【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

26 / 224
キュラソー
第二IS学園に通う南アフリカ国籍の女子生徒。人目に隠れてマリファナを吸っている。
専用ISブラックウィドウは空戦と電子戦特化型ISで、その機動性は第四世代を超えるとも言える。ただし、その分武装が貧弱である。
乗機は第二世代IS ブラックウィドウ
キャラ提供は黒鷹商会組合さん


ゴットアーマー

 スイスの第二IS学園のみならず、日本のIS学園の襲撃も行われる中、戦艦大和撃沈命令ではなく、鹵獲命令を受けたルリは、上海より発進したセルベリア・ブレス率いるVA連隊と合流し、朝鮮半島へ向かう大和を阻止しに向かう。

 

「フン、出て来るのはテメリアかガリアの雑魚ばかりか」

 

 大和を防御するザムザザーに乗るアリアスは撃沈に向かってくるのがアガサ騎士団ではなく、協力しているテメリアやガリアの部隊ばかりと呟く中、レーダーに新たな反応が映る。

 ルリのマギア・コリツェとセルベリア・ブレスのVA連隊だ。特殊なレーダーを使っているので、直ぐにアリアスは本物とアガサ騎士団製のコアを見分ける。

 

「この反応…!? 大部分は模造品だが、その中に本物の反応がある! 来たか! 総員、対VA戦闘用意!! 本物は大和と戦わせるために追い込め!」

 

 本物の反応がルリのマギア・コリツェと分かれば、アリアスは指揮下の部隊に指示を飛ばした。

 これに合わせ、大和周辺で戦闘を行っていた艦上戦闘機のシーキックやナイキックと呼ばれる可変戦闘機、SV-52可変戦闘機などが散会して向かってくるVA連隊の対処に当たる。

 対するセルベリア・ブレス率いるVA連隊は第三世代ISに当たるダヌム・アルゴンのワルキューレ仕様であるノルドだ。セルベリアはドライ・シュテルンと呼ばれる改良型に乗っている。

 先に突っ込んだシーキックが次々と撃破される中、ルリのマギア・コリツェとセルベリアのドライ・シュテルンが突破してくるのが見える。

 何機かのシーキックやナイキックが撃破されて行き、SV-52はファイター形態からガウォーク形態へと変形を取り、ガンポッドで迎撃するも、ルリのマギア・コリツェのビットで撃破される。

 

「あの純正、サイコミュを搭載しているのか!? 下手に接近するな! 紛い物を省くだけで良い! 奴は大和に向かわせれば良いんだ!」

 

 続けざまにバトロイド形態へ変形し、ビットに夢中になったSV-52がマギア・コリツェのサブマシンガンで撃破されれば、アリアスは配下の部隊にルリの相手はするなと指示を飛ばす。

 この時、邪魔な雑魚を片付けたセルベリアは自分のVAが持つ騎兵用の槍を取り出し、それを大和へ向けて撃とうとしたが、気付いたアリアスは直ぐにザムサザーの防衛装置を使う。

 

「っ!? 電子リフレクターシールド展開!」

 

「何故です?」

 

「良いから黙ってやれ!」

 

 部下たちは気付いておらず、何故やるのかと問えば、アリアスが怒号を飛ばせば従ってザムザザーを前掲状態にして陽電子リフレクタービームシールドを展開させた。

 

「沈め!」

 

 アリアスの予定通り、ドライ・シュテルンの槍から強力なビーム砲が放たれ、射線上に居たレダニア軍の機動兵器は次々と撃破されていく。

 やがてビームが大和に向かって飛んでいけば、直ぐにリフレクターシールドを展開しているザムザザーが防御し、大和の撃沈を防いだ。

 

「こんなことで、沈められれば意味は無いからな」

 

『た、助かった…!』

 

「安心している場合か! 純正のISの相手に集中しろ!」

 

『ぜ、全部の敵機を引き受けてくれるんじゃ…』

 

「バカ者が! 女から世界を取り戻したければ、我々に頼らないでお前たちだけでやれ! その戦艦が何のためにある!?」

 

 助かった大和の乗員たちは安心しきる中、アリアスが喝を飛ばした。これに乗員たちは応じ、ルリのマギア・コリツェに集中し始める。

 

「ちっ、厄介な!」

 

「戦艦どうする?」

 

「済まないが、お前だけでやるしかない。他は多数の敵機の相手で手一杯だ。あの怪物は私が引き受ける。お前は任務を全うしろ」

 

「うん」

 

 アリアスの目論見通り、ルリは戦艦大和を戦闘不能にすべく、高速で接近する。セルベリアは自分もそれに加わるつもりであったが、ザムザザーが居るのでその対処をしなくてはならない。

 ルリのISが大和に向かう中、アリアスは自分のザムザザーに接近してくるセルベリアのドライ・シュテルンに備えた。

 

「本物は大和に行ったか。では、我々は模造品の相手だ!」

 

 狙い通りにルリが大和の方へ行けば、アリアスはセルベリアの対処に当たった。

 

 

 

 時間は遡り、神矢のゴッドアーミーによるスイスの第二IS学園襲撃が行われる直前まで戻る。人目のない場所でマリファナを吸おうとしていた南アフリカ国籍の学生であるキュラソーは、学園内に響く敵襲を知らせるサイレンで吸おうとしていたマリファナを捨て、自分の専用ISブラックウィドウを纏った。

 分類としては第二世代に当たるブラックウィンドウであるが、機動性は第四世代ISより勝る。しかし機体性能に振り分けた所為か、武器は量子化できていない。手にしているIS用アサルトライフルとミサイルが武器だ。航空支配と電子支配と言う空戦と電子戦特化型のISであるため、戦闘には不向きである。

 急いで飛び出したキュラソーであったが、既にゴッドアーミーのGAが学園に到着し、避難中の生徒たちに襲い掛かろうとしていた。

 

「ちっ、なんでこんな場所に!」

 

 このスイスの山奥にある学園を襲撃する謎の勢力に対し、キュラソーは狂人が乗るGAと交戦を始める。

 

「俺は転生者だァ! 最強の主人公だァ! 神様から貰った能力だァ!!」

 

「こいつ、何言ってんの!?」

 

 狂ったように自分を主人公だと思っているGAの操縦者に、キュラソーは困惑しつつもライフルで攻撃する。向こうもISと同じシールドを保持しているのか、当たった弾では落ちなかった。

 

「シールド持ち!? あれもISなの!?」

 

「神から選ばれた俺は最強だァ! 死ねぇぇぇ!!」

 

 シールドがあることに驚くキュラソーのブラックウィドウに、GAの操縦者は突撃してくる。そんな突撃を行うGAに、自分の専用ISのザ・カーニバルを纏ったマデリーヌ・ランスが両手のダブルガトリングガンと胸部ガトリングガンによる一斉掃射を行う。

 凄まじい弾幕であり、火力ではISを勝るGAとは言え、防御面においては恐ろしくISより劣るためにシールドの残量はあっという間に底をついて操縦者は蜂の巣となった。

 

「オエアァァァ!? 俺は最強、なの…に…」

 

「大丈夫ですか? 南アフリカの人!」

 

「凄い火力、助かったわ」

 

「さぁ、久々にぶっ放せる機会だ! ヒャッホー!!」

 

 キュラソーが礼を言えば、マデリーヌはこの機に乗じて日頃の鬱憤を晴らすために背中の高射砲にミサイルを続々とやって来るGAに向けて乱射し始める。

 

「単一仕様能力の兵器庫があるから、弾は問題なーし! いぇやァァァ!!」

 

「そんなに乱射しないで! こっちに当たるって!」

 

 景気良く派手に撃ちまくるマデリーヌに対し、専用IS「メダル・オブ・オナー」を纏うメリア・パターソンは注意する。その後でM1918 BARに似たライフルを回転しながら笑いながら突っ込んでくるGAに撃ち続ける。

 

「ウエハッハッハッ! 犯すぅ! 女犯すぅぅぅ!!」

 

「この下品な奴! 死ねぇ!!」

 

「ごえっ!? うぅ…」

 

 何十発も撃ち続ければ、GAのシールド残量は切れて搭乗者は蜂の巣となって死んだ。操縦者を失ったGAは落下していく。

 

「死んだ…私が殺した…!? でも、まだ来る!」

 

 ここで初めて人を殺めたメリアは吐き気を覚えたが、敵はまだ来るので、M1A1バズーカに似たロケットランチャーを取り出し、笑い声を上げながら突っ込んでくるGAの迎撃に当たる。

 GAは核エネルギーで動いているため、下手をすれば核爆発させる可能性がある。他の者にGAを対処させているキュラソーは、機体の電子戦装備を使って見抜いた。

 

「あのIS見たいなの、核で動いてるじゃない!? 全機に通達! 下手に破壊しないで操縦者だけを殺して!」

 

 直ぐにこの場で戦う全ての専用機持ちやISを纏う者たちに告げれば、それに応じてGAの操縦者に攻撃を集中する。

 だが、その大半は人を殺めたことのない少女たちだ。人を殺すのに抵抗を覚えている。だが、GAを核爆発させずに無力化するのは、シールドを破って操縦者を無力化するしかない。

 

「核で動いとるって!? しかも操縦者を殺せ!? 気絶させるだけで、済まへんかな!」

 

 セシリアと同じブルーティアーズを専用機とするアリアチェール・ハルパニアは奇妙な関西弁で驚きつつ、殺さずに済むかどうか、試しに原型機から四基増設されたビットを使い、レーザーとミサイルによる攻撃でシールドを削り取り、持って居るライフルの銃座で操縦者を殴って気絶させた。

 操縦者が昏倒したGAは機能を停止したかの如く落下していく。この手を思い付いたアリアチェールは直ぐにこの場で戦っている者たちに殺す必要は無いと告げた。

 

「全機に通達しまっせ! 殺す必要はないんや! シールド削り取って、気絶させるだけでええねん!」

 

「なら、近接戦闘で済む!」

 

 それを聞いたクランティ・ヴィングは、自分の専用IS「チャマック・ターラー」が得意としている近接戦闘で死を恐れずに突っ込んでくるGAを叩き始める。両腕に搭載された腕部攻撃補助武装のウルカ・フィンド、所謂パイルバンカーで迫りくるGAに左腕のを打ち込んだ後、右腕の二発目を打ち込んで操縦者を気絶させる。

 次にランス型の武器であるチャンディーカ・ブハラを取り、それを次に突っ込んできたGAに打ち込んでシールドを解除させ、左手のパイルバンカーを打ち込んで操縦者を気絶させる。

 

「うひゃひゃひゃ! 女だァ! 女ァァァ!!」

 

「ちっ、笑い方が怖いのよ!」

 

 笑い声を上げながら突っ込んでくるGAの操縦者に、専用IS「カーミラ」を纏うクリスティーナ・ヴィンツェルは巨大な十字剣を叩き込み、シールドを削り取って左手に持った騎兵槍の柄を打ち込んで操縦者を気絶させた。その次に電磁ワイヤーを他のISに掴み掛ろうとしたGAに打ち込み、電流で操縦者を気絶させる。

 一方でシュヴァルツェ・ハーゼ所属のヴィルヘルミナ・アーベントロートは、左腕のガトリング砲でシールドを削り取った後、右腕の固定型エネルギーブレード「シュトースツァーン」で操縦者を切り裂いてGAを無力化した。続けてシュタール・ハーゲルと呼ばれる大型クレイモアを取り出し、それでGAとの戦闘を再開する。

 

「流石は専用機持ちだな! クソっ!」

 

 一方で第二世代ISの打鉄を纏って戦闘を行う阿賀野漣は苦戦を強いられており、狂人が纏うGAから繰り出される攻撃を躱すのに精一杯であった。そんな彼女を助けるべく、キュラソーは精密射撃を行ってGAのシールドを削った後、とどめのミサイルを撃ち込んで撃破した。

 

「助かった!」

 

「先生、そのISじゃ多分勝てないと思うよ」

 

「そうかい。でも、逃げられないんだ。特に生徒を放って先にな」

 

 礼を言う漣に対し、キュラソーは第二世代の打鉄じゃ勝てないと言う。だが、漣は教師なので例え不利だとしても、生徒を放って逃げるわけには行かないと答え、苦戦している専用ISを纏う生徒を助けに行く。

 最初のGAによる攻撃で学園内に居た軍の部隊の半数がやられたが、専用機を持つ生徒たちの加勢のおかげかどうにか持ち堪えている。キュラソーのブラックウィンドウによる電子戦の成果もあり、核で動くGAを一機も爆破させずに無力化出来ている。続々とやって来る増援にもその情報を伝えているので、学園の防衛戦を突破したGAを全て排除できそうだ。

 

「学園内に辿り着いたGA隊、損害多数! このままでは全滅します!」

 

「クソっ、なんでパクリ如きにやられるんだ!? この神が作ったのが本物なんだぞ!」

 

 GAこそが本物で、ISが偽物であると思っている神矢は防衛戦を突破して学園内に突入したGA隊が壊滅状態の報を聞き、苛立ちを覚え始める。

 現在、第二IS学園守備隊の防衛線はスコープドックの改良型を中心としたゴッドアーミーと十三騎士の一人であるインゲ・リーマン率いるレッドショルダーの連合部隊を何とか足止めしている状況だ。その隙を付かれてか、ATより危険であるGAに突破され、学園内に侵入を許してしまっている。何とか対処している守備隊であるが、GAの対処に向かわせたバルキリーや戦術機は呆気なく撃破され、学園内への侵入を食い止められない。

 だが、量産タイプのGAの防御力の低いこともあり、学園の戦力で何とか対処できている。それにアガサ騎士団やワルキューレの基地も近い事もあり、増援も続々と来ている。逆に攻め込んだゴットアーミーは損害を増やすばかりだ。

 後の作戦のことを考え、無駄な損耗を控えるためにゴットアーミーを指揮するカーネルは神矢に撤退を進言する。

 

「神よ、敵は次々と増援が来ており、このままでは包囲されます! リーマンの隊が撤退の許可を求めております! ここは戦力のことを考え、撤退を…」

 

「馬鹿が! 神の軍隊だぞ!? この神にクソ(あま)どもに背中を見せて退けというのか貴様は!?」

 

「ですが…」

 

「なら、ラースを投入する! 奴のクレイジーパワーは頂点に達している! 奴らなら専用機持ちとは言え、圧倒できる!!」

 

 撤退の進言を跳ね除けた神矢は虎の子のラースを投入することを決定した。ラースはISを自分の総てを奪った元凶と思っており、出撃を待っている。カーネルは次の攻勢に備えて彼を温存しておきたかったが、神の神矢の言う事を聞かねばならぬと判断し、その意向に従う。

 尚、クレイジーパワーとは、GAの性能を高めるパワーの事である、操縦者の狂気度でGAは更なる狂暴性を増すのだ。つまり、恐ろしく狂った者がGAを纏えば、味方からも恐れられる狂戦士(バーサーカー)となるのだ。

 

「はっ! 直ちにラースを投入します!!」

 

「そうだ! この神の作った鎧が、あの紛い物のISを撃ち滅ぼすのだ!!」

 

 神矢の意向通りに出撃したラースは、周囲の敵を無視して真っ直ぐに第二IS学園を目指す。自分の総てを奪ったISとその関係者たちを抹殺しに…。

 

 

 

「伝令! 伝令!!」

 

 北欧のブナ屋敷で攻撃目的の情報収集を兼ねた茶会を行っているシャオリー・カーンの元に、伝令の騎士が慌ただしく訪れた。慌ただしくドアを開け、シャオリーの元へ向かう伝令の騎士を見たメイドたちは驚き、呼び止めることなく彼を茶会の会場までの侵入を許してしまう。

 

「何事です?」

 

 ドレス姿で高価な椅子に腰かけ、紅茶をスコール・ミューゼルと呼ばれる女性と楽しんでいるシャオリーは、慌ただしく入って来た伝令の騎士に何事かと問う。向かい側の席に座るスコールは、隣に立つロングヘアのオータムを無言で止める。

 茶会を邪魔した伝令の騎士は片膝を床に付け、頭を下げて謝罪しつつ、シャオリーからの赦しの言葉が来るまで待つ。

 

「おっ、ご婦人方、これは失礼を!」

 

「何ですか、申してみなさい」

 

「あぁ、これは。一大事でございまする。お聞きくだされ!」

 

 赦しの言葉が来れば、伝令は神矢らゴットアーミーによるシベリアの収容所の襲撃から日本海における戦艦大和の出現、討伐に向かったルリ不在を狙ったIS学園の襲撃、スイスの第二IS学園の襲撃の報をシャオリーに知らせた。

 

「では、作戦を…」

 

「それには及びませぬ。最初のシベリア収容所襲撃は既に敵は立ち去った後でありましたが、スイスに姿を現し、現在掃討中であります。日本海における戦艦大和はカポディストリアス殿が対処に当たり、現在の所は圧勝です。日本のIS学園は敵の数が思ったより少ないのか、決着が着きましょう。第二IS学園も掃討戦に移行しつつあります」

 

「なるほど。三か所の襲撃は現状の戦力で対処ができ、作戦に支障は無いと言う事ですね。では、なぜ知らせたので?」

 

「ガーランド卿の指示でございます。ガーランド卿自らが対処に当たると申され、作戦参加の隊から戦力を割く必要は無いとの事です」

 

 その報を聞いたシャオリーは作戦を中断しようとしたが、伝令はそれらの対処は現状の戦力で可能だと答えた。次になぜ知らせたのかとシャオリーが問えば、伝令は自分に報告を命じたミッチェル・ガーランドが対処に当たるから作戦を中止するなと答える。

 

「ガーランド卿が対処に当たるのですか。なら安心はできますが…」

 

「カーン殿、安心なされよ。ガーランド卿はZZが無いとはいえ、最高性能のKMFであるランスロットに騎乗なされました。事態は収束に向かいつつあります。カーン殿は作戦に全力で取り組んでくだされ」

 

「そうですか、なら、頼みましたよ」

 

 もしもの対処を考えようとするシャオリーに対し、伝令はミッチェルを信頼しろと告げれば、彼女は領主の同期を信頼した。

 

「では、自分はこれにて失礼!」

 

 立ち上がった騎士はシャオリーに向けて頭を下げ、そのままブナ屋敷を後にする。伝令の騎士が立ち去った後、シャオリーは席に戻って茶会を再開した。

 

 

 

 もうじき戦闘が終わると思われた第二IS学園であったが、ラースの投入により状況が一変した。

 最初はまた狂人が乗ったGAだと思っていたが、そのGAを纏う老人は他の狂人とは別格であり、挑んだ増援のVA「ダヌム・アルゴン」三機が一瞬にして撃破された。

 

「嘘…?」

 

「あ、ISが一瞬で…!?」

 

 ISはIS以外に破壊できない。そう思っていたISの適正者たちであったが、ラースのGAはその常識を覆した。ラースのISに対する憎悪となりふり構わぬ狂気度で強化されたGAは、向かったアガサ騎士団のVAを容易く引き裂いたのだ。

 

「ISは…破壊する…! その関係者は…全て抹殺だ…! 俺の総てを奪ったISは…! ISは…!!」

 

 目前に見えるVAを含む全てのISを憎むラースは、手近に居たメリアのメダル・オブ・オナーに襲い掛かる。

 余りの速い攻撃であるが、生徒に標的を定めたラースに気付いた漣はメリアを守るために高速機動で彼女のメダル・オブ・オナーを突き飛ばした。突き飛ばされたメリアは何が何だか分からなかったが、漣の血が顔に付着してようやく理解する。

 

「せ、先生…?」

 

「こいつは危ない…! 逃げるんだ…!」

 

 ラースの繰り出した絶対防御を貫通するナイフに突き刺された漣は、全員に向けてこの老人が纏うGAから逃げるように告げる。これに一部を除くISを纏っている者たちがラースから逃げるように行動を始める。

 自分を見て逃げるISにラースは次の標的として定め、殺そうとするが、教師の言う事を聞かない専用機持ちたちは立ち向かう。

 漣に助けられたメリアは礼なのか、ナイフを突き刺しているラースに閃光弾を装填したバズーカを撃ち込んで目晦ましを行った後、怯んでいる隙に漣を抱えて離脱した。その次にマデリーヌを始めとした専用機持ちたちは一斉攻撃を行う。

 

「逃がさんぞ! ISぅ!!」

 

「メリアが逃げるまで一斉射撃! ファイヤー、ファイヤー!!」

 

 マデリーヌの指示の元、追撃を掛けるラースに向け、専用機持ち全員が一斉攻撃を行った。近接戦闘武装しか持って居ないクリスティーナとクランティは、重傷を負った漣を抱えるメリアの援護に回る。

 

「やった?」

 

 他の専用機持ちを含め、マデリーヌやヴィルヘルミナと共にラースを射撃武器で攻撃していたアリアチェールはこの攻撃で倒れたと思っていたが、標的にしていたGAは無傷であった。

 あの一個師団規模の火力を耐えたラースのGAは、クレイジーバリアと呼ばれる狂気度によって発現されるISで言えば絶対防御で守られており、無傷であった老人のGAは周囲の第三世代ISを瞬きする間に戦闘不能にし、マデリーヌやヴィルヘルミナ、アリアチェールのISすら一瞬で倒す。

 

「な、何が起きて…!?」

 

 戦闘不能にされたが、他のISを含めて絶対防御で助かったマデリーヌは何が起こったのか理解できずにいた。そんな彼女のザ・カーニバルを完全に破壊して殺そうと怒りと狂気に駆られたラースが近付く中、クリスティーナの第三世代ISであるカーミラが止めに入る。

 

「この鮮血の処女(ブラッディ・メイデン)で、吸い尽くしてやる!!」

 

 カーミラの肩と腰の装甲に収納されている四本の隠し腕から真紅の水晶体を作り出し、そこにラースを閉じ込めてエネルギーを吸い尽くそうとしたが、その単一仕様能力は欠点が多すぎた。あっさりと避けられ、強烈な蹴りを頭に受けて地面に叩き付けられて昏倒する。

 クリスティーナがやられる中、彼女にとどめを刺させない為にクランティがラースに挑んだ。インドの第三世代ISの接近に気付いたラースは攻撃を避けるが、それはクランティのフェイントであった。

 

「貰ったっ!!」

 

 左腕のウルカ・フィンドのパイルバンカーをラースに向けて撃ち込んだのだ。躱せない距離から撃ち込んだため、ラースは避け切れず、クレイジーバリアが何故か発動せずに生身の胴体に受けてしまった。

 

「死んだ?」

 

 致し方なく殺したと思ったクランティであったが、狂気度でラースは全く痛みを感じておらず、倍返しの拳をチャマック・ターラーに打ち込んで彼女を戦闘不能に陥れた。

 

「たった八分で十数機の第三世代が…」

 

「さっきの狂人とは違い過ぎる…!? あのジジイが本命なの!?」

 

 数十分前で出現し、たった一機で状況を一変させたラースのGAは第二IS学園の各国家が誇る専用機持ち達を戦慄させた。

 

「ISぅ…! 全て、全て抹殺だァ…! 貴様ら全員、貴様ら全員皆殺しだァ!!」

 

 自分を恐怖の目で見るISの搭乗者らに対し、ラースは怒りと憎しみ、そして狂気が入り混じった表情を浮かべながら襲い掛かった。




次で大和と決着を付けさせ、IS学園の戦闘を終わらせ、第二も終わらせて行こうかな。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。