【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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さて、ガルダーゴンの前に移動しなくちゃ…

今週のネタバレ。

ラスキー「シルバー、チャリオッツッ!!」


コロニー落しの失敗

 同盟軍の起死回生と言うか、地球破壊を目的としたコロニー三十基による狂気のコロニー落し作戦は、連邦軍の決死の抵抗と人類最強の船であるインフィニティの出現によって失敗した。

 作戦を玉砕覚悟で達成しようとした同盟軍艦隊は、成功の要であるコロニーとMAのディビニダドを失い、敗走状態であった。

 

「地球を破壊せんとした極悪のエイリアン共を一人残らず逃すなァ! 皆殺しだぁ!!」

 

 あれほど我が身可愛さに震えていた三輪であるが、連邦軍や優先になった途端にいつもの極右軍人に戻り、自軍の勢力圏内へと逃げる同盟軍艦隊の追撃に入る。宇宙軍・宇宙海軍の連合艦隊は既に疲弊しきっているが、三輪に無茶を言われ、何隻かがなけなしの追撃を仕掛ける。だが、命令に従わぬ艦隊は幾つかあった。

 

「三輪元帥より追撃命令が来てますが?」

 

「俺たちは核攻撃隊だぞ? 追撃は不要だ。それより核弾頭に安全装置(セーフティー)を掛けろ。その後に、友軍の救助活動だ」

 

 後方で待機しているまだ元気な宇宙軍と海軍の核攻撃部隊に、三輪の追撃命令が出たが、彼らは無視して核弾頭に安全装置を掛け、味方の救助活動に向かう。

 

「この状況で追撃命令? 無視しろ! こちらは被害甚大なんだ! 出来る訳が無いだろ!」

 

 三輪の命令を無視するのは、後方で控えているまだ元気な核攻撃隊だけではない。コロニー落し阻止で消耗しきった宇宙軍部隊も無視して、後方へと下がり始める。追撃できる程の弾薬やエネルギーなど持ち合わせていないのだ。

 

「フッド卿、三輪元帥より追撃命令が出されていますが…」

 

「そんな下らん命令など無視しろ! 動ける艦艇は、動けん艦艇の乗員の救助活動だ! 手足のある機動兵器もそれを手伝え! 損傷の激しい機体は放棄しろ! 人命を優先だ!!」

 

「はっ!」

 

 UNSC海軍地球防衛艦隊の旗艦である戦艦と言って良いほどの武装を誇るヴァリアント級超巡洋艦の艦橋内で、提督であるフッド卿が三輪の命令を一蹴し、傘下の動ける全ての艦艇に救助活動を指示していた。

 

「このヴァリアントにも病院船として使っても構わん! 所属を問わず、敵兵でも出来る限り多くの人命を救出するのだ!」

 

『アイアイサー!』

 

 フッド卿は敵味方所属を問わず、人命優先で自分の座乗艦も病院船として使っても構わないと告げた。この人道的な命令に、海軍の将兵等は従い、敵味方問わず、フッド卿指揮下の艦隊は、後方で控えている病院船と言った支援艦などを動員して救助活動を行う。

 

『な、何をする!? ISA!!』

 

『うるせぇ! エイリアン共なんぞ助けるんじゃねぇ! こいつ等はコロニーの住人を皆殺にしたんだぞ! 生かして置けるか!!』

 

 この人道的な救助活動に、異議を唱える者が居た。怒りに囚われて逃げ遅れた敵兵らを虐殺する連邦の兵士も居り、敵味方問わず救助活動を行う海軍所属のジェノアスⅡが、大破したジンに近付こうとした瞬間、同じ海軍のISA所属のドートレス・ネオがそのジンを撃破してしまった。

 これを自衛用に持っていたドッズライフルを向け、止めるように告げるが、宇宙軍所属のジェガンJ型やストライクダガーと言った機体は、逃げ遅れた同盟軍機を破壊し始める。

 

『や、止めろ! 降伏してるだろ!?』

 

「エイリアンの捕虜なんざいらねぇんだよ!」

 

 逃げ遅れた同盟軍機が武器を捨てて降伏するも、興奮状態のGキャノンのパイロットは聞かず、手にしているライフルで撃ち抜き、続けて取り残された敵機と敵艦に攻撃し始める。行動不能になった機体もその対象だ。

 地球を破壊するほどのコロニー落しが余ほど頭に来たのだろうが、これは流石にやり過ぎである。

 

「止めろお前ら! こいつ等は戦意を喪失してるんだぞ!? これ以上戦う必要が何処にあるってんだ!?」

 

 エネルギーを使い果たしたディープストライカーから通常のガンダムAEG-1に換装したスパルタン・ジュンは、戦意の無い敵軍に襲い掛かる友軍を止めに入るが、スパルタンでも、怒りに燃える味方を止めるのは至難の業であった。

 これに作戦が失敗し、敗走状態の友軍が虐殺されているのを見た同盟軍の作戦指揮官は、ある決断をする。

 

「ぬぅ、この状況打破の作戦を失敗した私にできる事はただ一つ…! このCSO級大型空母を殿とし、一隻でも多く、後の戦局の為に生存させるのだ!!」

 

 後の戦いに備え、味方を少しでも有利にすべく、一隻でも多く自軍勢力内に戻すため、自分の艦を囮にするという物であった。インフィニティの五倍近くの全長を誇り、コロニーほどに大きく、コヴナント海軍最大のCSO級大型空母なら、損耗した連邦軍の追撃艦隊を止めるのは容易だ。

 

「インフィニティにも追撃命令? こっちはコロニーに三基も突っ込んだんだぞォ! もうシールドも船体も限界だ! 展開されたストライデント級重フリゲート十隻とスパルタン部隊も同様になッ!! 追撃は現状の戦力でやれ! 以上ッ!」

 

 問題は人類最強の戦艦であるインフィニティであるが、流石にコロニー三基に突っ込んで船体は無事では済まないのか、決死隊と同様に限界であった。展開されたストライデント級重フリゲート十隻とスパルタン部隊も同様で、補給を必要とする程であった。

 

「どの隊も、追撃命令を拒否してます!」

 

「どいつもこいつも、ワシの命令を断りよって! 敵は馬鹿でかい戦艦か空母か良く分からんのが一隻だ! 叩き潰してしまえ!!」

 

「あ、あれはCSO級大型空母です! 一隻でも我が宇宙軍艦隊と渡り合う事が…」

 

「黙れェ! 敵は手負いなんだぞ! ここで大人しく返せば、敵は有利になる! 奴らを全て潰さねば、後の戦局に大きく影響する! やるのだ!!」

 

 副官がCSO級大型空母が相手であるというが、三輪は手負いの敵と見て聞かず、無理に追撃命令を出した。

 

『とっ、突破できない! うわぁぁぁっ!!』

 

 当然、三輪の追撃艦隊はインフィニティの五倍ほどの巨大空母を前に返り討ちにされた。

 コヴナント戦争時代、UNSC海軍にとって一隻でも脅威であったCSO級大型空母は、士気の低い三輪の追撃艦隊を、艦載機も出さずに搭載火器で圧倒したのだ。機動力を誇る機動兵器ですら、その弾幕を前に近付けずに撃破されるばかりだ。艦艇も同様である。

 

「あ、あんな馬鹿でかい空母か戦艦か分からん手負いの艦に、追撃艦隊が…!」

 

 決死のステルス攻撃でようやく撃沈出来たCSO級大型空母だというのに、それを真正面から全長五百メートル以下の艦艇の艦隊が雁首揃えて挑んで勝てるはずが無く、溶けるように艦載機と共に次々と破壊されていく。次々と破壊されていく味方に、三輪は慌て様にISAかUCAに救援を要請する。

 

「な、何たる様だ! ISAかUCAは!? なぜ要請に応じない!?」

 

「双方、損耗が激しく応じられないと…!」

 

 この三輪の無茶な要請に応じる者は居なかった。せっかく生き延びたのに、無駄に強力な手負いの敵を追撃して死ぬなど馬鹿げているからだ。

 一方でCSO級大型空母が殿を務める間、同盟軍の残存艦艇は安全圏への退避に成功し、同盟軍の勢力圏内へワープしていく。最後のアサルトシップが安全圏へ向かおうとする中、作戦指揮官は乗員と部下等に退避を命じる。

 

「よし、ここまで来れば! お前たち、直ちに搭載艦で退艦しろ! 乗れぬ者は脱出艇で退艦し、我々を待ってくれているアサルトシップに拾ってもらえ! 後は私一人でやる!」

 

「はっ! 閣下がくれたお命、無駄にはしません! 失礼!!」

 

 この退艦命令に、部下たちは従って脱出艇やCSO級大型空母が搭載している駆逐艦やフリゲートに乗って退艦していく。だが、何名かが残っていた。金色のアーマーを身に纏うCSO級大型空母の艦長であるサンヘイリと、彼を慕う数名のサンヘイリの乗員たちである。

 

「サンヘイリの艦長、私につき合うことは無いぞ!」

 

「これは私の船だ! この船と運命を共にするのが我が誉! コロニーほどではないが、この船を地球へ落せば、核何発分かのダメージを与えられるはず!」

 

「我らも続きます! 艦長殿!」

 

『我々も!』

 

「お、お前たち…!」

 

 同盟軍の残存艦隊を脱出させるため、このCSO級大型空母に地球へ落そうとしていた。艦長が出した提案に、作戦指揮官は涙して了承。数名の志願者と共に彼らは地球への特攻を開始した。

 

「奴がこっちに突っ込んでくるぞ!」

 

 覚悟を決めた作戦指揮官とそれに同伴する艦長らが乗るCSO級大型空母が、全速力でこちらに突っ込んでくるのを見た連邦軍は退避行動を取る。その進路が、地球へと向かっているのを気付いたのは、数秒後であった。

 

「いかんッ! 奴は地球へ突っ込むつもりだッ! あの馬鹿でかい船でも、コロニーほどではないが、確実に地球にはダメージを与えられる! 集中砲火して沈めろォ!!」

 

 最初に気付いたのはラスキーであった。直ぐにありったけの艦砲射撃を行うが、インフィニティより五倍の大きさはある巨大空母を撃沈するのは困難だ。他の艦艇の攻撃もあるが、それでも五倍近くは大きい敵艦に致命傷を与えられても、撃沈には至らず、防衛司令部として使われている地球防衛ステーションまでの接近を許す。

 

「CSO級、こちらに接近!!」

 

「全火砲を集中しろ! 地球に落としてはならん!!」

 

 シールドが消え去り、全体が燃え盛りながら地球に突っ込んでくるCSO級に対し、ステーションに搭載されたありとあらゆる火砲が火を噴く。これほどの攻撃にも関わらず、巨艦故に撃沈には至らないが、決死攻撃の甲斐もあってか、防衛ステーションを避けられた。

 このまま地球への落下コースへと入ったCSO級であるが、落ちたとしても地球に対してダメージは与えられないほど船体は削られ、原型を留めていない。これに大気圏の熱が加わり、船体を更に焼き尽くしていく。

 

「オォォォッ! 地球が、地球が燃えているぞォ!! 作戦は成功だァ! 自由惑星同盟の勝利だ! 自由惑星同盟万歳! 万歳!!」

 

 燃え盛る艦橋内にて、同行した艦長を含める乗員たちは攻撃で死亡し、残った作戦指揮官は地球が燃え盛る幻影を見て、勝利と万歳を叫びながら焼け死んだ。

 その後、大気圏を突破したCSO級の残骸は何もない荒野に突き刺さり、作戦に参加し、戦死した全ての同盟軍将兵の墓標となった。

 

 この同盟軍の狂気のコロニー落し作戦における激戦は、双方、夥しい数の戦死者を出して幕を下ろした。

 だが、戦争はまだ終わらない。これからも、連邦と同盟の双方は大地を染め上げる程の血を流しながら戦い続けるのだ。それを脇から見て楽しむ男の為に…。

 

 

 

 それから時は流れ、連邦と同盟の双方は惑星ガルダーゴンの周辺を決戦場とした。

 宇宙では両軍の凄まじい数の艦隊が互いにぶつかり合い、爆発の連鎖が巻き起こる。消えてはまた現れるその光が、命が一つか、多数の命が消える瞬間だ。

 地上でも上陸した連邦軍の大群に対し、同盟軍の決死の抵抗によって、大地が染まるほどの血が流されている。枠線全土とその周辺は、瞬く間に地獄絵図と化した。

 

「お前のうめき声を聞かせてみろ…!」

 

 この宇宙での決戦において、ドートレス・ネオに乗り換えたサマンサ・ウィンフレッド・ハットン宇宙軍中佐は、両腕のビームガンで複数の敵機を撃破した後、ビームサーベルを抜き、重MSであるクラウダの攻撃を躱し切り、スラスターの噴出口にサーベルを突き刺しながら告げる。

 

「このコスモグラスパーなら、お前たちには負けん!」

 

 同じくセイバーフィッシュから、宇宙用戦闘機であるコスモグラスパーに乗り換えたティアンナ・ロックサイト大尉は、搭載火器の中口径キャノン砲や旋回式ビーム砲で複数の敵機を撃破しつつ、元となったスカイグラスパーと同じくランチャーストライカーを装備し、アグニやミサイル、バルカン砲などで更に敵機や敵艦を撃破していく。

 

「くそ、逃げたツケが激戦区送りか! このジョージⅤ世に近付けるなよ! 僚艦にもそう伝えろ!!」

 

 乗艦はドゴス・ギア級宇宙戦艦「ジョージⅤ世」のままのハーバート・サザーランド・エジャートン少将は激戦送りになった事に腹を立てつつ、傘下の艦隊に自分の艦に近付けないように指示を出す。これに応じ、彼のジョージⅤ世の火砲と僚艦に艦載機は、近付いて来る敵機や敵艦に猛攻を浴びせる。

 

「コロニー民をジェノサイドしやがるテメエらクズはな!八つ裂きにしてブリテンのクソッタレ紅茶と一緒にボストンの海に放り投げてやるんだよ!」

 

 多連装ミサイルポッドのストライカーを装備したウィンダムに乗るスコット・ナジマ大尉は、両腰からスティレット対装甲徹甲入弾を投擲して狙った敵機を撃破した後、ミサイルポッドランチャーを複数の敵機に向けて放ち、何機かを撃破する。

 

「止して下さいよ…俺は戦いが怖いですが、死ぬのが怖いから…戦ってるんです」

 

 誰かと会話しているソードストライカー装備の105ダガーを駆るシヅキ・カザナミ中尉は、近付く敵機を対艦刀で切り裂きながら答える。

 

「その考えを忘れるな、若造。守ることも大事だが、生きることも忘れるなよ」

 

 その近くには艦砲射撃と対空砲火を行うマゼラン改級戦艦「ヤナギ」が居り、艦長のホラン・タカツキ大佐はシヅキに生きる事を忘れるなと言いつつ、周囲に目を配る。

 

「クランシェカスタムの機動力を恐れるが良い!!」

 

 クランシェカスタムを駆るフェリックス・アグネットは、乗機のクランシェカスタムの機動力を生かし、飛行形態で一機を撃破した後、人型形態に変形し、敵艦の艦橋にビームサーベルを突き刺す。

 

「例え、デンドロビウムじゃなくたってな!」

 

 アルトアイゼン・ナハトを駆るスパルタン・ガッツことガッツ・ツキシマは、右腕に装備されたパイルバンカーであるリボルビング・ステークで重装甲の敵機を貫き、直ぐに引き抜いて爆発から離れる。

 

「正式採用型に不満だけど、ミサイル弾幕は出来るわ!」

 

 廃艦の流用とは言え、正式採用されたオリオン級ミサイル艦の艦長を務めるカースティ・サージェント技術中佐は、正式採用艦に不満を漏らしつつも、各所に装備されたアーチャーミサイルによる弾幕で、味方艦隊の前進を支援する。

 

「あれがあればな…」

 

 セオドア・フォラント中佐は、地球防衛戦で乗っていたラッシュデストロイが不採用にされた事に不満を漏らしつつ、いま乗っているソードカラミティガンダムの両手に握られたソードで、近付いて来る敵機を切り裂き続けていた。

 

「修理急いで! 次が来るわよ!」

 

 修理艦隊所属のヴィクトーリア・ヴィルヘルミナ・フリーデリーケ・フォン・ティルピッツ技術大佐は、ガリア級高速工作艦「アカシ」に収容した味方艦の修理を急ぐように急かしていた。

 

「これで良いぞ! 次!」

 

 同艦隊所属のフリードリヒ・ヴィルヘルム・ペーター・フォン・ハノーファー大尉は、自機のジェガンG17型の器用さを活かし、損傷した味方機動兵器の修理を行う。

 

「これが今回の作戦…無茶過ぎない?」

 

 乱戦に身を置いた生体CPUのラウラ・アスタロトは、自身の駆るエールカラミティガンダムを駆り、乱戦状態の中で襲ってくる敵機の攻撃を躱し、複合兵装アドラーのハンマーを叩き込んで撃破する。

 

「このロマンを体現したPT(パーソナルトルーパー)! まさに俺向きの機体よ!!」

 

 PTのシュッツバルトを駆るスパルタン・ビリーことビリー・パワードは、両肩のツイン・ビームカノンや両手の三連マシンキャノンを乱射しながら多数の敵機を撃破していた。

 

「我々は後方部隊の護衛が任務だからな! 前に出るだなんていうなよ!」

 

 後方で同型の僚艦と共に護衛するカロン級軽フリゲート「アース・ヴィクトリー」の艦長であるソディック・メバロー少佐は、部下たちに前に出るなと言わないように注意する。艦共々、ソディックは正式に部隊に配置されたようだ。正規の艦長となった彼は、偉そうに似たような境遇の部下たちに指示を出していた。

 

「クソっ、後ろか撃たれるんじゃないだろうな…?」

 

 メト・リーカロイ准尉は乗っている宇宙用ミッションパックを装備したスコープドッグの安全性の無いコクピット内で、後ろから撃たれるんじゃないかと震える。性懲りもなく、またも同僚の女性に声を掛け、何名かと同時につきあっているようだ。

 

「レイ、援護を!」

 

『OK、ミカ!』

 

 ビルドビルガーを駆るミカ・グレナーとビルドファルケンを駆るレイナ・パープルの両スパルタンⅣは、スパルタン・クラウドが駆るストライクノワールガンダムに続き、味方の進路を開くために敵陣へと突撃した。

 

 

 

「この前は親父に半殺しにされたって言うのに! 全く散々だぜ! 畜生が!!」

 

 ガルダーゴン決戦の少し前、とある辺境の地にて、デア・テゾーロ、本名ニアルカ・イーノは自分のクローン数名と共にある部隊と交戦していた。

 異世界のMSであるガルム・ロディやスピナ・ロディと言ったロディフレームにクローンたちを乗せ、デア自身はヘキサ・フレームのジルダに乗って指揮を執っている。普段はクローンに任せて後方で戦闘をゲーム感覚で味わっているデアであるが、その装置と訃ねは地球での一件で父親に取り上げられ、本体である自分が直接クローンに指示を飛ばさねばならない。

 しかもこの任務は、父親直々の命令であった。断れば殺されるのは確実なので、デアは仕方なく従っている。

 そんなデアの部隊に襲い掛かったのは、戦術機のF-22Aラプターを中心とした所属不明の部隊であった。ナノ・ラミネート装甲を持つロディ・フレームやヘキサ・フレームとは言え、ステルス性と高い機動力を合わせたF-22の奇襲攻撃で、何機かが関節部を撃たれて行動不能にされている。

 

『だ、誰か助けてくれ! うわぁぁぁ!!』

 

「状況が悪過ぎるぜ! ここは、逃げた方は良さそうだな!」

 

 他にもデアと同じくこの任務に就いている傭兵部隊も居るが、F-22の奇襲攻撃によって次々と撃破されるばかりだ。これにデアは自分だけ逃げようと思い、クローンを置き去りにして自分だけ逃走し始める。

 

「俺は一方的に殺されるのは大っ嫌いなんだよ! こんなの、生きるか死ぬかの問題じゃねぇ! 虐殺だ!!」

 

 そう言って逃げるデアのジルダであるが、目前からF-22が現れ、突撃砲の弾幕による雨を浴びせる。

 

「グアっ!? これ以上は装甲が!」

 

 ナノ・ラミネート装甲といえど、何発も実弾を撃ち込まれれば塗装が剥げ、瞬く間に貫通して撃破されるだろう。それだけは避けるために必死に逃げるデアであるが、ステルス部隊が逃すはずが無く、突撃砲下部に搭載された滑空砲の砲身を向けられる。

 

「っ! 嘘だろ…!?」

 

 滑空砲がこちらを向いたのを画面越しに見たデアは、初めての死を覚悟した。




次は、デグ様の戦闘団と二周年記念だな…。
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