【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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久々に書いたな。

VF-1バルキリー
マクロスに登場する最初の正式可変戦闘機。
量産タイプがAで、限定生産型はR、日本製はJ、エース機並び中隊長・大隊長機はS型と呼ばれる。ファストパックやスーパーパック、ストライカーパックと呼ばれる追加装備もあり、汎用性に優れており、バージョンアップして使い回されている。
この作品では帝国再建委員会が、使わない雑多な機動兵器と共に反乱軍に供与している。いわゆる押し付けてあるが、可変戦闘機は喜ばれていた。
主に戦闘機と言った航空機のパイロットが好んで乗っている。

VF-4ライトニングⅢ
マクロスに登場する可変戦闘機。こちらは空間仕様。大気圏内仕様の空軍と海軍使用も存在する。
VF-1よりも優れる空間戦闘力で宇宙軍の主力となったが、VF-1以来の汎用性を持ち、性能に優れるVF-11サンダーボルトの登場により、二級戦装備にされ、辺境の警備部隊に追いやられた。更なる後継機が登場すれば、民間に払い下げとなる。
この作品では、いらないと判断されてVF-1と共に反乱軍に押し付けられた。だが、貧乏所帯の反乱軍では喜ばれている。

姫騎士団
ターニャやアーデ、帝国再建委員会の実行部隊を回収する時間稼ぎの為、ワルキューレから持ってきた部隊。名前の通り全員が女性で編成され、主に貴族身分の女性がリーダーをしている。イヴ人は兵士。
アガサやメイソンと同じく、主力MSはグレイズ。

グレイズ・リッター レリア・フィオナ・レンゲルト・ライルバーン機
姫騎士団の騎士団長のレリア専用のグレイズ・リッター。見た目はギャラルホルンの宇宙戦仕様のグレイズ・リッターであるが、専用の中型シールドが装備されている。それだけ。

グレイズ 姫騎士団仕様
姫騎士団の主力として使われているグレイズ。見た目の違いは白い塗装だが、一般機の近接武器が片手剣になっている。

グレイズ・パンツァー
本作オリジナルのグレイズのバリエーション。爆発反応装甲を装備した重装備仕様のグレイズ。

グレイズ・カノーネ
本作オリジナルのグレイズのバリエーション。右肩に大口径のキャノン砲を装備したグレイズ。いわゆるグレイズ・キャノン。


姫騎士団VS連邦宇宙軍・海軍

 ISA海軍の巡洋艦「ニューサン号」に接舷されたマラソン級重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」の艦内に、一個大隊程のM82アサルトライフルやM77サブマシンガンを持ったISAの将兵等が雪崩れ込んだ。

 彼らは21世紀の特殊部隊のような装備をしており、身のこなしは素早く、非正規軍の反乱軍兵では全く敵わず、的の如く撃ち殺されるばかりだ。

 対する反乱軍将兵は玉砕を覚悟してか、蛮勇にも練度も能力も遥かに上なISAの制圧部隊に挑んでいた。投降する者はほとんどおらず、艦橋を破壊されて死んだ提督の最後の命令に従い、死を恐れずに挑む。

 

「死ね! 連邦の犬ども!!」

 

「私の恋人の仇共に鉄槌を!!」

 

 旧式の7.62ミリ口径の突撃銃を乱射しながら突撃する男女混合の反乱軍兵士の集団に対し、ISAの制圧部隊は機械のように排除していく。手榴弾を投げ込んで纏めて排除した後、手榴弾を投げた張本人であるダンテ・ガーザは、次は爆弾を抱えて突っ込んでくるでは無いかと冗談交じりで言う。

 

「次はカミカゼでもすんのか?」

 

「やるはずないだろ。奴らはトージョーじゃない」

 

「だろうな。銃剣も万歳突撃もしてねぇ」

 

 仲間にそう言われ、ガーザは笑みを浮かべながらまだ息のある敵兵を持っているライフルで撃ち殺した。

 彼らの動きに無駄は無い。事前のミーティングでマラソン級重巡洋艦の艦内図を叩き込まれており、そればかりか艦内戦闘の訓練も受け、互いの死角を補いながら前進していた。室内も一つ一つ、一斑ずつに分かれて制圧していく。

 

「クリア!」

 

 一つの部屋に手榴弾を投げ込み、生き延びた敵兵を素早く撃ち込んで制圧したトーマス・セブチェンコことセブはクリアと叫び、自分が属する小隊の列に戻った。

 一人。また一人と出て来る反乱兵たちを次々と制圧していく中、ある部屋に差し掛かったところで小隊長は手にしているライフルの銃口を向けた。

 

「子供だ! ここは良い! 次へ行くぞ!」

 

 銃口を向けた先に居たのは子供たちばかりで、自分らを見て震えていた。これに小隊長は脅威でないと判断し、自分の分隊の者たちに次の制圧へ向かうように指示を出した。その時、セブとバンダナを頭に巻いて散弾銃を持つショーン・ナッコの間に居た兵士が銃撃を浴びて倒れた。撃ったのは、年端もゆかない少女だ。

 

「うわっ!? 撃ってきやがった!」

 

「クソったれ! この餓鬼どもが!!」

 

「ぶっ殺してやる!」

 

「止せ! 撃つんじゃない!!」

 

 セブが驚いて転ぶ中、仲間を撃たれて激怒したナッコは生死の声を聞かず、散弾銃を撃ち込もうとする。最後尾のM22ライトマシンガンを持つリコ・ヴィラスケスも同様で、他の隊員らと共に自分らを銃撃した子供たちを撃った。

 

「衛生兵! 負傷者だ! 急げ!!」

 

 数十発もの銃声が響き、鳴り止む頃には、子供たちは動かなくなっていた。あれほどの一斉射を受けたので、誰も生きていない。

 セブが撃たれた隊員を介抱し、衛生兵を呼んでいた。衛生兵が負傷兵に駆け寄る中、小隊長は何で撃ったのかと発砲した隊員らに怒鳴る。

 

「なぜ撃った!? 子供だぞ!!」

 

「敵を撃って何が悪い!? ここは戦場だ! 餓鬼でも殺しに来るんだ! 油断すればマイクのようになる! 今、起きただろ!? あんたは見えてねぇのか!?」

 

 自分等を怒鳴る小隊長に対し、リコは代表して反論した。

 そんな彼らに、少年兵も含める反乱軍の兵士たちが迎え撃とうと、ありとあらゆる部屋と通路から飛び出してくる。これをガーザは大声で叫びながら知らせた。

 

「おい、お客さんだ! 口論は後でやれ!」

 

 ガーザに言われた小隊長とリコらは即座に遮蔽物となる場所へ身を隠し、反撃してくる反乱軍の兵士たちと銃撃戦を開始した。

 

 

 

「クリア! よし、このまま第四小隊と合流し、ハンガーに…」

 

 セブが属する小隊とは違う区画の制圧を命じられたISAの小隊は、ハンガー近くの区画を制圧し、隣の小隊と合流してハンガーの制圧に向かおうとしたが、軍用ナイフを小さな右手に握り、小柄な体型を生かして身を潜めたターニャの奇襲を受け、前衛の一人の喉を切り裂かれた。

 

「ポイントマンがやられた! 警戒しろ!」

 

 ターニャは前衛の一人の喉を切り裂いた後、素早く物陰に隠れ、次の攻撃の機会を伺う。一人を殺された小隊の者たちは素早く前衛を後方へ引っ張り、周囲を警戒した。ISAの兵士たちを相手に、ターニャは緊張して額に汗を浸らせる。

 

「(クソっ、碌な装備が無い状態でSWATやデルタ顔負けのISAの兵士とやり合う羽目になるとは…!)」

 

 演算宝珠も無しにISAの制圧部隊と戦うしかないと言う状況に、ターニャは頭を抱えた。なんせ相手は成人男性だった頃に居た世界で言えば、特殊部隊に相当する相手だ。今ここに隠れていても、直ぐに見付かってしまった。

 

「居たぞ!」

 

「見付けるのが早過ぎる!」

 

 MP5A5短機関銃を抱え、見付けるなり撃って来るISAの兵士たちからターニャは全力で逃げる。一発一発が正確な射撃なため、辛うじて避けられるが、連射力の高いライトマシンガンを持ち込まれては、魔法障壁があってもお終いだ。

 

「伏せろ!」

 

 逃げ回っていれば、アーデが追い付いたのか、彼女はG36Kを構えながら拡散式追尾魔弾を放とうとする。これにターニャが伏せれば、数名のISA兵を撃ち殺した。残った兵はやや浮ついたが、直ぐに反撃の姿勢を取って撃ち返してくる。

 

「何してる!? 反撃しろ!」

 

 指揮権を受け継いだ下士官の指示で反撃するISAの兵士達であるが、ターニャもまた反撃を開始し、魔力で威力を高めた9ミリパラベラム弾で次々と敵兵を射殺していった。二個分隊程を仕留めたところで、生き残りは撤退を始める。

 

「一時撤退し、再編後に攻撃だ!」

 

「退いたか。でも、体勢を立て直してから戻って来るぞ」

 

 撤退の際に投げ込まれた手榴弾の爆発から魔法障壁で身を守れば、ターニャはまた戻って来ると口にする。

 

「それで、迎えはいつ来る? 心中など御免だぞ」

 

「迎えは来る、魔導通信の暗号で、回収部隊が十分後に来ると来た。まずはハンガーへ行き、そこで陸軍の戦術機大隊の衛士と合流。そこで回収部隊が来るまで持ち堪える。行くぞ」

 

「ちっ、破棄と言う選択肢は無いのか! こんなので、よく帝国を再建しようだのと思うな!」

 

「文句を言うな! 速く合流するぞ!」

 

 アーデに迎えがいつなのかと問えば、彼女はターニャが使えない魔導通信の暗号で、回収部隊は十分後に着くと答えた。ハンガーにある一個大隊分のF-22ラプター戦術機も回収すると言うので、これにターニャは帝国再建が出来るのかと悪態を付いた。

 それを副官であるはずのアーデは咎めつつ、それがあるハンガーへと向かった。ターニャも生き残るために、アーデと共にハンガーへと向かう。

 

「こっちは一個中隊が来ているな…!」

 

「あっちで陸軍が抵抗している! 合流するぞ、ついてこい!」

 

 ハンガーへと辿り着けば、そこでは激しい銃撃戦が行われていた。

 プリンツ・オイゲンが戦闘不能並び航行不能となった時点で回収を待つことになっているのか、護衛の陸軍歩兵中隊と衛士らもハンガーに集結し、戦術機の周りにバリケードを築き、押し寄せるISAの制圧部隊に抵抗している。

 反乱軍の兵士らもこれに加わっているが、特殊部隊レベルのISA兵らに撃ち殺されるばかりだ。これを見ていたターニャは状況は絶望的だと思うが、アーデは臆することなく同胞らの元へ走った。

 

「いつもこうなら苦労せんがな。なるべく直ぐに来てくれよ、回収部隊よ」

 

 度々任務に支障が出る言動を取るアーデが、いつも勇敢なら苦労はしないと小言を漏らしたターニャは、こちらを銃撃してくる敵兵らにフルオートに切り替えたMP5を撃ちながら彼女の後へ続いた。

 

 

 

『よし、他に抵抗する敵機は居ないな!?』

 

「はっ、居ません! いえ、まだ動く奴が!」

 

 視点を宇宙に戻せば、連邦軍の増援の到達により、反乱軍艦隊の機動兵器と戦闘艦はほぼ壊滅していた。抵抗はまだ続いているが、時間が過ぎる事に爆発の光は減って行く。

 ジェガンJ型に乗る隊長に無線連絡で問われた同型機に乗る部下は、抵抗する反乱軍機は居ないと返答するが、まだ動く反乱軍機であるハイザックが武器を持たずに彼の機に近付いて来る。どうやら投降するようだ。

 

『う、撃たないでくれ! そちらに投降する!』

 

「奴はこちらに投降するようです。機体からパイロットを引きずり出します!」

 

『いや、その必要はない』

 

「は?」

 

 投降してくる敵機に対し、隊長が取った行動は驚愕の物であった。なんと、抵抗の意思の無いハイザックに向け、ビームライフルを発砲したのだ。初弾は命中、撃墜には至らなかったが、無線機より反乱軍のパイロットの悲鳴が聞こえて来る。

 

『う、うわぁ! 何をするんだ!? 俺は投降したんだぞ!?』

 

「隊長、奴は無抵抗ですよ!?」

 

『馬鹿が! 奴らは反乱軍なんて名乗っちゃいるが、テロリストだ! テロリストに条約もクソもあるか。飯の無駄だ、処分しろ!』

 

「し、しかし…!」

 

『虐殺だって言うのか? そんなんだからお前は半人前なんだ! 良いから片っ端からぶっ殺せ! 奴らはエイリアン共と同じ敵だ!!』

 

 反乱軍をテロリスト扱いして排除しようとする隊長は、怯えて逃げる被弾したハイザックにとどめの二撃目を放ち、撃破した。これに部下は抗議するが、隊長に怒鳴り付けられて黙らされる。

 こうして反乱軍は投降も許されず、連邦軍に駆逐されるばかりだ。武器を捨てても、容赦なくマシンガンやビームを浴びせられて撃墜される。その行為は宇宙へ放り出されたパイロットや非武装の脱出艇にまで及んだ。

 

『や、止めろ! 我々に抵抗の意思はない! 貴官らに投降する! だから許してくれ! 頼む!!』

 

「はははっ、貴様ら反乱軍はコーディネーター共と同じだ! 青き地球への裏切りの報いだ、死ね!!」

 

 脱出艇の乗員から投降するとの無線連絡を受けるが、その脱出艇を撃沈しようとするストライクダガーのパイロットは耳を貸さず、笑いながら至近距離からビームライ仏を撃ち込んで撃沈した。

 

「止めてくれ! グアァァ…!」

 

 機体から放り出されたパイロットは、機動兵器のマニピュレーターに掴まれ、握り殺されるか、親指で首を折られて死亡する。

 

「ん? レーダーに反応! 反乱軍の野郎共の増援だ!!」

 

 そんな虐殺を行う連邦軍に、反乱軍の増援が現れた。

 

 

 

「はっ! 撃墜スコアの更新だぜ! さぁ、次のガタ落ちはなんだ!?」

 

『いや、見たことも無い奴が居るぞ! シャルドールや旧式のジェガンじゃねぇ!』

 

『なんだって!?』

 

 迫る反乱軍の増援部隊の中に、見たことも無い機が紛れていることに連邦のパイロット等は驚愕の声を上げる。

 反乱軍の増援部隊であるジンやジェガンA型、シャルドール改の中に、この世界には無いはずのVF-1バルキリーやVF-4ライトニングⅢ等の可変戦闘機が混じっているのだ。それだけでない、見事な編隊を組んで迫る白いグレイズも居る。その後方には、旧式揃いの艦艇も含め、アークエンジェル級強襲揚陸艦一隻とハーフビーク級戦艦六隻で編成された艦隊が控えていた。明らかにワルキューレ所属の艦隊である。

 

「あの白いMSはなんだ!? データに無いぞ!」

 

『UCA海軍の衛星基地を襲った奴らじゃないのか!?』

 

 ヘビーガンやダガーL、バリエント、アデルMk-Ⅱを初めとする展開した機動兵器に乗るパイロット等はデータに無いグレイズの存在に狼狽えていた。

 

「狼狽えるんじゃない! とにかく迎え撃て!」

 

 狼狽えるパイロット等に向け、量産型ヒュッケバインMk-Ⅱに乗る士官が怒号を飛ばせば、展開する連邦軍は交戦を始めた。

 

「なに、反乱軍の新手? 宇宙軍で何とかすれば良いだろ!」

 

 援軍の到来はタモンらが乗るアグリッパにも届いた。テンペラーの巡洋艦ニューサン号と共に拿捕した重巡洋艦プリンツ・オイゲンの周辺警戒を行うタモンのタスクフォースであったが、余分な戦力は無いとして宇宙軍からの要請をマルコは断る。

 タモンが無言でマルコの方を見れば、彼は宇宙軍が何とかすると返した。

 

「我々海軍には関係ない事です。制圧はまだ終わらんのでしょうか?」

 

 宇宙軍が反乱軍の増援部隊と交戦を開始する中、ISA海軍は敵旗艦であるプリンツ・オイゲン周辺を警戒するのみであった。

 

「あいつ等、何をする気だ?」

 

 反乱軍の旧型のPTである量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを含める機動兵器と可変戦闘機隊が連邦宇宙軍の艦載機部隊と交戦を始める中、グレイズタイプを中心に編成された部隊は何かの編隊を組もうとしていた。それを目撃したGキャノンのパイロットは戦闘を止め、そちらに視線を向ける。

 すると、盾を持つ指揮官型のグレイズ・リッターを中心に、一般機のグレイズ・リッター六機が左右に展開し、戦闘中にも関わらず、この場に居る者全てに自分等の存在を知らしめるため、ポーズを取って名乗り始めたのだ。察するに、姫騎士団に属する騎士たちの実戦経験は無いとされる。

 

『我ら、姫騎士団!!』

 

「あ、あいつ等! 正気か!?」

 

 こんな状況に中世の騎士のように自分らの名を名乗る姫騎士団の者たちに、反乱軍のパイロットは驚きの声を上げた。無理もない、こんな宇宙の時代に名乗るなど、バカとしか言いようがない。

 

『きゃっ!?』

 

「馬鹿が! 戦場でデカデカと名乗るアホが居るか!」

 

『へへっ、ぶっ殺せ!』

 

 一瞬だけ戦闘が中断されたが、物の数秒で当然ながら撃たれた。指揮官機も含め、一般機は的のように撃たれる。だが、ナノ・ラミネート装甲のおかげか、それ程の損傷は無かった。

 

「我ら姫騎士団の神聖な仕来りを…! 許さないわ!!」

 

 無事である姫騎士団の騎士団長、レリア・フィオナ・レンゲルト・ライルバーンは大いに激怒した。異世界より来た彼女からすれば、連邦軍の行いは無礼に当たるのだ。乗機のグレイズ・リッターの腰のナイトブレードを抜き、手近な距離に居る連邦軍機に斬りかかる。

 

「へっ、馬鹿正直に突っ込んで…何っ!?」

 

 激怒して真正面から突っ込んでくるレリアのグレイズ・リッターに、標的にされたジェガンJ型のパイロットは嘲笑ったが、予想外の速さに驚愕し、そのままブレードで切り裂かれた。驚愕の速度で味方機が一機落されたことで、連邦のパイロットたちは動揺する。

 

『なんて速さだ!?』

 

『こ、こっちに来る!? うわぁぁぁ!!』

 

「ハァァァッ!!」

 

 動揺する連邦のパイロット等は、高速で動き回りながら迫るレリアのグレイズ・リッターに集中砲火を浴びせるが、彼女の技量は日頃の訓練の甲斐か、それとも一騎士団の騎士団長としての技量の為か、技量はエース級であり、次々と連邦軍機を切り裂いていく。

 

「や、野郎! ふざけやがって!!」

 

『さっきは良くもやってくれましたわね!』

 

 次々と味方機を切り裂いていくレリアのグレイズ・リッターに、激怒したGキャノンに乗るパイロットは背後から大型バルカン砲を撃ち込もうとしたが、姫騎士団の一般機のグレイズ・リッターが突き出した槍に突かれて撃破される。

 更に姫騎士団の反撃は続く。グレイズ・カノーネと呼ばれるグレイズの砲戦仕様の援護射撃を受け、編隊を組んだ数機の通常型グレイズの120ミリライフルの波状攻撃が行われ、次々と連邦軍機は撃破されていくばかりだ。連携攻撃で混乱する連邦軍部隊に追い打ちを掛けるように、複数の爆発反応装甲(リアクティブアーマー)を装備したグレイズことグレイズ・パンツァーが迫る。

 

「なんだこいつ等!? ドムか!」

 

 バズーカの一発目を避けたアデルMk-Ⅱのパイロットはグレイズ・パンツァーに驚くが、そのまま二機目の二発目を受けて撃破された。複数のジェガンがシールドのミサイル攻撃による連携攻撃で、グレイズ・パンツァーの一機を被弾させたが、胴体に装着された爆発反応装甲で防がれてしまう。

 

「り、リアクティブアーマーだと!? こいつら何処の勢力だ!?」

 

 ミサイル攻撃を爆発反応装甲で耐えたグレイズ・パンツァーに驚くジェガンのパイロットは、上面から来たグレイズ五機の編隊の集中砲火を受けて撃破された。

 

『見事な連携ですわ。取りこぼしの撃破、引き続きお願いしますわ』

 

「はっ!」

 

 グレイズ・パンツァーに乗る騎士から激励の言葉を受け、グレイズに乗るパイロットは敬礼しつつ、敵の掃討を続ける。グレイズに乗るパイロットたちはイヴ人であり、姫騎士団内では兵士身分のようだ。グレイズ・カノーネに乗るパイロットも兵士身分のイヴ人である。

 これらの連携を前に、連邦軍はただ圧倒されるばかりであった。直ぐにこの報は、プリンツ・オイゲンを制圧しているタスクフォースに知らされる。

 

「なに、救援要請? そっちで何とかならんのか。数はこっちより多いんだろ?」

 

『我が隊の機動兵器部隊はアンノウン部隊相手に苦戦中だ! 至急、そちらの余剰戦力を…』

 

 タモンの代わりに救援要請を聞くマルコであったが、情けない宇宙軍の為に受けるつもりは毛頭も無い。そんな救援要請を出す分遣艦隊代理の旗艦に、レリアのグレイズ・リッターが迫る。その様子は、アグリッパの艦橋にも見えていた。

 

『敵機接近! 凄い速さです! 護衛機突破されました!!』

 

『対空迎撃! 速く撃ち落とせ!!』

 

『うわぁっ!? 敵機急速接近!』

 

 レーダー手の叫びと共に艦橋にグレイズ・リッターが迫り、ナイトブレードを振り下ろされた。そこで映像は悲鳴と共に途切れる。

 

『うわぁぁぁ!!』

 

「何をしている!? アグリッパを後方へ下げろ! こんなコルベットにも劣る小型戦艦で、相手になるか!」

 

 宇宙軍の分遣艦隊代理旗艦が轟沈すれば、無言のタモンに代わってマルコはアグリッパを後方へ下げるように、クラーク艦長へ命じた。ネルソン級では、二の舞になると判断してだろう。それに応じ、クラークは操舵手に艦を後方へ下げるように伝達した。プリンツ・オイゲン制圧中のテンペラーのニューサン号にも忘れずに告げる。

 

「来たぞ! 速い!?」

 

 レリアのグレイズ・リッターが宇宙軍を突破し、ISA海軍のタスクフォースの方へ入れば、即座に警戒していたウィンダムに襲い掛かる。余りの速さに、狙われたウィンダムはナイトブレードで両断されて撃破された。宇宙軍とは違い、即座に対応するISA海軍であるが、随伴するグレイズ・リッターやグレイズも加わり、直ぐに乱戦状態となる。

 

「こいつら何? 反乱軍なの?」

 

 クランシェ・カスタムに乗るリロも対応するが、非正規軍の反乱軍や正規軍の同盟軍とは違う姫騎士団の連携攻撃に苦戦する。五機編隊のグレイズによるライフル掃射の次に、高速で迫るグレイズ・リッターのナイトブレードの斬撃が来る。これをビームサーベルで防ぐが、仕留めきれないと分かれが直ぐに離れ、グレイズ・カノーネに砲撃させる。激しい波状攻撃だ。

 

「っ!? 危ない!」

 

 何とか躱すリロであるが、今度はレリアのグレイズ・リッターが迫る。

 

『隊長機と見た! 覚悟!!』

 

「指揮官機!?」

 

 迫るレリアのグレイズ・リッターにツインドッズキャノンを撃ち込むが、左手の中型シールドで防がれ、そのまま一気に接近されて右手のナイトブレードを振るわれる。

 

「あれを防ぐなんて!? なんてシールドなの!」

 

 ツインドッズキャノンの高出力ビームを防ぐシールドに驚愕しつつも、レリアのグレイズ・リッターから繰り出される斬撃を躱しつつ、リロもビームサーベルを抜いて応戦する。

 

「アンノウン、タスクフォースと接触! 当艦の防空隊とも接触!」

 

「アンノウン、対空砲の射程距離にまで接近! 対空戦闘、直ちに開始!」

 

「まだ制圧出来ないのか? 敵の士気が高い! 我が艦にも来るぞ!」

 

 ニューサン号の対空砲の射程距離にも姫騎士団のグレイズ部隊が到達したのか、搭載された対空砲が火を噴いた。甲板に張り付いているATのスコープドッグも、手にしているヘビィマシンガンで迎撃を行う。これにテンペラーはプリンツ・オイゲンの制圧がまだ終わらないのかと問えば、艦内に突入した制圧部隊は、ターニャ等の抵抗にあって出来ないと答える。

 

『ハンガーの抵抗激しく、目標を確保できません!』

 

「後十分で制圧出来ねば、ハンガーを攻撃して機体の残骸を確保する! ブルー隊、ハンガーのある区画まで移動しろ! 制圧部隊は退避する準備をしておけ!」

 

 抵抗が激しくて出来ないと分かれば、十分でハンガーを攻撃して制圧すると告げ、念の為に退避の準備を進めた。だが、十分も経つ前に、目標のF-22ラプター一個大隊は回収されてしまう。

 ニューサン号に接舷されているプリンツ・オイゲンの反対側より、マクロス・クォーターが出現したのだ。無論、マクロス・クォーターの所属は帝国再建委員会である。

 出現したクォーターに気付いた反対側の警戒していたドレイク級フリゲート三隻とサラミス改級巡洋艦一隻は、直ちに艦載機と共に攻撃を行うが、出現と同時に展開されたVF-25Aバルキリー二個小隊に殲滅された。

 

「ロイゲン、グロック、レンツァー轟沈! ラミアも轟沈しました! 所属不明艦、プリンツ・オイゲンに急速接近!」

 

「所属不明艦、ひ、人型に変形します!」

 

「テンペラー大佐は大丈夫でしょうか…!」

 

 プリンツ・オイゲンに迫るマクロス・クォーターは強行型に変形し、左腕をハンガーのある区画へ突っ込んだ。その光景を後方で見ていたアグリッパの艦橋では、直ぐに報告が届き、マルコはニューサン号が無事であるかどうか心配になり、無表情で眉一つ動かさないタモンを見る。

 

「拿捕した敵艦に、巨大ロボが!?」

 

『余所見をしている場合ですの!?』

 

 リロもマクロス・クォーターの存在に気付き、向かおうとしたが、レリアがそれを許すはずもなく、食い付かれる。

 アグリッパの装備では何も出来ないと分かっているタモンが見ている中、突っ込んだ左腕の空母から続々と戦術機F-22や人員を回収する部隊が展開し、集まって来たISAの一個歩兵大隊規模の制圧部隊と交戦を始める。

 

「来たぞ! 直ぐに乗り込め!」

 

「やっと迎えのバスが来たか」

 

 ハンガーでISAの制圧部隊と交戦していたターニャ等は、迎えが来たと思って空母へと乗り込んでいく。駐機されている一個大隊分のF-22の回収は迅速に行われ、それを阻止しようとするISAの兵士たちは、機関銃部隊が持つチェーンガンや三脚立て機関銃の機銃掃射で近付けないでいた。

 

「なんで空母が突っ込んでくるんだ!?」

 

「知るか! あの機銃掃射なんとかならねぇのか!?」

 

「一歩出ればハチの巣だぞ!」

 

 セブらもハンガーへ来ていたが、機関銃の掃射で回収されるF-22に近付けないでいた。彼らの言う通り、一歩出るだけでハチの巣にされるほど激しい機銃掃射だ。ISAの兵士らは確保目標であるF-22を、ただ回収されるのを眺めるしか無かった。

 

「お、俺たちも回収してくれ! 本隊と合流したい!!」

 

 やっと来た帝国委員会の回収部隊に乗せてもらおうと、プリンツ・オイゲンに乗船していた反乱軍の兵士たちは群がったが、派遣された回収部隊は戦術機一個大隊とその人員、ターニャとアーデの回収しか命じられておらず、予定にない回収物である彼らに、MG3汎用機関銃やMG4軽機関銃の銃口を向けた。

 

「な、何を…!? ギャァァァ!!」

 

 味方の回収部隊と思われたイヴ人の将兵等に銃口を向けられた反乱軍の兵士たちは驚愕し、なぜ向けるのかと問うが、彼女らは答えることなく引き金を引いて反乱軍の兵士たちを射殺し始めた。これに逃げる反乱軍の兵士達であるが、機関銃兵らは容赦なく背中に銃撃を加えて次々と射殺していく。この無慈悲な行為を、ISAの将兵等も見ていた。

 

「奴ら、味方を殺してるぞ」

 

「なんだか訳アリみたいだな」

 

「いや、あれをするとなれば…あいつ等、空母を引っこ抜く気だ!」

 

 邪魔な反乱軍兵士らを全員機銃で射殺し終えた後、セブは空母を引っこ抜く気だと分かった。既にF-22を全て回収し終えており、後は突き刺した空母部分を引き抜いて帰るだけなのだ。機関銃部隊が空母内へと戻って行く中、ハンガーへと突入したISAの兵士たちは急いでそこから退避する。

 ISAの兵士たちがハンガーから退避を待つまでもなく、マクロス・クォーターは空母部分をプリンツ・オイゲンから引っこ抜き、巡航形態へ変形した後、展開したVF-25の編隊と共に戦闘宙域から脱出した。

 

『団長殿、委員会の連中は任務を完了しました! 潮時です!』

 

「もう終わりですか! では、これにて失礼!」

 

 帝国再建委員会が戦術機大隊とターニャ等の回収を終えた報告を受ければ、姫騎士団の役目は終わった。彼女らの任務は回収するための時間稼ぎである。レリアはリロのクランシェ・カスタムにシールドによる打撃を与えて吹き飛ばした後、撤退信号を上げた。

 この信号が暗い宇宙で炸裂して眩い光となれば、姫騎士団のグレイズたちは撤退を開始する。反乱軍も助けられる人員を出来る限り助けた後、姫騎士団と共に撤退を開始する。

 

「ち、待て!」

 

『追うな! それよりも周囲警戒に当たれ!』

 

「ッ!? 了解!」

 

 自分を吹き飛ばしたレリアのグレイズ・リッターを追おうとするリロであったが、タモンの指令を受けたマルコからの連絡で止められる。これに腹を立てるリロであるが、タモンの言葉を発せぬ表情を見て、その司令に従った。他の機体も同様である。

 

「大損ですな。ヴィーザル号であれば、一機は奪えただろうに…」

 

 アグリッパの艦橋から撤退する姫騎士団と反乱軍の増援を見て、マルコは本来の座乗艦である巡洋艦ヴィーザル号であれば、目標の戦術機F-22の一機の回収は叶ったと口にする。これにタモンは無表情なまま聞いているだけで、言葉を発することなく見ているだけだ。

 

「あの、次はどうすれば?」

 

 そんな無言のタモンに、クラーク艦長はどうすれば良いのかと問えば、彼に耳打ちで指示を受けたマルコが伝達する。

 

「あぁ、そうだな。あのアンノウンに関する情報が残っていないか、敵旗艦を調査する。直ぐに調査隊を編成しろ! 機動兵器部隊は周囲を引き続き警戒! 痕跡を消す為に戻って来るかもしれんからな!」

 

 この指示を受け、直ぐに調査隊が編成が開始され、リロが率いるタスクフォースの機動兵器部隊は周囲警戒を引き続き行う。

 自分の指示が次々と実行されていく中、タモンは無言で艦橋を後にした。




取り敢えず、終わらせた。

これを次の読者参加型にしようかと思ってたが、やる必要は無いかと思って止めた。

ここに出て来た姫騎士団はいずれ何処かで出て来るかも?
反乱軍の読者参加型もやろうかと思ってる。まぁ、旧式ばかりになっちまうがな。
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