【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
ギャラルホルンが開発したゲイレールの姉妹機。宇宙用の装備を施した宇宙戦仕様。
ファルツ家が武器商人から購入した異世界のMSであり、大量に購入したのか、地上用も含め、一個連隊分を保有している。
武装はグレイズの120ミリライフルや320ミリバズーカ砲のみならず、ダガーなどが使う57ミリビームライフルを使っている。
連邦軍正式宇宙戦艦
連邦宇宙軍並び海軍の多目的宇宙戦艦。級名は不明。
全長2500メートルの巨大宇宙戦艦であり、銀河帝国軍のインペリアルⅠ級スター・デストロイヤー以上に対艦戦闘、防空、母艦としての多目的な任務をこなすことが出来る。
ファルツ家が一隻保有している。ファルツ家保有の艦名はビスマルク。
百機以上のリユース・
『このUCAの偵察機と同盟軍の部隊を撃滅すれば、我々を新設される装甲軍に入れてくれるのか?』
「無論だ。その為にMSを貴様たちに渡した。それで倒せぬ場合は貴様らを無能と見なし、全員を処刑する」
対艦戦闘のみならず、防空、艦載機などの母艦としての多目的な機能を持つ全長二千五百メートル程の巨大宇宙戦艦「ビスマルク」の艦内にある高級将校用の食堂で、ヴィクトール・フーベルトゥス・フォン・ライン・ファルツは、中佐の身分にも関わらず、優雅にテーブルに座り、貴族らしくテーブルマナーを守りながら食事を取っていた。
武装SS将校のような軍服を着た人間の部下に持たせた映像通信端末には、右翼系義勇軍の指揮官の顔が映っていた。彼と民兵組織は三輪防人に見放されたようで、ファルツに助けを求めてきたようだ。
これにヴィクトールは現当主であるバルトルトから宇宙における全権を与えられているのか、帰る手段のない彼らを新設されるファルツ装甲軍に編入すると嘘をつき、余剰なMSを与えて使い捨てにしようとしていた。
『この装備類は旧式に見えるんだが…?』
「そこは工夫しろ。それくらい出来なければ、我がファルツ装甲軍には入隊できんぞ」
『食事も装備も与えてくれたことに感謝するが、しかし、この扱いは…!』
「鬱陶しいぞ。速く行かねば、その場で処刑するぞ?」
『わ、分かりました! 直ちに出撃します!』
義勇軍に渡した余剰のMSは、異世界で民間にも流通しているリーオーやスピナ・ロディと言った機種であった。
民間に払い下げになる程に流通するほど性能が低いリーオーならともかく、スピナ・ロディはナノ・ラミネートアーマーを施していると思われるが、捨て駒にする彼らに渡すとなれば、使用されていない可能性がある。自分らのスポンサーである連邦軍の将軍が横流ししてくれる旧型のジェガンやストライクダガー、ドートレスの方がはるかにマシだ。
これに不満を口にした義勇軍の指揮官であったが、ヴィクトールはナプキンで口を拭いてから映像越しに彼を睨み付け、この場で処刑すると脅した。ヴィクトールの指示なのか、本当にビスマルクの艦砲が義勇軍に向けられており、応じなければ本気で撃つつもりであった。
「は、早く出撃しろ! 奴らは本気だ!」
この脅しに恐怖した指揮官は、残されたネルソン級宇宙戦艦の艦橋内で傘下の部隊に出撃命令を出す。その指示に応じ、旗艦を含めるサラミス改級六隻の義勇軍艦隊は、百機相当のリーオーやスピナ・ロディと共に、ローグレッドが襲うミシュリーヌを攻撃すべく、脅されながら出撃した。
「ツヴァイ、居るか?」
『はい、お兄様』
「シャルフリヒター二個中隊を率いて奴らを監視しろ。場合によっては、
『
義勇軍が出撃したのを確認したヴィクトールは、同じクローンで妹であるヴィクトリア・ツヴァイを呼び出し、あの義勇軍が逃げ出さないように監視するように告げる。想定外に備え、敢えて温存してあるクスィ・パンツァーも連れて行くように告げた。
この指示の後、ツヴァイとその愛機であるシュヴァルツリッターを乗せたハルバート級駆逐艦が、宇宙装備に換装した黒いゲイレール・シャルフリヒター数十機を随伴させ、義勇軍の後を追った。
「次期当主殿。そうお気になるなら、ご自身で出撃してみては?」
「艦長殿、私は父で現当主より人の使い方を学べと仰せつかっております。領主が信じなければ、臣民はついて来ません」
「なるほど、貴族らしい考え方だ」
同じテーブルに同席して食事を取っている准将の階級章を付けた艦長より、気になるなら自分が出撃してはどうかと問われたが、ヴィクトールは現当主のバルトルトより人の使い方を学べと言い付けられているのか、妹への信頼を理由に出撃しなかった。
これに艦長は貴族らしい考えだと感心しながら、ナイフで切った一切れのステーキをフォークで突き刺し、それを口に含んでよく噛んだ。
「それで、何故ベーグ家と事を構えるような真似をするのです? あんな奴らなど寄こさず、貴方が彼女を救出すれば、借りを作れるでしょうに」
肉を食べてから白ワインを一口飲んだ艦長は、何故ミシュリーヌを襲い、ベーグ家と事を構えるような真似をするのかと問う。ヴィクトール自身が出撃し、救出してベーグ家に恩を売る方のが得策だと言ったが、これに当のヴィクトールとファルツ家は、関係を持つつもりは無いと答える。
「将来の敵となるベーグ家と関係を持つなどありえませんよ。人の死や醜く争う姿を見たいがため、マスメディアに入った女など薄気味が悪い。反吐が出る。それに、当主殿と私、妹たちはマスメディアの人間が嫌いなので」
「は、はぁ…? 私もマスメディアは嫌いですが…」
「貴方の気持ちは分かりますよ。なんとも子供っぽい理由だと。でも、人を使う練習にはなる」
ミシュリーヌを襲撃する理由に、将来の敵となる家の女と自分とファルツ家がマスメディアを反吐が出るほど嫌いだからと答えたヴィクトールに、艦長は驚きながらも気を遣うためか、自分も嫌いであると同調したような発言をする。
そんな子供のような理由で人を殺す自分を恐れていると彼の本音を、アコードの能力で見抜いたヴィクトールは、この軍事行動を人の使い方の練習だと正当化し、食事を続けた。
「この
ミシュリーヌら取材班が同乗するUCA海軍の偵察機を拿捕せんと包囲したローグレッドの前に粋な割現れたトルネードパックを装備したVF-25Fメサイアを駆るマリ・ヴァセレートは、二十機のザクⅣを指揮するビアンナ・ドバルドの専用ザクⅣの通信をハッキングし、ルリ・カポディストリアスの写真を見せながら居場所を問う。
『な、なんだこの女!?』
「いきなりしゃしゃり出て、通信をハッキングしてきたと思ったら、迷子を訪ねるだと…!?」
いきなり現れた挙句、通信映像をジャックして写真に写る少女の居場所を問うマリの行動に、ローグレッドのパイロットたちは驚いていた。ビアンナもそのマリの行動に呆気に取られ、固まって答えられなかった。
「そこの女、このアタシが迷子センターの受付に見えるのかい?」
『だからこの娘、どこ? あんた等、軍隊だから知ってんでしょ? 市民の頼みに答えてよ』
「一体なんだってんだい?」
気を取り直し、少女の居場所を聞いてくるマリに対し、ビアンナは自分が迷子センターの受付に見えるのかと返したが、当の相手は軍隊だから知っているから答えろと無礼に返してきた。
『ブハハハッ! 隊長、この女は頭がおかしいですぜ! このローグレッドの特攻隊長であるバンコウキが対処しますぜ!』
「あぁ。軍隊に迷子か落とし物を訪ねてくるような女の相手は、あんたに任せるよ」
『了解! 相手は戦闘機だ。隊長が出るまででもありませんぜ!』
ビアンナがマリの事を知らないのは無理もない。作戦行動中の軍隊に人の行方を問う頭のおかしい女と見なし、マシンガンの銃口を向けたが、ローグレッドの特攻隊長を自称する部下が駆る重装備のザクⅣが、代わりにマリの対処に名乗り出た。これにビアンナが彼に一任し、偵察機の方へと戻る。
「あんた知ってる?」
『フン! お前の迷子か落とし物は、あの世で確かめるんだな!』
前に出てくるリック・ドムの如きザクⅣを駆る特攻隊長に、マリはルリの居場所を問うが、上官より対処を一任されている荒れくれ者の彼は聞かず、完全に殺そうと大型のバズーカを撃ち込んだ。
このわずかな時間にマリは相手の殺気を感じ取り、VF-25の反応速度と機動性を駆使し、まるでそこに攻撃が来るかのように回避行動を取り、攻撃を躱し切った。相手からすれば、一瞬で消えたように見えてしまうので、ザクⅣ重装型の特攻隊長は思わず困惑する。
「なにッ!? 消えた!? そんな馬鹿な…!?」
『後ろだ!』
「はっ…!?」
直ぐに目の前で消えたVF-25を探す特攻隊長だが、上官のビアンナの知らせで背後を見ようとした瞬間、いつの間にかガウォーク形態に変形していたバルキリーが、その手に持つガンポッドが掃射された後であり、既にハチの巣となって爆散していた。
特攻隊長のザクはビアンナと同じくカスタマイズ機であり、機動力と防御力を両立したタイプであるが、前面で攻撃を受ける想定しており、背後の装甲は当然の如く薄かった。
『戦闘機から、手足が生えている!? 鳥人間か!?』
『よ、よくも隊長を!』
「馬鹿! お前らじゃ敵わない奴だ!」
いきなり戦闘機が手足の生えた状態となっていることに驚く中、先の特攻隊長の部下が仇を取る為に挑もうとしたが、ビアンナに止められる。
「まさか、ガルダーゴンに出て来た噂の三段変形の戦闘機だってのかい!? こんな所で出くわすなんてね…!」
攻撃を止めたビアンナは、マリのVF-25が同盟軍内で噂になっている物であると気付き、驚きながらも警戒態勢を取る。
VF-25を使うのは、異世界の軍事結社であるワルキューレや新百合帝国の前身である帝国再建委員会だ。ガルダーゴンやこの世界からの撤収の際に派手に暴れ回った所為か、連邦軍や同盟軍の将兵たちに目撃されており、三段変形する戦闘機として噂となっていたようだ。
『い、一機で多数のミサイルを発射する戦闘機だぜ…! ありゃ!!』
『俺が前いた部隊は、あの一機に大損害を被ったて聞いたぞ!』
『今両軍が戦っているのは、あの戦闘機を装備した奴らじゃないのか!?』
「お前ら黙ってな! うちの特攻隊長を瞬殺したのは、伊達じゃないね! 少なくとも、こいつを仕留めれば、多少の言い訳がつくだろうさ!」
それが目の前に居ることで、ローグレッドの面々は恐れおののく中、ビアンナは一喝して黙らせる。が、高度な連携と圧倒的戦闘力を誇る戦力を有するディバイン・ドゥアーズの艦隊と戦うより、マリのVF-25を仕留めた方が、上層部に戦闘に参加しなかったと言い訳がつくと思い始める。
「知らないみたいね。そこの偵察機? この娘、知ってる?」
ローグレッドが警戒して様子見をする中、居場所を知らないと判断したマリは、次にミシュリーヌ等が乗る偵察機に、ルリの事を知っているかどうか、無線をハッキングして問う。
「あの手足の生えた戦闘機に無線をジャックされたぞ!」
「女の子について聞いている! ありゃあ人形かコミック、またはアニメのキャラか!?」
「一体なんなの…!?」
『知らないみたいね。じゃっ』
映像もジャックされているので、ルリの写真を見たパイロットらは人間離れしたその容姿に、人形やコミック、アニメのキャラだと思い始める。それにミシュリーヌが困惑する中、マリは知らないと思って無線を切ろうとした。
最初からマリはミシュリーヌ等を助けるつもりは無く、ルリの居場所を聞いて分からなかった場合、その場から立ち去るつもりであった。わざわざローグレッドと一戦交えて居場所を聞きに行ったのは、何か知っていると思って気になったからである。
「待ってください! その写真に写る少女の事は存じ上げませんが、私の実家ならば、何か手掛かりを掴むことが出来ると思います!」
『はい?』
「あ、あんな変な女に助けを求めるのか!? 存在するかどうか分からん美少女を探すイカれた女を!?」
自分の思ったような答えが返ってこないことで、マリは惑星ヘルガーンへ降下し、ルリに関する情報を探そうとしていた。せっかくの助かるチャンスを逃すまいと、ミシュリーヌは自分の生家であるベーグ家ならば、手掛かりを手に入れることが出来ると説き、必死に呼び止めようとする。
「約束します! 私たちを助けてくれれば、貴方が探しているその少女の手掛かりをお教えします!」
意味の分からない女の助けを借りるのかと問うパイロットを押し退けたミシュリーヌは、自分たちを助ければ、必ず何らかの手掛かりを必ず見付け、それを知らせるとマリに約束した。
この言葉に、自分が助かりたいばかりに嘘を言っているのかと疑うマリであったが、ミシュリーヌの本気の目を映像越しに見て、筋は通す誠実な女性であると分かり、乗機をバトロイド形態に変形させ、ローグレッドにロボット形態の右手が持つガンポッドを向けた。
『あぁん? アタシらとやり合おうってのかい?』
「アンタの身体つきが気に入らないけど、目が本気だから信じるわ」
『あ、ありがとうございます! 必ず、情報を、情報を貴方に!』
ガンポッドの砲口を向けたことで、ビアンナはマリを敵と認識した。ミシュリーヌの本気に応じたマリは、武器商人ブラックジャックの連絡先を送った後、彼女の例の言葉を聞いてから照準をビアンナのザクに合わせ、トリガーを引いた。
『あの女、一機で俺たちとやる気か!?』
「お前らはその偵察機を見張ってな! こいつはアタシの獲物だよ!」
掃射されたガンポッドを躱したビアンナに、配下のザク等は攻撃態勢を取ったが、無駄な損害を出したくない彼女は単独でマリのVF-25と戦うと告げ、誘うようにマシンガンによる反撃を行う。マリもミシュリーヌを巻き込むことを嫌がってか、ビアンナの誘いに乗る形で彼女の高機動型ザクのような専用ザクⅣを追った。
「お、おい! 俺たちを助けてくれるんじゃないのか!?」
「なんで敵の隊長機を追っていくんだ!? あれは嘘なのか!?」
「私たちを巻き込まないように、離れてくれたんです! 彼女があのザクと戦っていれば、UCA艦隊が気付いてくれるかも!」
助けると言いながら、ビアンナとの一対一の勝負に乗ってしまったマリに、偵察機のパイロットたちは嘘だとパニックを起こす中、ミシュリーヌは自分たちを巻き込まない為、敢えて離れたのだと言い聞かせた。それに高性能バルキリーとカスタマイズされた専用ザクⅣとの一騎討ちは、激戦になることは間違いないので、それに気付いたUCA海軍の艦隊が、重い腰を上げて救援に駆け付けると信じた。
が、UCA艦隊が救援に向かった理由は、マリとビアンナとの交戦に気付いたからではなく、
それにミシュリーヌを狙う者たちは、同盟軍のビアンナらローグレッド隊だけではなかった。
既にヴィクトールが放った粗末なMSで編成された右翼系義勇軍の魔の手が、ミシュリーヌの偵察機を拿捕したローグレッドに忍び寄っていた。その後方から、義勇軍を監視するツヴァイ率いる監視部隊が後を追っていた。
「ちっ! 記録映像通り、なんて速さだ! パイロットは平気なのかい!?」
自分らが拿捕した偵察機を、ヴィクトールが放った右翼系義勇軍が狙っていることも知らず、ビアンナは恐ろしい戦闘機動を取るマリのVF-25に驚いていた。凄まじい速度と機動力であり、パイロットが平気なのかと思うくらいだ。高機動型ザク以上にカスタマイズされているビアンナ専用ザクⅣでも、追い付くのがやっとであった。
「こいつ、ザクのクセして!」
一方のVF-25を駆るマリも、自分の攻撃を躱しながら迫り、マシンガンを進路上に撃ってくるビアンナのザクに苛立ちを覚えている。戦闘機であるファイター形態へと変形し、高速で動き回っているが、彼女のザクは得意な高速戦闘を行うために改造されており、先ほど述べたようにしつこく食い付いてくる。
「クソっ! 速過ぎて照準が定まらない! あのパイロット、サイボーグじゃないだろうね!?」
通常ならただでは済まない回避機動を行うVF-25に、ビアンナは凄まじいGに耐えながら照準を絞ろうとするが、激しく敵機が動き回るせいで定まらなかった。余りにも人間離れした動きを見せるので、彼女はマリの事をサイボーグだと疑い始める。それほどに、マリとこのメサイアのペットネームを持つバルキリーとの相性は抜群なのだ。
が、ビアンナの技量も負けてはおらず、マリに反撃の隙を与えず、一方的に攻撃を行っている。携行武器の弾が切れてしまえば、そこで終わりであるが、機動力の不利を補う術を知っているので、どうにか張り付いて接近戦を行い、トルネードパックの十八番である旋回式ビームキャノンやマイクロミサイル攻撃を封じていた。
『あ、あれ…人間の動きか?』
『隊長でも追い付くのがやっとだなんて…!』
『俺らじゃ無理だぜあれ…!』
遠くの方でビアンナとマリの高速戦闘を見ているローグレッドの面々は、この常人離れした戦いぶりで、自分らでは戦闘にならないと痛感していた。加勢したところで、上官であるビアンナの足を引っ張り、トルネードパックの火器で壊滅させられるだろう。
「ん? ゾロゾロと来やがる奴らが居るぞ!」
『連邦軍か? それともUCAの奴らが来たか!?』
『いや、なんだか
そんなミシュリーヌの偵察機を抑えているローグレッドの面々に、右翼系義勇軍のリーオーやスピナ・ロディの大群が迫っていた。
「ほ、本当にベーグ家の令嬢を殺して良いのか!? そうしたら、我が団体が…!」
『良いからやりなさい。あなた方はただファルツ家の命令に従えば良いのです! 撃たれたいですか?』
「クソっ、無茶苦茶なことを!」
右翼系義勇軍の旗艦であるネルソン級宇宙戦艦の艦橋内で、指揮官はベーグ家の令嬢であるミシュリーヌを殺せば、自分たちの政治団体がUCNからテロリスト認定を受けてしまうと躊躇うが、ヴィクトールより監視役を任命されているツヴァイに脅され、嫌々とローグレッドに攻撃を始めた。
「なんだぁ、あの動きは? 連邦やUCAの奴らとは違うぞ?」
『まるで素人じゃねぇか! 奴ら、人手不足か?』
一応、連邦軍の右派将校たちからそれなりの訓練を受けている様だが、実戦経験は殆どないので、上層部の鼻つまみ者の集まりでありながらも、一応はプロの軍人であるローグレッドの面々から見れば、素人の集まりであった。
「ファルツから供与されたこのMSなら、悪軍である同盟軍の奴らなど!」
対する義勇軍パイロットは、ファルツ家が与えたこのMS類が高性能だと信じ、同盟軍に攻撃を仕掛けたが、避けられた挙句、マシンガンやバズーカ、それにビームライフルの反撃を受け、次々と爆散していく。
『う、ウワァァァッ!?』
「ハハハッ! どうやら民間の安物らしいな! 何処で売ってるか知らんが!」
『それに素人と来ている! 的だぜこいつ等!』
数百機と素人が乗ったMS群とプロのパイロットが駆る最新鋭のMS二十機。
数こそ前者の方が上だが、正規軍の訓練を受け、編隊も組めて戦術も行え、尚且つ贅沢な装備を持つ後者の方が圧倒的に有利であった。
「こ、このMSは、同盟軍より高性能じゃないのか!?」
『移動用の的の方が、もっと真面に動くぜ!』
スピナ・ロディは実弾やビームにも高い耐久力を誇るナノ・ラミネートアーマーを施しているはずだが、義勇軍に与えられた物は施されていなかった。リーオーに至っては、的のように次々と落とされていく。持っているビームライフルで反撃するが、最新鋭機のザクⅣが止まっているはずがなく、避けられてマシンガンでハチの巣にされる。
『た、助けて! 僕はただ…』
「けっ! 戦場は遊び場じゃねぇんだよ!」
そこからはもはや虐殺であった。
作業用などでしか用いられていない二種のMSを駆る義勇軍のパイロットたちでは、最新鋭機を駆る熟練のパイロットらに敵うはずがなく、的のように次々と撃墜されていく。義勇軍を虐殺するローグレッドの面々は、遊び半分で撃破し回っていた。
投降する者も居たが、撃墜数が欲しい荒れくれ者たちはお構いなしにヒートホークを振るい、両断して撃破する。逃げようとする者も容赦がなく、その背中を討って撃破する。
『アァァァッ!? た、助けてくれ!!』
『ふぁ、ファルツ殿! 我が義勇軍に与えられたMSは、敵の最新鋭機を上回る性能を持つのでは無いのですか!?』
「はぁ…工夫もせず、ただ突っ込むからでしょうが…」
そのローグレッドによる虐殺劇をただ見ているだけの監視役であるツヴァイは、義勇軍からの救援要請に応じず、コクピットに持ち込んだ菓子を食べながらため息をついて呆れていた。配下の黒いゲイレール・シャルフリヒターも動かず、ツヴァイのシュヴァルツリッターと同様に見ているだけである。
『逃げる機が見えます。撃ちますか?』
「あぁ、撃って。兄さまから逃げる奴は撃てと言われてますから」
『ヤヴォール!』
虐殺から逃れようと、ツヴァイ達の方へ逃げてくるリーオーが居たが、監視役を仰せつかっているツヴァイは、部下からの要請に応じ、撃墜命令を出して撃破させた。
『な、なぜ我々を撃つのだ!? それより、後退の許可を!』
「後退は許しません。男なら男らしく、死ぬまで戦いなさい」
『こ、こんな装備では無理だ! もう敵機が近くまで! えぇい! お前たちを殺してやる! 全隊、ファルツの奴らを攻撃し、突破しろ!!』
「ネットでしか粋がれないクズ共が…! 下等な身分の分際で、我ら貴族に歯向かうなどと…!」
後退の許可を求める義勇軍指揮官に対し、ツヴァイは菓子を食べながら死ぬまで戦えと適当に命じると、その態度に苛立った指揮官は、ファルツに対して反乱を起こした。こちらに砲口を向けて攻撃してくる義勇軍艦隊に、ツヴァイは苛立ちながら配下のシャルフリヒターを引き連れ、反旗を翻した義勇軍の掃討を行う。
「ぜ、前衛に向かったMS隊が!?」
「な、何が起こっているのだ!?」
攻撃に向かったリーオーとスピナ・ロディの集団が単独であるツヴァイのシュヴァルツリッターに襲い掛かったが、一瞬にして全滅した。何が起きたか理解できない指揮官が困惑する中、異様な速さでツヴァイの騎士のようなMSは、対艦ライフルで僚艦であるサラミス改級全てを信じられない速さで沈め尽くし、弾切れになれば投棄し、旗艦のネルソン級の艦橋まで迫る。
「う、ウワァァァッ!? ま、待ってくれ!!」
迫るシュヴァルツリッターに指揮官は投降の意思を見せたが、彼女は一切耳を貸さず、艦橋を蹴り飛ばしてその場に居た者たちを圧し潰した。そこからは切り替えたジムⅣ用のビームライフルを何発も撃ち込み、ネルソン級を沈めた。
「さて、後は…」
『なんだぁ、あのMSは?』
『気に入らねぇ面構えのMSだな!』
『奴は一機だ! スクラップにしちまおうぜ!』
逃げる義勇軍のMS等を虐殺していたローグレッドのザクⅣたちは、ブラックナイトスコードの改造機であるシュヴァルツリッターを目撃した。その姿を見た鼻つまみ者のパイロットたちは、面構えが気に入らないと言い放ち、攻撃を仕掛けた。
だが、オリジナルのブラックナイトスコードのパイロットたちと同様に、ツヴァイはアコードの能力を持っている。迫るザクのパイロットたちの思考を読んだツヴァイは、放たれる全ての攻撃を避けて反撃を行う。向こうも避けてくるが、それすらツヴァイに読まれてしまっているので、一瞬で殲滅された義勇軍のMS等と同様に撃破されていく。
「な、なんだこいつは!? まるで俺たちの頭の中を読んで…!?」
先に仕掛けた三機が撃破されたことに驚きながらも、懸命に攻撃を続ける三機のザクⅣであるが、こちらの全く攻撃が当たらず、そればかりかこちらの思考を読んだような動きを見せるシュヴァルツリッターに恐怖する。気付いた時にはもう遅く、ツヴァイに殲滅された後であった。
『UCAの怠け者共が動いたぞ。後の始末は奴らに任せろ』
「はい、兄さま」
残るローグレッドや義勇軍の残存戦力を殲滅しようとしたツヴァイであったが、アコードの能力でヴィクトールがUCAの艦隊がようやく動いたことを知らせて来た。後の始末をUCA艦隊に任せろと命じられたツヴァイは、配下のシャルフリヒター等と共に母艦であるハルバート級駆逐艦へと帰投する。
ヴィクトールの言葉通り、ようやくミシュリーヌを見付けたUCA艦隊が、救出部隊を展開していた。その数は一人を救出するには多過ぎ、艦隊の半数以上の戦力を投入すると言う過剰すぎる物であった。そればかりか、逃がさないように別動隊が退路を塞ぐように展開しているのが見える。
「あ、あの数はなんだ!? 包囲されているぞ!?」
『たった一機の偵察機の救出に、艦隊半分の戦力の投入かよ!?』
『ぞ、増援だ! 増援を要請しろ!』
『だ、駄目だ! 艦隊どころか、俺たち以外誰も応答しねぇ!!』
たかが一機の偵察機の救出に過剰な戦力が来たため、ローグレッドの面々は叶わないと判断し、増援と合流して撤退しようとしたが、鼻つまみ者である彼らを始末するには絶好の機会と上層部や参謀本部が判断したのか、要請に応じる者は居なかった。
ディバイン・ドゥアーズ艦隊に全て投入され、回せる戦力が無いのであろうが、全く参戦しないヘルガスト軍でさえ、ローグレッドの要請に応じず、ISAヴェクタとの決戦に勤しんでいる。ミシュリーヌ等を置いて逃げようにも退路は塞がれつつあり、逃げることは困難だ。
「ち、畜生! 上層部の奴ら、俺たちを見捨てやがったのか! クソッタレ! こうなりゃあ、脱走してやらぁ!!」
『ハエみたいに集ってやがるんだ! この偵察機に乗ってるのは、よっぽどのお偉いさんかその関係者だぜ!』
所属している軍から見放されたローグレッドの者たちは、意地でも生き延びて見せるべく、包囲網が薄そうな場所へと攻撃を始めた。
当然、ミシュリーヌの偵察機を人質にしつつである。
なんか、想像以上に長くなってしまった…。
速く終わらせて、次の企画を始めたいな…。