【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
マブラヴ シュヴァルツェスマーケンに登場する主人公の義妹。
わけあって帝国再建委員会に属し、義兄であるテオドールを探しに遠征任務に就く。
搭乗機はF-22Aラプター
刀使ノ巫女に登場するキャラクター。
何らかの理由で蘇り、強い者と戦えるからと言って帝国再建委員会に属し、遠征任務に就いている。
統合連邦と惑星同盟との間で休戦協定が結ばれ、大規模な戦闘はどちらかが破らぬ限り、暫くは起こらないと双方の将兵並び市民たちは思っていた事だろう。
だが、長引く戦争による二つの統一勢力による治安の悪化により、各地ではかつての同盟国同士の小競り合いや紛争が相次いだ。
戦力再編を阻止すべく、双方の後方に忍ばせた分離主義勢力による活動も活発化し、各地で軍事施設を狙った破壊活動が行われ、戦争は未だに続いている。
その破壊活動の中には、イヴ人の武装勢力である帝国再建委員会の物も含まれていた。
「クソっ! たかが人間の小娘一人に!!」
ある同盟軍の勢力圏にある惑星の基地が、何者かに襲撃されていた。
その襲撃者は迎撃に当たった
小柄な制服の様な物を着た薄い紫色の長い髪の少女の武器は日本刀一振り。それだけで大勢の同盟軍将兵らが床に転がっている。しかも急所を正確に斬っており、少女は歳に合わぬ手練れのようだ。
「一斉に掛かれ!」
サンヘイリの指揮官の指令で、エナジーソードを持つ五人のサンヘイリが小柄な少女に一斉に斬りかかるが、少女は身軽な小柄な体系を生かし、五人の大柄のサンヘイリの斬撃を躱し切り、的確に急所を斬り付けた。
「ぬぁぁぁ!!」
「な、なんと…!?」
少女の太刀で急所を斬られた五人のサンヘイリは血飛沫を上げて床に崩れ落ちた。これにサンヘイリの指揮官は驚き、恐れおののくが、まだ手駒があるので直ぐにそれを少女に差し向ける。
「レクゴロ、小娘を叩き潰せ!」
それは二体の
「小娘、貴様も終わりだ!」
二体のレクゴロを相手に生き延びたのは、コヴナントにとって悪魔たるマスターチーフか運の良い人間くらいしかいない。
そう高を括るサンヘイリであったが、少女は前者のマスターチーフに匹敵する戦闘力と身体能力を持っていた。
少女は高速で二体のレクゴロの隙間を小柄な体系を生かしてすり抜け、背後にある鎧の隙間を素早く斬り、二体同時に葬った。その速さは神速であり、それを見ていたサンヘイリの指揮官は凍り付く。
他の指揮官を始めとしたサンヘイリや隷下の
「ねぇ、宇宙人さんたち。
結芽と呼ばれる少女は右手に握る大脇差「にっかり青江」の刀身を向け、挑発したが、誰一人としてその大脇差の錆になることを恐れて動けないでいた。
ひ弱な少女一人に怯える強靭なサンヘイリたち、複数のアンゴイにジャッカルの姿はなんとシュールな光景だろう。そんな固まるコヴナントの主力たちを他所に、粗暴な種族たる
「へっ! 雁首揃えて、こんなチビ助一匹にビビりおって! ん、どうしたァ?」
得意げに結芽を潰したと思い、動けないでいるコヴナントの主力たちに罵声を浴びせるジラルハネイであったが、誰も喜ぶどころか未だに凍り付いている彼らを見て、その訳を問う。
「宇宙人さん、結芽は潰れてないよ。ざんね~ん」
「な、なにぃ!? な、なんで生きて…あらぁ!?」
代わりに答えたのは、自分がグラビトンハンマーで叩き潰したはずの結芽であった。愛らしく残念と言う結芽に対し、再び得物であるグラビトンハンマーを振るおうとするジラルハネイであったが、既ににっかり青江に両断された後であり、真っ二つに割れて地面に横たわる。
「いぃ…!?」
「うぅ…!?」
「ねぇ、こないの? それとも、こっちから行く?」
ジラルハネイですら容易く切り裂く結芽にコヴナント兵らが茫然とする中、一体のアンゴイが両手にプラズマグレネードを持ってヤケクソ気味に突撃を仕掛ける。特攻グラントだ。
「ぬぁ~! 一緒に死ねぇい!!」
「アハハッ! なにそれ、カミカゼ? そんなので私に…」
コヴナントを代表して結芽に向けて特攻を掛けたアンゴイであったが、近付いた直前で真っ二つに切り裂かれて爆発する。一同は巻き込まれたと思っていたが、結芽は全くの無傷であった。
「勝てるわけないでしょ…!」
「う、撃てぇ! 撃ちまくれぇ!」
笑みを浮かべて告げれば、自棄になってプラズマ銃を乱射するコヴナント軍に向けて突撃を行う。
その雨あられに放たれたプラズマ弾は一発も、それどころか結芽に掠れることなくにっかり青江の錆となっていく。
「ぎやぁぁぁ!」
「うがぁぁぁ!」
「グワァーッ!」
結芽が刀を振るうたびに断末魔が響き渡る中、彼女を仕留めようとしていたATのファッティーが後から現れた不知火と呼ばれる戦術機の突撃砲で吹き飛ばされた。
一機であるはずが無く、三十六機編成の大隊規模で同盟軍の基地を襲撃していた。戦術機は連邦の装備には無い。つまり、イヴ人の武装勢力である帝国再建委員会の装備である。結芽も帝国再建委員会の一員であるようだ。
「
「はーい」
大隊規模の不知火が同盟軍の機動兵器部隊を圧倒する中、後続のヘリから降りたG36A突撃銃などで装備した歩兵の一人である隊長は結芽に注意する。どうやら結芽は独断先行して単独で同盟軍の基地を襲撃していたようだ。怒られた結芽は道連れにしようとするサンヘイリにとどめを刺し、生返事で謝罪する。
結芽の単独行動による襲撃と不知火一個大隊、後続のヘリボーン大隊の攻撃を受けた同盟軍基地は壊滅した。
基地内に保管されていたある物が帝国再建委員会の標的であったらしく、それを回収すれば、襲撃部隊は現地に潜む抵抗勢力の仕業に見せ掛け、早急に基地より撤収する。後に残されたのは同盟軍将兵の死体と迎撃に出た兵器の残骸ばかりであった。
惑星リーチ。
コヴナント戦争時、そこにはUNSC軍の司令部があり、コヴナント軍の最大攻撃目標とされていた。
この惑星にコヴナント軍は三倍以上の戦力で攻め入り、反攻に出ようとしていたUNSC海軍の艦隊を壊滅させ、UNSCをリーチから完全撤退させることに成功する。
だが、その撤退戦はコヴナント軍も相当な痛手であり、暫くの間は再編の為に攻勢が中断された。
戦争終結後、リーチは再び人類の手に戻ったが、コヴナント軍のガラス化爆撃で元の姿には戻らず、移住者たちも戻ることは無かった。戻ったのは軍事施設ばかりであり、それも統合連邦各勢力の軍事関係施設が惑星各地に建築され、リーチは軍事惑星と化した。
無数にある海に面した旧UNSCの沿岸基地を改装して作られたUCA海軍のマスドライバー基地が、UNSCに反抗する勢力である反乱軍の襲撃を受けた。
「今日こそ、連邦に組する奴らをリーチから叩き出せ!」
『おぉーッ!』
反乱軍の指揮官が乗るAEUイクナト指揮官型の指示で、多数のリーオーや陸戦型ヘリオン、ユニオンリアルド、ティエレン、ティエレン高機動型が、雑多な車両部隊と共に基地に突撃を行う。
無論、どれもこのヴィンデルの歪んだ理想郷で作られた兵器ではない。戦闘車両を除き、異世界からの組織により供給された物である。攻撃部隊は陸上のみならず、海上からも行われており、そこには通常型のヘリオンやリアルドを始め、エリアーズの他、戦術機のF-4やMig-21も居た。
反乱軍にこれらの装備を供与したのは帝国再建委員会である。委員会が反乱軍を支援する理由は、マスドライバー基地にある物が目的だ。攻撃の支援の為か、戦術機のF-22の中隊が反乱軍の海上部隊に随伴している。
「敵機動兵器部隊、当基地に接近中!」
「反乱軍です! 機種不明!」
「えぇい、我々はUNSCじゃないんだぞ! それにこっちには碌な装備が無いのに!」
真昼間からの攻撃であり、当然ながら基地を守るUCA海軍の守備隊に気付かれた。だが、かつての前線拠点として機能していたリーチは今や辺境の地。その為に基地の守備戦力には碌な装備は無く、マシとも言える装備がジェガンJ型三機、ストライクダガー六機と言う有様であった。しかも全機が整備中で出撃できない。
「整備中の現行機はどうなってる? まだ出撃できんのか?」
「現在、急ピッチで行っております。その間に、出せる物は全て出して時間を稼がせます」
基地主力は戦闘車両と防衛設備、AT。機動兵器はロートルとも言えるジムⅡやハイザック、マリン・ハイザック、バーザムとバーザム改、ジェノアスであるが、反乱軍はそれに劣る旧型機ばかりであり、装備の差では勝っているが、物量では反乱軍が多かった。
「数は向こうが上か。付近の基地に増援を要請しろ! そこならダガーLくらいはあるだろ!」
「はっ!」
基地司令官は数の差ではこちらが劣るので、付近の友軍基地に増援を要請するように通信手に命じた。
陸と海から大挙して押し寄せる反乱軍が基地の第一防衛ラインに迫れば、直ぐに先端が開かれた。先に発砲したのは、UCA軍の自走砲だ。射程内に先行するエリアーズを捉えたのだ。対空ミサイルによる攻撃で先行したエリアーズ部隊は壊滅状態となり、陸上の方でも先端が開かれ、基地に接近しつつあった反乱軍機の何機かは撃破されていた。
「敵部隊、第一防衛ラインに到達! 何機か、抜けてきます!」
「海上から接近中の反乱軍部隊、防衛ラインを突破中! マリン・ハイザック隊とまもなく会敵します!」
だが、辺境の基地故に防衛設備だけでは多勢の反乱軍は抑えきれず、沿岸に配置していたマリン・ハイザックの隊と会敵した。
「こ、こんな旧式機でこの数の敵は! うわぁぁぁ!!」
必死に手にしているサブロックガンで押し寄せる反乱軍を迎撃するマリン・ハイザックであるが、旧型機故に抑え込める量では無く、瞬く間に数の差で次々と撃破されて基地への侵入を許す。
「マリン・ハイザック隊、反応喪失!」
「何っ!? 速過ぎるぞ! 待機中のジムⅡ隊を回せ! 動くザクキャノンも向かわせろ!」
「ザクキャノン!? あれも投入するのですか!?」
「出せる物は全て出せ! ATでは心持たんのだ!」
基地に侵入した敵部隊に対し基地司令官は待機させていたジムⅡ部隊のみならず、警備くらいにしか使えないザクキャノンまで出すように指示した。これに副官はザクキャノンも出すのかと言う問いに、司令官は出せる物は全て出して応戦させろと怒号を飛ばし、指示に従わせる。
「こ、こんな博物館送りで出ろってのか!?」
『速く出ろ! 敵が迫ってる!』
「畜生が!」
ザクキャノンのパイロットは出ろと言われて困惑するが、
ドートレス用のマシンガンを乱射し、右肩のキャノンを撃ってヘリオンやリカルドを仕留めることに成功したが、マリン・ハイザック同様にありとあらゆる火器を撃ち込まれて撃破される。火を噴きながら横たわる中、それと同時にジムⅡ隊も到着して、基地内では激しい攻防戦が繰り広げられる。
ジムⅡはビームライフルを装備しており、火力では反乱軍の海上部隊を圧倒していた。基地に辿り着いて突撃砲や滑空砲を撃ちまくるF-4やMig-21を撃破する。
『っ!? 気を付けろ! ATが隠れているぞ!』
ATのスコープドッグやスタンディングトータスも出撃しており、その小ささを生かして基地の倉庫に身を隠し、ミサイルランチャーで基地内に続々と侵入してくる反乱軍機を待ち伏せして撃破していく。
『た、隊長! 持ち堪えられません!』
『クソっ、クソォォォ! わぁぁぁ!!』
陸上でも反乱軍は数の多さを生かし、強引に突破しようとしていた。数は陸の方が多く、防衛に当たるハイザックやバーザム、バーザム改、ジェノアスが必死に防戦を行うも、物量の波に呑まれて撃破されるばかりであった。
防衛線が突破されつつある中、基地の出入り口に配置していた自動砲塔や戦闘車両部隊、対機動兵器部隊が接近しつつある反乱軍の迎撃を始める。
『陸と海上とも、被害が増しています! あの連中も攻撃に参加させましょうよ!』
「馬鹿、駄目に決まってる! あれは連邦の増援を抑えるために必要なのだ!」
『ちっ、あいつらだけなんで高性能機なんだ!』
前線部隊では、イクナトに乗る部下が指揮官機に乗る部隊長に、参加しない帝国再建委員会に増援を呼ぶように申告するが、部隊長はそれを却下した。
これに部下は帝国再建委員会の将兵だけが、高性能機に乗っていることに苛立ちを覚える。彼女らが攻撃していれば、自分たちの被害は無いに等しい戦果を挙げられるのだ。それをしないで、連邦軍の増援の対処と言って遠くから見ているのである。
彼にとっては、腹が立っても仕方ないだろう。あれだけの力を持っているにも関わらず、何もせずに見ているだけなのだから。
「ギンメール陸軍大尉、貴官は加勢せんのか?」
『大隊長より弾薬と推進剤を節約しろと厳命されているので。それにまだ制圧率が三十パーセントに達してませんし』
UCA海軍のレーダーでは捉えられていない臨時の二個航空魔導中隊を率いるターニャは、コヴナント戦争時代に沈んで赤錆びているUNSCのフリゲート艦の甲板に立つ戦術機F-22中隊を率いる中隊長に加勢しないのかと問うが、所属大隊より弾薬と推進剤を節約するように言われているので、加勢しないと答える。
制圧がある程度進んだところで、反乱軍の増援として加勢するようだ。もしくは反乱軍が基地を制圧できないほどの損害を受けた際、代わりに制圧する為にここで待機しているか。
そう睨むターニャであるが、彼女も隷下の二個中隊も加勢する気など更々ない。空軍所属のターニャの戦隊の他、VF-31Cジークフリード一機とVF-31A二機、電子戦機のVF-31Eも出撃しているようだが、電子戦機のVF-31Eの護衛の為か、基地のレーダーに引っ掛からない程の高度を維持したまま動かない。
『レーダーに反応! フレーザ級イージス艦二隻、こちらに接近中!』
高高度で待機中のVF-31Eより、UCA海軍の水上艦二隻の接近を知らされた。ターニャは海中に潜む海軍の水陸両用型戦術機のAー6イントルーダーの中隊はどうしているのかと問う。
「仕事か。海軍の連中は?」
『そちらから八時方向より接近中のデモイン級イージス艦を轟沈させました』
「確認した。敵駆逐艦二隻を沈める」
この問いにデモイン級イージス艦を沈めたと報告すれば、自分から見て八時方向より来たそのイージス艦が、Aー6の中隊に襲われて呆気なく轟沈していた。それを確認したターニャは自分たちの仕事を果たすべく、基地に接近中の二隻のミサイル駆逐艦に襲い掛かる。
基地の救援に駆け付ける二隻のフレーザ級ミサイル駆逐艦二隻はターニャ等航空魔導士に気付くことなく、基地へと急行していた。一方でのターニャ等はレーダーや見張り番に見付かりにくいように海上を低く飛んでおり、双眼鏡で彼女らを発見した観測手は思わず目を擦る。
「なんだあれ? 見間違いか?」
「一応、ブリッジに報告するか」
先頭のミサイル駆逐艦の見張り台に立つ観測手二名はターニャ等を発見したが、見間違いだと思って一応ながらブリッジに報告した。
「左側面の見張り台より、二十名ほどが空を飛んで当艦に接近中との報告が…」
「なんだそんな報告は? 敵は我が軍の基地を攻撃する反乱軍のみだ! 主砲やミサイルの射程に敵機を捉え次第、直ちに照準して撃ち込め! 僚艦にも打電しろ!」
余りにもバカバカしい報告に艦長は信じず、友軍基地を攻撃している反乱軍を艦の兵装の射程に捉え次第、発射するように命じた。
同じく救援に駆け付けているデモイン級ミサイル巡洋艦の轟沈の報告を聞いているはずだが、VF-31Eの電子戦を受けてまだ生きて駆け付けて来ると思っている。
接近中の二十名ほどに僚艦共々撃沈されることを知らず、全速力で基地を目指す中、ターニャ等は砲撃術式の詠唱を始めた。
「第一中隊は前の奴、第二中隊は後ろの船だ。十分な火力になり次第、照準して発射! 一発で沈めろ!」
ターニャが指示を出せば、こちらに全く気付きもしない二隻のフレーザ級に各航空魔導士は照準を定める。十分な火力まで詠唱を終えれば、照準を指示された艦艇に向けて放った。
放たれた魔弾はそれぞれ狙った艦艇に向けて飛んでいき、物の見事に命中し、二隻同時に轟沈せしめることに成功した。轟沈したフレーザ級が黒煙を上げて沈む中、増援として出て来たドートレスフライヤーの編隊をターニャは目視する。
「ギンメール大尉、MSだ! 数は大隊規模! そちらで対処できぬか?」
『確認しました。ドートレスフライヤーですか。あなた方航空魔導士でも十分に対処できますよ。そちらで対処してください』
ドートレスフライヤーの編隊を戦術機中隊で対処してもらおうと要請したが、性能の低いドートレスと知るや否や中隊は現状の戦力で対処しろと返した。
「なんだと? 連中、どれだけ推進剤と弾薬をケチりたいんだ! 各員、対MS戦闘用意! 残念ながら、戦術機中隊は全く動かん!」
「も、MSを!? そんな…!」
「奴らの装甲は脆い! 砲撃術式で一発で吹き飛ぶ! 気付かぬ間に撃て!」
これを部下に伝えれば、部下はMSと戦うことに怖気付く。無論、ドートレスの装甲は脆い事はターニャは知っているので、砲撃術式で何とかなると言って部下を落ち着かせ、編隊を組んで基地へ向かおうとするドートレスフライヤーの編隊に攻撃した。
二個中隊の一斉射で、ドートレスフライヤーの二個中隊分が爆散した。これに大隊長は直ちに散らばるように指示を出すが、後方の部隊である所為か、真面に動けず、第二射目で一個中隊にまで減らされる。
「何処から、何処からの攻撃と言うのだ!?」
慌てふためく大隊長機に向け、ターニャは無慈悲な一発を見舞って撃墜した。大隊長を失い、三個中隊も失った残る中隊は退却しようとしたが、追撃を受けて壊滅した。
地上の方でも連邦の増援が来ているようだが、帝国再建委員会は地上にも伏兵を配置しており、足止めを受けていた。
「海上からの増援隊、全滅!」
「巡洋艦マルス轟沈! 駆逐艦ルスト、バルコフ共に轟沈!」
「陸上の増援も正体不明の敵部隊の足止めを受け、被害多数!」
「馬鹿な…! 反乱軍にそんな戦力があるのか…!?」
その報告を聞いた基地司令官は青ざめ、思わず持っていた受話器を手放してしまう。だが、増援を足止めどころか多大な被害を及ぼしているのは反乱軍では無い。実戦経験豊かで高い連携を持つイヴ人が多く属する帝国再建委員会だ。辺境の連邦の方面軍が敵う相手ではない。
この基地に収納している物が狙いだと悟った情報将校は基地の戦力ではもう持たないと判断し、それを持ちだす為に部下を伴ってCICを出た。
「整備場より報告! ジェガン三機、ストライクダガー六機の整備完了! いつでも出撃可能だそうです!」
「やっとか、クソったれめ! 直ちに出撃させろ! 装備の違いを見せてやるのだ!」
それと同時にジェガンとストライクダガーの整備が終わったのか、簡単に調整を済ませて出撃させていた。
出撃したストライクダガーは早速手近に居たティエレン地上型とヘリオンをビームライフルで撃破し、更にはリーオーをライフルを撃ち込んで撃墜する。
『うわっ!? ストライクダガーだ! 奴ら、隠してやがったぞ!』
倒れたジェノアスに何発もレールガンを撃ち込んでいたリカルドに乗る反乱兵は気付き、僚機と共に対処していたが、飛び出してきたジェガンJ型のビームライフルを撃ち込まれて僚機共々撃破される。
「好き放題しやがって! このクソ反徒共が! 利子は倍にして返してやるぜ!」
F-4をビームサーベルで切り裂いて撃破したストライクダガーに乗るパイロットは、自分の機体を見て怖気づく反乱軍の機動兵器を攻撃し始める。
UCA海軍の逆襲が始まった。装備に劣る反乱軍は最新鋭とは行かなくとも、現行装備であるジェガンJ型やストライクダガーに蹂躙されるばかりであった。次々と友軍機が撃墜されていく一方で、マシとも言えるイクナトは、指揮官機と共にジェガンJ型一気に突っ込んだが、イクナトですらジェガンには敵わなかった。
『っ!? 隊長!!』
「へっ! 大将をぶっ殺せば、後は雑魚だけだぜ!」
『や、止めてぇ! キャァァァ!!』
シールドミサイルでイクナト指揮官を撃破した後、ビームサーベルを抜いて一気に足並みが乱れたイクナトに近付き、反撃される前に切り裂く。悲鳴が聞こえたが、パイロットは無視して頭部の左側に装着されたバルカンポッドを反乱軍の車両部隊に向けて掃射した。
撤退の際にUNSC軍が放棄した、あるいは装備更新の際に闇市へと放出された装備を使う反乱軍の車両部隊と歩兵部隊はMSのバルカン砲の前ではベニヤ板にしか過ぎず、次々とハチの巣にされる。掃射しているジェガンに乗るパイロットは映像越しに見える反乱兵を人だとは思っておらず、ストライクダガーのパイロットも同様に反乱兵たちをバルカン砲で殺傷していた。
「良いぞ! 奴らをもっとぶっ殺せ!」
UCA海軍の守備隊の将兵等は反乱軍に反撃を行う現行装備部隊に向け、先ほどまで自分らを蹂躙していた反乱軍をもっと殺すように叫ぶが、彼らは帝国再建委員会の存在を知らなかった。
『反乱軍、戦力五十パーセントを喪失』
『制圧が進まなくなります。どうします?』
「行くしかないわね。各機、直ちに反乱軍への救援に入る。出撃!」
反乱軍攻撃隊の戦力が半分になったところで、F-22の中隊はようやくその重い腰を上げて出撃した。
『や、止めろ! 降伏する! 撃たないで!!』
『はっ! テロリストは条約外なんだよ!』
突撃砲を捨て、投降しようとするMig-21を撃っていたストライクダガーは、接近中のF-22中隊に気付いた。
「なんだ、あの変な集団は? レーダーに反応しねぇぞ」
戦術機F-22はレーダーに映らないステルス機であり、不意に思ったパイロットはビームライフルの照準を向けようとしたが、撃つよりも前に突撃砲でハチの巣にされた。
『な、なんだこいつは!?』
『レーダーに映らないぞ!?』
『レーダーなんかに頼るな! 目視して撃墜しろぉ!』
突如となく現れたF-22の中隊に対し、目視による迎撃を行おうとしたが、全く相手にならずに撃墜されるばかりだ。
形勢はまたしても逆転した。今度はUCA海軍の守備隊が虐殺される番であった。現行装備であるジェガンJ型やストライクダガーは第三世代戦術機のF-22にまるで歯が立たず、次々と撃破されていた。騙し騙しに使われる旧型機は的同然であり、反撃する間もなく撃墜されていく。
「殆どの大隊本部から通信途絶! 連隊本部も壊滅しています!」
「レーダーに映らない!? 今、暴れている正体不明機がそうなのか!?」
『映らないんだ! 何処から、何処から来るんだ!? わぁぁぁ!!』
「こ、こちらの戦力はほぼ残っていません! このまま行けば…!」
「は、反乱軍如きに、正規軍たる我々UCA海軍が投降するのか…!?」
CICもステルス機F-22の登場で慌てているらしく、次々と戦力が刈り取られていく報告に、基地司令官は非正規軍である反乱軍に投降せねばならないと悟る。
中隊の中で一際目立つ戦闘力を持つ衛士が駆るF-22は目に見えるハイザックやジムⅡ、ジェノアス、その他諸々の戦闘車両を撃破しながら基地のヘリポートを目指す。
「あいつならお兄ちゃんの事を…!」
そのF-22に乗る金髪の少女であるリィズ・ホーエンシュタインは基地から逃げ出そうとする輸送ヘリを捉え、邪魔な敵機を排除しながら向かう。飛んでくるミサイルやビームは機体の機動力で躱し切り、突撃砲、あるいは突撃砲銃身の下に付いている滑空砲を撃ち込んで反撃して撃破する。
やがて輸送ヘリまで接近すれば、護衛の戦闘ヘリやスタンディングトータスを突撃砲を撃ち込んで撃破し、輸送ヘリに向けて拡声器を使った投降勧告を行う。
『そこのヘリ、直ちにエンジンを止めなさい! 出なければ撃墜する!』
「か、構うな! 基地の機体に足止めさせろ! これは何としても持ち出さねば…」
投降勧告を行うリィズ機の勧告を無視するように言う情報将校であるが、副操縦手は彼の頭部に拳銃の銃口を向け、少女の勧告に従った。
「き、貴様…!?」
「うるせぇ、俺たちは死にたくねぇんだ」
操縦手はヘリのエンジンを切り、リィズの勧告に従って両手を上げながら情報将校とその部下たちと共に出て来た。
数分後、基地の制圧を終えた中隊はヘリポートに集合し、中隊長は戦術機から降りて、情報将校が持っていたアタッシュケースを奪い取る。同時に基地は反乱軍に投降しており、先頭は完全に終了していた。
アタッシュケースを持って自分の機体に乗り込もうとする中隊長を情報将校は隠し拳銃で撃とうとしたが、リィズが向けた突撃砲で思い留まる。
『死にたいの?』
「うっ…! 一体、貴様らは何者だと言うのだ? なぜそれを狙う?」
『09、答えなくて良い。帰投するぞ』
思い留まった情報将校は、なぜ攻撃して来たのかと問うが、中隊長は無視するように告げる。それにリィズは応じず、自分の義兄について問う。
「テオドール・エーベルバッハって知ってる?」
『何の話だ!? 質問を質問で返すな!』
「あぁ、知らないんだ。じゃあ、用済みだね」
『よ、止せ! 撃つんじゃ…』
自分の義兄、テオドール・エーベルバッハについて問うが、情報将校は全く知らなかった。これに気分を害してか、リィズは突撃砲で彼と近くにいた部下共々消し飛ばした。
『09! 勝手なことを!』
「ごめんなさい。ちょっと、知りたいことがあったから」
『すみません、中隊長殿。この子、その赤毛の男にご執心なようでして…』
『だからって、八つ当たりで撃つんじゃない! それに後始末は反乱軍の仕事だ! 09が撃った情報将校を反乱軍が一番殺したがっていたからな!』
中隊長より説教を受けたが、テオドールに対する手掛かりがないリィズには響いていなかった。そのまま帝国再建委員会のF-22中隊が撤収する中、反乱軍による捕虜の虐殺が始まる。
「今まで散々俺たちを面白半分に殺しやがって!」
怒りに満ちた反乱兵は搭乗機であるリカルドのリニアガンを、投降したUCA海軍の将兵等に向けて撃ち込む。無論、彼らが彼の仲間を面白半分に殺したと言う証拠はない、単なる八つ当たりだ。
「私の彼を、彼をあんな惨たらしく殺して、無事に済むと思ってるの!?」
ある反乱兵は自分の恋人を惨たらしく殺したのに、降伏して許されるのかと思って手にしているライフルを撃ち込んで捕虜を射殺する。
「ま、待ってくれ! 俺たちはUNSCでもISA、地球連邦や大西洋連邦でもない! 同じコロニー惑星出身だ! 頼む!」
「うるせぇ! 連邦に組した時点でテメェらもその仲間だ! 死ね!」
自分らは反乱軍を蹂躙した勢力ではないと必死に訴えるUCA海軍の将兵等に、反乱兵はそれに属した時点で仲間だと罵って射殺した。
この三つの虐殺だけではない、基地のいたるところで虐殺が起きていた。共通点は怒りであるが、その理由は様々である。各所から悲鳴と断末魔、銃声が響き渡り、大勢のUCA海軍の将兵等が虐殺されていた。
「なんですか、あれ…?」
「ふん、証拠処分は現地の奴らにやらせるか」
虐殺の悲鳴がターニャたちが居る方にも届いており、その悲鳴を聞いた部下は困惑していた。この虐殺を止めずにやらせているのは、証拠隠滅をさせているとターニャは睨み、困惑する部下たちに向けて帰投すると告げた。
「ともあれ、この場には長居したくない物だ。撤収する。暫くは増援は来ないだろう」
「は、はい!」
ターニャも虐殺される敵兵らの悲鳴は聞くに堪えないことなどで、撤収を命じれば部下たちは喜んでそれに従った。
彼女らが去っても反乱軍は基地に居るUCA海軍の将兵等が全滅するまで虐殺を続け、それまでに銃声と悲鳴が周辺に木霊していた。
参考にしたのはSEEDの虐殺回かな。
モチベーション維持のため、何か書こうかな…?