【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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リップシュタット連合軍
アガサ騎士団の幹部、シュルツ・オットー・リップシュタットが結成した連合軍。
多国籍軍であるため、その兵力は帝国再建委員会の侵攻軍を上回る。
がっ、統率力は無く、歪みだらけである。

ポラニア軍
リップシュタット連合に参加した勢力の一つ。ポラーニャ王国の陸軍と空軍の派遣部隊であり、総兵力は五十万人。
元ネタは架空のヨーロッパを舞台にしたリアルタイム戦略ゲーム、アイアン・ハーベストに登場する勢力。

ギーダ公国軍
JKハルの世界に登場する国家の一つ。総人口は二千万で、総兵力数は二百万。
リップシュタットに気に入られ、どの国家より速くMSと言った機動兵器を装備できたが、運用方法は知らない。航空魔導士も居るが、真面な戦術も出来ない。

ナチス軍
第四帝国。総兵力数は三十万。
リップシュタット連合の参加勢力の一つだが、この世界を自分らの領土にせんと企んでいる。
連合内では優れた兵器を保有しているが、疲弊を狙って引きこもっている。

ムジリ帝国
現地においては大帝国。総人口は五千万人で、総兵力数は六百万。
ギーダ公国の次に機動兵器を装備した帝国。世界屈指の軍事国家であり、その数は計り知れない。しかし、運用法は知らない。

ヨーク軍
ワルキューレの派遣軍を伴ってリップシュタット連合に参加して来た王国。総兵力数は百万。
率いているのは女王なので、配下は王国軍の十万以外、全てワルキューレの部隊である。装備は冷戦中の英軍。

ガリア軍
ガリア公国の軍隊。装備は冷戦中のフランス軍。
ゲオルグ・ダモン元帥が指令を務める二百万以上の軍を率いてリップシュタット連合に参加した。

アガサ騎士団
シルバリーと呼ばれる中世チャンバラゲームに登場する青い方の勢力。
リップシュタットがアガサ騎士団の幹部であるため、リップシュタット連合では理事国に当たるはずだが、肝心の兵力は七十万程度で正規のアガサ騎士団は二十万ほど。残りはワルキューレの陸軍や空軍部隊、エルフ、ダークエルフ、ドワーフと言ったやる気無さ過ぎな物。
当然、前線にはあまり出て来ない。


歪みだらけの連合

 最初に進軍してくる帝国再建委員会を戦火を交えたのは、リップシュタット連合に参加したポラニア軍とこの世界の王国の一つ、ギーダ公国軍であった。

 双方は南方から迫る帝国再建委員会の陸軍南方軍集団を迎え撃つべく、左右より挟撃せんと総兵力数二百五十万で迫る。

 だが、ポラニア軍はギーダ公国軍を囮に使い、南方軍集団の背後を突こうと遅く進軍していた。

 

「現地の馬鹿共に先に攻撃させろ。奴らは囮として打って付けだ。我がポラニア軍は敵軍集団の背後を突き、一気に軍集団本部まで食い込む」

 

 ポラニア軍の元帥は現地の者たちをナチス以上に見下しており、都合の良い囮になると思っていたようだ。

 

「連中に先に攻撃するように伝えますか?」

 

「おい、奴らは電子戦装備どころか、無線機すら扱えん低脳共だぞ。勝手に突っ込ませておけば、それなりの囮となる。我々は二百万のギーダ公国軍の対処に追われる敵南方軍集団百九十万の背後を突けば良いのだ」

 

 副官からの問いに元帥はギーダ公国軍が電子装備や無線機を使えないと返し、軍にはゆっくりと前進するように告げた。

 そんなことを知らず、MSのリーオーやアンフ、人機の72式などの人型兵器を大量に供与されたギーダ公国軍は、昔ながらの集中運用で帝国再建委員会の南方軍集団に向けて前進していた。

 

「我々が奴らの同じ機械巨人を持ったのならもはや敵無しよ! 小細工ばかり使う女共など、千機の機械巨人で蹂躙よ! ホッホッホッ!!」

 

 馬に跨って自分らが人型兵器を装備すれば、帝国再建委員会の侵攻軍を蹂躙できるとギーダ公王は豪語していたが、あの運用法では逆に蹂躙されるのがオチだ。適切な機動力と精密兵器を妨害する電波が無ければ、人型兵器は通常兵器の的になるだけだ。

 そんなずさんな運用法を行うギーダ公国軍と対峙するのは、機動兵器などの装備を持たないまた編成された第23装甲師団と第24装甲師団、第16歩兵師団、第50歩兵師団で編成された第6装甲軍団であった。その軍団には、カヤ・クロイツ率いる独立混成装甲大隊も参加していた。

 

「なに、後退するだと? 相手はただの的だぞ?」

 

「相手に機動兵器が大量にあるからですよ。そんなのと戦ったら私、死んじゃうもん」

 

「こんな奴らを前に逃げるとは。軍団長殿は臆病で極まりない。少し喝を入れてやるか!」

 

 人型兵器に恐れをなし、後退命令を出した軍団長にカヤが苛立つ中、彼女が乗るレオパルド2A7主力戦車の操縦手であるミュー・マイツェンは当然の判断だと言う。

 マイタが偵察で得た情報で、ギーダ公国軍のバカの陣形を取って撃ってくださいと言わんばかりに前進していることをカヤは見抜いたのだ。それなのに大量の人型兵器が来ると聞いて背中を向けてに出そうとする軍団長にカヤは命令を撤回させるため、移動用車両に飛び乗り、軍団本部へと乗り込む。

 

「止まりなさい! 許可証が無い者は通せな…」

 

 門番を無視して軍団本部へと乗り込んだカヤは、幹部らと共に撤収の準備を始める軍団長に後退命令を迎撃命令に変えるように説得する。

 

「閣下、あんな馬鹿の案山子集団に後退するのです? 撃ってくださいと言わんばかりの陣形ですぞ」

 

「わ、私の軍団には機動兵器を装備した部隊が一つも無いから…」

 

 撤収の準備をする軍団長はこちらに機動兵器が無いからと返すが、カヤはそれでは昇進できないと強く推す。

 

「言い訳は結構! あのどうぞ食べてくださいと言わんばかりのごちそうは、南方軍集団の砲兵隊や空軍の爆撃部隊に横取りされてしまうでしょうな! そして閣下、貴方は戦争が終わった後でも中将のままだ!!」

 

「警備兵、直ちにクロイツ中佐を追い出しなさい!!」

 

 このカヤの挑発に怒りを覚えてか、番兵らに追い出させようとするが、大将への昇進の機会は今回しかない事だろう。

 そう思った軍団長は後退命令を撤回し、迎撃命令を出した。

 

「いや、おやめなさい。我が第6装甲軍団は後退ではなく、迎撃を行う。クロイツ中佐、我が軍団だけでも二百万と千機の機動兵器は迎撃できるのよね?」

 

「出来ますとも。連中は機動兵器の運用法を全く知らない。ド素人にも程がある。我々の勝利は確定ですよ」

 

 大将への昇進に確実性を得た軍団長はカヤに千機の人型兵器を有するギーダ公国軍に勝てるのかと問えば、彼女は首を縦に振って勝てると答えた。

 数時間後、後退命令から迎撃命令に切り替えた所為で一時期傘下の師団は混乱したが、その場で迎撃配置に着き、陣地を構成して押し寄せるギーダ公国軍に備えた。カヤもシェイファー・ハウンドに戻り、自分の愛車であるレオパルド2A7に素早く乗り込んで車長席に座る。

 

「迎撃命令が出たんですけど、大隊長殿が言ったんですか?」

 

 観測手である眼鏡がトレードマークのケイ・シンドラーは軍団が迎撃行動に出たのは、カヤの所為なのかと問えば、彼女は答えずに迎撃配置に着けと命令する。

 

「良いから迎撃配置に着け。馬鹿でかい案山子に乗った強姦魔共が押し寄せて来るぞ!」

 

了解(ヤヴォール)!』

 

 その命令に応じ、シェイファー・ハウンド総員は迎撃配置に着いた。

 予め掘っておいた塹壕に歩兵中隊の中隊長であるリィア・ハイロハッシュ大尉は、副官のアイヒ・ミヅゥ准尉とMG5分隊支援火器を持つリオ・シャタニ上等兵を始めとした中隊と共に飛び込み、襲来する敵の集団に備える。

 狙撃手であるティアナ・カーネディー少尉もバレットM82対物狙撃銃を構え、射程距離内に目標が来るのを待つ。

 続々と軍団傘下の車両部隊も配置に着く中、ギーダ公国軍が射程距離まで迫ったのか、軍団の砲兵隊による阻止砲撃が開始された。榴弾とロケット弾による砲撃は密集していたギーダ公国軍には効果的であり、一瞬にして数千人や兵士や数十機の人型兵器を吹き飛ばした。

 

「なんか、可哀想…」

 

「敵に情けを掛けているつもりか? 砲撃を切り抜けた奴が来るぞ。直ぐに徹甲弾を装填しろ、機動兵器を優先的に狙うんだ」

 

 徹甲弾を抱えながら外を見ていた装填手であるミヒト・ヒルダは、砲撃で吹き飛ばされるギーダ公国軍を見て哀れむ中、カヤは直ぐに徹甲弾を装填するように告げ、砲撃を切り抜けた72式に狙うように指示を出した。

 カヤの言う通り、何機かの人型兵器が砲撃を抜けて第6装甲軍団の防衛線に突撃してくる。これに各戦車と対戦車要員は直ちに迎撃態勢を取り、射程距離に入って来るのを待つ。

 

『敵が射程内に入った! 撃て! 撃てっ!!』

 

「手前のナナツーだ! 撃て!!」

 

 無線機から指揮下に入っている連隊の指揮官より攻撃命令が出されたので、カヤは攻撃を命じた。それに応じ、ケイは発射ペダルを押して予め照準していた72式を砲撃した。弾種は徹甲弾であり、容易く人機の装甲を貫いて乗っている搭乗者を破片で殺害する。

 

「ナナツー、撃破! 次、一時方向のリーオーだ!」

 

「装填!」

 

「撃て!」

 

 一機目を撃破すれば、カヤは次の機動兵器、リーオーへの砲撃を命じる。ミヒトは次弾を装填して報告すれば、カヤはケイに指示を出す。照準を済ませたケイは発射ペダルを踏み、二発目の徹甲弾をボロボロのリーオーへ向けて発射。放たれた徹甲弾は胴体に命中し、乗っているパイロットは破片で死亡して機体は地面の上に倒れる。

 何機かは砲撃を抜けて来たが、真面に近付けることなく戦車砲や対戦車ミサイル、あるいはロケット弾の餌食となる。

 そこからはもう的撃ち大会と言う名の虐殺だった。ギーダ公国軍は砲撃に晒された挙句、砲撃の雨を抜けたところで戦車や対戦車ミサイル、ロケット弾を撃ち込まれて撃破される。手兵装の射程距離まで接近できても、撃つ間もなく撃破された。

 歩兵はもっと悲惨であり、砲撃を抜けても撃破されて倒れて来る機動兵器の下敷きとなるか、機銃掃射やライフルによる狙撃で撃ち殺されるだけだ。

 二百万の兵力が八万足らずの兵に一方的に殺されている。いくら強力な機動兵器を持ったとしても、適切な運用法でなければ、主力戦車やミサイルなどの通常兵器の前では的でしかないのだ。

 

「な、何故だ!? なぜ女如きに我がギーダ公国が一方的に殺されているのだ!?」

 

 百万以上が砲撃で死に、十数万が敵陣に届くことなく殺され、統率を失って恐慌状態に陥り、我先へと逃げ出す集団の中で、ギーダ公王は今の状況を理解できず、混乱していた。

 

「公王! 指示を! 指示をお願いしまする!!」

 

「あ、あり得ん! 男が女に勝てる通りは無いのだ! これが世の理であろう!? どうして、どうして余が女如きに敗北するのだ!? たかが子供を…」

 

 部下の将軍の指示を聞こえず、馬の上で公王はヒステリックを起こし、戯言を喚き散らし始める。それから部下に返答せず、それどころか空の十万以上の航空魔導士は何をしているのかと問い詰める。

 

「空は!? 空の魔導士共はどうしたのだ!? 空を埋め尽くすほど十万の魔導士は!? 魔導士は何処へ行ったのだ!?」

 

「あっ!? か、壊滅状態であります! 次々と敵の魔導士に落とされております!!」

 

「な、なにぃ!? あぁぁ! アァァァ!? これは夢だ! 悪い夢だ! 悪夢だ!! そうだ、余は寝ているのだ…! これは悪い夢…」

 

 部下は自軍の航空魔導士が、帝国再建委員会の航空魔導士に一方的に虐殺されているのを知らせれば、公王は現実逃避を始める。

 これは夢だ。悪い夢だ。

 だが、非常にも現実であった。砲撃に怯えて逃げて来たリーオーが、砲撃後に現れた空軍の攻撃機の編隊による爆撃を受けて撃破された。撃破されたリーオーは公王の方へと倒れて来る。それを見た部下たちは公王を捨てて我先へと逃げ始めた。

 

「うわぁぁぁ!? やだぁぁぁ!!」

 

 馬から転げ落ちて公王は喚き散らしながら必死で逃げたが、間に合わずに倒れたリーオーの下敷きとなった。

 さて、次は空の虐殺へと視点を移そう。

 

 

 

『十二時方向、敵航空魔導士十万騎以上を捕捉!』

 

「十万騎? おいおい、なんだその冗談は…?」

 

 時は遡り、阻止砲撃が開始される直後、斥候よりギーダ公国軍の航空魔導士十万人を捕捉したとの報告を、左耳に着けた小型無線機で聞いたターニャは何の冗談かと口にする。

 大隊ごとか中隊ごとに分散して運用すべし航空魔導士を、歩兵のように密集させて運用しているのだ。前世でも航空魔導士だったターニャからすれば、信じられない運用方法だ。これにはアーデとフラーチェを含める帝国再建委員会の航空魔導士たちは笑い声をあげる。

 

『プっ…これ、マジなの?』

 

「あいつ等、航空魔導士が何だか知ってんの?」

 

「これほど密集してるなら、砲撃術式でしょ」

 

「(あぁ、敵はバカだ。馬鹿にも程がある。呆れるわ)」

 

 イヴ人の航空魔導士らがギーダ公国軍の魔導士らを笑う中、ターニャは地上と同じく馬鹿な陣形を取るギーダ公国軍の航空魔導士軍団に呆れ返っていた。

 それが連隊本部や旅団本部、師団本部に報告されてか、直ぐに砲撃術式でギーダ公国軍の航空魔導士十万に攻撃せよとの命令が来る。尚、連隊本部は航空機V-22オスプレイで、C-5中型輸送機は旅団本部、師団本部はC-130大型輸送機だ。

 

『大隊長より各中隊へ。連隊本部より砲撃術式による砲撃が命じられた。直ちに実行せよ!』

 

「聞いたな? 全隊員砲撃術式! 目標、敵航空魔導士集団!!」

 

 大隊長からの指示を受け、中隊長であるアーデが命じれば、ターニャら中隊の航空魔導士らは一斉に砲撃術式を展開し、それを密集してこちらに来るギーダ公国軍の航空魔導士の集団に向けて放った。

 他の連隊や旅団も同様に砲撃術式を展開しており、放ったのも同時であった。その結果は凄まじく、大爆発が巻き起こって大多数のギーダ公国軍の航空魔導士は雨のように地上へと落ちていく。どうやら女が来ると思って侮っていたらしく、防御術式も張っていなかったようだ。

 

「アッハッハッハッ! まるでゴミのようだよ!」

 

「あいつ等、防御術式すら張ってないのか!?」

 

 フラーチェが大量に落ちていく敵航空魔導士を見て笑い声を上げる中、ターニャは防御術式すら張らないギーダ公国軍の航空魔導士に呆れる。

 

「よし、貴様ら新兵共はそこから援護射撃だ! 我々は敵の軍事顧問を()る!」

 

 半数以上を撃破したが、まだ半分が残っているので、アーデらは新米らに援護射撃をさせ、自分はベテランを率いて敵の軍事顧問の対処に当たる。

 ギーダ公国軍は航空魔導士に疎いので、リップシュタット連合から軍事顧問が派遣されているはずなのだ。それを察知して熟練の航空魔導士たちは敵軍に突撃し、軍事顧問の見つけ次第、排除するのだ。

 

「さぁて、奴さんらの先生たちに挨拶に行こうかね!」

 

 フェリーチェは自分の得物であるMG3汎用機関銃を抱え、笑みを浮かべながら敵陣に突撃する。

 それと同時に砲撃が始まったのか、先に地上で虐殺が始まっていた。空も同じく虐殺が始まった。ギーダ公国軍の航空魔導士は熟練の魔導士に容易く撃ち殺され、蠅のように次々と地上へ落ちていく。そこにターニャら新米魔導士らの援護射撃が加わり、更に死んでいく。

 

「わぁぁぁ! やだぁぁぁ!!」

 

「クソっ、貴様ら本当に男か!?」

 

 一方的に殺され、今度は自分が殺されると思ったギーダ公国軍の航空魔導士は逃げ始める。それを見て軍事顧問の航空魔導士は苛立ち、敵前逃亡者を殺害して戦線に押し止めようとするが、全く意味をなさず、戦力を減らすばかりだ。

 それに軍事顧問は優先的に狙われる。イヴ人の熟練魔導士の魔の手が迫ったのだ。

 

「敵魔導士だ! ギーダの連中を盾にして応戦しろ!!」

 

「やぁ、先生方。さっきの挨拶じゃまだ物足りなくてね! 鉛玉をたっぷりと味わいな!!」

 

「バーバ・ヤーガ!?」

 

 全く使えないギーダ公国軍の航空魔導士を盾にして自分らだけ逃げようとする軍事顧問らに、フェリーチェは挨拶しながらMG3の弾幕を浴びせる。

 瞬く間に数十人のギーダ公国軍の魔導士らが碌な防御術式すら展開することが出来ずに落ちていく中、軍事顧問らは防御術式を展開して防ぐ。迫るフェリーチェの姿を見て、軍事顧問らは彼女の渾名を叫びながら驚く。同時に防御術式を展開していた。

 

「じょ、冗談じゃない! バーバ・ヤーガがなんでイヴ人共の中に居るんだ!? 俺は死にたくない!」

 

「この人数では敵わん! ギーダの奴らをぶつけて、ポラニア軍の方へ逃げるぞ!」

 

 フェリーチェを見た軍事顧問らは彼女の恐ろしさを知ってか、今の戦力では敵わないと言い訳を付け、ギーダ公国軍の魔導士らを大量にぶつけて自分らだけ逃げ始めた。

 

「あっ!? こらっ! 逃げるんじゃないよ!!」

 

 自分を見て一目散に逃げる軍事顧問らを追おうとするが、ヤケクソになったギーダ公国軍の魔導士に阻まれ、追撃できなかった。

 それにこの世界の航空魔導士を逃がす訳には行かない。軍事顧問や別世界の兵士や魔導士は別に逃がしても、友軍の所へ帰るが、彼らより装備や訓練を受けた現地の航空魔導士を逃がせば、彼らはその装備を使って盗賊行為を働くことだろう。

 故に逃がす訳には行かないのだ。軍事顧問を逃がしたターニャが属する第1航空魔導士師団は掃討戦に移行する。

 

「現地の航空魔導士らは一人も逃すな! 逃せば厄介なことになる! 皆殺しにしろ!!」

 

 一気に十数人を殺傷したアーデは、G36A突撃銃の再装填を済ませてから掃討命令を出す。それに応じ、ターニャは目に見えるギーダ公国軍の魔導士を殺し続けた。

 それにより制空権は確保され、帝国再建委員会の爆撃隊が出撃し、陸軍の南方軍集団に蹂躙されたギーダ公国軍に更なる打撃を与え、壊滅状態にする。敵は完全に戦意を喪失した。

 囮となるはずであったギーダ公国軍の壊滅の影響は、南方軍集団を背後から突くはずであったポラニア軍に直ぐに現れた。なんたって南方軍集団の殆どを引き付けてくれるギーダ公国軍が壊滅したのだ。そればかりか機動兵器を装備した増援まで来て、ポラニア軍五十万に襲い掛かる。

 

「閣下、敵の数が多すぎます! 敵機動兵器も多数捕捉! 奴らは一体どこへ!?」

 

「馬鹿な…! 機動兵器を装備した二百万の大群だぞ!? 通常兵器しか持たぬ軍集団も手を焼くほどなのに…! クソっ! 馬鹿にも程がある! あれだけ援助してやって、この様か!!」

 

 副官が囮を務めるギーダ公国軍が居ないことに戸惑う中、元帥は人型兵器を持っても役に立たないギーダ公国に苛立つ。それから撤退の指示を出した。

 

「撤退だ! 直ちに撤退しろ! 現地の馬鹿共と一緒に心中できるか!!」

 

 この腹立たし気に放たれた指示に、誰も逆らうことは無かった。ポラニア軍はお手本通りの見事な撤退を行い、南方軍集団の追撃より微少の損害で自軍の領内へと撤退した。

 ギーダ公国軍全てを壊滅させた帝国再建委員会であるが、リップシュタット連合からすれば、大した損害では無かった。むしろ競争相手が減って喜んでいる始末である。

 連合では陸軍最強とも言えるポラニア軍の醜態に、ガリア軍のダモン元帥、ヨーク軍のヨーク王国女王、現地では大帝国と言えるムジリ帝国を含めた各連合参加勢力は嘲笑い、立場を盟主よりも上に行くべく、自ら軍を率いて出陣した。

 兵力数は合わせて九百七十万。四倍以上の兵力差を持って、機動兵器の増援を受けて進撃を続ける南方軍集団を迎え撃つ。だが、その足並みはバラバラであった。




この連合、バラバラ過ぎる!

次回から募集キャラ(航空魔導士限定)が登場します。
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