【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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ごめん、終わりそうにない(汗)。


神の牙城 後編

 佐奇森神矢の秘密研究所がある島に攻撃を行ったアガサ騎士団であったが、MSと一体化したマレット・サンギーヌ、GAと融合した知恵早戸、ゲドラルド、ローザの四名による暴走で苦戦を強いられていた。

 上陸部隊の三分の一は奇襲攻撃と四名の暴走によって壊滅しており、残りは暴走している四名を必死に止めようと集中砲火を浴びせている。

 暴走状態の四名の視界に入っていなかったミッチェル等はガリアの先導の下、少数で地下に突入し、次々と出て来るメイソン騎士団の機動兵器と交戦していた。

 

「フン、取りこぼし風情で我らメイソン騎士団と戦おうなどと!」

 

 メイソン騎士団のクリフ・ハンガーが駆る大剣を持ったレギンレイズと複数の同型機やグレイズタイプ、その他諸々のKMFに阻まれ、前進できないでいる。

 クリフのレギンレイズが振るう特殊合金の大剣で、突撃を行った三機のグレイズが一瞬にしてバラバラにされる。この強大な敵に、ミッチェルたちは後退り始める。

 

「クソっ、いくらランスロットとはいえ、手練れが乗るレギンレイズ相手では…!」

 

 ランスロットに乗るミッチェルは他の騎士たちと同様に後退る。そんな青い騎士団に対し、赤い騎士団のレギンレイズやグレイズ・シルト等のMS隊は包囲して徐々に追い詰める。

 

『畜生、ヴィンセントなら!』

 

『迂闊に飛び出すな! バラバラにされるぞ!』

 

 追い込んでくるメイソン騎士団に対し、ディアスは飛び出そうとするが、ジョンに止められる。

 

「なら、オハンで!」

 

 これにニコライは、自分専用のガレスの装備である音響兵器オハンを使って状況を一変させようとする。

 

『総員、耳を塞げ!』

 

「オハン、発動!」

 

 ニコライがオハンを使用すると言えば、ミッチェルは全員に耳を塞ぐように指示を出した。

 彼の専用機であるガレスより音響兵器オハンが発動されれば、追い込んでくるメイソン騎士団の機動兵器の動きが止まる。広範囲に設定しているために威力は半減してしまい、クリフには効かなかった。

 

「えぇい! たかがラッパ程度でこの俺は止まらんわ!!」

 

『な、なにっ!?』

 

 音波攻撃に耐えつつ、クリフは一気にニコライのガレスに接近し、その大剣を振り下ろす。音波を当てられにも関わらずに動いているクリフに驚きつつも、振り下ろされる大剣を専用大型シールドで防ごうとしたニコライであったが、大剣は専用シールドを切り裂くほどの切れ味であり、機体ごと切り裂かれてしまう。

 

「うわぁぁぁ!?」

 

 刃がコクピットに達する前に、ニコライは乗機を棄てて脱出した。そのまま腰の剣を抜き、甲冑を身に纏って戦場に出ている騎士たちと合流する。接近してきたクリフのレギンレイズに、連射式ライフルを持つユウ機や他の機体が撃ち込んで下がらせる。

 

「一機潰してやったぞ! このまま全員、一気に血祭りに上げてやるわ!」

 

 下がったクリフは機体の空いている左手でミッチェル等に指差し、次は一気に全員を血祭りに上げると宣言した。

 

 

 

 地下に突入したミッチェルたちがクリフの隊に阻まれる中、地上の方ではエルネスティーヌが専用ISである青騎士を纏って出撃し、四体の暴走者と交戦していた。

 

『死ねぇぇぇ!!』

 

「ドリルハリケーン!!」

 

 MSと一体化したグレイズ・マレットのバトルアックスの斬撃を躱せば、早戸のドリルによる刺突が繰り出される。それも躱した瞬間に、ゲドラルドとローザの攻撃がエルネスティーヌの青騎士に迫る。

 

「ぶっははは! ハチの巣だぜぇぇぇ!!」

 

「女ぁ! やらせてよぉ! やらせろよぉぉぉ!!」

 

「くっ、いつまで持つ!?」

 

 ゲドラルドの無数の銃火器や大砲などの弾幕を躱し切った後、それを物ともせずにローザから繰り出される触手を両手剣「アガサ」で切り裂いた。空かさずに左腕のボウガンで手近に居る卑猥な怪物に反撃するが、身体が引き下がることを覚えているのか、躱されてしまう。

 その次にまたグレイズ・マレットと早戸のドリル攻撃が始まり、碌に反撃も出来ず、エルネスティーヌはいつまで持つことが出来るかと弱音を吐く。

 

『領主様! 我々も!」

 

「お前たちは来るな! この異常な者たち、お前たちでは敵わん!」

 

『ですが!』

 

「良いからお前たちはメイソンの者たちに集中しろ! こいつ等は私が引き付ける!」

 

 領主であるエルネスティーヌを助けようと、MS隊やVA隊が加勢しようとするが、彼女は自分以外ではあの四体には敵わないと判断して断る。彼女が暴走状態の四体を引き付けているから、アガサ騎士団はメイソン騎士団と真面に応戦できているのだ。それをエルネスティーヌは崩したくはなかった。

 そんなエルネスティーヌの要望に反し、増援なのか、紫色と山吹色の武御雷二機がグレイズ・マレットと交戦を始める。

 

「貴公たち!?」

 

『流石にこのMS相手では、厳しかろう!』

 

『領主は三体の相手を!』

 

 これにエルネスティーヌは驚くが、流石にグレイズ・マレットの相手は厳しかった。負担が減ったところで、エルネスティーヌは三体のGAに集中する。

 

「こいつで、あの暴走野郎諸とも…!」

 

 そんなエルネスティーヌを早戸やゲドラルド、ローザ諸とも消し炭にしようと、大型ビーム砲を構えるグレイズが居た。照準を青騎士に定め、エネルギーのチャージが十分になったところで、彼女を狙うメイソン騎士団の騎士は引き金を引こうとしたが、撃つ前にビーム砲を撃たれた。撃ったのはVAのドライ・シュテルンを纏うセルベリアだ。

 

「領主はやらせん!」

 

『うっ、うわぁぁぁ!?』

 

 セルベリアの放ったビームに撃たれた大型ビーム砲は持っていたグレイズを巻き込むほどであり、そのグレイズに乗っていた騎士は機体共々消滅した。

 

『誰か! 包囲されている! 助けてくれ!!』

 

「無理だ! 抵抗激しく突破できない!」

 

 エルネスティーヌが三体のGAと交戦している間、地下に突入したガリアの要請に応じ、部隊と共に救援に向かおうとする戦術機EF-2000タイフーンに乗るアイリスディーナであるが、抵抗が激しくてとてもでは無いが向かえない。先行して向かった小隊はスクラップと化していた。

 

 

 

「見よ、ホウキ・シノノノよ。貴様を救わんと、アガサの者共が足掻いておる」

 

「私の為にそんな…!」

 

「これ以上、アガサの者共の死を見たくなければ、姉に余の配下となるように請うのだ」

 

 柱に拘束した箒に、モーリック十三世は配下のメイソン騎士団によって倒されていくアガサ騎士団の映像を見せ、姉である束に自分の配下になるように請えと告げる。

 自分の為に犠牲となるアガサ騎士団の騎士たちの姿を見て、箒は悲しんで映像の右手に映る姉の束に向けてモーリック王の要請に応じるように頼む。

 

「姉さん頼む! あの人たちの為に、この男の言う事を!! これ以上、私の為に死んでほしくない!」

 

 これ以上、自分の為に死んでいく者たちを見て堪らなくなり、必死に映像の向こう側に居る姉に頼む箒であるが、当の束は眉一つ動かさず、表情を崩さない。まるで他人事のように、アガサ騎士団の騎士たちが散って行く様子をただ見ている。

 この束の態度にモーリック王は鼻で笑い、やはり思っていた人間であると確信する。つまり束を冷酷な人間だと見たようだ。

 

「フッ、他人の死に様を見て何も感じぬとは。冷徹な女よ。では、身内が傷付けられても冷静でいられるかどうか、試してみよう。ジョーンズ、娘の指を切れ」

 

「御意」

 

 自分の身内を傷付けられても、応じぬかどうか試すべく、モーリック王は部下に箒の指を切るように命じた。これに応じて短剣を抜いた部下が箒の腕を掴み、指を切り付けようと必死に抵抗する彼女の腕を抑え込み、浅い切り傷をつける。その様子を見ていた束の余裕の表情が崩れる。

 

『…何の、つもりかな?』

 

「ほぅ、どうやら血が通っておるようだ。今度は、指を切り落としてみてようかの…」

 

『っ!?』

 

 妹である箒を傷付けた部下を睨み付ける束に対し、モーリック王は血が通っていると確信して今度は指を切り落とすように命じた。それに束は驚いた表情を見せ、怒りを露にする。その反応を逃すことなく、モーリック王は束に畳み掛けた。

 

「十秒だ、十秒ごとに貴様の妹の指を一本ずつ切り落とす。直ぐに応じれば、妹は傷付かずに済むぞ?」

 

「ひっ…!? い、いや…!」

 

『…』

 

 十秒経つごとに指を切り落とすと脅せば、束が動揺したような表情となった。どうやら、箒が自分の所為で傷付くことにかなり動揺を覚えているようだ。当の箒も震え、思わず姉の方を見てしまう。

 妹の怯え切った表情を見た束はモーリック王の要望に応じるしかないと思い、その首を縦に振ろうとする。だが、すっかりと指を切り落とされることに怯え切っている箒は、自分の所為で何の罪も無い、あるいはメイソン騎士団と対立する人々が死んでいく事を思ってか、勇気を振り絞って応じるなと叫ぶ。

 

「応じるな!」

 

「な、何を!?」

 

「応じるな姉さん! こいつ等は、ISを兵器としか見ていない! 戦争の道具にするつもりだ!!」

 

「ぬぅ、恐怖の余り血迷ったか! ジョーンズ、指の一本を切り落とせ!」

 

 ISを兵器としか見ていないと叫んだ箒に、そんなことを言うとは思わなかったモーリック王は意表を突かれてか、部下に早く指を切り落とすように告げる。部下が応じて箒の右手を掴み、小指を短剣で切り落とそうとしたが、モーリック王が居る部屋に伝令が慌てて入って来る。

 

「ほ、報告いたします!」

 

「何だ!?」

 

「わ、我が方のデータに無い機体の集団がこちらを攻撃しております!!」

 

「何っ!? 真か!?」

 

「真でございます! み、見知らぬ兵器がアガサの者共を援護しておりますぞ!」

 

 伝令の正体不明の勢力による襲撃の報告に、部下の一人が現場の映像を映せば、そこには伝令の言った通り、メイソン騎士団を攻撃する謎の勢力の機体が映っていた。

 それは一夏たちを収容し、現場に駆け付けてきたスカイリンクスたちだ。これにモーリック王が驚愕し、直ちにメイソン騎士団の秘密兵器を用意するように部下に命じる。

 

「ホークスを用意せよ! 決戦である!!」

 

『はっ!』

 

 一夏たちを乗せたスカイリンクス等がスイスの第二IS学園の者たちを乗せた戦隊と合流し、アガサ騎士団を援護する中、自身の計画を遂行準備を行っている神矢は戦闘音が鳴り響く方向に視線を向ける。

 

「外がやけに騒がしいな。だが、関係はない。これより世界は、この神の手によって創り変えられるのだ」

 

 何が来ようと、この神の計画には支障を来すことは無い。

 そう思う神矢は自身の計画を実行するため、機器を操作してほくそ笑み始める。もうじき、世界を自分の思い通りに創り変えるのだから。

 

「これより変革、否、創生の時なのだ。この神によって、新たなる世界は誕生する!」

 

 それを新しい世界と表し、神矢は操作を終えた。自分の作り上げた最強の兵器であるGA(ゴットアーマー)を纏い、自分が調整していたマシンに乗り込む。

 

「これから世界を創造する。お前たちは、この神聖なる儀式の邪魔をする無礼者どもを始末しろ」

 

「はっ、仰せのままに」

 

 配下のカーネル等に命じれば、神矢は自分の世界の最終調整に入った。

 

 

 

 アガサ騎士団の増援として現れた一夏たちとスカイリンクス等は、今までアガサ騎士団を圧倒していたメイソン騎士団らに向けて攻撃を開始する。

 

「スカイリンクス航空、ただいま参上! 赤い乱暴者共の退治は任せておけ!」

 

「あ、あれは!?」

 

「IS学園の生徒たちだ! スイスの第二も居るぞ!?」

 

 スカイリンクスがISを纏った一夏たちを降ろし、戦闘形態に変形してメイソン騎士団らを攻撃すれば、学園に居るはずの生徒たちが加勢したことにアガサ騎士団の騎士たちは驚きの声を上げる。

 増援としてやって来たのは以下の通り。

 

 IS学園

 織斑一夏 専用IS白式

 セシリア・オルコット 専用ISブルー・ティアーズ

 鳳鈴音 専用IS甲龍

 シャルル・デュノア 専用ISラファールリヴァイブⅡ

 ラウラ・ボーデヴィッヒ 専用ISシュヴァルツェア・レーゲン

 一文字ゆきな VAダヌム・アルゴン

 敦賀千雨 VAダヌム・アルゴン

 

 第二IS学園

 メリア・パターソン 専用ISメダル・オブ・オナー

 クリスティーナ・ヴィンツェル 専用ISカーミラ

 マデリーヌ・ランス 専用ISザ・カーニバル

 アリアチェール・ハルパニア 専用ISブルー・ティアーズ5号機

 クランティ・ヴィング 専用ISチャマック・ターラー

 ヴィルヘルミナ・アーベントロート 専用ISシュヴァルツェア・フランメ

 

 これらの増援により、戦況はアガサ騎士団の方へと傾いた。

 

「やりますわよ!」

 

「OK! やったるで!」

 

 セシリアとアリアチェールは武装は違うが、同じISのブルー・ティアーズのビット攻撃を行い、KMFやSPT、MF隊を圧倒する。

 

「ミーナ、援護する! 突撃しろ!」

 

「了解!」

 

 ラウラは射撃兵装で援護しつつ、同じ隊のヴィルヘルミナに突撃を命じる。これに応じ、突撃仕様のシュヴァルツェアを纏うヴィルヘルミナは援護を受けつつ突撃を行い、グレイズにシュトースツァーンを斬り込み、転倒させて無力化させる。

 

「第二の人たち、行くわよ!」

 

「了解、続くわ!」

 

「先行します!」

 

 鈴が共に突撃を掛けるから援護をしてほしいと言えば、クリスティーナとクランティは応じた。先に全身装甲のISを纏うクランティが先行し、攻撃を引き受ける。

 攻撃対象は二機の武御雷を圧倒しているグレイズ・マレットだ。鈴の甲龍の放った衝撃波で怯ませた後、クリスティーナの騎乗槍で刺突を行い、クランティのウルカ・フィンドを叩き込んで転倒させようとする。

 

『ぬぅ!? 小物の分際で!!』

 

「今だ!」

 

「はぁぁぁ!!」

 

 自分からすれば小物であるISに攻撃され、怒り狂うマレットは周辺に両肩の砲を乱射するが、当の三機は既に離脱していた。乱射によって発生した爆風で、攻撃のチャンスと見た紫色の武御雷に乗る御剣冥夜(みつるぎ・めいや)、山吹色の武御雷に乗る唯依、VAのドライ・シュテルンを纏うセルベリアの同時攻撃を行う。

 冥夜の斬撃で右腕を斬り落とされた後、次に唯依の斬撃が胸部に炸裂する。その次にセルベリアのVAの槍の突きが、胸部に入れ込んだ亀裂に突き刺さり、グレイズ・マレットは激しい損傷を受けた。

 

『グァァァ!? こんな劣等種共に!!』

 

「息の根を止める!」

 

 これほどの攻撃にも関わらず、撃破に至らなかったが、宗介のレーバテインによるとどめが入る。彼は機体の機能であるラムダ・ドライバを使い、右手に溜め込んだオカルトパワーをグレイズ・マレットに叩き込み、内部爆発を起こさせて撃破した。

 

『うわぁぁぁ!? なんだこれは!? 一体なに…』

 

 自分が爆発していく事を理解できないマレットはそれに恐怖しつつ、機体と共に大爆発を起こして完全に消滅した。

 

「あの三体をやるよ! 僕に合わせて!」

 

「イエッサー! オープンファイヤー!!」

 

「了解!」

 

 シャルルはマデリーヌとメリアに、エルネスティーヌを攻撃する早戸とゲドラルド、ローザに砲火を集中すると言って、射撃兵装主体の彼女らと共に一斉射を浴びせる。ガトリング砲に連装砲、ミサイルと言う雨あられな攻撃に、三体の暴走体は動きを止める。巻き込まれそうになったエルネスティーヌはそれに気付き、素早く退避していた。

 そんな過剰な攻撃が済んだ後、VAであるダヌム・アルゴンを纏うゆきなと千雨が、ゲドラルドとローザに接近する。彼女らは接近戦を仕掛けようと言うのだ。

 

「ぐぇあぁぁ…むごっ!? 女だぁ!」

 

「醜くて下劣な奴、もう容赦はしません!」

 

 先に仕掛けたゆきなは自分の姿を見て興奮し、無数の銃身や砲身を出したゲドラルドに嫌悪を覚え、その弾幕を躱しながら急接近し、とどめの一撃を打ち込んだ。

 

「もうあなたは、人間じゃない!」

 

「おがぁぁぁ! 俺が!? この俺が!? し、死ぬっ!? 死ぬのかァァァ!? がァァァァ!」

 

 ゆきなの容赦のないとどめの一撃はゲドラルドを両断し、まだ息のある彼は自分が死ぬことを理解できずに息絶えた。

 

「あっひゃひゃひゃ! 女だ! 女だァァァ!!」

 

「きもっ! しかも触手とか! そんなエロゲーに出て来る化け物は退治!」

 

 次にローザと対峙する千雨は、卑猥な怪物より放たれる触手を剣の二刀流で切り裂きながら接近する。それからローザの周囲を回り、彼の周りに触手による攻撃を躱しながら無数の刀を突き刺し、千刀流の準備を終える。

 全ての刀を地面に突き刺し終えれば、ラビット・スイッチと短距離IBを駆使した全方位からの切り刻みを行い、ローザを切り刻んでいく。

 

「あれ? あれれ!? 僕が!? 僕が切り刻まれていく!? なんでぇ!? なんでぇぇぇ!?」

 

「マジで化け物じゃん。でも、これで終わり!」

 

「くぇぇぇぇ!?」

 

 自分が切り刻まれていくことを理解できずにローザは混乱するが、千雨の放った最後のとどめの一撃で細切れにされ、それから彼女が最後に置いた爆発型手榴弾で完全に消滅した。

 

「最後は、貴様だァァァ!」

 

「このアマァ! 死ねぇぇぇ!!」

 

 最後に残った早戸に、エルネスティーヌは容赦なく両手剣を叩き込もうと接近する。これに合わせ、早戸もドリルを突き出して彼女を突き殺そうと迎え撃つ。早戸の方が早く、ドリルの先端がエルネスティーヌの青騎士に炸裂するところであったが、彼女はそれを寸でのところで躱した。

 

「フン、なにっ!?」

 

「やぁぁぁぁ!」

 

「うわぁぁぁ!?」

 

 両手剣アガサを奇怪な怪物となった早戸に叩き込み、彼を両断した。両断された早戸は爆発して完全に死亡する。

 四体がやられたことにより、メイソン騎士団の士気が下がり、思わず敵前逃亡をしそうな者が出そうになるが、指揮官の声で何とか崩壊は免れる。

 

「う、うぅぅ…」

 

「逃げるな! 防衛に集中しろ!!」

 

 崩壊は避けられたものの、隙が生じたので、アガサ騎士団はそれに乗じて一気に突撃を行う。

 

「敵が怯んだぞ! 突撃しろ!!」

 

『アーガーサァァァ!!』

 

『アルゴン王、万歳!!』

 

 士気を取り戻したアガサ騎士団は一斉に突撃を行い、大挙して地下施設へ続く出入り口の方に殺到する。これを止めようとするメイソン騎士団であるが、アガサ騎士団の勢いはすさまじく、一気に突破されてしまう。

 だが、出入り口の方の抵抗は凄まじく、突撃した騎士たちは次々と無数の方かの前に散って行く。一夏の白式もその場に居たが、無数のSPTやMFに阻まれて前進できない。

 

「くそっ、なんだこの数!?」

 

 無数の敵機に応戦する一夏であるが、一向に減ることなく攻撃を受け続ける。

 そんな彼らに、第二の援軍が現れる。それは、戦艦大和に触れたルリだ。勇のブレンも同伴している。

 

「あの出入り口に一斉砲撃だ!」

 

「大和ちゃん、お願い!」

 

「了解、大和型戦艦一番艦、大和! 押して参ります!」

 

 勇がルリに指示を出せば、マギア・コリツェを纏う彼女は海上に浮いている大和撫子のような風貌を持つ美女に向けて砲撃の指示を出す。その美女は左右に戦艦の主砲のような物を纏っており、砲口を出入り口の方に向け、一斉にそれを放った。

 

「主砲、効力射! 撃てぇぇぇ!!」

 

 凄まじい砲声が鳴り響き、砲弾が出入り口を守るメイソン騎士団に降り注げば、凄まじい弾着音と共に抵抗していた敵は吹き飛んだ。

 

「何が何だか知らんが、今がチャンスだ! シュヴァルツェ大隊、突撃!!」

 

 その美女の砲撃を理解できなかったが、アイリスディーナはそれをチャンスと捉えて配下の大隊と共に突撃を行った。後から一夏たちやアガサ騎士団も突撃を行う。

 

「外の敵は吾輩らに任せてくれ! 君たちは突撃だ!」

 

「分かった! 行くぞ!」

 

 続々と地下へと突入していく中、スカイリンクスが外の敵は任せて欲しいと言ったので、勇はそれに応じてルリと共に地下へ突入した。砲撃を行った大和なる美女も、スカイリンクスと共に残っている残敵の掃討に当たる。

 

 

 

「後は貴様だけだ!」

 

 先に地下に突入したミッチェルはクリフに阻まれ、既に残りは彼のランスロットのみであった。残りは乗機を撃破され、生身で殺しに来るメイソン騎士団の騎士たちと死闘を繰り広げている。

 

「あぁ! ガーランド卿が!?」

 

 小柄な体系で斧を持って殺しに来る騎士の鎧の隙間に短剣を突き刺して殺したニコライは、ミッチェルのランスロットがクリフのレギンレイズに圧倒されているのを見てやられてしまうと思ってしまう。アルベルトも慣れぬ剣術で応戦しつつこれを見て、こちらが負けると思ったが、ここに来て援軍が現れた。

 

「っ! 敵の増援か!?」

 

 現れた敵の増援にクリフは驚いたが、ミッチェルのランスロットを蹴ってアガサ騎士団の増援に挑もうとする。

 だが、先行していたのは勇のブレンであり、クリフの大剣による攻撃をバイタルジャンプと呼ばれる分身に似たアンチボディが持つ能力で躱し、背後に回り込み、ブレンバーとブレンブレードによる二刀流で敵のレギンレイズを切り裂く。

 

「ブレンバー二刀流!」

 

『なにっ!? うわぁぁぁ!』

 

 連続の斬撃によってクリフのレギンレイズは無力化され、そのまま地面に倒れ込んだ。

 

「なんだあの機体は?」

 

『援軍であることには変わりない! 行くぞ!』

 

 増援と合流したミッチェルはやって来た増援に勇のブレンが何なのかを問うが、相手は味方であることには変わりないと言って奥深くへと突撃した。ミッチェル等もそれに続き、一気に箒のいる部屋まで到着する。

 

「箒!」

 

「一夏!」

 

『おのれ!』

 

 囚われた箒を見付けた一夏がその名を叫ぶ中、サザーランドに乗り込んだメイソン騎士団の騎士がスラッシュハーケンを放ち、白式を捕えた。そのまま右手に持った剣で白式を切り裂こうとしたが、共に突撃したイクサー1によって撃破される。

 

「織斑さん、篠ノ之さんを!」

 

「ありがとう!」

 

 イクサー1に礼を言ってから一夏は箒の拘束を解き、脱出しようとする。だが、ここでモーリック王が用意させていたホークスと呼ばれるメイソン騎士団の決戦兵器が来る。

 

「あ、あれは!?」

 

「ホークスだ!?」

 

 メイソン騎士団の紋章として使われている鷹型の兵器に、アガサ騎士団の機動兵器は次々と倒され、更には冥夜と唯依の武御雷、アイリスディーナのタイフーン、セルベリアのドライ・シュテルンですら瞬く間に倒される。一瞬にして十数機を倒したホークスはロボット形態に変形し、右手に剣を持って付近に着地した。

 

「余の計画を無茶苦茶にしおって! 皆殺しにしてくれるわ!」

 

「モーリック十三世だな!? このミッチェル・ガーランドが討ち取る!」

 

 十五メートルほどのロボットに変形したホークスに対し、ミッチェルはランスロットの両手剣を構えて挑む。しかし敵は決戦兵器。最強のKMFと言えるランスロットは手も足も出ずに撃破される。

 

「ぐわぁぁぁ!?」

 

『ハハハ! その程度のおもちゃでこのホークスに敵わぬわ! せめて貴様らの決戦兵器を持ってくることだな!』

 

 ホークスの性能は決戦兵器とも呼べるほどに圧倒的であった。これにアガサ騎士団らは再び怯むが、一夏たちは臆せずに挑もうとする。

 

「お前が大将だな!? 俺がやってやる!」

 

『フン、身の程知らずの小僧め。返り討ちにしてくれるわ』

 

『いや、ジジイ。お前の出番はこれまでだ』

 

『っ! 何奴!?』

 

 一夏が倒してやると言えば、モーリック王はそれを華で笑う。いざ、一夏が突っ込もうとした瞬間、新世界の創造の調整が終えた神矢がここで姿を現す。

 

「あ、あれは…!?」

 

「なんだこれは!?」

 

『跪け、下等生物共! 貴様らは神の前に居るのだ!』

 

 脱出したミッチェルが驚きの声を上げれば、神矢は跪けと叫ぶ。無論、応じる者はいない。邪魔をされたモーリック王は神矢に挑む。

 

「神だと? ふざけたことを抜かしおって! 貴様から始末してくれるわ!」

 

『愚か者め。いや、ボケが進み過ぎたか』

 

「ほざけぇぇぇ!!」

 

 自らを神と自称する神矢に対し、怒りに燃えるモーリック王は超高速移動で迫り、剣で切り裂こうとしたが、神を自称する男が纏う巨大な機体は動くことなく、メイソン騎士団の決戦兵器ホークスを吹き飛ばした。

 

『ぬわぁぁぁ!?』

 

「ほ、ホークスが!?」

 

『ハハハッ! あの程度で最終兵器か! 否、この神の前ではただの木偶に過ぎんのだ! さぁ、新世界を創造する前に、掃除を行おうか!』

 

 ホークスをいとも容易く吹き飛ばした神矢は、集まったアガサ騎士団や一夏たちに向け、新世界を創造するための掃除を行うと宣言した。




色々と退場しました。次回で本当に最後となります(汗)。
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