【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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ディアス・プラフォード
アガサ騎士団に属する濃紺のウルフへアーで、釣り目の騎士。
戦闘技術は高い物の、快活で子供っぽい性格、よく喧嘩する不良騎士である。お酒が大好き。
操縦技術が荒っぽく、壊し屋の異名を持ち、ヴィンセントを取り上げられる。
でも、地上戦が得意なので、気にしていない。
乗機はKMF グロースター
キャラ提供はマルクさん

ニコライ・パニューク
アガサ騎士団に属する背が低い騎士。
重装甲のカスタマイズを施したKMFのガレスに搭乗し、防衛戦や敵陣突破の一番槍を務めることもある。
機体唯一の武装はオハンと呼ばれる音波攻撃であり、脳が存在する生物に頭痛のような強い不快感を与え、動きを止めると言う物。
効果範囲を狭めべることが可能であり、狭ければ狭いほど効果は増し、ゼロ距離ならば敵機を内部から破壊することが可能。
搭乗機はガレスの改造機オハン
キャラ提供はkinonoさん

イメージ戦闘BGM
https://www.youtube.com/watch?v=DTCbqckx8vU

リオンテイルさん、誤字報告サンクス!


IS学園、襲撃!

 スイスの第二IS学園の襲撃が始まる中、夜中である日本のIS学園襲撃も、予定より二時間遅れで始まろうとしていた。

 ルリの第四世代のISであるマギア・コリツェとその持ち主を乗せた輸送機が引き返せないくらいまで待っていたのだ。

 これは同志だけが知っており、当然のことながら二時間も待たされた早戸達は苛立っていた。

 

「もう二時間も待っているぞ! ここに来て怖気づいたか!?」

 

 早戸は苛立つテロリストたちを代表して、双眼鏡でIS学園の様子を見ている同志に文句を言う。これに同志は今がその時であると答え、宥めさせた。

 

「大丈夫だ。今、厄介な物が飛び去って行った。攻撃するのは今がチャンスだ」

 

「やっとか。もう既に準備ができている。一時間前に攻撃しようとする奴が居たのでな。抑えるのに苦労した」

 

「これも誤差の範囲内だ。さぁ、大義の為に攻撃だ」

 

「そうだな。では、その大義とやらをやることを皆に知らせに行く。それとお前との付き合いは、これっきりだ」

 

 攻撃を開始することを伝えれば、早戸は不満ながらも怒りを抑え、襲撃を知らせると言ってから、共闘はこれが最後であるとも告げた。

 同志もそのつもりである。無論、テロリストたちは強行偵察をやらされることは知らされていない。

 

「あぁ、私もだよ。同志知恵。後の大義の為に、他の者たちと同様に犠牲になって貰うぞ」

 

 知らせに行った早戸が声の聞こえない距離まで行けば、同志は後に行われる作戦の為の犠牲となれと呟き、襲撃の為に自分の機体がある倉庫まで向かった。

 

 

 

 一方で戦艦大和の撃沈に向かうルリは、輸送機の船内でISスーツに着替えている最中にこの世界の領主、エルネスティーヌ・アルゴンからの無線連絡があるとの知らせを受けた。

 着替えてから上着を羽織り、通信室まで行って彼女からの連絡に答える。

 

「代わりました。カポディストリアスです」

 

「はい」

 

『この世界の領主、エルネスティーヌ・リーディエット・ビルギット・アルゴンだ。貴殿が、あの古の戦艦大和の撃沈の命をおびた少女か?』

 

「はい、ルリです」

 

 通信手が出たと答えれば、ルリは受話器を持ってエルネスティーヌの声を聴く。本人かどうかを問えば、ルリは本人であると答えた。

 本人の確認が取れれば、エルネスティーヌは新しい指令を告げる。それは大和の撃沈ではなく、鹵獲命令であった。

 

『では、貴殿に新しい任務を伝える。大和は撃沈せず、鹵獲せよ。既に貴殿は撃沈命令を受けているが、私の権限で鹵獲に切り替えた。軍とIS委員会はISことVAの強さの為に撃沈に拘っているが、VAを前に屈服した戦艦でも十分に効果はある。貴殿は大和の戦闘力を奪えばいいのだ。あれを撃沈するのに、米海軍は五十機相当の艦載機を投入したも言える』

 

 変更の命令を受けたルリは少々困惑するが、エルネスティーヌは撃沈よりも戦闘力を奪うことが簡単であると説き、ISを前にして戦闘不能で屈服した方でも絵になるとも言う。

 事実、ルリのマギア・コリツェは大和を撃沈出来る程の火力は秘めていない。十基のビットによるオールレンジ攻撃であれば、大和の戦闘力を奪うことなど造作もないだろう。

 それに大和の造船方法は失われたままであり、実物とも言えるこの戦艦の出現は造船方法を解明するチャンスだと判断したのだ。無論、命令変更は船舶関連の団体からの要望からである。

 

『理由はあの戦艦の謎を解明したい。これは私ではなく、世界船舶連盟と言った団体からの要望だ。受け入れてくれるな?』

 

 団体からの要望であると明かした後、ルリに命令変更を受諾するかどうかを聞けば、彼女は応じると返事をした。

 

「うん。そっちの方が楽そうだし」

 

『助かる。軍は対艦装備を持ったVA連隊を派遣しようとしているが、それ等には貴殿の援護をやらせる。それと朝鮮半島の領民たちは大和が近付いてくることなど知らん。あの巨砲の射程距離に入り、その砲声が響き渡れば…どうなるか理解でいるな?』

 

 セルベリア・ブレスなる女性が指揮するワルキューレのVA連隊は援護に回すと告げ、朝鮮半島の避難は全く出来てないことを告げた。つまり、彼らは大和が自分たちを吹き飛ばそうとしていることを知らないのだ。大和の主砲の射程距離内に半島沿岸の都市や村が入る前に、決着を付けろと言うことだ。

 こう話している間にも、大和は半島に近付きつつあるので、射程距離内に入るまで決着をつける必要がある。時間との戦いだ。

 

『貴殿に無理な難題を申して済まない』

 

「分かった。頑張る」

 

『本当に済まぬ。では、頼んだぞ…!』

 

 無理な難題を頼んで謝罪するエルネスティーヌに、ルリは頑張ると答えれば、領主の女性は期待の言葉を掛けてから通信を切った。

 

「後で何かお礼して貰わないと」

 

 そう呟いてから、ルリは貨物室へと走った。急いで大和を止めるために。

 

 

 

 これが威力偵察だとは同志や十三騎士の派遣された四名以外しか知らず、襲撃を開始したテロリストたちは、荷台が大き過ぎる大型トラック二台でIS学園がある人工島に侵入しようとしていた。

 人工島へと続く連絡橋前の検問所で偽造された許可証を見せ、人工島に入り込んで内部で暴れる手順となっている。MSに乗っているオウギュストとガリーは、海中から侵入することになっている。

 襲撃は早戸が計画したIS学園襲撃を同志が下地にして、更に強力な物となっている。早戸は不満であったが。

 

「通って良し」

 

「夜分、ご苦労さんです」

 

 偽造許可証が見破られずに済んだことで、テロリストたちはIS学園内部に侵入することに成功した。

 内部で直接の破壊活動は、今まで受けたことが無いのか、それともIS学園を襲撃するテロリストが居ないと言う固定概念があったのか、碌に荷台も確認せずに検問の彼女らは通してしまった。

 

「島が騒がしくなったら、奴ら慌てふためくだろうな」

 

「どうやら、俺たちが最初のようだな」

 

 早戸は自分等を通した警備兵を見てほくそ笑み、ゲドラルドは自分たちが最初にIS学園を襲撃したテロリストであると呟く。

 彼らよりも前に幾度かIS学園は襲撃を受けているのだが、同志以外に彼らは知らない。彼らは最初にIS学園を襲撃した勇気あるテロ集団だと思っているようだ。蛮勇だと言うべきだが。

 だが、検問の兵士はただの馬鹿ではない。受け取った許可証が偽造の物だと分かり、直ぐに連絡を入れた。警報が鳴り響き、検問所に居た警備兵らは連絡橋を渡る大型トラックを撃ち始める。

 

「ちっ! 感付きやがったか!」

 

「なんでバレたんだい!?」

 

「勘の良い奴か優秀な認識装置があるようだな! 運転手、飛ばせ! RPGをぶち込まれるぞ!!」

 

 撃たれて自分の機体まで退避したゲドラルドが気付かれたと言えば、スカーフェイスはなぜ許可証が偽造だと気付いたのかと問う。その許可証の偽造は本物に近く、プロですら認識が困難な物だ。それに気付いたと言うことは、機械を使ったと言う事である。

 銃弾の次は対戦車ロケットが飛んでくることを予想した早戸は、運転手に学園本島まで飛ばすように叫ぶ。封鎖されるかもしれないのだ。

 この間にテロリストたちとギャルビンやクラフチェンコは自分の機体に乗り込み、起動させて本島を真っ直ぐに目指す。

 自分たちしか持って居ないはずのASやKMFを見たIS学園の守備隊は驚くが、直ぐに対戦車ロケットランチャーであるカールグスタフm3を用意し、対戦車徹甲弾を装填して撃ち込む。

 

『うわぁぁぁ! 熱い! 熱いぃぃぃ!? あぁぁぁ!!』

 

「馬鹿が! そいつは無敵のロボットじゃないんだ!!」

 

 一機のサベージが飛んでくるロケット弾を受け、一撃で大破した後に炎上してパイロットが悲鳴を上げる中、早戸はジグザグに動きながら向かえと指示を出し、ライフルや頭部機関砲を撃ちながら前進する。

 

「吹き飛べ!!」

 

 早戸と同じ機体に乗るゲドラルドは、重機関銃を備えた機関銃陣地に向けて機関砲クラスのライフルを撃ち込んで排除した。弾薬箱に当たったのか、凄まじい爆発を上げてかつては兵士だった肉塊が宙を舞う。

 

「アハハハ! 死ね! 死ねぇぇぇ!!」

 

 KMFの月下に乗るローザはその高速性を生かし、一気に島に上陸してロケット砲を準備している兵士らを機体のライフルで吹き飛ばす。KMFのライフルも機関砲レベルだ。当然ながら標的にされた人間は挽肉と化す。

 

『リーダー! 俺たちと同じのが!』

 

「連中も持って居たって事かい!」

 

 人型ASであるZy-98シャドウに乗るスカーフェイスは、サベージに乗る部下より自分たちと同じASやKMFを敵が投入したことを知らせた。ASはM6ブッシュマスターで、KMFはローザと同じ月下だ。軍事施設らしき場所がある方向よりやって来た。敵の倍返しの反撃によりテロリスト側の脱落する機体が続出する。

 部下を含めたテロリストたちが駆るASや旧式KMFが撃破される中、スカーフェイスは一機のM6をライフルで撃破した。だが、敵の数は増える一方であり、追い詰められていく。

 

「こうなれば、居住区に逃げて生徒を人質にするほかないな!」

 

 味方機が次々とやられていく中、早戸はこうなった時の予備の計画である生徒を人質に取ると言う手に出る。人質を取るため、生徒や職員、教師の寮がある居住区へと向かうように指示を出す。

 

「居住区へ向かえ! そこで人質を調達する!」

 

『何っ!? あたいはそれには反対だよ!』

 

「四の五の言っている場合か! さっきからあの同志やらロシア人、いけ好かないキツネ野郎が居ない上、上陸部隊も未だに姿を見せていない! 妙な感じがする!」

 

 人質を取る算段に出ると言えば、スカーフェイスは反対の声を上げる。彼女はそれに断固として拒否していたが、早戸は襲撃の開始と同時に姿を消した同志やギャルビン、クラフチェンコについて言及する。

 彼らは早戸の計画を利用し、IS学園の威力偵察を行っているのだ。同志とギャルビン、クラフチェンコの隊は軍事施設方面へと向かっている。

 

『そう言やぁあいつ等は何処に行きやがったんだ?』

 

『姿が見えないね。まさか逃げたり?』

 

『じゃあ、あたいらは何の為に!?』

 

 無線機より早戸の言及にゲドラルドとローザが反応すれば、スカーフェイスは何の為にこの学園に襲撃を仕掛けたのかと怒鳴る。ここで早戸は姿を見せない者たちが軍事施設方面へと向かったのをレーダーで確認する。

 

「ちっ、そう言うことか。ならば、俺たちは俺たちで勝手にやらせてもらおう」

 

『おい、なんだ? 説明しろ!』

 

「好きにやれって事だ! 居住区へ急げ!」

 

 早戸は何かあると睨み、同志のASであるゴブリンに発信機を仕掛けておいたのだ。読み通り同志等は軍事施設方面へと向かった。自分たちは囮にされたと早戸は気付いた。流石に威力偵察であると見抜けないが。

 ゲドラルドの説明を求める無線連絡に、早戸は好き勝手にやれと言って居住区へと向かうように急かした。直ぐに島中にサイレンが鳴り響き、出て来るASやKMFが増える。それに合わせてか、オウギュストとガリーのMS隊が島に上陸し、学園の守備隊を混乱させる。

 

「も、MS!? バルキリーと戦術機を要請して!」

 

 オウギュストのドライセンとガリーのゾノ、その他である複数のドライセンにリーオーを見た指揮官は、無線兵に戦術機部隊を要請するように命じた。

 上陸したオウギュストとガリーのMS部隊は、自分らを見て右往左往するASやKMFの守備隊を攻撃し始める。これにより守備隊が混乱する中、これに乗じて早戸らは移住区に辿り着くことに成功した。

 

『連中、居住区へ向かったぞ』

 

「予想通りだ。同志フォックス、同志クラフチェンコ、我々はここの威力偵察を行う」

 

『了解した。暫くは持ちこたえるだろう』

 

 専用ATシルバーフォックスに乗るギャルビンが早戸を始めとしたテロリストたちが居住区へ向かったと言えば、同志は予定通りであると答え、Zy-98シャドウに乗るクラフチェンコと共に威力偵察を行う。

 軍事施設の防衛は周辺施設とは比べ程にならないほど固く、随伴しているクラフチェンコの部下が乗るASが次々と撃破されていく。同じく威力偵察を行う為に上陸したMS隊の被害も増えていた。

 

「流石に見られては困るか」

 

『抵抗が激しい! 次へ移動だ!!』

 

 味方機の残骸に隠れた同志は凄まじい抵抗を行ってくる守備隊に何かあると睨む中、オウギュストは被害が大きかったのか、別の方へと移動し始めた。無線機より彼の声が聞こえて来る。

 別の場所で威力偵察を行うギャルビンは、向かってきた月下を左手に持つ火器で仕留めた。仕留められた月下は脱出装置が作動し、背後の壁に射出されたコクピットブロックがぶつかって地面に落ちる。コクピットブロックよりパイロットが出て来て逃げ出そうとするが、ギャルビンは逃すことなく脱出した彼女をATの右手で捕まえた。そのまま握り潰そうと言うのだ。

 

「は、離して!」

 

「フフフ…!」

 

 必死に抵抗する女性パイロットを掴む右手を徐々に強める操作をするギャルビンは、紛れもないサディストであった。生前もバトリングと呼ばれるATを使った試合で、敗北した選手を今のように握り潰すと言うパフォーマンスで観客を沸かせた事がある。苦痛に歪む相手の顔がそれほど堪らないのか、彼は蘇ったこの世界でもそれを行っているのだ。

 

「がっ…! グぅ…!? あぁ…」

 

 胴体を強く握られた彼女は、血を吐きながらそのまま息絶えた。これにギャルビンは大変満足であり、身に着けたゴーグルより見える女性の死に顔を眺めていた。

 

「まぁ、女ならこの程度で死ぬか。さて、任務にっ!?」

 

 死亡した女性パイロットを見て、前の男の選手の事を思い出していたギャルビンであったが、背後が疎かになっていたのか、背後から接近してきたグロースターのランスに貫かれて死亡した。

 

「後ろが疎かだぜ、銀色野郎」

 

 爆発寸前のスコープドックより素早くランスを引き抜き、距離を取ったグロースターに乗る騎士、ディアス・プラフォードは基地内で威力偵察を行う同志等の迎撃に向かった。

 このディアスは壊し屋の異名を持ち、元々はヴィンセントに乗っていたが、荒い操縦で何度も壊してしまい、仕舞には上官より取り上げられてしまった経緯を持っている。だが、代わりに乗っているグロースターは彼に合っており、元より地上戦が得意なので適切とも言える。

 

「グロースターだと!? アガサ騎士団が常駐したと言うのか!」

 

 体格で勝るリーオーをグロースターで倒したディアスの腕前を見たガリーはIS学園にアガサ騎士団が常駐していたことに驚きつつ、搭乗しているゾノのビーム砲で自分に向かってくるそのグロースターの迎撃に移った。

 

「ゾノか。当たらんぜ!」

 

『ちっ! 友軍機が! 間が悪い!!』

 

 無数に飛んでくるビームを躱しつつ、ディアスは二機のZy-29に向かう。友軍機が居ることを確認したガリーは、直ぐにビームを撃つのを止めた。この間にディアスはランスで一機を串刺しにし、もう一機を素早く抜いた剣で切り裂いて撃破する。

 

「フン、やられたか! 吹き飛ばして…うっ!? なんだこの頭痛のような不快感は!? 頭が…痛い!!」

 

 邪魔が居なくなったところで、ガリーは再びビームを撃とうとしたが、頭痛のような不快感を受け、更には本物の頭痛まで来て操縦どころではなくなる。

 その攻撃を行ったのは、KMFのガレスを防御特化に改造し、音響兵器オハンを装備したオハンに乗る騎士、ニコライ・パニュークであった。

 彼の機体は防衛戦と敵陣突破に適しており、脳を持つ全ての生物に頭痛のような不快感を与える音波兵器を装備しており、効果範囲を狭ければ狭いほどに効果は増す。その威力は敵機を内部から破壊する程である。

 

『よーし、一気に接近して内部から破壊してしまえ!』

 

「了解! オハン、出力増強!」

 

 通常のガレスに乗る隊長より指示を受けたニコライはオハンの出力を高め、ガリーが乗るゾノを内部から破壊しようとする。

 

「グワァァァ! 頭がァ! 頭がァァァ!! ワァァァ!!」

 

 音響攻撃を集中されたガリーは、苦しみながら機体と共に運命を共にした。

 

「ギャルビンとガリーがやられたのか!? まさかアガサ騎士団が常駐していたとは!」

 

『まさか騎士団が居たとは。だが、計画に支障はない』

 

 迎撃の為に出て来た戦術機のF-15Jを撃破したドライセンに乗るオウギュストは、ギャルビンとガリーがやられたのを見て、アガサ騎士団が居たことに驚いていた。同志はその情報を手に入れていなかったようだが、この想定外には備えており、威力偵察を続行する。

 

『うわぁぁぁ!』

 

『上空より戦術機複数! それにバルキリーも!?』

 

「もう半分か。それにバルキリーのお出ましか。だが、まだ肝心なところが!」

 

 その間にも威力偵察を行う友軍機は撃破されて続け、更にはバルキリーまで来たので、味方の被害は拡大する。だが、肝心な場所のデータは取れていないので、同志は乗機のゴブリンを巧みに動かしながら威力偵察を行う。

 別の方を偵察しているクラフチェンコも、生前に行っていた荒事や特殊作戦の経験でASを動かしながら威力偵察を行っていたが、ディアスやニコライの妨害を受け、余り情報は入手出来ていないようだ。

 

『うぇ!?』

 

「戦闘機動車か!」

 

 一方で居住区へ向かい、そこで人質を取ろうとしていた早戸達テロリスト組はようやく辿り着いた物の、戦車レベルの砲塔を搭載した装甲車二両に阻まれていた。

 戦闘機動車はASを破壊するだけの火力を備えており、移動しながらの攻撃で三機のサベージを撃破した。これに早戸やゲドラルドはライフルを撃って一両を撃破する。残り一両はローザーが乗る月下が高速移動しながら近付き、手にしている刀で切り裂いて撃破した。

 

「本当に人質を取るのかい?」

 

『当たり前だ! もう俺たちには子の手しかないんだからな!』

 

「条件がある。誰も殺すな、犯すなだ!」

 

『俺は善処するが、他の連中が応じるとは思わんがな!』

 

 本当に人質を取るのかと、スカーフェイスは接近してきた守備隊の月下を高周波ナイフを突き刺して撃破してから早戸に問う。この問いに早戸はそれしかないと答え、スカーフェイスは人質の生徒や職員、教師を殺さず、それも強姦しないなら応じると告げる。

 だが、ゲドラルドやローザ、その他諸々のテロリストたちがスカーフェイスの条件に応じるとは思えない。それを早戸はカールグスタフm3を持って自分らを攻撃しようとしてくる対戦車兵を殺しながらスカーフェイスに伝える。

 

「そう。なら、殺すさ」

 

『おいおい、無駄に戦力を減らすなよ』

 

 スカーフェイスも分かっていることだ。ならば殺すまでだと早戸に言えば、彼は不快な声色で戦力を無駄に減らすなと注意した。そんな時に早戸が乗るサベージが、居住区にある生徒用の寮から高速で出て来たISに撃破される。

 

『なにっ!? うわぁぁぁ!!』

 

「リーダー!? うわっ!?」

 

 驚きの声を上げる早戸のサベージを撃破したのは、唯一ISを動かせる男性である織斑一夏が乗る第三世代IS「白式」であった。唯一の白式の武装である雪片弐型に斬られたにも関わらず、早戸は死んでいなかったが、リーダー格を失ったテロリストたちは混乱し、続けて現れたラウラ・ボーデヴィッヒの専用IS「シュヴァルツェア・レーゲン」の大型レールカノンで二機ほどが撃破された。

 

『ISだ! ISが出て来たぞ!!』

 

『ISがなんだ! こっちはロボットがあるんだ! ぶっ潰してやる!』

 

『引っぺがして犯してやる!!』

 

「馬鹿! ASじゃISに勝てない!!」

 

 ISを見たテロリストたちはASがあれば勝てると思い、スカーフェイスの静止の声も聞かずに無謀にも挑んでいった。ASは場所を選ばない二足歩行型兵器であるが、戦車や戦闘ヘリ、戦闘機には勝てない。場合によっては歩兵のロケットランチャーですらやられる可能性がある。先ほどのテロリストたちがそうであったが、今の彼らはそれが分かっていなかった。

 セシリア・オルコットのブルーティアーズや鳳鈴音(ファン・リンイン)甲龍(こうりゅう)、シャルロット・デュノアのラファールリヴァイブ・カスタムⅡと言った専用機持ちたちが出てくる中、テロリストたちは勝てると思って挑み、そして返り討ちに遭う。

 一機はブルーティアーズのスターライトmkⅢの狙撃でやられ、もう一機は龍咆(りゅうほう)と呼ばれる衝撃砲で吹き飛ばされ、ラファールリヴァイブ・カスタムⅡのガルムと呼ばれるアサルトカノンで撃破される。

 

『うわっ!?』

 

『何故だ!? なぜ勝てないんだ!?』

 

 彼らはASをISに勝てる兵器だと思っていたようだ。早戸の部下たちはそれを理解し、ISが出て来た瞬間に逃げていたが、他のテロリストたちはサベージや安価なASのスペックを理解しておらず、ISに勝てる兵器だと思ってこの襲撃に参加したようだ。

 KMFに乗っている者たちも同様であり、第三世代KMFであるグラスゴーに乗っていた者たちは、続けて現れた篠ノ之箒の第四世代ISの紅椿の雨月(あまつき)から放たれるレーザー攻撃で複数が戦闘不能に追いやられる。

 ゲドラルドもISに勝てると思っていたようだが、次々にやられる味方を見て勝てないと判断し、外道な手段を取る。

 

「畜生、ISに勝てるんじゃねぇのか! なら、この手を使うまでよ!」

 

 彼がとった行動とは、破壊されたASやKMFより脱出した仲間を盾に取ることであった。ISの操縦者たちは人を殺したことが無いと思っており、ゲドラルドが一人のテロリストを掴んで彼らに見せ付ければ、一夏たちは攻撃を止めた。人を殺してしまうと思っているからだ。

 

「面白いね! じゃあ僕もその手で行こうかなァ!」

 

 背後より追撃を掛けて来る守備隊と戦っていたローザも、ゲドラルドが取った卑劣な行動は憎きISを倒せる手段と判断し、機体を棄てて逃げ出した仲間を掴んでISが居る方へと向かった。

 当然、その行動は仲間からの反感を買う。それを見たスカーフェイスは激怒し、ゲドラルドとローザを撃破しようとライフルを向けた。

 

「あいつ等!」

 

『リーダー、上!』

 

「っ!?」

 

 処断することは敵わず、上空より現れたバルキリーであるVF-11Cサンダーボルトのガンポッドによる機銃掃射を受け、スカーフェイスは反撃する間もなく戦死した。バルキリーのがんポッドより放たれた弾頭は装甲を容易く貫き、それを受けたスカーフェイスは息絶え、操縦者が息絶えたZy-98は糸が切れた人形のようにその場に倒れ込む。

 

『リーダー!? リーダー!!』

 

「わぁぁぁ!?」

 

 リーダーを喪ったスカーフェイスの部下たちは彼女の死を悲しむ暇もなく上空のバルキリー隊の機銃掃射やミサイル攻撃で次々と撃破され、やがては殲滅された。




前回、登場した第二学園の方々は次で戦闘する予定です。
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