【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
性別:女
年齢:21
階級:少尉
所属:ワルキューレ遠征貫艦隊
乗機:VF−31A カイロス
遠征艦隊所属のパイロット。水色でポニテをしている。怒るときは口調が丁寧になり、笑顔になる。
キャラ提供はわかものさん。
名前:マユ・アイゼナッハ
性別:女
年齢:18歳
階級:少尉
所属:ワルキューレ遠征艦隊
乗機:VF−31A カイロス
遠征艦隊の新人パイロットであり、経験が浅く感情的になりがち。かなりの巨乳の持ち主。
キャラ提供はオリーブドラブさん。
名前:マルメルール・ダウル
性別:女
年齢:20歳
階級:少尉
所属:ワルキューレ遠征艦隊
乗機:エステバリス
母艦の防衛担当の1人。死亡枠。
キャラ提供はリオンテイルさん。
名前:メルア・ドリメー
性別:女
年齢:18
階級:伍長
所属:ワルキューレ遠征艦隊
乗機:VF-31A カイロス
実戦が初の新兵。ドジっ娘だが、高性能バルキリーを任されているので、それなりの実力はある。
キャラ提供は秋音色の空さん。
奴隷商店にされていた放棄された宇宙要塞を制圧したワルキューレの遠征艦隊は、そこの設備や資材を使い、戦闘で受けた損傷個所の応急処置を行っていた。
モンターク率いるモンターク商会の武装商船に、後からやって来たハーフビーク級戦艦三隻とハンマーヘッド級揚陸艦四隻、輸送艦六隻の合計十三隻の艦隊が合流する。
「准将、いえ、総帥殿。護衛に馳せ参じました!」
「
「そこの獣には、総帥を任せられないので」
「誰が獣だ! この腰巾着が!」
連絡艇でやって来たのは、モンタークの事を総帥と呼ぶ石動・カミーチェである。総帥としての顔を持つ組織の副官の来訪に驚く中、石動はヤザンに護衛は任せられないから来たと答え、彼を怒鳴らせる。
彼がやって来た理由は総帥と呼んでいるモンタークの護衛では無く、制圧した宇宙要塞に収容されていた奴隷を回収するためだ。ワルキューレもそれが目的であり、収容されている奴隷たちの中に、自分らの世界から連れ去られた住人たちの回収が目的であった。無論、住人を攫って奴隷にしたのは、ヴィンデルの手の者である。
「今はこのモンタークとしての顔では無く、アグニカ・カイエルを継ぐ者、マクギリス・アグニカ・ファリドとして、ここの奴隷たちを導かねばならぬと言う事か」
石動と総帥としての顔の組織の参上に、モンタークは商会としての顔である仮面を取る。
仮面を取ったモンターク、否、金髪でエメラルドグリーンの瞳を持つ男はその正体をここに居る者たちに明かす。その名もマクギリス・ファリド。彼はヤザンや副官の石動と同じく転生者であり、数千万の軍勢「アグニカ・カイエル」の総帥である。
彼の正体を見たワルキューレ遠征艦隊の女性将兵らは頬を赤らめ、美男子の姿に目を奪われる。マリの方は会った時から分かっていた様子で、特に驚いた様子を見せなかった。
「さて、奴隷たちを迎えに行こうか。彼らの中から、我が軍に志願する者が居るかもしれないからな」
素顔であるマクギリスとなった彼は石動やヤザン、自分に従事する部下たちと共に奴隷たちが集められている区画へと足を運んだ。
集められた奴隷たちに向け、自分の軍勢に誘う為の演説を行うのだろう。マリはそう思いながら、遠征艦隊旗艦にある自分の部屋へと戻る。マクギリスの美男子ぶりに、ワルキューレの将兵らは彼が率いるアグニカ・カイエル軍に鞍替えしようかと思い始める。
「ねぇ、入ってみる?」
「えっ? でも…」
「金髪の方は怖いけど、ほら、副官の人もイケメンだし」
通路を進んでいれば、マクギリスや石動の話をする将兵や水兵に遭遇する。マリはマクギリスのアグニカ・カイエル軍を新興宗教勢力と認識していた。
「宗教じゃん、あれ」
アグニカ軍の事を宗教団体と表した後、マリは外に見えるアグニカ軍の装備を見た。先のハーフビーク級やハンマーヘッド級に、艦載機のMSは小型タイプであるリグ・シャッコーだ。かなりの高性能機であり、ビームシールドを装備している。ガンダムタイプに似た外見と武装はとてもシンプルであるが、かなりの戦闘力を有したMSである。
そのリグ・シャッコーはアグニカ軍ではかなり配備されているらしく、作業用以外は全てリグ・シャッコーだ。
「かなり危ないんじゃないの、あの宗教団体」
リグ・シャッコーなどを見て、マリはアグニカ軍は危険と判断した。
「国籍不明艦隊、放棄された要塞へ集結中!」
「いきなりわしの領分に現れて好き放題やった挙句、あんな場所に集まりよって! ただでわしから逃げれると思うなよ!」
一方、自分の領域内で好き放題やった挙句、味方の艦隊を二つとも壊滅状態にまで叩き、挙句にお気に入りにしていた奴隷商店を占領したワルキューレの遠征艦隊とアグニカ軍に、軍閥のリーダーである連邦宇宙軍の大将は激怒していた。
既に要塞周辺を軍閥下の三個艦隊で包囲しつつあり、好き放題暴れて奴隷たちを回収して逃げ出そうとする遠征艦隊とアグニカ軍の艦隊を包囲撃滅するつもりだ。
連邦軍は同盟軍の太陽系進出を阻止するための大規模攻勢作戦準備の為、こんなことをする余剰戦力がないはずだが、ここを牛耳る宇宙軍大将の軍閥は大規模攻勢作戦に軍閥ごと外され、予備戦力どころか投入戦力には組み込まれていないようだ。だからこうしてアンノウンである遠征艦隊とアグニカ軍に戦力を向けられるのだ。
三つの内二つの艦隊は既に包囲陣形についているが、残りの一個艦隊の配置は遅れているようだ。これを知った旗艦に乗る宇宙軍大将は激怒する。
「
「第19艦隊は再編されたばかりの艦隊です。構成人員には敗残兵や強制的に徴兵された新兵が多く、かなりの練度不足です」
配置遅れに激怒する大将に対し、参謀はその艦隊の人員は敗残兵と徴兵された兵士で構成されて練度不足であると返答する。これに激怒した大将は、自分の管轄下にある惑星トーキョーに居るUNSC海軍所属のコロニー船「スピリット・オブ・ファイヤ」を動かせないことに苛立ちを覚える。
「ちっ! スピリット・オブ・ファイヤはなぜ動かせんのだ!? 惑星トーキョーの横浜ドックに居るのだろ!? トーキョーはわしの管轄のはずだぞ!」
「あれは我が軍閥下では無く、ガルダーゴンに対する攻勢作戦の予備戦力でありますので。我らには動かせません」
「上層部の連中め、アンノウンの艦隊が自分らの領域で暴れ回っているにも関わらず、太陽系の方が大事か!」
スピリット・オブ・ファイヤはガルダーゴンの大規模攻勢作戦の予備戦力なので、動かせないと参謀が答えれば、大将は更に苛立つ。もっとも、この宙域は連邦と同盟、双方にとって戦略的価値が無い宙域であり、五個艦隊、合わせて百隻以上も駐留させている連邦軍が異常なのであるが。
そんな宙域に現れたワルキューレの遠征艦隊とアグニカ軍の艦隊に対し、連邦軍は圧倒的物量で包囲殲滅を敢行しようというのだ。
「とにかく、我らでやるしかありません。これでも過剰だと思いますが」
「わしの面子に関わるのだ! 過剰であるか! 行くのだ!!」
二個艦隊で十分な敵を三個艦隊で包囲殲滅はやり過ぎだと言う参謀に、大将は面子の問題と言って無理に従わせた。
連邦軍に包囲されていることは、既にワルキューレの遠征艦隊とアグニカ軍は知っていた。双方とも包囲を突破する準備を済ませており、後は実行するだけだ。
遠征艦隊はまだ攫われた住人の数が揃っていないため、引き続きこの世界で捜索を続ける。回収した住人とその他の奴隷たちを乗せた艦艇は自分らの世界へ返すつもりだ。一方でマクギリスのアグニカ軍はモンターク商会としての任務があるために、惑星トーキョー方面に脱出しようとしていた。その為に石動たちの戦闘艦隊を呼び寄せたのだ。奴隷たちを乗せた輸送艦の方は、同じく回収した遠征艦隊の艦艇と共に脱出する。
「戦略上価値が無いため、配置されている戦力は二個艦隊程度かと思ったが、まさか後三個艦隊まで居たのか」
「大規模作戦で戦力をかなり取られたと思っていましたが、まだあんなに余剰戦力があったとは。連邦軍の物量には驚きです」
アグニカ軍宇宙艦隊の旗艦のハーフビーク級の作戦室にて、包囲陣形で動く連邦軍艦隊の数を見たマクギリスは想定外の数に驚きの声を上げる。石動も大規模作戦があり、自分等小物に対して回す戦力は殆どないと思っていたようだが、その数の多さに連邦の物量の凄さを知った。
既に包囲突破の作戦は練っているが、予想をはるかに上回る敵戦力の多さで磨り潰されそうだ。そんな時に、マリがある作戦があると映像通信でマクギリス等に告げる。
「遠征艦隊旗艦より映像通信。我が艦にです」
「映せ。彼女らの意見も聞かねば」
『ねぇ、教祖さん。作戦があるんだけど』
「教祖だと!? 貴様!!」
意見を聞くために映像通信を開くようにマクギリスが指示すれば、マリは彼を教祖と呼んで包囲を突破する作戦があると告げる。自分らの慕うマクギリスを教祖呼ばわりしたマリに、参謀や部下らが激怒する。それをマクギリスは手を翳して黙らせ、マリの安い挑発に乗ることなく作戦の内容を聞く。
「君に打開策があるというなら是非とも参考にさせて頂こう。話したまえ」
『えぇ。数ばかりのあいつ等に、私のお気に入りの曲を聞かせようかと思って』
「フッ、ライブでも行おうという気か? 君なら注目するだろうな」
自分のお気に入りの音楽を包囲しようとする連邦艦隊に聞かせる。そんな冗談なことを告げるマリに、マクギリスは鼻で笑って注目するだろうと冗談で返す。これにマリは違うと答え、事の真意を伝える。
『違うっての! あいつ等の通信システムをハッキングしてウィルス流し込んで音楽を聞かせるの。大音量で』
「あれをやるのか? それだと、こちらのシステムにも障害があると思うが」
『大丈夫よ、私だけだから。そすれば、敵は混乱するでしょ?』
「敵の通信システムをハッキングするのか。だが、敵は軍隊だ。それなりのセキュリティーやファイアーウォールを構築している。ハッキングして突破するのはそれなりの時間が掛かりそうだが」
通信システムにハッキングして連邦艦隊の連携を崩すというマリの策に、マクギリスは敵は軍隊だからかなりのセキュリティーを持って居ると告げる。これにマリは余裕だと答えた。
『えっ、楽勝だけど? さっき試しにやったけど、あいつ等のセキュリティー、滅茶苦茶ダメダメだし』
あの艦隊のセキュリティーの突破は余裕だったと自信満々に答えるマリに、マクギリスはタイミングを彼女の同意を得ずに決める。
「そうか。では、タイミングは戦闘開始で遠征艦隊の先遣隊が敵艦隊と接触してからだ。我が方は遅れている艦隊と対峙する。君は遠征艦隊の前面に展開する敵艦隊を撃滅するが良い」
『はっ?』
勝手に決められた映像の向こう側に居るマリは不満を抱きつつも、戦闘を開始して敵艦隊が戦闘陣形に展開するのが妥当だと、考えれば嫌でも分かるのでそれに同意した。
『分かったわよ。あんたのタイミングで始めるわ』
その意向を伝える言葉をマクギリスに言った後、彼女は勝手に通信を切った。
「勝手な女だ。ワルキューレは彼女を抑えられないのでしょうか?」
「あの手の女性は抑えるより、好きにやらせた方が有利に事を運んでくれることがある。我々も彼女の作戦を実行しようでは無いか」
「はっ! 総員、第一種戦闘配置だ!」
石動はマリの勝手な行動ぶりを見て、ワルキューレは彼女を抑えられないのかと不満を漏らす中、マクギリスは勝手にやらせた方が良いと答え、戦闘配置に向かった。
三つの連邦艦隊の包囲陣形が展開される中、ワルキューレの遠征艦隊では、発艦準備が進められていた。
『各中隊、直ちに機に搭乗せよ! VF-31ジークフリードはアーマード・パックを装備! 繰り返す!』
遠征艦隊のマクロス級艦内でアナウンスが響き渡る中、慌ただしく走るパイロット等は自分の機に飛び乗る。
『エステバリス隊は直ちに発進! 艦隊防空に従事せよ!』
エステバリスも発進の準備が進められており、艦隊防空の為にバルキリーよりも先に発進する。
「マルメルール・ダウル、発進します!」
自分が属するエステバリス中隊と共に、マルメルールは自機に乗って出撃する。既に連邦艦隊は艦載機を発艦させており、凄まじい数の艦上航空機やMS、AT、PTなどがワルキューレの遠征艦隊に向かってくる。味方艦隊の射線上から離れているのか、連邦艦隊は射程距離内に居る敵艦に向けて直ぐに艦砲射撃を行う。
狙われたのは先遣隊の三隻であり、既に艦載機を出撃させていた。マルメルールはその先遣隊の方のエステバリス中隊に属している。先遣隊は二つほどで、攫われた住人や奴隷たちを乗せた輸送船団を守る本隊の砲撃を逸らすために展開された。案の定、辺境の連邦艦隊は先遣隊の方に砲火を集中している。
「バルキリー隊ならびエステバリス隊発進後、トランスフォーメーションに移行! マクロスキャノンで突破口を開く!」
「了解。バルキリー隊並びエステバリス隊発艦後、直ちにトランスフォーメーションに移行せよ!」
遠征艦隊の提督は旗艦のマクロス級戦艦をロボット形態の強行型に変形させるように命じる。艦長は命令を復唱してバルキリー隊やエステバリス隊すべてが発艦した後に、マクロス級を強行型に変形させるように命じる。マクロスキャノンは搭載している反応弾に次ぐ艦隊の最大火力であり、一気に多数の敵を強力なビームで焼き払うことができる。
ただし、変形には時間が掛かり、その間に船体の防空手段が使えないので、僚艦と艦載機に守ってもらう必要性がある。マリの敵艦隊にハッキングして混乱させる策は、マクロスキャノン発射後の混乱に乗じて行うようだ。
『バルキリー隊、直ちに発艦! 発艦後、エステバリス隊と共に艦隊防空に従事せよ!』
「こちらアンナ・スターリング大尉。バーミリオン小隊発進します!」
アナウンスが響く中、小隊長となったアンナは傘下の三機の小隊機と共に出撃する。
『二番機アリエル・ナァロ、行きます!』
『三番機マユ・アイゼナッハ、行きます!』
『よ、四番機メリア・ドルメー、行きますぅ!』
バーミリオン小隊二番機のVF-31Aカイロスに乗るアリエル・ナァロは水色のポニーテールが特徴の女性で、同型の三番機マユ・アイゼナッハはかなりのスタイルの少女、隊の中で一番階級が低い四番機のVF-31Aに乗るメリア・ドルメーは慌てながらも、小隊長機であるVF-31Cジークフリードに乗るアンナに続いて出撃する。
「バルキリー並びエステバリス隊、全機出撃しました!」
「全艦トランスフォーメーション!」
小隊が出撃した後にはもう全てのバルキリーやエステバリス隊は出撃しており、その報告を受けた艦長は、艦隊旗艦を強行型に変形させる。既に連邦宇宙軍艦隊の艦載機、セイバーフィッシュにメビウス、ジェガンJ型、ドートレス、ストライクダガー、ジェノアスⅡの大群は遠征艦隊に接近しており、艦隊の対空砲火に晒されていた。マクロス級戦艦が強行型への変形する中、連邦軍の艦載機の大群は襲い掛かる。
「なんて数ですの!? 大攻勢中の軍隊の数じゃありませんわ!」
スーパーパック装備のVF-25Aメサイアに乗るエレインは機体をバトロイド形態に変形させ、ミサイルを撃ち、ガンポッドを撃ちながら有象無象に出て来る連邦軍機を見て驚きの声を上げる。一機や二機を落としたところで、全く減ることなく大挙して押し寄せて来る。
「レーダー中敵だらけさね! 味方を探すのが面倒だよ!」
電子戦型のRVF-25に乗って索敵するソフィアはレーダー中が敵の反応を示す赤だらけなことに、味方を探す方が面倒だと文句を言う。パイロットは回避に専念している。
「ライフルを持っても、この数は厳し過ぎる!」
艦隊防衛に着くエステバリスに乗るアーリィは得意なフィールドランスとライフルを持って迎撃していたが、数の多さに弱音を吐いてしまう。
「こんなにいらないっての!」
やや好戦的なアカリでさえ、この数の敵の相手は嫌がっていた。その割に三機ほどは撃墜しているが、数は減ることは無い。
先遣隊に襲い掛かるロングソード級戦闘機の大編隊にマルメルールのエステバリスは迎撃しきれず、連続して攻撃してくる機関砲弾の嵐に呑まれて他の僚機と共に撃破された。
「避け切れない! キャァァァ!」
三機のエステバリスと共に、それに乗っていたマルメルールは爆発の炎に呑まれた。その間にも敵の艦載機群と敵艦隊が前進し、包囲網を縮めて来る。
「まだ変形は終わらないの!?」
『後二分!』
『キャァァァ!? た、助けて!!』
『メリア、いま行くわ!』
アンナは複数の敵をミニガンポッドやコンテナパックの武装で数機の敵機を撃墜し、まだトランスフォーメーションは完了しないのかと文句を言う。その間に小隊隷下のメリア機が、ロングソード級戦闘機やセイバーフィッシュに追い回される。彼女を助けるべく、マユは邪魔なジェノアスⅡを撃破してから救出に向かう。
「なんですか、有象無象に寄って集って邪魔をして! 頭に来ましたよ!」
仲間の救援に駆け付けようとしたが、複数のヘビーガンやダガーL、アデルマークⅡに邪魔をされて笑みを浮かべながら怒り、VF-31Aのありとあらゆる火器を使って撃破し続ける。
無数の敵機に遠征艦隊が苦戦する中、艦隊旗艦のマクロス級戦艦は強行型へのトランスフォーメーションを完了し、マクロスキャノンの発射体制に移った。
「トランスフォーメーション、完了!」
「直ちにマクロスキャノン発射体制に移行! 照準、敵艦隊!!」
副長が強行型への変形が完了したことを知らせれば、提督は直ちにマクロスキャノンの発射体制に移行するように命じる。これに応じて砲術長は敵艦隊に照準を向け、エネルギーチャージに掛かる。これにも時間が掛かるので、防空隊は無数の敵相手に艦隊を死守せねばならなくなる。この間に次々とバルキリーやエステバリスは圧倒的な数の敵に被弾するが撃墜される。
「トーキョーより来た第19艦隊、配置に着きました!」
「よし、そのまま包囲して殲滅しろぉ!」
連邦艦隊の旗艦にて、惑星トーキョー方面より遅れて来た艦隊が配置に着いたとの報を聞き、勝利を確信した提督は一気に包囲殲滅を命じる。遅れて来た艦隊は、トーキョー方面に脱出しようとするアグニカ軍の艦隊と交戦を開始する。
それと同時にマクロスキャノンのチャージが完了したのか、直ぐに発射しようとする。
「チャージ完了!」
「直ちに発射! 射線上に居る友軍機は直ちに退避せよ!」
報告を聞き、提督は射線上に居る味方に警告しつつ、マクロスキャノン発射を命じた。砲術長が発射トリガーを引き、強行型に変形したマクロス級戦艦はマクロスキャンを敵艦隊に向けて発射した。
限界までチャージされた凄まじいエネルギーが砲口より発射され、真っ直ぐと連邦艦隊に向かっていく。射線上に居た連邦軍機はそのエネルギーに呑み込まれて次々と消滅していく。殆どの物を消滅させるエネルギーが向かっていくことに気付いた艦艇は退避行動を行うが、難十隻かは逃げきれずに消滅する。
「高エネルギー体、当艦に向けて接近中! 三十秒後に本艦に命中します!」
「馬鹿者! 回避だ、回避を急げ!!」
旗艦でも退避命令を出し、直ちに操艦手が回避行動をするために舵を切る。エネルギー体は旗艦付近に居る護衛艦数隻を襲い、内三隻を轟沈させて二隻を大破させた。残りは小破で済み、旗艦の方は中波で済んでいる。これを直ちに頭を打った通信手は報告する。
「護衛のマシタ、レッドストーン、ル・ジュン轟沈! ウラジミール、マン・ギルー大破! 残りは小破か中破です!」
「本艦は中破で済んでおります! 戦闘継続可能!」
「うぅ、残存艦艇はどうなっている!?」
報告を聞き、大将は自軍の艦隊の被害はどうなっているかを問う。これに頭から血を流している提督は参謀に聞いて被害状況はどうなっているかを聞き、それを上司に報告する。
「当第13艦隊の三分の一は消滅! 第23艦隊の被害は最小! 第19艦隊は敵別働艦隊と交戦中! 包囲陣形に支障なし!」
「よーし、一気に叩き潰してやるっ! 行けぃ!」
提督より自軍の損害は包囲に支障なしとの報告を聞けば、大将は一気に遠征艦隊の始末に回る。だが、その瞬間に大音量の音楽が艦内に響き渡る。
「うわぁぁぁ!? 耳が!」
「な、なんだこの曲は!? 一体だれがやっておる!?」
「当艦隊と第23艦隊、第19艦隊にも同様の事態が発生! 連携が取れません!」
大音量で耳をやられた通信手が慌ててヘッドフォンを外す中、大将はこの大音量が何者かの仕業なのかを問い詰める。直ぐに別の通信手が報告し、同様のことが他の艦隊でも発生していることを知らせる。どうやらマリがハッキングに成功し、自分の曲を連邦艦隊全体に聞かせているようだ。
無線連絡を妨害された連邦艦隊は連携が真面に取れなくなり、マクロスキャノンで受けた損害の部隊再編もままならなくなる。マリの狙い通り、連邦艦隊の包囲陣形は崩れつつあった。
次回で包囲網を突破します。
味方間の無線連絡が大音量で妨害されたら混乱するだろうな…。