読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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名前:キム・ヨンジ
性別;男
年齢:23歳
階級:三等軍曹
所属:UNSC海兵隊 第1海兵師団
乗機ではなく武器:MA5ライフルD型。サブアームM6Hハンドガン
HALOに出て来る煩い上に死体撃ちする海兵隊員の一人。韓国系。
部隊の同僚たちからは「お喋りキム」と呼ばれている。その名の通り黙ってられないのかと言うほど煩い。

名前:ジェームス
性別:男
年齢:20くらい
階級:二等兵
所属:連邦軍歩兵部隊
武器:モリタ式ライフル
概要:連邦軍の歩兵。バグズに襲われて真っ二つにされる奴。

名前:ストーク・ハミルトン
性別:男
年齢:30
階級:中尉
所属:ODST 第1可変MS大隊
乗機:クランシェ(黒塗りのODST仕様)
過去の戦争時ODSTに助けられた経験があり、そこから憧れて海兵隊上がりでODSTに入隊したUNSC海兵隊所属の士官。
キャラ提供はスノーマンさん。

名前:アンドリヒ・グリィフ
性別:男
年齢:29歳
階級:少尉
所属:「統一連合政権」通称COG
乗機:ジャベリン
COG所属の士官。
キャラ提供はリオンテイルさん。

名前:ウィル・シュタイナー
性別:男
年齢:45
階級:大尉
所属:ODST 第1機甲降下旅団
乗機:量産型ビルドシュバイン(ODST仕様)
ベテランの降下軌道兵。老化の為に現役引退を宣告されたが、PTパイロットになることで現役を続行する。
キャラ提供は黒子猫さん。

名前:ガウズ・カーミット
性別:男
年齢:20くらい
階級:伍長
所属:連邦軍歩兵部隊
武器:モリタ式ライフル
概要:連邦軍の歩兵。非常に運が良く大した努力もせずに今日まで生きてきた。
キャラ提供はkinonoさん。


地獄の釜

 ディスティニーガンダムを駆るハイネがデカルトのνガンダムと激闘を繰り広げる中、コンクルーダーズの奮闘むなしく、ガルダーゴンの防衛線は突破された。

 同盟軍の堅牢な防衛線を突破したのは、インフィニティとスパルタンによる奮戦と多大な連邦宇宙軍と海軍の犠牲による物であった。

 

『防衛線を突破されたぞ! 連邦が雪崩れ込んで来る!!』

 

 防衛線を突破されたことを知らせるレリオンに乗る同盟軍のパイロットであったが、直後に来たスパルタン・チェーストのソードカラミティのソードに機体共々貫かれて絶命する。

 空いた穴より連邦艦隊と降下部隊を乗せた強襲揚陸艦や輸送艦が雪崩れ込み、戦闘艦艇が艦砲射撃を惑星に向けて行う。数は当初の予定より少ないが、少なくとも地上に展開する同盟軍の守備軍には多大な被害をもたらしており、そこにミサイル攻撃を浴びせ、壊滅状態に追い込む。

 

『総員搭乗急げ! 直ちに降下せよ!!』

 

「急げ! 速く降下艇に乗れぇ!」

 

 空いた防衛線より雪崩れ込んだ連邦海軍の艦艇の一隻では、無数の歩兵が降下艇に乗り込んでいた。

 将校の急かす声に促されるが如く、装備一式を身に纏い、モリタ式ライフルを持つ連邦軍歩兵は降下艇に続々と乗り込んでいく。スコープドッグなどのATは降下艇に最初から積んでおり、搭乗員は直ちに自分のATに乗り込んでシートベルトを締める。

 MSやPTなどの機動兵器も予め降下ポッドに搭載されており、次々とガルダーゴンの地へと降下していく。

 機動兵器の次は歩兵や戦闘車両、ATを満載した降下艇や強襲揚陸艦が惑星に降下するのは目に見えているため、何十隻もの同盟軍の艦艇と艦載機が強行突破を行い、降下部隊を展開しようとする連邦軍に艦砲射撃を行う。突破した艦艇と機は次々と撃破されていくが、その甲斐あってか降下部隊を展開している何隻かの連邦軍艦艇を撃沈することに成功した。

 

「うわぁぁぁ!!」

 

「助けてくれぇぇぇ!!」

 

 降下部隊を展開している艦艇が撃沈され、そこからガルダーゴンへと降下する予定であった歩兵部隊や艦の乗員らが宇宙へと放り出されていく。瞬く間に恐ろしい数の命が宇宙で散って行く中、連邦軍の侵攻軍は構わずに惑星にたいして降下を開始する。

 

「くそっ! これじゃあ、俺たちが頑張って来た意味がねぇじゃんか!」

 

 デカルトのνガンダムと交戦しているディスティニーガンダムを駆るハイネは、次々と惑星へと降下していく連邦軍を見て、自分たちコンクルーダーズの決死防衛が水泡に喫したことに悔しさを覚える。

 強引に突破し、自滅覚悟で降下部隊を攻撃している最後の艦艇は、スパルタン・ゼラズニィが乗るスーパーガンダムのロングライフルで直撃されて轟沈する。もう一度、死を覚悟した同盟軍艦隊が降下部隊へと強行突撃を敢行しようとするも、続々と連邦艦隊が集まっており、集中砲火で解けるように撃沈されるばかりである。艦載機や機動兵器なども同様であった。

 今はスパルタンⅣとなっているターニャら特務魔導大隊の面々を乗せたスピリット・オブ・ファイヤも降下地点へ他の降下部隊を乗せた艦艇らと共に到着し、続々と降下部隊をガルダーゴンへと送り込んでいく。

 

『降下部隊は降下艇並び降下ポッドに搭乗し、直ちに降下せよ! 繰り返す! 直ちに登場し、降下せよ!』

 

「総員、直ちに配置に着け! 出番だ!!」

 

 スピリット・オブ・ファイヤの艦内の待機所に降下部隊の出撃命令のアナウンスが響く中、ターニャは配下の者たちに配置に着くように怒号を飛ばす。艦所属の降下軌道歩兵(ODST)隊員らも既に降下ポッドに搭乗しており、続々と降下していた。

 

「では大隊長、いや、スパルタン・ターニャ殿、戦場でお会いしましょう!」

 

「そちらも途中で撃墜されるなよ!」

 

 ODSTとなっている部下たちは、本物のODST隊員等と共に降下ポッドへ向かう。その際に戦場で再開しようと向こうが言ってきたので、ターニャは挨拶を交わした。彼女は機動歩兵となっているイヴ人らと共に降下艇であるペリカンに搭乗するのだ。既にアーデらが搭乗している。

 彼女らがイヴ人部隊が身に着けているのは機動歩兵用のアーマーだ。それも以前にターニャが交戦した経験のある重装甲のフェーズ2アーマーでは無く、生存性を低くし、コストパフォーマンスと訓練短縮を図ったフェーズ3だ。今回の作戦の機動歩兵の大半がフェーズ3を身に着けている。

 降下艇に乗り込めば、ターニャは座ることなく天井のクリップを握って両端の席に座る機動歩兵の面々を見る。

 

「諸君、地獄へ行くぞ」

 

『こちらライン1-1、発進する』

 

 ターニャが面々を見ながら言えば、彼女らを乗せたペリカンはガルダーゴンへ向けて発進した。

 ガルダーゴンへと降りるのは先ほどの大量に居る降下部隊とODSTの降下ポッド群、強襲揚陸艦だけでなく、大気圏再突入用バリュートを装備した可変MSのクランシェ隊の姿もある。このクランシェはODST仕様であり、黒塗りにされていた。

 

『大隊本部より第1可変MS大隊各機へ! これより地獄へと降下する! 各員、気を引き締めろ! 寄って集る死神を殺せ!!』

 

「さーて、こいつでのデビュー戦だ。派手に行くぜ!」

 

 その大隊に属するストーク・ハミルトンは顔を叩いてからヘルメットを被り直し、MSでの初陣に気を引き締め、操縦桿を握って降下していく僚機に続いた。

 ストークを始めとする降下部隊が続々とガルダーゴンへと降りていく中、事前の砲撃で沈黙していたはずの対空砲火がガルダーゴンに降下して来た連邦軍部隊に向けて放たれた。

 対空機関砲に対空ミサイル、ビームにレーザーにプラズマ、同盟軍に飼い慣らされたバグズのエネルギー弾の嵐が地上から雨あられと放たれてくる。地上より来る嵐のような対空砲火に降下中の連邦軍部隊は晒され、続々と降下中の艦艇やポッドが撃ち落とされていく。

 

「うぉわ!? こいつはヤバいぞ!」

 

 降下中に対艦レーザーを撃ち込まれ、撃沈された強襲揚陸艦より大量の将兵らが空へ投げ出された光景を見て、ストークは今回は不味いと判断する。既に大丈夫な高度に達しているので、バリュートを解除して対空砲火に対する回避機動を取る。

 対空砲火が止めば、艦砲射撃を生き延びた無数のスクランブル機が対空砲火で損害を受けた降下部隊に襲い掛かる。これに連邦軍は護衛用と近接航空支援の為に降下させた艦隊の艦載機で対処する。

 激しい空中戦が開始され、ストークが属するODSTのクランシェ隊もその空戦に参加し、先行して突っ込んでくる数機を撃墜した。

 

「突撃! 突撃!!」

 

 艦砲射撃が届かなかった砲兵陣地や対空陣地、対艦砲の排除を行う為、本隊よりも前の敵中に降下した機動歩兵とODSTの隊は降下ポッドから素早く飛び出し、銃撃を躱しながらそれぞれの破壊目標に急行した。同じく降下ポッドで敵中に降下したODSTのPT部隊も、指定された目標へと急ぐ。

 対空陣地と対艦砲はフェーズ1とフェーズ2アーマー混成の機動歩兵部隊と特務魔導大隊の隊員を含めたスピリット・オブ・ファイヤ所属のODST隊が担当し、砲兵陣地はODSTのPT部隊が担当する。

 

「A中隊(カンパニー)、素早く片付けるぞ!!」

 

 砲兵陣地撃破を担当するODST第1機甲降下旅団所属のウィル・シュタイナー大尉は、自機である量産型ビルドシュバインを駆り、実弾式の突撃砲を撃ちながら自分の中隊を率いて同盟軍砲兵陣地に熱烈なる攻撃を加える。

 ODST隊員としてのウィルは現役引退間近であるが、PTパイロットに転向することによって現役に留まることが出来た。彼の部下たちも三十代が平均であり、誰もがウィルと同じように現役でいるためにPTパイロットに転向した。

 十二機のODST仕様の量産型ビルドシュバインによる砲撃は凄まじく、近付いてくるPTに対して守る術がない同盟軍砲兵たちは一方的に蹂躙された。積み上げたロケット弾の集積所に機関砲弾が命中すれば大爆発を起こし、近くの砲やロケット発射機諸とも砲兵らを吹き飛ばす。

 ウィルの中隊のみならず、他の中隊も同型機を装備しており、彼と同じように砲兵陣地を蹂躙していた。自走砲などもあったが、砲を向ける暇も無く、突撃砲を撃ち込まれて撃破される。

 PT部隊による蹂躙が行われる中、対空陣地や対艦砲の破壊に向かう今はODSTの特務魔導大隊の二個中隊と機動歩兵部隊は、演習で行った通り、順調に陣地を制圧して航空隊の安全の確保に努める。

 敵の抵抗激しく、突撃した機動歩兵やODSTにも犠牲者が出るが、特務魔導大隊には一切の死傷者も出ていなかった。彼らの損害を無視した陣地攻撃により、早い段階で対艦砲も撃破され、艦艇による近接航空支援は可能となった。

 

「橋頭保を確保だ! 損害に構わず前進せよ!」

 

 異常な犠牲者を出しつつも、それを物ともせずガルダーゴンの地へ降り立った無数の上陸部隊は、橋頭保を確保するために敵の防衛陣地に向かって突撃を行う。

 地を埋め尽くすほどの無数の歩兵に戦闘車両、MSにPT、ATなどが前進し、砲撃跡の大地を大きな音を立てながら突き進む。その中にはターニャ等特務魔導大隊の本隊も居た。そんな大行進を行う連邦軍に、防衛側の同盟軍は容赦なく砲火を浴びせる。

 

「わぁぁぁ!」

 

「熱い! 熱いぃぃぃ!! あぁぁぁ!!」

 

 密集して前進しているため、阻止砲火は陸戦部隊に更なる損害を与えた。数十名の歩兵と戦闘車両が破壊された機動兵器の下敷きとなり、破壊されて炎上するリニア・タンクから全身火達磨となった戦車兵たちが悲鳴を上げながら飛び出してくる。下半身を失くしたまだ息のある兵士が命ある限りなのか、戦場から逃げ出そうと地面を這いずる。ありとあらゆる方向より、爆発と銃撃、悲鳴が聞こえ、肌に命の危機を感じさせる。

 

「まるでラインや東部戦線だ…」

 

 地獄のような光景を見たターニャは、前世の慣れ親しんだ戦場の光景を思い出す。アーデを始めとするイヴ人の方は地上においてこの体験が初めてなのか、息を荒くして震えながら前進している。

 

「(いかんな、この戦場で連中は新兵同然だ。いつパニックを起こし、脱走するか分からん。現に脱走者が出ているな)」

 

 イヴ人らの荒い呼吸を聞いたターニャは、いつパニックを起こしてもおかしくないと判断し、脱走した場合に備え、前世の経験を思い出していつでも撃てる位置に下がる。

 現に放火の中を前進する連邦軍の将兵らが死の恐怖に怯えて恐慌状態となり、脱走する者が居た。だが、ここは敵地だ。防戦に必死で殺気だった同盟軍の将兵らは、逃げる敵兵にも容赦なく銃弾を浴びせて射殺する。爆発物を持つ兵士や大砲などの砲撃手は撃ち込み、容赦なく吹き飛ばしていく。

 砂や小石に混じってさっきまで兵士だった肉塊まで降り注ぎ、脱走兵が続出する中、観測手か観測車が敵の防衛陣地を見渡せる地点に到達したのか、航空支援を要請する。

 

『こちらレッドキャッスル! 直ちに近接航空支援を要請する! 地点は…』

 

 大勢の歩兵が機銃掃射で薙ぎ倒され、多数の戦闘車両や機動兵器が接近を許さぬ弾幕の前で次々と撃破される間、遮蔽物となる岩に隠れた観測手はマーカーのレーザーを敵防衛陣地に掃射し、随伴する無線兵が背負う無線機の受話器を片手に、対艦砲の脅威が無くなり、近接航空支援が出来る高度まで降りて来た数隻のパリ級重フリゲートに要請する。

 要請を受理したのか、パリ級重フリゲートは旋回式艦砲をマーカーレーザーで示されている地点に向けて砲撃を開始し、一気に対空砲諸とも敵陣地を吹き飛ばす。恐ろしい爆発が巻き起こり、敵兵と思われる身体の一部が飛んでくる。前進を阻む脅威はなくなったので、指揮車に乗る指揮官は前進の再開を命じる。

 

『前進再開! 第二陣の降下地点を確保しろ!』

 

 命令が無線機より聞こえれば、大多数の部隊が命令に応じて移動を再開する。

 大部隊の移動が再開され、地響きを響かせてながら前進していると、左側面に展開しているCOGを含める部隊に、地面よりローカストの大部隊が這い出て、左側面部隊に強襲を仕掛けて来る。

 

「ローカスト共だ! 地底から大量に出て来る! 応援を寄越してくれ!」

 

 ジャベリンに乗るアンドリヒ・グリィフはビームライフルを連射してローカストの歩兵を消し炭にしつつ、友軍部隊に増援を要請する。

 左側面を侵攻する隊が同盟軍の参加勢力の一つであるローカスト軍と交戦が始まり、右側面でも同盟軍の迎撃部隊との交戦が始まる。中央を進むターニャ等の方には、同盟軍の中で最も厄介な勢力が迫っていた。

 

「へっ、今回もラッキーボーイだぜ!」

 

 隊列を組んで前進する61式戦車の背後で、連邦軍歩兵のガウズ・カーミット伍長はモリタ式ライフルを片手に今日も運が良かったと自負する。彼は非常に運が良く、今回もまた運が良いので生き残る努力を怠っていた。

 だが、今回の作戦で神はガウズに強運を与えなかった。彼の班の前を前進していた61式戦車中隊は突如となく割れた地面の亀裂の中に落ちた。これにガウズは奇跡的に助かり、運が良かったと思い始める。

 

「うぉ…!? 危なかったぜ!」

 

 生き延びたことで一安心する彼を、亀裂の中より現れたアラクニドバグズ、通称バグズの一般歩兵であるウォーリア・バグズが襲った。

 

「うわぁぁぁ!? なんでだ!? 誰か! 誰かぁぁぁ!!」

 

 亀裂より湧いて出て来たウォーリア・バグズに襲われ、左足を切断されたガウズはモリタ式ライフルを撃つことなく、運の良い自分がこれから殺されることを理解できず。助けを呼びながら逃げようとするが、逃げきれずに惨殺される。

 亀裂や地中より続々と現れるバグズに、中央侵攻軍前面に展開していた部隊は瞬く間に惨殺されていく。歩兵はモリタ式ライフルを乱射しながら本隊まで逃げるが、バグズの前進は速く、直ぐに追い付かれて惨殺される。男女問わず殺害するバグズによる凄惨な殺戮劇が始まった。

 戦車や戦闘車両は抵抗を行うが、大群で襲い掛かるバグズの前では無に等しく、体当たりで横転させられ、車両から乗員が引きずり出されて惨殺される。逃げようとする者が居たが、逃げきれずに殺されてしまう。

 所属分隊を見捨て、ライフルも捨てて自分だけ逃げたジェームズ二等兵は吹き飛ばされた後、ウォーリア・バグズの鋭利な大顎状関節に挟まれる。

 

「あぁぁぁ! 嫌だぁぁぁ!! 死にたくない! 誰か、誰か助けてくれぇぇぇ!!」

 

 助けを求めるジェームズであるが、逃げるのに必死な歩兵らは応じず、そのまま彼は真っ二つに惨殺された。

 

HALO(ヘイロー)KILLZONE(キルゾーン)、ギアーズオブウォーのみならず、ポール・バーホーベンのスターシップトゥルーパーズまであるのか。悪趣味な世界だ!」

 

 切断されたジェームズの上半身部分はターニャの足元に落ち、それを見たターニャはBR85バトルライフルを自分に襲い掛かる彼を惨殺したウォーリア・バグズに撃ち込む。

 今はスパルタンで身長が大男並みのターニャが持つバトルライフルは大口径であるが、バグズは一発や二発では死なず、瀕死状態にするまで四発撃ち込む必要性があった。まだ生きているバグズにとどめを刺した後、四人一組で一匹のバグズに対処するアーデらイブ人部隊を見て、誰か回せないのかと次々と来るバグズに対処しながら問う。

 

「誰か回してくれんか? 一人では限界だ!」

 

『そんな高性能なアーマーを着て、こちらに増援を求めるのか? 大隊長としての意地はどうした?』

 

「ちっ、スパルタンでもキツイわ。こんな化け物共」

 

 何名か回してくれと問う上官であるターニャに対してアーデは、スパルタンのミニョルアーマーを着て、増援を寄越すなど大隊長としての意地は無いのかと煽ったような回答を返してくる。これにターニャは増援は見込めないと判断し、単独で大多数のバグズの対処に回る。多数のバグズと交戦するターニャの動きは、増援が必要なのかと思うくらいの動きであった。的確に頭部を撃ち抜き、あるいは足を引き抜いて別のウォーリア・バグズを突き刺す。

 

「流石スパルタンだぜ!」

 

「俺たちはあそこに必要なさそうだ。向こうに行くぞ!」

 

 これに付近で交戦している歩兵たちは、流石はスパルタンだと口々にする。ここはスパルタンに任せた方が良いと思い、別の機動歩兵部隊は別の隊の救援に向かった。

 

 

 

 ガルダーゴン各地で降下した連邦軍と同盟軍による戦闘が行われる中、森林地帯に展開したUNSC海兵隊の第1海兵師団はそこを防衛する敵部隊を撤退に追い込み、逃げ遅れた敵の掃討を行っていた。もう直ぐ夕暮れであるため、暗くなれば捜索は困難を極めるので、海兵隊員らは必死に残敵の捜索を行う。夜襲を警戒しているのだ。

 

「生きてるか? おい!」

 

 敵兵の死体に向け、一人の海兵隊員は手にしているMA5Dライフルを一発撃ち込む。いわゆる死体撃ちである。死んだふりをしている敵兵を警戒してのことだ。弾の無駄だと思うが。

 

「おいおい、ジミー。撃つなら頭だよ」

 

「なんだ、お喋りキムか。良いだろ、くたばりぞこないは、何処でも撃てばくたばるからな」

 

「何処でもって、撃っても襲ってくるかもしれないんだぞ」

 

 死体撃ちを行った海兵隊員に、同じライフルを持つキム・ヨンジ三等軍曹は近くの木に横たわっている敵兵の死体の頭部を撃ち、撃つのは頭だと指摘する。同僚からの指摘に海兵隊員は苛立ち、探索に戻った。他の海兵隊員らも残兵探査がてら死体撃ちを行っており、森のあらゆる場所からUNSC海兵隊が使う銃の銃声が鳴り響いていた。

 

「生きてるぞ! 撃ち殺せ!」

 

 付近では撃墜されて墜落した戦闘機や倒れた機動兵器から這い出て来る敵パイロットを見付けた海兵隊員が叫び、手にしているライフルやライトマシンガンを撃ち込んでとどめを刺す。

 

「一人逃げた!」

 

「逃がすな!」

 

 偶然にも近くに居たキムも、仲間を囮に使って逃げようとする敵パイロットを見付け、ライフルをフルオートに切り替えて連射する。他の海兵隊員らも見付け、同じく連射で必死に逃げるパイロットを撃ち、誰かの弾が逃げるパイロットの足を撃ち抜いた。

 拳銃で反撃される前に一人の海兵隊員が全力疾走で接近し、倒れたパイロットが右手に持つ拳銃を蹴り上げ、ライフルで頭部を撃ち抜いて息の根を止める。

 

「クリア!」

 

「捜索に戻れ! この一帯を確保に努めろ!」

 

 射殺した海兵隊員が報告すれば、海兵隊の小隊長は捜索に戻るように指示を出す。キムもそれに従い、捜索に戻る中、墜落した味方のPTを発見して直ぐに報告する。墜落した友軍のPTは、マリのヴァイスリッターであった。

 

衛生兵(メディック)! 味方機だ!」

 

 呼んだ後に付近の同じ分隊の隊員に手話で合図を送り、援護を頼んでからヴァイスリッターのコクピットに近付き、敵の罠が無いかどうかを調べる。

 

「クリア! バールを持ってこい! こじ開けるぞ!」

 

 罠が無いことを確認すれば、バールを持ってこいと指示を出して周辺を他の隊員らと共に警戒する。やがてバールを持った隊員が来れば、直ぐにコクピットのハッチをこじ開け、気絶しているマリを衛生兵と共に引きずり出す。

 引きずり出したマリを付近に寝かせ、女性海兵隊員に生きているかどうかをキムは問う。

 

「生きてるか?」

 

「脈はあるわね」

 

「中佐殿は生きておられるか。分隊長殿に報告するか」

 

 同僚の女性よりマリが生きていることが分かれば、キムは自分の分隊長に報告に向かった。




海兵隊員が死体撃ちをしている? いつもの事だろう。(HALO脳)

それとワクチン打ってきた。二回目は三週間後。左腕が上がらんぜよ。

次の企画はどれにする?

  • 金塊強盗
  • KILLZONE2
  • 復活の佐奇森神矢
  • カオス・ウォーズ

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