【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
エピローグみたいな物です。
救援・回収
連邦と同盟、双方の決戦場となった惑星ガルダーゴンの戦いは、連邦の勝利に終わった。
戦線維持に不可欠であった要塞の陥落により、同盟軍はガルダーゴンの維持は困難と判断し、撤退を開始した。
次なる同盟軍本土の戦いを有利にすべく、連邦軍は追撃を開始する。
双方の戦いが追撃戦へと移行する中、ガルダーゴンに隠された神聖百合帝国の忘れ物、古代兵器こと仮名666の回収に失敗し、脱出のチャンスを失ったターニャ・フォン・デグレチャフ率いる特務魔導大隊と軍事結社ワルキューレが送り込んだ刺客、マリ・ヴァセレートは連邦軍の第六派降下部隊に包囲されていた。
当然、ターニャが属するイヴ人の最大武装勢力である帝国再建委員会、不老不死をヴィンデルの支配する世界で知られたくないワルキューレは救援部隊を派遣する。
かくして、連邦の制圧下になりつつあるガルダーゴンからの決死の脱出劇が始まった。
「マクロスキャノン、発射!」
ワルキューレの遠征艦隊とその増援を含めた二個艦隊、帝国再建委員会の遠征艦隊の連合艦隊は保有する全てのマクロス級の主砲、マクロスキャノンをガルダーゴンに展開する無数の連邦艦隊に向けて放った。
大多数の艦艇が強力なエネルギー砲に呑み込まれ、次々と轟沈していく。この最初の一斉射で連邦艦隊は混乱する。
『敵の攻撃だ! 何処の勢力だ!?』
『どうなっている!? 同盟軍は撤退しているんじゃないのか!?』
『こちら第16艦隊! 我、正体不明勢力の攻撃を受け、損害多数! 救援を請う!』
『一体なんだ!? 誰か指示をくれ!』
無線機からは混乱した連邦艦隊の声が飛び交っていた。
新たなる勢力の攻撃の報を聞き、連邦艦隊の総旗艦であるインフィニティ級スーパーキャリアの二番艦「エタニティ」の戦闘指揮所も、当然の如く混乱する。
「我が後方より新たな勢力出現により損害多数!」
「特機レベルの攻撃により、宇宙軍第16艦隊は壊滅状態! 戦闘不能!」
「各地より救援要請並び後退の許可を求めております!」
「正体不明艦隊、艦載機発進! 友軍各艦隊、損害増加中!」
「えぇい、今度は何なのだ一体!? 宇宙海軍の連中は何をしている!?」
次々と来る損害の報告に三輪防人元帥は主力たる宇宙海軍が迎撃しないことに怒り、怒鳴り声を上げる。
作戦に参加した宇宙海軍の艦隊は決戦や一度の乱入の所為で損耗激しく、新たな勢力による乱入に対処できない程であった。直ぐにこれを宇宙海軍の指揮官が三輪に伝える。
「無茶を言うな! 我が宇宙海軍艦隊は損耗が激しい上、戦闘など碌に出来ん状態だ! オマケに弾薬もミサイルも底を尽きかけた状態で、大量の負傷兵を抱えている! 余力がある宇宙軍で対処しろ!」
「ぬぅ…! 宇宙軍は何をしているのだ!? なぜ碌に対処できん!」
「奇襲を受けて、指揮系統が混乱している! 私の命令がうまく伝わっておらんのだ! 全くだらしのない奴らめ!」
「なんて様だ! せっかくガルダーゴンを手に入れたと言うのに! 異星人共が戻ってきたら、直ぐに取り返されてしまうぞ!」
宇宙海軍の総司令官に怒鳴り返された三輪は宇宙軍の総司令官に問うが、奇襲攻撃を受けて指揮系統が混乱しているらしく、六に対処出来てないと答えた。
せっかくの大勝利を収めたと言うのに、またもやって来た正体不明勢力の乱入で大混乱に陥る自軍の状況を知り、三輪は苛立って机を叩いた。
そんな苛立つ三輪を他所に、宇宙において出番のない他の元帥や司令官たちは、このエタニティも攻撃されるのではないかと冷や冷やし始める。その中で人一番若い元帥であるエイミー・スナップは、こんな状況にも関わらず居眠りしている。
一方での現場は、連合艦隊のマクロス級より発艦したYFー29ディランダル、VF-25メサイアシリーズ、VF-31カイロス並びジークフリードシリーズと言ったバルキリー各種により、更なる損害を受けていた。
「オッホッホッ! 派手な花火でしてよ!」
ファイター形態のピンク色のYF-29ディランダルに乗る上品な女性は、笑い声を上げながらマイクロミサイルを乱射し、更には機体をバトロイド形態に変形させ、ガンポッドと対艦旋回式ビーム砲を乱射して連邦艦隊に更なる損害を与える。
複数のジェガンJ型が編隊を組み、数の暴力でYF-29に襲い掛かるが、そのバルキリーの性能は多数を相手に暴れ回るVF-25やVF-31より優れており、瞬きする間に全機が宇宙の藻屑と化す。
『な、なんだこいつ等!? 強過ぎるぞ!』
『クソっ、あんなのと戦えってのか!? 俺は死にたくねぇぞ!』
連合艦隊は圧倒的過ぎた。
彼女らと対峙する連邦の将兵たちは恐れ戦き、惑星ガルダーゴンへの道を簡単に開いてしまった。
「進路上の敵戦力壊滅。目標の座標を確認!」
「帝国再建委員会、前進中!」
「直ぐに前進! 不老不死の回収を優先! 全艦、我に続け!」
進路が開いた報を聞いた提督は、帝国再建委員会の艦隊と共にガルダーゴンへと突入した。
上層部のプライドで連合艦隊を数の暴力で攻撃する連邦艦隊であるが、跳ね返されるばかりであり、無駄に損害を増やすばかりだ。決戦後でまだ余力のある艦隊は撤退する同盟軍艦隊へと回されており、ガルダーゴンへと突き進む連合艦隊を止められなかった。
ガルダーゴンの衛星軌道上へと辿り着いた連合艦隊は、回収部隊を乗せた艦艇を直ぐに降下させる。降りる先は回収目標であるターニャとマリが居る地点だ。そこへ一気に降下し、目標まで数千キロとなった時点で回収部隊と護衛部隊を展開する。
「なんだあいつ等。味方か?」
「いや、聞いてないぞ」
ガルダーゴン周辺に展開する友軍艦隊を強行突破し、ガルダーゴンに降下してくる連合艦隊の回収部隊のことを知らないターニャたちを包囲している連邦兵らは、頭上より降下中の回収部隊を友軍の物だと勘違いした。
「各機、槍の陣! 今が勝機なり!」
『了解!』
勘違いして攻撃すらしていない包囲部隊を他所に、回収部隊として降下したワルキューレに属する女性だけで編成されたメルセデス騎士団のグレイズ・リッターやグレイズ・シルトは陣形を組んで攻撃する。その背後より戦術機のMig-29やEFー2000タイフーン、Fー22ラプター、武御雷が続き、突然の攻撃で混乱する連邦軍を蹂躙する。帝国再建委員会の回収部隊も同様に攻撃し、邪魔になる連邦軍機を片付ける。
「クソっ! なんだこいつ等!?」
ジェットストライカー装備のウィンダムに乗るパイロットは、突然現れては攻撃して来た回収部隊の戦術機F-22にビームライフルを撃ち込むが、躱された挙句に至近距離まで接近され、間近で突撃砲を撃ち込まれて撃墜される。
地上の方では、降り立った武御雷がヘビーガンやドートレス、ストライクダガーを次々と長刀で切り裂くか、左手の突撃砲を撃ち込んで撃破していた。
他の戦術機もターニャとマリ等が立て籠もる要塞周辺に展開し、包囲している連邦軍に対して攻撃を行う。
「こんな接近戦の兵装しか無い奴らなんかに!」
メルセデス騎士団と対峙する連邦軍部隊は、ソードやメイス、槍とハルバートしか持たないグレイズ・リッターやシルトの集団に圧倒されていた。
ビームや火砲で雨あられの攻撃を行うが、大盾を持つグレイズ・シルトが鉄壁の盾の陣形を取り、その攻撃を防いでしまう。左右よりグレイズ・リッターの集団がホバー移動しながら展開し、ソードや槍で次々と連邦軍機を切り裂いて撃破する。
包囲した連邦軍を蹴散らし、脱出手段を確保した後、帝国再建委員会の救援艇が要塞へと降り立ち、包囲されたターニャの特務魔導大隊とマリの回収作業に入る。マリの回収に入ったのは、VF-31Fジークフリード一機だけであった。
「私の、小さいんだけど」
「良いから早く乗ってください! 包囲されて各個撃破されます!」
「はいはい」
包囲されているにも関わらず、マリが回収班がバルキリー一機なことに不満の言葉を漏らせば、VF-31Fの女性パイロットは直ちに乗るように彼女を急かした。それに従ってマリが回収艇であるVF-31Fに乗る中、ターニャを含む特務魔導大隊の負傷兵やまだ元気な将兵らが回収艇に続々と乗り込んでいく。幸い、特務魔導大隊の損害は負傷者のみであった。
メルセデス騎士団に陸軍の二個戦術機大隊、帝国再建委員会の戦闘団の奮戦により、ターニャ等とマリの回収は直ぐに済んだ。それが終われば、双方は即刻ガルダーゴンより脱出する。
「何処の部隊だ?」
一方、ターニャとマリ等を回収したワルキューレと帝国再建委員会の救援部隊を見てスパルタン・ロックが呟けば、多勢の大西洋連邦軍を相手に重装備のスコープドッグで圧倒するマスターチーフを確認する。
『おいおい、棺桶で連合軍相手に圧倒するなんて更にやばくねぇか?』
『あんなチーフ、私たちだけで止められるの?』
「チーフに敵うのは、連邦軍の中で俺たちだけだ。やるしかない」
棺桶とされるATであるスコープドッグでダガーLやウィンダム、ゲルスゲーを次々と撃破するチーフを見て、ファイアチームオシリスの面々が勝てるかどうか疑問を口にする。
だが、現状で連邦軍の中でチーフに敵うのはスパルタンⅣたる自分たちしか居ないとロックは答え、ワートホグのアクセルを踏んでスピードを上げる。チーフに突っ込むつもりだ。
『連合の奴ら、血相かいてチーフをやるつもりだぞ。本部は撤退の要請はしたのか?』
「やっていないようだな。俺が大西洋連邦に掛け合おう」
自分たちがチーフと戦う際には大西洋連邦軍は邪魔になるので、直ぐに撤退するように告げる。
「大西洋連邦軍の司令部へ、直ぐに撤退しろ。これ以上は無駄な死傷者を増やすだけだぞ」
『黙れ化け物共! 我々だけで、あの裏切り者の化け物を討つのだ!』
「そんなに犠牲者を増やしたいのか? その内に瓦解するぞ」
『知ったことか! 貴様らが退避せねば、貴様らも青き清浄なる世界の為に血祭りに上げるぞ!』
『ブルーコスモスかよ』
撤退するように大西洋連邦軍の前線司令部に要請したが、返ってきたのはとんでもない物であった。これにスパルタン・パックは不満を漏らす。
足手纏いな大西洋連邦軍と共にチーフと戦わなくてはならないと思っていたが、余りの損害に大西洋連邦は撤退を始めていた。チーフがどうにも強過ぎたらしい。
『大西洋連邦軍が退いていくわ! 損害が馬鹿にならないようね』
『勝手に撤退してくれて助かるぜ。これで背中を心配せずに済む』
『邪魔は居なくなったけど、チーフに勝てる?』
「やるしかない。その為に俺たちが対処するんだ」
邪魔な大西洋連邦軍が消えても、チーフに勝てる保証はない。ロックはチームの面々からの問いに勝てる保証が無くともやるしかないと答え、ワートホグで多勢の大西洋連邦をAT一機で撤退に追い込んだチーフに挑む。
『チーフ、新手が来るわ!』
「あのアーマーの形、ファイアーチームオシリスか! 脱出は至難の業だな」
弾切れとなった右肩のミサイルポッドを排除し、その他の弾切れの武装を機体より外したマスターチーフは、ヘビィマシンガンの弾倉を直ぐに交換して向かってくるスパルタン・ロック率いるファイアーチームオシリスとの戦いに備えた。
連邦と同盟の決戦となったガルダーゴンからの戦いより数日たった後、連邦と同盟の間で休戦協定が結ばれ、大規模な戦闘は行われなくなった。
だが、これで戦いは終わりではない。辺境や双方の支配体制に不満を抱く星系では紛争や戦闘が相次いでおり、各地では未だに戦火は絶えずに燃え続けていた。
このヴィンデル・マウザーが支配する歪んだ理想郷では、戦争は絶えず行われているのだ。今日もどこかで戦闘が勃発し、何かが破壊される。これがこの世界の日常なのだ。