムⅣとは何度か交戦しているローグレッド隊であるが、ISAのパイロットたちの練度を知り、互角以上の戦いを強いられる。性能に頼った戦い方をする連邦軍のパイロットとは違う熟練の動きをするジムに、ビアンナは手応えを感じて交戦を開始する。機動力が低いジムキャノンの方に行こうとするザクⅣも居たが、突破は許されず、護衛のジムやキャノンが持つ自衛火器によって撃破された。

 そのISAの部隊はUCAと連合部隊であり、艦隊からはジェガンJ型やダガーLと言った型落ちとも言うべき機動兵器を多数展開していた。ビアンナ率いるローグレッド隊とは交戦せず、無茶な攻撃はせず、指示された通りに同盟軍の防衛戦に向けて陽動を行う。

 

「UCA!? あの攻撃、こっちを誘ってるのかい!?」

 

 二機一組となって攻撃してくるジムⅣの攻撃を避けつつ、ビアンナはUCAの存在に気付いた。直ぐに向かおうとするが、二機のジムの連携攻撃に阻まれ、近付けない。

 

『貴様ら、蛮紅隊(ばんこうたい)だな!? ヴェクタ人共の発見を知らせぬとは、不届き者め!』

 

「ちっ、横取りに来たのかい!」

 

 ISAのジムⅣによる連携攻撃で、苦戦を強いられるローグレッド隊の元に、大宇宙大和帝国海軍の部隊が到来した。これにビアンナは舌打ちをする中、大和帝国軍の四隻の駆逐艦と一隻の軽巡洋艦からなる戦隊は艦載機を展開し、ISAとUCAの連合軍に攻撃を仕掛ける。大和帝国軍の指揮官は陽動に引っかかており、ISAをヴェクタの方だと思い込んでいた。

 

「フハハハッ! ISAにUCAの雑兵共、この佐鳴明人(さなる・あきと)の名を、その身に焼き付けろ!!」

 

 軽巡より発艦した可変MSの烈風、それも専用機である村雨を駆る佐鳴明人海軍少佐は、MA形態で複数のジェガンを立て続けに撃破した後、機体をMS形態へ変形させ、ムラサメ改に酷似した姿を晒した。

 

「が、ガンダムか!?」

 

『あれ、ガンダムじゃないのか!?』

 

 烈風の原型機はムラサメ改であるが、それを運用する大和帝国軍を初め、敵方のISAやUCAの将兵たちはその存在を知らない。乗っている明人でさえ、烈風がムラサメ改をベースとして開発された真実を知らないだろう。

 ISAやUCAのパイロットたちが明人の専用機である村雨の姿を見て驚きの声を上げる中、それを駆る海軍少佐は、自身が最強のパイロットであることを誇示すべく、凄まじい挙動で敵軍に迫った。

 

「フン! その程度の攻撃で、この俺を殺せるとでも思っているのか!?」

 

 攻撃してくる敵軍に明人は鼻で笑い、それを躱しながら接近し、手に持っている高火力のビームライフルで次々と撃ち落としていく。反撃するUCAの機動兵器らであるが、凄まじい挙動の村雨に全く当たらず、ライフルで撃ち抜かれるばかりだ。

 

「死ねェ!」

 

 恐れて逃げようとするアデルMk-Ⅱに対し、明人は逃すことなく腰から素早く抜いたビームカタナを背中に突き立て、コクピットを貫いた。貫かれたアデルMk-Ⅱは、機能を停止する。無論、明人は無駄にすることなく、他の敵機からの攻撃の盾にして、爆発寸前のその残骸を投げ付け、目晦ましに使う。

 

「やったか!?」

 

『馬鹿め、ここだ!』

 

「うわっ!?」

 

 味方の残骸の爆発で、明人の村雨を仕留めたと勘違いしたUCAのパイロットであるが、目前に撃破したはずの敵機が現れ、ビームカタナで真っ二つに切り裂かれた。

 

「なんだあいつは!? ブシドーじゃないぞ!」

 

『クランシェを奴にぶつけろ!』

 

 単独でUCA海軍の機動兵器部隊を圧倒する明人の村雨に対し、ISA海軍の部隊はその救援に可変MSであるクランシェの小隊を差し向けた。四機のクランシェは飛行形態のまま編隊を組み、ドッズライフルを撃ちながら量産型ヒュッケバインMk-Ⅱを撃破した村雨に攻撃する。この攻撃に明人は嘲笑いながら躱し、村雨をMA形態へと変形させ、同じ土俵で迎え撃つ。

 

「変形しただと? 包囲して叩き潰せ!」

 

 変形してこちらを迎え撃とうとする村雨に対し、クランシェ小隊の隊長は、部下に包囲して潰そうと散会した。こちらに背を向ける村雨に、隊長機が追って他三機が包囲しようとするが、敵機はMS形態に変形して反撃してきた。

 

「正気か!? 戦場で止まるなど!」

 

 MS形態に変形して動きを止めた村雨に、クランシェ小隊は一気に叩き潰そうとしたが、明人はそれらを容易く返り討ちにする技量を持ち合わせており、瞬く間に一機を撃破した。

 

「なっ!? 馬鹿な!?」

 

『隙だらけなんだよ!』

 

 一機を撃破されたことで、クランシェ小隊は浮足立ってしまった。その隙を突かれ、一気に二機が撃破され、残りは小隊長のクランシェカスタムのみとなる。

 

「クソっ、舐めるなぁ!」

 

 ライフルを使わずにビームカタナを抜いて接近してくる村雨に、小隊長はビームサーベルを抜いて斬りかかったが、斬撃を見切られ、十数回も切り刻まれた。

 

「手応えがねぇな。デカいのをやるか」

 

 クランシェ小隊を全滅させた明人は、次なる標的をUCA海軍のフリゲート艦に定めた。護衛のジェガンやダガーL数機が迎え撃つが、恐ろしい技量を持つ明人の村雨を止めることは出来ず、次々とビームライフルで撃ち抜かれていく。

 

「か、艦載機全滅!」

 

「接近中の敵機を追い払え! 集中砲火だ!」

 

 通信手から護衛機の全滅を知らされれば、フリゲート艦の艦長は対空弾幕を厚くするように指示を出す。フリゲート艦は対空機銃のみならず、単装砲や対空ミサイルまで放って止めようとするが、明人の村雨はそれを全て躱しながら接近してくる。

 全弾躱し切った明人はフリゲート艦の武装のみを破壊し、嬲り殺すように抵抗力を奪っていた。武装をほとんど破壊されたフリゲート艦は直ぐに逃げようとするが、明人はそれを逃さず、艦橋をライフルで撃ち抜き、更にはエンジンまで破壊してフリゲート艦を行動不能にした。生き残った乗員たちは、脱出し始める。

 

「おっと、逃げる気か? この佐鳴明人の前で、背を向けて逃げ出すとはな!」

 

 脱出艇やポッドに乗り込んで動けないフリゲート艦から脱出する乗員らに対し、明人は笑みを浮かべながら頭部バルカン砲を撃ち込み、脱出艇やポッドを次々と破壊していった。

 

『佐鳴中佐殿、明人少佐殿が敵艦の脱出艇やポッドを!』

 

「フン、佐鳴家の面汚しが! 貴様らは奴を見習わんでいい!」

 

 この明人の行動は、味方である大和帝国軍の将兵たちにも目撃されていた。その中に明人と同じ佐鳴家の者がいたのか、家の面汚しと言って毛嫌いしていた。

 

「おいおい、お偉いさんが乗っちゃいないってのに」

 

 ローグレッド隊のビアンナにも明人の蛮行は見えており、流石の彼女もフリゲート艦の脱出艇は撃破しないと口にし、ジムⅣの斬撃を避け、ザクマシンガンで背後を撃って撃破した。

 

「ハンッ、ブシドー様が聞いて呆れるね! 手負いの一匹如きに手こずるなんざ!」

 

 次に友軍の烈風が追い込んでいた手負いのジムⅣに狙いを定め、進路に向けて狙撃した。狙った通りにジムはビアンナのザクⅣの狙撃で撃ち抜かれ、火達磨になりながら爆散する。当然、狙っていた烈風のパイロットから罵詈雑言の罵声を受けた。

 

『き、貴様か!? 女の分際で俺の獲物を!!』

 

「女の分際? はん、何処の田舎者だ? 価値観が十数世紀も前なのかい?」

 

『おのれ! この俺を馬鹿にして…』

 

 性差別ともいえる罵声にビアンナは動じず、皮肉で返せば、相手は更に激昂して彼女のザクⅣにライフルの砲口を向けた。その隙を突かれてか、ジムⅣのスナイパータイプの狙撃をコクピット付近で受けた。実弾による狙撃であるため、計器類から火災が発生し、コクピット内はたちまち炎に包まれた。当然、烈風のパイロットは火達磨となる。自動消火装置は作動しているが、パイロットは既に全身大火傷を負っており、パイロットスーツは燃えた所為で機能しておらず、脱出できない。母艦に帰投して急いでコクピットから出さねば、助からない状況だ。

 

『アァァァッ!? 熱い! 熱い!! お母さん! お母さぁーん!!』

 

「はっ! 女の分際だなんてほざいておきながら、死に際におふくろの名を叫んでんじゃないよ!」

 

 無線機から烈風のパイロットの悲鳴が響き渡る中、ビアンナは動かない友軍機を掴み、それを盾にしながらISA海軍の駆逐艦まで接近した。

 

『な、何をする!? 少尉殿は重傷であられるのだぞ! 速く母艦へ!』

 

「煩いね! このお侍さんは(あたい)に銃を向けたんだよ! 味方に銃を向けた奴は、どうなるか教えてやらないとね!」

 

 重傷を負った味方を助けようとする大和帝国軍のパイロットにビアンナは、先ほどライフルを向けられたと返し、対艦ミサイルのハッチを開けた敵駆逐艦に向けてその烈風を投げ付けた。

 

『アァァァッ! お母さん! お母さん熱いよぉ!!』

 

「あんたの死は無駄にしないさ。お侍さんは喚き散らしてないで、自らの身をもって駆逐艦を沈めるんだね!」

 

『痛い、痛いよ! ここから出してよぉ! お母さん出してェ!!』

 

 自機の火力では全長六百メートルはある敵駆逐艦を沈めるのは苦労するのか、ビアンナはその烈風を起爆剤としたのだ。烈風を敵駆逐艦の対艦ミサイルの方へ投げ付ければ、腰のザクバズーカを取り出し、狙いを投げ付けた未だ激痛で泣き喚くパイロットが乗る機体に定めて撃ち込んだ。バックパックにロケット弾頭は命中したのか、烈風は大爆発を起こし、対艦ミサイルにまで誘爆して敵駆逐艦を轟沈させた。

 

『流石隊長! 敵駆逐艦が轟沈ですぜ!』

 

『貴様、よくも佐藤少尉を!』

 

「ありがとよ。それと大和帝国軍さんよ、あいつはもう助からねぇんだ。有意義のある死を迎えさせたアタイに感謝してほしいね」

 

 損傷した烈風を使って敵駆逐艦を轟沈させたビアンナに部下は感謝して大和帝国軍が抗議する中、彼女は後者に有意義のある死を迎えさせた自分に感謝しろと返し、戦闘を継続した。

 

 

 

 ISAヴェクタ海軍連合艦隊が惑星ヘルガーンの衛星軌道上に到着する中、連邦軍の第1連合艦隊に、同盟軍全領域軍のスーパーエースパイロットが率いる援軍が到着していた。

 

「あ、あれは!?」

 

『が、ガンダム!?』

 

『あのマークは…!? 気を付けろ! 中指(ファックフィンガー)だ!!』

 

 同盟軍の派遣部隊とヘルガスト軍の守備隊と交戦している連邦軍の機動兵器らは、新たに迫る自分たちにしかないガンダムタイプのMSを見て驚愕した。

 それは黄色のデスティニーガンダムであり、左肩には右手のをエンブレムを付けていた。そのエンブレムを見た連邦軍のパイロットたちは、自分たちが恐れているスーパーエースパイロットであると気付く。

 

「ジルベルト・ロードボルト、推して参る!」

 

 連邦軍からは恐れられ、同盟軍からは英雄と呼ばれているジルベルト・ロードボルト特務大佐は、自身が駆るデスティニーのスラスターを吹かせ、激戦の戦闘宙域に参戦した。

 

「よし、奴はこちらに気付いていない! 主砲、当艦より四時方向から接近中のファックフィンガーのガンダム! ()ぇーッ!」

 

 マゼラン改級宇宙戦艦「キールン」の艦長であるティロは、こちらの存在に気付かないジルベルトのデスティニーに向け、先制攻撃を仕掛けるために艦砲射撃を行った。大口径の砲口より放たれたビームが迫るガ、ジルベルトは気付き、それを最低限の動きで躱して見せた。

 

「は、外れました!」

 

「馬鹿な! この長距離からの砲撃に気付くだと!?」

 

 デスティニーからは探知できない距離からの長距離砲撃に対し、避けられたことにティロは酷く動揺する。そんな彼にお構いなしに、ジルベルトは進路上に居る複数の連邦軍機からの攻撃を躱しながら、ビームライフルで次々と撃ち抜いていく。瞬く間に五機の機動兵器が破壊され、更に破壊されて三十秒で十数機が撃墜される。

 

「クソっ、こうなりゃ、ジャムル・フィン戦法でぶっ殺してやる! 行くぞ!」

 

 メビウス・ゼロを駆るゲオルグ・マッカートニーは、僚機のMAメビウス三機と共に味方機や味方艦を次々と撃破しながら迫るジルベルトのディスティニーに挑んだ。

 

「実弾主体のMA四機か。それにガンバレルタイプも。某を消耗させ、ビームで仕留める気か」

 

 ドレイク級護衛艦二隻をビームランチャーで仕留めたデスティニーを駆るジルベルトは迫る四機のMAに気付き、ランチャーを仕舞って応戦する。ビームライフルを撃ち込むが、高い機動力で躱され、ジャムル・フィン戦法を仕掛けられる。

 

「いくらフェイズシフト装甲でも、これだけ食らえば!」

 

 メビウス・ゼロを初め、メビウスも実弾攻撃主体であるが、エネルギーを消耗させるには十分であった。それに味方機も駆け付けているので、ジャムル・フィン戦法で動きを止め、後はビームを持つ友軍機に撃破してもらえばいい。そう思って攻撃するマッカートニーであるが、ジルベルトの技量はそれをはるかに凌いでいた。

 

「貴様らの戦法、見破ったり!」

 

『何っ!?』

 

 包囲しようとしていたメビウス二機に向け、左右両肩に装備されたビームブーメランを投げて二機同時に撃破した。僚機を破壊され、ジャムル・フィン戦法は破られたので、マッカートニーは激しく動揺し、残った一機の僚機と共に動きを止めてしまった。ジルベルトはそれを逃さず、頭部バルカン砲でメビウスを破壊する。

 

「戦法を破られ、動揺したか。それに狼狽えるとは、笑止!」

 

『う、ウワァァァッ!?』

 

 最後の僚機を仕留め、目にも止まらぬ速さで自機に迫ったジルベルトのディスティニーに、マッカートニーはただ恐怖して絶叫するしかなかった。そのままデスティニーに掴まれ、至近距離から右手の掌にあるビーム砲を撃ち込まれて撃破された。ジルベルトは止まらず、邪魔な敵機を片付けながらネルソン級宇宙戦艦「タケオ・ヒロセ」を旗艦とする護衛戦隊に襲い掛かる。

 

「と、当戦隊の艦載機、全滅!」

 

「敵機、来ます!」

 

「う、撃ち落とすんだ!!」

 

 メビウス・ゼロを破壊された挙句、艦載機全てが撃破されたことで、タケオ・ヒロセの艦長であるムザストロは激しく動揺していた。対空弾幕を張るタケオ・ヒロセと四隻のドレイク級に、ジルベルトは容赦なく接近し、ビームと実体の刃を持つ長刀を取り出し、弾幕を躱しながらドレイク級を次々と切り裂いていく。

 

「ぜ、全艦が…!?」

 

「そんな馬鹿な!? あり得ん! こんな事をあろうなどと…!」

 

 瞬く間にドレイク級四隻を沈めたジルベルトのデスティニーに、ムザストロは恐怖してろくな指揮も取れなかった。そんなタケオ・ヒロセに、ディスティニーは容赦なく長刀を振り下ろした。

 

「ワァァァッ!? これは悪い夢だ! 悪い夢…」

 

 余りの恐怖に現実を受け入れられず、ムザストロは乗艦のタケオ・ヒロセごと艦橋を切り裂かれ、艦と運命を共にした。

 

「他愛もないが、某が途中で参入したからか?」

 

 あれほどの敵機と敵艦を撃破したにも関わらず、ジルベルトは息一つ切らしていなかった。機体性能とジルベルトの技量が合わさった所為か、圧倒的な戦闘力を有してしまったようだ。

 

「畜生、ファックフォンガーが!」

 

 そんなジルベルトのデスティニーに対し、勇敢に挑んだのはスコット・ナジマのジムⅣハイブースト・タイプであった。高い機動力で迫り、ビームライフルを連射して来る。

 

「あの動き、相当な手練れと見える。少しは楽しめそうだ」

 

 スコットのジムⅣの動きを一目見るだけで、ジルベルトはただ者でないと判断し、手応えを感じて交戦を開始した。

 

「ヴェクタは? ヴェクタの奴らは何処だ?」

 

 別戦線で連邦軍やUCAの陽動部隊を粉砕していたヘルガスト軍のメール・ラデックは、乗機のレジェンドガンダムを駆って敵機を粉砕しながら連邦軍の連合艦隊に迫っていた。ライフルで何機か撃破した後、ドラグーンを展開して複数の敵機を破壊し、一隻のサラミス改級を沈めた。

 

「あのオールレンジ攻撃は!? クソっ、やるしかねぇ!」

 

 ラデックのレジェンドに対し、メッツラーのスタークジェガンは三機のジェガンJ型と共に挑んだ。オールレンジ攻撃対策として、ドラグーンを散弾式ロケットで攻撃しようとする。これにラデックは、ドラグーンを狙っていることに気付き、直ぐに戻した。一基撃破されたが、戦闘に支障はない。

 

「ドラグーンを狙うのか! やるな!」

 

『オールレンジ攻撃を止めた? それなら、やりやすい!」

 

 対応が取り辛い方向から攻撃するジェガン三機の攻撃を躱しつつ、ラデックは素直にメッツラーたちを褒めた。相手がオールレンジ攻撃を中止したことにメッツラーは疑問を抱いたが、通常ならやりやすいと言って、ビームサーベルを抜いて僚機のビーム攻撃が止むのを待った。

 

「封じられても、こういう使い方もある!」

 

 包囲されながらも、ラデックはドラグーンを本体に装備したまま攻撃を行い、一機のジェガンを仕留めた。

 

『本体に装備したままだと!?』

 

「隙あり!」

 

 予想だにしないドラグーンの使い方に、メッツラーは驚愕する。他の二機も動きを止めたので、ラデックはその隙を逃さず、ジェガン二機を瞬く間に仕留める。

 

「クソっ、良くも!」

 

 僚機を全て撃破され、激昂したメッツラーのスタークジェガンはビームサーベルの刺突突撃を行うが、済んでのところで躱され、素早く引き抜かれたビームジャベリンで切り裂かれて撃破される。

 

「戦法は良いが…呆気ないな」

 

 メッツラーたちの戦法は褒めるも、破られた際の対応の遅さに呆気ないとラデックは評し、ティロのキールンを初めとする戦隊に襲い掛かった。

 

「メッツラー隊を壊滅させたガンダムタイプ、こちらに接近!」

 

「こちらに来させるな! 撃ち落とせ!!」

 

 迫るラデックのレジェンドに、決死の対空攻撃を行うティロのキールンと僚艦であるが、前衛のサラミス改級巡洋艦三隻と十数機のジェガン、ヘビーガン、Gキャノン、ジャベリンと次々とドラグーンのオールレンジ攻撃で撃破されていく。やがてキールンの方まで接近すれば、展開したドラグーンで僚艦や護衛機共々全て粉砕した。

 

「ダァァァッ!?」

 

 艦橋の真上からドラグーンのビームを撃ち込まれたティロは、ビームに焼かれて消滅する。その後、しぶとく稼働していたキールンは、立て続けに何発もビームを撃ち込まれて沈黙した。残りの戦隊の残余は、指揮系統を失って敗走する。

 

「この中にISAの艦艇が一隻も無いとは…!」

 

 連邦軍の連合艦隊の中に、ISAの艦艇がいないことに苛立つラデックは索敵を行えば、別方向に探していた敵部隊の反応を見付け、連邦軍の侵攻部隊が囮であることに気付く。

 

「ッ!? この連邦の艦隊は、囮か!」

 

 気付いた時には既に遅く、ISAのヴェクタ連合艦隊は惑星ヘルガーンへの侵攻を開始していた。地上から新兵器を初めとする迎撃が行われているが、ISAヴェクタは味方を囮にして戦力はほぼ無傷であり、数が多すぎるために迎撃が間に合わず、損害に構わない強行降下で、第一陣の地上への展開を許してしまった。

 

「あろうことか、ヴェクタの者共の侵入を許すとは! ヴェサリ老に申し訳立たん! 地上で奴らを殲滅してくれる!!」

 

 敬愛するヴェサリ老の元に、ISAヴェクタの侵攻を許したラデックは激怒し、惑星ヘルガーンの地上で迎撃すべく、戦線を離脱して母艦へと帰投した。




またオリーブドラブさんのキャラを借りちまったよ…。
レゾルグも登場予定でしたが、尺不足でね。取り合えず、惑星エルドアに現れますわ。

次回からやっと原作入りだわ。最初は、マーセナリーにするか、2のコリント川にするか。迷うな。

それと、連載四周年記念と言うことで、性懲りもなく応募企画始めました。
是非ともご応募してください。
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