【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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陣営:同盟軍
名前:ナクタル・ハーウェイ
性別:男
年齢:22
階級:少佐
乗機:ノイエ・ジールⅡ
概要:同盟軍所属のマイペースな青年。おっとりとした性格で味方と認識した相手には奇策かつ穏やかに接する。虐殺を好まない良識はあるが、戦争自体をゲームとして楽しんでいる節があり、非戦闘員には手を出さないが、敵機を撃墜した際は点数で数えるバトルジャンキー。
キャラ提供は虚無の魔術師さん

陣営:同盟軍
名前:ラウディ・ムルアノ
性別:男
年齢:33歳
階級:中佐
乗機:アマクサ
概要:下っ端とはいえヴィンデル・マウザーの手下。なお本人と会ったことは一度もない模様。
一年戦争末期のアムロ・レイの戦闘データが詰まったコンピューターを内蔵したアマクサを与えられ、各地で転戦した後に対アムロ用MS部隊の隊長として差し向けられた。

陣営:同盟軍
名前:グラン・ヴァルザーク
性別:男
年齢:28歳
階級:大尉
乗機:クィン・マンサ
概要:スパルタンにいらない興味を持ち出した同盟軍の科学者が作り出した強化人間。とはいえパイロットをぶち壊すような改造はしたくなかったのか、特殊な訓練による空間認識能力の拡張と基礎体力の強化が行われたようだ。
キャラ提供は神谷主水さん

陣営:同盟軍
名前:エリカ・フォン・シュレースヴィヒ
性別:女
年齢:18歳
階級:大尉
乗機:GQuuuuuuX(ジークアクス)
概要:同盟軍の有力なニュータイプ部隊のパイロット。アムロのストーカーのメンヘラ。
ジークアクスは、ファンネル8基を同時に運用可能。原型機はヴィンデル・マウザーがどこかの世界で調達した使徒。ガンダムの装甲を被せてガンダムにしている。
ヴィンデル・マウザーから同盟軍参謀本部を介した命令を受け、ロンド・ベルの攻撃に向かう。

名前:フリードリヒ・フォン・ホルシュタイン
性別:男
年齢:33歳
階級:少佐
乗機:ザクⅣ(フリードリヒ・フォン・ホルシュタイン専用機) ミーティア装備
概要:有力なニュータイプであるが、二十代の女性をババア呼ばわりするロリコンって言うか、性的対象として見るカス。
専用のザクⅣは、ジークアクスに登場する別世界のザクのような見た目であり、少佐という階級であるのか、乗機には角が付いている。
ミーティアを装備して出撃し、ロンド・ベルに襲い掛かる。
キャラ提供はGー20さん


参上!鋼鉄ジーグ!

 ロンド・ベル出現の報を聞いたヴィンデル・マウザーは、それを排除すべく、刺客たちを続々と惑星ヘルガーンに送り付けていた。

 連邦軍のみならず、同盟軍にも対ロンド・ベル戦への出撃命令が出ていた。これは、この世界を陰から支配するヴィンデルが、両軍の参謀本部に命令を伝達したからである。

 ヘルガーン付近に展開する同盟軍部隊に属するナクタル・ハーウェイと呼ばれる若い少佐がその命令を受け入れ、愛機があるハンガーへと向かう。

 

「この部隊、面白れぇな」

 

「は? 博物館送りの機体が多いようですが…中身は別物でしょうか?」

 

「いや、違うね。一人ひとりが強いんだよ、この部隊は」

 

 事前に提示された情報を確認したナクタルは、面白いと評する。これを理解できない整備長は、自軍の現行機を圧倒するロンド・ベルの機体が、中身は別物ではないかと疑う。そう思うのは無理も無いだろうが、ナクタルは一人ひとりの技量が凄いことを見抜いていた。

 

「まっ、連邦の奴らも手練れを送り付けて攻撃してんだろ。俺も奴らとつるんで、叩いて見せるさ」

 

 その整備長にロンド・ベル全員が強いと告げた後、ナクタルは情報端末を投げ渡し、自身の乗機であるMAノイエ・ジールの後継機で、ファンネルなどのサイコミュ兵器搭載機であるノイエ・ジールⅡに乗り込んで出撃した。

 

「ようやく、アムロ・レイと戦えるか!」

 

 同盟軍内で命令を受けたのは、ナクタルだけではない。

 木星帝国が開発したMS「ジュピターガンダム」ことアマクサを駆るラウディ・ムルアノ中佐もその命令を受け、既に乗機に搭乗していた。

 ラウディはヴィンデル・マウザー一派に属しているのだが、下っ端の為か、本人には一度も会ったことは無い。彼はこれを昇進の機会と捉え、一年戦争時のアムロ・レイの戦闘データを元に開発したバイオ脳を搭載しているアマクサで、本物のアムロ・レイを倒して昇進しようと目論んでいた。

 

「一年戦争時のアムロ・レイの戦闘データが搭載されたこのアマクサで、本物のアムロ・レイを討って昇進してやる!」

 

 あの頃のアムロが成長し、比べ物にならないくらいの技量を持っているはずだが、ラウディは一年戦争時こそアムロの全盛期であると捉え、当時より劣っていると思い込んでいたようだ。

 それにアマクサはラウディ機のみならず、一個大隊分が出撃を控えていた。その全てが、バイオ脳搭載機である。

 

「ムルアノ大隊、発進する!」

 

 管制官に出撃すると告げた後、アマクサの大隊を率いてラウディは出撃した。

 

「一年戦争時の頃とは違うってこと、あいつ、気付ているのかな?」

 

 MAのクィン・マンサに乗り込んでいる強化人間のパイロットであるグラン・ヴァルザークは、意気揚々と出撃していったラウディのアマクサに搭載されたアムロのデータが、古いことに気付いていない事を嘲笑っていた。

 

「俺のアムロ・レイの戦闘データは、第二次ネオ・ジオン抗争時の物だ。あの時に乗っていたMSはνガンダム。つまり俺こそが本命よ」

 

 対アムロ戦の本命が、νガンダム搭乗時のアムロのデータを持つ自分こそがとグランは自負する。

 事実、グランは第二次ネオ・ジオン抗争時のνガンダムに搭乗したアムロの戦闘データで戦闘訓練を重ねており、その全ての動きを見切っていた。

 

「あいつとその部下共には、かませ犬になってもらうとすっかな」

 

 出撃していったアマクサの大隊を、対アムロ戦のかませ犬と表したグランは、搭乗機のクィン・マンサで母艦から出撃し、その後へ続いた。

 

「もう直ぐ会えるね、アムロ…」

 

 同盟軍が対ロンド・ベル戦に投入するのは、特殊なMSやMAだけではない。ジオン製のガンダムであるジークアクスも投入しようとしていた。

 そのパイロットであるエリカ・フォン・シュレーヌヴィヒ大尉は、乗機のコクピット内でアムロの写真、それもロンド・ベル所属時の彼を眺めていた。ただ敵のパイロットに恋焦がれる少女にしか見えないが、エリカはアムロのストーカーであったのだ。

 上官であるフリードリヒ・フォン・ホルシュタインと恋人の仲であるが、その恋人であるフリードリヒは、十代の少女が恋愛対象であり、後二年ほどで成人の二十代になるエリカを捨てようとしていた。何年間つき合っているか不明であるが、エリカはフリードリヒが別れたがっていることに気付き、アムロに異様な執着を抱き、恋仲になれると思い、この接敵を楽しみにしている。

 

『分かっているな? ここでロンド・ベルを潰さねば、貴様の昇進は無いぞ』

 

「はっ! 分かっております!」

 

 部下であるエリカが乗機であるジークアクスに搭乗して出撃命令を待つ中、その上官であるフリードリヒ・フォン・ホルシュタイン少佐は、映像通信に映る人物に頭を垂れていた。

 映像に映る人物は、ロゴスの代表にしてブルーコスモスの盟主であるロード・ジブリールであった。ジブリールはフリードリヒの上司であるらしく、彼がロンド・ベルをここで叩かねば、昇進の機会は無いと忠告する。

 

『お前の性癖には呆れるが、実力は認めよう。エリカ(あれ)はアムロ・レイとやらに夢中だそうだな? お前とは恋仲であると言うのに』

 

「えぇ、まぁ…乗り換えようとしているみたいで…」

 

『フッ、察しはつくがな。ともあれ、あれがアムロ・レイのガンダムと接触すれば、どのようにするか理解できているな?』

 

「はっ。理解しております。接近戦を挑み、組み付いたところで…!」

 

『流石は貴族階級の者だ。一々言わなくとも、こちらの言いたいことを理解する。私もロンド・ベル殲滅に向かう。私が来るまでには、アムロ・レイだけは仕留めておけよ?』

 

「お任せください! ロンド・ベルの殲滅は保証できませんが、アムロ・レイさえ倒せば、後は雑魚ばかりです!」

 

『随分と鼻息が荒いことだ。本当に貴族育ちなのか疑わしい。では、期待は裏切るなよ?』

 

 ジブリールはエリカがアムロに恋焦がれ、異様に執着していることを知っており、フリードリヒに彼女のジークアクスがHi-νガンダムに組み付いた際に自爆させるように命じた。それをフリードリヒは承諾すれば、ジブリールは自分もロンド・ベル戦に参加することを伝え、来る頃にはアムロだけでも倒しておけと厳命する。

 これにフリードリヒは本性を曝け出して興奮し、アムロ打倒を必ず成し遂げると約束した。フリードリヒは貴族階級出身者であるが、本来は気性の荒い人物なのだ。興奮して言ったので、ジブリールは貴族育ちが疑わしいと眉をひそめたが、期待だけはしていると告げて通信を切った。

 

「紫唇野郎が…! テメェを蹴落として、その椅子に俺が座ってやるぜっ…!」

 

 通信が切れた後、フリードリヒは心の中で隠していたジブリールに対する憎悪を吐く。

 フリードリヒもヴィンデル・マウザー一派の者であるが、下っ端であり、同じく属しているジブリールに仕えていた。上司であるジブリールは、かなりの位に属しているらしく、フリードリヒを初めとする下っ端たちを見下している。この態度にフリードリヒは、ジブリールに憎悪と嫌悪を抱いていた。

 だからこそフリードリヒは、ロンド・ベルとアムロを討って昇進し、ジブリールが座っているその椅子を奪い取って成り代わろうと言うのだ。が、このフリードリヒの態度や言動からして、とてもその器に相応しいとは思えない。

 

「俺のザクの準備は済んでいるな!?」

 

『はっ! いつでも出撃可能です、大隊長殿』

 

「よし、ミーティアも出しておけ! 今度は強敵だぞ!」

 

 そんなフリードリヒは、自分のザクⅣの出撃が出来るかどうか整備班に通信で確認を取った後、確実にロンド・ベルとアムロを仕留めるべく、ミーティアの用意もするように命じた。

 

「よし、ホルシュタイン大隊、出撃する! 後に続け、シュレーヌヴィヒ大尉!」

 

『了解であります!』

 

 その後、フリードリヒは自分専用にカスタマイズしたザクⅣに乗り込んで母艦から発進した。

 それからフリーダムガンダムやジャスティスガンダムが装備するミーティアを装備した後、配下のザクⅣの集団と八基のファンネルを装備したジークアクスを駆るエリカらを引き連れ、ロンド・ベルの居る宙域へと向かって出撃していった。

 

 

 

「アムロ・レイのガンダムは見当たらないが…これはこれでやり易いが…」

 

 出撃し、ロンド・ベルが居る惑星ヘルガーンの軌道エレベーターまで到達したカンタムロボを駆るアーニャ・グレックスことアレキサンドロ・グレイ・マキシモフは、アムロのHi-νガンダムが居ないことに残念がっていた。

 既に連邦軍のミッドナイト・ナインボール率いる部隊がロンド・ベルと交戦中であり、突如となく現れたアーニャのカンタムロボを見て、部下と共に驚きの声を上げた。

 

「な、なんだあいつは!?」

 

『あれは、何かのスーパーロボットか!? 俺たちの存在が、余ほど鬱陶しいらしいな』

 

 MAエグザスでクン・ベーラ・ルーのシルヴァ・バレトと交戦中のミッドナイトは、カンタムロボに驚きの余り、視線をそちらに集中させた。敵であるクンも現れたカンタムロボに、この世界を陰から支配する者が送り込んだ刺客であると確信する。

 

「まぁ、驚くだろうな。では、好きにさせてもらうか!」

 

 連邦軍とロンド・ベルが驚く中、アーニャはお構いなしに両軍に向け、カンタムロボの両手からビームを乱射する。カンタムロボの指先から放たれるビームは強力であり、一撃で現行機や最新鋭のMSであるジムⅣを破壊してしまうほどの威力であった。ロンド・ベルのジェガンD型は耐え切れず、数機が被弾して爆散した。

 

「な、なんて威力だ!?」

 

『あ、あのロボットは、俺たちの味方じゃないのか!?」

 

 敵味方問わずビームを乱射して暴れ回るカンタムロボに、双方は混乱する。連邦軍からすれば、味方の陣地から来たにも関わらず、こちらを平気で巻き添えにするのだから、たまった物ではない。

 

『こちら、第17機動艦隊のナインボール中佐だ! 直ちに攻撃を中止せよ! こちらを巻き込んでいるぞ!!』

 

「フン、貴様らド低脳の指図など、受けるつもりは毛頭ないわ」

 

 味方を平気で巻き込むカンタムロボの攻撃を中止させようと、無線連絡で要請するミッドナイトであるが、三百年先の技術が詰まった脳を持つアーニャことアレキサンドロは、普通の人々を見下しており、全く聞かずに攻撃を続ける。その姿は女性科学者のアーニャであるが、腹に寄生しているアレキサンドロに意識を完全に乗っ取られていた。

 アレキサンドロの標的は、ロンド・ベルの旗艦ラー・カイラム。それ以外に興味を持つとすれば、アムロのHi-νだけである。

 

「敵特機、こちらに来ます!」

 

「こんなにも早く来るとは! 弾幕を張れ! アムロか援軍が来るまで、持ちこたえろ!」

 

 カンタムロボのようなスーパーロボットが来ることは、ブライトも承知であったが、こんなに早く来るとは想定外であったようだ。アムロか援軍が来るまで持たそうとするが、アレキサンドロのカンタムロボは、艦砲射撃の弾幕をものともせずに高速で迫る。

 

「そんなちゃちなビーム弾幕で、このカンタムロボ装甲を打ち破れるものか! やはりロンド・ベルもド低脳の集まり! 一気に沈めぇーっ!!」

 

 ラー・カイラムやクラップ級らの主砲であるメガ粒子砲攻撃は強力であるが、アレキサンドロのカンタムロボの装甲は強固であり、全く止められないどころか、傷一つ付かないほどであった。

 ロンド・ベルを自身が見下すド低脳と決めつけ、アレキサンドロは一気にとどめを刺そうとしたが、そこにロンド・ベルの援軍が現れた。それは、鋼鉄ジーグのサポートメカ、ビッグシューターであった。

 

「うぉ!? な、何者だ!?」

 

 ビッグシューターから放たれるミサイルに驚いたアレキサンドロは思わず動きを止め、ビッグシューターの方へ視線を向ける。

 

「ビルド・アーップ!」

 

 カンタムロボが視線を向けたビッグシューターから飛び出した物がもう一つあった。それは、サイボーグである。空気の無い無重力空間の宇宙へ飛び出したサイボーグは、掛け声と共に身体を丸めれば、なんと不思議なことか、それが頭部へと変わった。

 

「さ、サイボーグが頭部になった!?」

 

 これには流石のアレキサンドロも驚きの声を上げ、思わず止まってしまう。

 そんな驚くアレキサンドロと止まったカンタムロボを余所に、ビッグシューターから放たれる上半身や下半身、手足のパーツが磁石の力で一つに纏まれば、ロボットの身体となる。そして、そこへあの頭部がロボットの身体に取り付けば、マグネロボット「鋼鉄ジーグ」となった。

 

「待たせたな、ブライトさん! 鋼鉄ジーグ、ただいま参上だぜ!」

 

 

 

 司馬宙(しば・ひろし)こと鋼鉄ジーグは、ラー・カイラムのブライトに向けて来たことを告げた。これにブライトは感謝の言葉も述べず、遅いと激怒する。

 

『遅いぞ! 何やってんの!』

 

「おいおい、これでも急いできたんだぜ! まぁ良いさ、ヒーローは遅れてやってくるもんだ! 遅れた分は、そこの緑の木偶の坊をスクラップにして帳消しだ!」

 

 そんなブライトに言い訳した後、鋼鉄ジーグはアレキサンドロのカンタムロボを指差しながら倒して帳消しにすると宣言した。

 

「このカンタムロボをスクラップにするだァ~? フハハハッ! その程度の玩具で、このカンタムロボをスクラップにするとは。貴様の頭には脳が詰まっているのではなく、ビチグソでも詰まっているのかァ?」

 

 この鋼鉄ジーグの宣言に、アレキサンドロは下品に笑い、ジーグの脳にはビチグソが詰まっているのかと下劣に問う。

 

「けっ、俺の頭の中はうんこじゃなく、正真正銘、人間の脳みそだぜ! これでも、頭を使う仕事はしてんだ! その口調、おまえ女じゃないな? まぁ、んな(きた)ねぇ言葉使いな女も居るがな!」

 

『貴様の脳みそがビチグソかド低脳かどうかは関係ない! このわしに向かって、便所のネズミのクソ以下の言葉を吐いた貴様をなど、即刻処分してやるわ! 死ねぃ!!』

 

 そんな下品の言葉に、自分の脳は人糞ではなく人間の脳みそであると答える。アレキサンドロの口調が寄生しているアーニャとは思えない口調であるが、汚い言葉遣いの女性であると判断した。

 自分のカンタムロボをスクラップにすると宣言する鋼鉄ジーグに、アレキサンドロは叩き潰すべく、乗機の両手から強力なビームを乱射する。凄まじいビームの弾幕であるが、ジーグは怯まず、司馬宙の性格の通りに果敢に挑んだ。

 

「んなションベン見てぇなビーム、当たるかよ!」

 

 ビームを躱しながら迫るジーグは、敵が下品な言葉遣いをするなら自分もと思い、乱射されるビームを小便と表して頭部からビームを発射する。

 

「ジーグビーム!」

 

『フン、貴様の方がションベンだわ!』

 

 が、ジーグビームはカンタムロボの強靭な装甲の前には、全くの無力だった。返す言葉ということか、アレキサンドロはカンタムロボ大きな手でジーグを叩いた。

 

「うぉ!? 何度も食らえば、こっちがスクラップだぜ! ビームで駄目なら拳骨だ! ナックルボンバー!」

 

 カンタムロボの叩きを何度も食らえば危険と判断してか、迂闊に近付かないことにして距離を取り、両手を組んで拳を飛ばした。無論、これも重装甲の前には効かない。

 

「こいつも効かないのか!?」

 

「遊んでいるのか? ロケットパンチという物は、こういう物だ!」

 

 ナックルボンバーを弾いたカンタムロボは、お返しにロケットパンチを撃ち込んだ。凄まじい速度で放たれるロケットパンチに、ジーグは避けきれずに諸に受けてしまう。

 

「うぉぉぉっ!?」

 

「ハハハッ! それで良くもこのカンタムロボをスクラップにするなどとほざけた物だ! スクラップになるのは貴様の方のようだな!」

 

 ロケットパンチを受けて傷付くジーグを見て、アレキサンドロは嘲笑い、トドメの一撃を見舞おうとする。このアレキサンドロが駆るカンタムロボに対し、ジーグは必殺技を使うことを決意する。

 

「けっ、スクラップになるのはテメェの方だぜ! マグネットパワー・オン!」

 

 そのジーグの掛け声と共に、身体から強力な磁力を発生させる。この磁力は強力であり、ジーグの二倍の大きさはあるカンタムロボを引き寄せてしまう程であった。

 

「な、なんだ!? や、奴に吸い寄せられていく! ば、馬鹿な!? 奴の二倍以上はあるのだぞ!?」

 

 十メートル程でしかないジーグに二十メートルはあるカンタムロボが吸い寄せられていくことに、アレキサンドロは信じられず、酷く動揺していた。

 そんなアレキサンドロを余所に、二倍の大きさのカンタムロボを自身に引き寄せたジーグは両腕で掴み、鯖折り(ヘアハッグ)の要領で締め付け、粉砕しようとする。両腕の力と磁力で、カンタムロボのボディを締め付けているのだ。

 

「あ、ありえん! こんな小さい奴に!?」

 

「ジーグブリーカー! この野郎! 死ねぇ!!」

 

 自分より二倍は劣るジーグに締め付けられて粉砕されることに、アレキサンドロは動揺していた。その間にジーグは、必殺技のジーグブリーカーと叫びながら徐々に締め付ける。

 

「クソっ、このド低脳めぇ! カンタムロボを失うのは癪だが、ここで脱出だ!!」

 

「な、何ッ!?」

 

 が、カンタムロボには脱出装置が備わっていた。カンタムロボが既に戦えないと判断すれば、アレキサンドロがそれを使用する。これにジーグは驚きの声を上げた。

 

「だが、貴様はここで死ぬのだ! 死ねっ、ド低脳!!」

 

 その後、脱出装置である頭部が射出され、締め付けられていたカンタムロボの胴体は、ジーグを巻き込んで自爆した。

 

「次はもっと強いロボットを作らねばな…!」

 

「頭が脱出装置なのは、お前の木偶の坊だけじゃねぇぜ!」

 

「な、何ッ!? 貴様もなのか!?」

 

 ジーグをカンタムロボの自爆で巻き込んだと思い込んでいたアレキサンドロであったが、ジーグの本体は頭部であり、既に目前まで迫っていた。

 

「だが、パワーは…!」

 

「へっ、俺は頭だけでも戦えるぜ! ジーグビーム!」

 

 胴体を喪えば、戦闘力は無くなったと思い込んでいるアレキサンドロであるが、ジーグは頭部だけでも十分な戦闘力を有していた。逃げるしかないカンタムロボの頭部にビームを発射し、被弾させる。

 

「とどめだ! ジーグヘッドアタック!!」

 

「クワァァァッ!?」

 

 被弾して動きを止めたところで、ジーグはトドメの一撃である体当たりを仕掛けた。それを受けたカンタムロボの頭部は激しく損傷し、爆発した無数の計器の破片が寄生しているアーニャの身体に突き刺さる。頭部に大きな破片が突き刺さってしまったため、それが致命傷となり、アーニャの身体は生命活動を停止してしまう。

 

「まさか、あんな奴にここまで手こずるとは…! ミッチー、スパルタンはいつ来るんだ?」

 

 カンタムロボの頭部が完全に動かなくなったことで、ジーグはアレキサンドロが死亡したと判断して、ビッグシューターの卯月美和に、母艦がまだ来ないのかと問う。

 アレキサンドロが死亡していると思い込んでいるジーグであるが、彼が頭部だけの生命体であることを知らない。そんな無傷なアレキサンドロ本体は、致命傷で生命活動を停止したアーニャの身体から脱出し、まだ息のある副操縦士を次なる宿主に定め、その身体を乗っ取る機会を窺っていた。

 

「グレックス博士が…!? まだ操縦系統は動く。だが、母艦には帰れん! どうにか、付近の味方に回収を…!」

 

 目前のアレキサンドロことアーニャが死亡したことで、副操縦士はまだ操縦系統が動くことを確認してから、無線連絡で付近の友軍機に救出してもらおうとチャンネルを回す。無論、彼はアーニャの恐ろしい正体に知らず、そればかりか肥大化した脳を持つ頭部だけのアレキサンドロが正体であることにも知らない。完全に死んでしまったと思い込んでいる。

 

「クソ、アーニャ・グレックスという私の理想の身体を見付けるのに、どれだけ苦労したか知らず…! だが、背に腹は代えられん…! 今はあの身体で我慢するしかあるまい…!」

 

 ジーグに苦労して探し当て、乗っ取ることに成功したアーニャの身体を台無しにされたアレキサンドロは、恨み辛みの言葉を吐きながら、副操縦士の身体に乗り移ろうと、無線機を操作して救難信号を出す彼の頭上から襲い掛かる。

 

「な、なんだこの化け物は!?」

 

 狭いコクピット内で襲い掛かる肥大化した脳を持つ頭だけの生命体に、副操縦士は初めて姿を見て驚いた。余りの悍ましさに恐怖し、思わず反応が遅れてしまい、アレキサンドロの接近を許してしまう。

 

「キシャァァァッ!!」

 

「ワァァァッ!?」

 

 その奇声と共に、アレキサンドロの頭部の付け根から触手が飛び出す。数秒後には先端が鋭利なメスのような刃物の形となり、瞬く間に驚愕して腰の拳銃に手を伸ばしていた副操縦士の首を跳ねた。凄まじい速度で首を跳ねてしまったためか、副操縦士の首は叫びながら飛んでいた。無論、身体から頭部が切断されてしまったため、数秒後に死亡してしまう。

 

「おのれ、鋼鉄ジーグ! 三百年先の技術を持つ私を、こんなカスの身体に寄生させおって! だがこの屈辱は、ルサンチマン将軍に与えたツェアシュテレーンが晴らしてくれるだろうよ!」

 

 副操縦士の首を切断し、その屈強な軍人の身体を手に入れたアレキサンドロであったが、アーニャ・グレックスのような女性の肉体が好みであった。それをむさ苦しい男の身体に寄生することを余儀なくしたジーグを恨みながら、自身が開発し、ゴーマン中将ことルサンチマン将軍に与えたツェアシュテレーンが屈辱を晴らしてくれると期待する。

 

「ド低脳共の脳を使った野蛮な兵器ではあるが、現時点で最強の戦略兵器だ。間違いなく、あのジーグ諸共ロンド・ベルをこの世界から消し去ってくれるだろう!」

 

 アレキサンドロはツェアシュテレーンに強い自信を抱いており、現時点でこの世界最強の兵器であると自負していた。

 

「では、私はアーニャ・グレックスのような身体を探しに向かおう。このむさ苦しい身体は、ちと我慢が出来ぬからな!」

 

 その後、身体を乗っ取ったアレキサンドロは、アーニャのような自身が理想とする身体を探すべく、カンタムロボの頭部を動かして戦闘宙域からの離脱を試みた。




とりま、連邦と同盟枠のキャラは全員登場かな?

前回で言った通り、カンタムロボにジーグブリーカーをかましたので、休載しようかと思います。

活動報告の募集はまだ続けるので、気軽に応募してください。
あぁ、変な設定追加したりするんじゃないぞ~。
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