【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
年齢:23
階級:少尉
所属:第一航空魔導師師団第5大隊
武器:G36A突撃銃
対地攻撃においては一部を除いて最高クラスの男装の麗人。高速戦闘が得意。
キャラ提供はただのおじさんさん
名前:エリカ・グラーフィン・フォン・ホルシュタイン
年齢:22歳
階級:中尉
所属:空軍第1航空魔導士師団隷下高速選抜中隊中隊長。
武器:H&K HK417A2-20。弾倉はH&K HK21用の50連発ドラム弾倉を使用。銃の下部にH&K AG36を装着している(と言うよりこっちがメイン武器。)。また、側面にレールを介して三十年式銃剣を着剣している。
無音の通り魔の異名を持つ航空魔導士。速過ぎてか、選抜中隊に入れられた。変なヘルメットを被っている。
中隊と言っても、六人くらいしかいない。
名前:ヴィルヘルミーナ・ブリュンヒルト・ニュルンベルク・インノゲール・フォン・ビスマルク・シェーンハウゼン
年齢:118歳
階級:少佐
所属:空軍第1航空魔導士師団、航空魔導第1連隊、航空魔導第1大隊大隊長。
武器:HK416突撃銃、パンツァーファストⅢ対戦車火器2発。柄付集束爆風手榴弾2発。戦利品の打刀1振り。
名前が長い人。愛称はヴィシェ。
彼女も航空魔導士である。一撃離脱戦法が得意。
年齢が合わないので、変えさせてもらいました。
キャラ提供はGー20さん
名前:フォルカ ・ラーティ
年齢:21
階級:少尉
所属:第一航空魔導師師団第5大隊
武器:G36A突撃銃、銃剣、パンツァーファストⅢ対戦車火器×2
イヴ人としては珍しい貧乳。本人は物凄く気にしている。格闘戦が得意。
キャラ提供は団子狐さん
名前:アルフィン・テオドール
性別:女性
年齢:22
階級:中尉
所属:帝国再建委員会 第一航空魔導士師団第6大隊
武器:HK416 対戦車火器パンツァーファウストⅢ及び同弾頭2発 手榴弾2発 コンバットナイフ
ボーイッシュな外見の俺っ娘。性格は考えるよりも先に身体が動くタイプ。
キャラ提供はスノーマンさん
四倍の兵力差を持って迎え撃ちに来たリップシュタット連合に対し、ターニャが指揮下に入っている南方軍集団は電子戦を仕掛けた。
四倍以上の戦力差のある敵に対し、帝国再建委員会の陸軍南方軍集団は迎撃してくる連合軍の中で最も数が多いムジリ帝国が電子戦装備を持っていない知り、帝国に味方を攻撃させるのであった。
攻撃させるのは主力軍の殆どがワルキューレのヨーク軍とガリア軍。ムジリ帝国にヨーク軍やガリア軍を帝国再建委員会に見えるように仕向けるのだ。
直ちに南方軍集団の電子戦部隊が実行に移す中、リップシュタット連合内で最も正規軍らしいガリア軍が、南方軍集団の側面を突こうと迫っていた。
「偵察隊より報告! 敵残党軍はムジリ帝国に集中しているようで、我がガリア軍に気付く気配なし!」
「ブッハッハッ! 神聖百合帝国だか帝国再建委員会だか知らんが、所詮は敗残兵やテロリストの集まり! 我ら正規軍の敵ではない! 直ちに先祖共の後を追わせてやれぇ!!」
偵察隊からの報告で、レセップス級陸上戦艦を旗艦とするガリア遠征軍二百万は、南方軍集団の側面より攻撃を仕掛けた。
ガリア遠征軍の指揮官であるゲオルグ・ダモンは、帝国再建委員会を敗残兵やテロリストの集まりと卑下しており、かなり侮っているようだ。彼の指示でMSのネモやヌーベル・ジムⅢ、ヘリオン陸戦型、アームスレイブのミストラル2、戦術機のF5ミラージュ2000、Fー16ファイティングファルコンを含めた冷戦下のフランス軍機甲部隊が前進を始める。
上空では多数のミラージュ2000戦闘機とその戦闘爆撃機型が南方軍集団に向けて飛んでいく。その中にはバルキリーのVF-5000ミラージュやVF-7シルフィードも混ざっている。
航空魔導士も居るが、戦闘ヘリや発展した航空機、バルキリーも居る所為か余り多くない。軽戦闘機として扱われている可変戦闘機のVF-8ローガンと共に戦列に組み込まれた。いずれにせよ、その数は投入された帝国再建委員会の航空魔導士を上回っていた。
「敵部隊接近! 今度は的じゃないぞ! 正規兵だ!!」
ガリア軍の接近を知ったアーデが叫べば、中隊の者たちは迎撃配置に着く。他の中隊どころか、連隊単位で動いていた。
楽な戦闘と思いきや、正規軍との戦闘になったことにターニャは危機感を覚える。的のような現地徴用兵を相手にすると思っていたのだ。これでは必死で戦うしかない。
「相手が正規軍なら、この装備で敵うかどうか分らんぞ…! 存在Xのクソったれめ!!」
自分に正規軍を差し向けた存在Xに悪態を付きながら、迎撃配置に着いて向かって来る敵の大群に備える。
空軍の他の部隊も動いており、戦闘機やバルキリーと共に、空戦型のモリビトが編隊を組み、ガリア空軍の大群と戦闘を開始する。ターニャら航空魔導士の方には、同じ航空魔導士と軽戦闘機のVF-8ローガンの大群が迫る。
数は当たり前ながら四倍以上の数だ。電子戦で敵のムジリ帝国が友軍を誤認して攻撃するまで耐えきる必要がある。
「敵が退くまで耐えろ! 奴らは正規兵だが、実戦経験は無いはずだ! 数の多さは経験で補え!!」
「良く言う。さて、熟練兵は居ないだろうな…!」
緊張する部下たちに対し、アーデは先の経験を生かせと告げる。これにターニャは文句を言いつつ、熟練兵が来ないことを祈った。
「砲撃術式の一斉射を確認! 各自散会せよ!!」
数秒後にガリア軍の航空魔導士の爆裂術式による一斉射が来る。火力は前世のターニャ以上の威力だ。これを防げないと判断してか、大隊長は散会を命じて躱し切る。何名か出遅れ、爆裂術式を浴びて死亡する。初の戦死者に新兵らが動揺を覚える中、熟練の魔導士らは敵を迎え撃てと叫ぶ。
「狼狽えるな! 迎え撃つんだ!!」
その叫びと共に敵航空魔導士の大群が迫った。これに熟練の航空魔導士らは迎え撃ち、交戦を開始する。
第5大隊に属する熟練の魔導士の一人であるフォルモント・フォン・ヴェルトラオム少尉は、向かって来る一人をG36A突撃銃を乱射して撃破しつつ、高速で動き回って敵の攻撃を躱す。
「航空魔導士同士との戦闘は、苦手なんだよな!」
悪態を付きつつも敵の攻撃を躱しつつ、フォルモントは敵魔導士を確実に一人ずつ仕留めていた。
「は、速い!?」
「あ、あいつは!?」
凄まじい速さで迫り、数名の魔導士を衝撃波だけで仕留め、ガウォーク形態でガンポッドを撃っていたVF-8を吹き飛ばしたイヴ人の魔導士に、ガリア軍の航空魔導士らは動揺する。
「まさか、無音の通り魔!? あいつ、イヴ人共のテロリストだったのか!?」
高速で迫る航空魔導士に、ガリア軍の魔導士はその異名を叫ぶ。
持っているHK417にドラムマガジンを付け、銃身には専用のグレネードランチャーを装備し、高速戦闘をするために奇妙なヘルメットを被っている航空魔導士の名は、エリカ・グラーフィン・フォン・ホルシュタイン中尉だ。余りに速過ぎてか、中隊とは名ばかりの高速機動が出来る魔導士のみで編成された六人の部隊長をしている。もっとも、全員が単独で戦闘しているが。
「うわぁぁぁ!?」
凄まじい速度で迫るエリカに恐怖し、標的にされたVF-8ローガンに乗るパイロットはガンポッドを乱射するが、全く当たらず、そのまま銃身に取り付けたグレネードランチャーを撃ち込まれて撃墜される。
敵に包囲されることを恐れてか、エリカは直ぐに移動する。敵は速過ぎて彼女を追撃することは叶わなかった。
「大隊、一斉射!」
高速機動を取る魔導士に動揺するガリア軍の魔導士に対し、第1大隊の指揮官であるヴィルヘルミーナ・ブリュンヒルト・ニュルンベルク・インノゲール・フォン・ビスマルク・シェーンハウゼン少佐は傘下の隊員らに砲撃術式による一斉射を命じる。
大隊規模の砲撃術式は分散式であり、多数の敵魔導士とVF-8を撃破した。だが、数はまだ多いので、上方より攻撃してくる敵魔導士の集団を迎撃すべく、手にしているHK416突撃銃で迎撃を行う。他の大隊の隊員らも、同じ銃やG36A突撃銃で迎撃する。
「あれ、何を食べたらあんなに大きくなるの?」
「目前に敵!」
「気にする暇もないの!?」
アーデの胸に気を取られている第5大隊のフォルカ・ラーティ少尉は中隊長の声で直ぐに戦闘態勢へと戻り、集団戦法で襲い掛かる敵魔導士と交戦を始める。
焦っているように見えてフォルカは冷静であり、ブルパップ式突撃銃である
「鳥人間擬きでも機動兵器は機動兵器だ! 援護してくれ!!」
ターニャと同じ第6大隊に属するボーイッシュな外見を持つ金髪のウルフカットのアルフィン・テオドール中尉は、VF-8を仕留めるために部下に援護を命じて単独で突撃した。
援護射撃を受け、VF-8の注意がそちらに向く中、アルフィンは邪魔な敵魔導士をコンバットナイフで切り裂いて撃破してから懐へと接近し、間近でHK416突撃銃をキャノピーに向かって撃ち込む。放った弾は魔力を込めており、キャノピーを容易く貫通して乗っているパイロットを殺す。VF-8を無力化したアルフィンは直ぐに離れれば、パイロットが死んだVF-8は地面へと墜落していく。
四倍の戦力を相手にしても、帝国再建委員会の航空魔導士は奮戦したが、ガリア軍の数の優位は変わりなく、徐々に押され始める。
「なんて数だい!? あの国にこんな戦力があるのかね!」
MG3汎用機関銃を連射して複数の敵魔導士や二機のVF-8を撃破したフェリーチェは、ガリア軍にこれ程の戦力があることに驚きの声を上げる。
「殆どワルキューレの雇われ兵だろ! とにかく落としまくって、奴らを後退させるんだ!!」
VF-8に取り付き、何処かの騎士か兵士、冒険者より奪った剣でキャノピーを突き刺して乗っているパイロットを突き殺したアーデは、ガリア軍の差ほどはワルキューレの雇われ兵だと告げ、後退させるほどの損害を与えろと叫ぶ。
「フランソワのマイナーチェンジな演算宝珠とロボテックのローガンか! VF-1が来ないだけマシか! クソったれめ!!」
部下に死角を守らせ、数十人の魔導士とVF-8一機を撃破したターニャは、悪態を付きながら次々と襲来する敵の迎撃に当たる。
時間が経つごとに味方の損害も増えつつあり、今回の戦争が初陣である帝国再建委員会の航空魔導士の脱落者も増える一方だ。数で押されつつあるターニャは、速くムジリ帝国に味方を攻撃させる準備が整わないかと嘆いた。
「まだか!? こちらはもう持たんぞ!!」
そう叫びつつ、ターニャは次々と出て来る敵に分散式砲撃術式を行い、迎撃に勤しんだ。
地上でも大多数のガリア陸軍の機甲部隊が迫っており、先行する多数のA129マングスタ戦闘ヘリや戦術機のF5ミラージュ2000、F16の集団が側面に展開した部隊に襲い掛かり、帝国再建委員会と砲火をを交える。
だが、ガリア軍の練度が低いのか、戦車や歩兵の対戦車ミサイルで撃破される機も多かった。それでも続々と戦車や歩兵戦闘車、装甲車などが押し寄せ、更にはMSやASの大群も押し寄せて来る。
「どれだけ多いの!? これ、耐え切れる自信が無いんだけど!」
人機の量産型モリビトH型に乗るアマガネは、得意の人機用の棒で迫りくる戦術機やMSを片付けつつ、敵の大群に耐え切れないと嘆く。腕の立つ操主である彼女でも、この数の相手は骨が折れるようだ。
「叩いても、叩いても出て来る! 無限湧きって奴!?」
レオパルド2A7主力戦車に乗るアンナも、キューボラの覗き穴より見える撃破しても湧き水の如く出て来るAMX-30D主力戦車やAMX-10P歩兵戦闘車に、戦力差を痛感する。
「とにかく敵に押し止めろ! “友軍”が連中の背後を攻撃するまでな!」
大多数の敵に配下を含めた他の兵士たちが弱音を吐く中、カヤは電子戦が成功するまで持ち堪えろと告げる。
怒涛の如く押し寄せるガリア軍百二十万と対峙する南方軍集団の側面に展開する兵力は三十万であり、これで持たせろと言うのは無茶な話だ。数で押され、徐々に軍集団方面へとガリア軍が食い込んできている。突破されるのは時間の問題であろう。それでも側面に展開する軍は良く耐え、ガリア遠征軍の司令官であるダモン元帥を苛立たせている。
「えぇい、たかが敗残兵とテロ集団風情に何をしておるか!?」
「情報とは違い過ぎます! もしかすれば、正規軍である可能性が…!」
「帝国再建委員会と名乗るテロリスト共が正規軍だと!? ふざけるでないわ!!」
ガリア軍の本陣にて、三十万の防衛線を四倍以上の戦力を持つのに突破できない自軍に苛立つダモンに、参謀は敵が正規軍であると告げる。これにダモンは更に苛立ち、更なる増員をするように告げる。
「二十万を増員しろぉ! そのまま数で捻り潰すのだ!!」
この指示に応じ、追加の二十万が前線へと向かい始める。側面軍は更なる負担を強いられた。
「せ、戦闘爆撃機が!?」
「あんな物の軍集団の側面に向かわせたら、大変なことになるぞ! 止めるんだ!!」
損耗する戦闘機やバルキリーを他所に、ミラージュ2000戦闘爆撃機の集団が南方軍集団に襲い掛かろうと降下を始めた。
多数の戦闘機やバルキリーの対処に追われ、空軍の戦闘機やバルキリー、空戦型モリビトは向かえなかったので、ターニャは部下の一人の叫びで気付き、単独で戦闘爆撃機の集団の対処に当たる。
使う術式は前世で爆撃機の編隊を壊滅させた時に使用したエレ二ウム九五式を使った分散式爆裂術式。ターニャは慌てる余りうっかりと詠唱してしまい、言いたくもない神に対する感謝の言葉を述べてしまった。
「主よ、我が友らを焼き払わんとする
その言葉と共に分散式爆裂術式を使えば、前世の時よりも威力が増した魔弾が飛んでいき、前世では捕えきれないであろうミラージュ2000の編隊ごと撃墜する。何機か生き延びていたが、軍集団の対空砲火にやられてしまうと判断してか、本陣に戻っていく。
「クソっ、言わせよって!」
逃げていく戦闘爆撃機に八つ当たりし、更に二機を撃墜した。これが敵の注意を引いてしまったのか、VF-5000ミラージュの編隊がターニャに襲い掛かって来る。
「なんでバルキリーが来るんだ!?」
四機のバルキリーの襲来に、ターニャは分が悪いと判断してか、掃射されるガンポッドを躱しながら逃げ回った。
その間にもムジリ帝国に対する電子戦は成功し、友軍を敵軍だと誤認した帝国軍六百万は攻撃を開始した。
時はターニャが四機のVF-5000に追い回されている頃、多数の地上戦艦と機動兵器を有するムジリ帝国は、ギーダ公国とは違ってレーダーなどの装備が供与されていたが、それに対する訓練は殆ど行われていない為、全く使いこなせていない。電子戦を仕掛けられれば、容易くムジリ帝国軍は味方を攻撃する事だろう。
「このレーダーと言う物があれば、敵の位置は丸分かりよ! 余の六百万の兵が、女共の軍隊を蹂躙するのだァ! ハッハッハッ!!」
長距離レーダーで見える反応を見て、数で大きく勝るムジリ帝国の皇帝は帝国再建委員会に勝てると思っているようだ。後にギーダ公国と同じような結果に陥るとは、思っても居ない。
既に電子戦を仕掛けられているとは気付かず、機動兵器を装備した大群を持って真正面から前進する中、南方軍集団が出撃させた少数の部隊がヨーク軍が居る東方から攻撃を行い、ムジリ帝国軍を混乱させた。
「っ!? 東方より攻撃であります!」
「な、何ッ! ヨークの女共が裏切ったのか!?」
東方より攻撃を受け、ムジリ帝国の皇帝は混乱する。更に西方に潜んでいる部隊も攻撃し、直ぐに東方の部隊と共に本隊へと逃げ込む。西方からも攻撃を受けたムジリ帝国軍は更に混乱する。
「西方からも攻撃です!」
「な、何ッ!? レーダーには何の反応が…! ぬわっ!? 敵が我が軍を包囲せんとしているぞ!!」
「そ、そんなはずは…!?」
西方からの攻撃で動揺する皇帝に、恐慌状態に陥る事態が発生する。レーダーに反応する友軍のヨーク軍とガリア軍の緑が赤に変わったのだ。これを見た皇帝は冷静さを失い、恐慌状態に陥る。帝国再建委員会の電子戦による物とも知らずに。
部下は間違いであると言うが、今の皇帝の耳にはそれは届かなかった。返ってきた言葉は、レーダーに反応する赤を全て攻撃せよである。
「何かの間違いでは?」
「だ、黙れ! このレーダーと言う機械は神の如く正確な物なのだ! 余はそう聞いてよそ者共に高い金を払って幾つかの領地も差し出したのだぞ!? とにかく敵だ! 赤く光る物は敵だ! 撃つのだ! 撃てッ!!」
この錯乱した皇帝に逆らえば、自分の首が飛ぶかもしれぬと判断した臣下たちは命令を実行した。
その命令に応じ、ムジリ帝国軍の砲撃用MSのドラゴス多数や地上戦艦の主砲が東方に展開するヨーク軍と西方に展開するガリア軍を砲撃した。多数の砲撃用MSと地上戦艦による砲撃は凄まじく、友軍からの砲撃を警戒していないヨーク軍とガリア軍に多大なる損害を与えた。
「な、何事だ!?」
「友軍からの砲撃です! ムジリ帝国からです!!」
「ご、誤爆か!? 友軍認識装置が働いているはずだぞ!? 直ちに止めるように連絡しろ!」
ムジリ帝国からの砲撃を受けたダモンは、無線連絡をして直ちに止めさせるように告げるが、ムジリ帝国軍は無線機を装備してなかった。それどころか、無線機の扱い方を知らない。電子戦によって連合が念のために入れていた友軍認識装置は、切れてしまったようだ。
「無理です! 連中、無線機の使い方を全く理解しておりません!」
「な、なぬぅーっ!? 攻撃隊を呼び戻せ! 直ぐにこの場から移動だァ!!」
ムジリ帝国が無線機が使えないことを知らせれば、ダモンは攻撃隊を呼び戻し、その場からの移動を慌てながら命じた。それに合わせ、南方軍集団の側面を攻撃していた攻撃軍は後退し始める。
ヨーク軍は被害が大き過ぎたのか、南方軍集団の展開している位置まで白旗を上げて来る。このままでは味方に殺されると判断したのだ。
投降する敵兵らの対処に追われ、南方軍集団の攻撃は送れたが、空軍の爆撃隊とバルキリー隊による空襲は予定通り行われた。ムジリ帝国は空襲されるとは思っておらず、ミサイルを撃つだけで大混乱であった。航空魔導士も居るようだが、VF-19エクスカリバーやVF-25メサイア等の高性能バルキリーの相手では無かった。それに爆撃が加われば、どうなるか想像はつくだろう。
「こ、航空魔導士共は何をしておるのだぁ!?」
「空の機械獣に蹂躙されております! 対空砲を撃とうにも、航空魔導士が居て撃てませぬ!!」
「やかましい! 空の機械獣を片付けられぬ魔導士など要らぬわ! 纏めて殺されてしまえ!!」
高性能バルキリーに撃ち落とされまくる自軍の航空魔導士に苛立つムジリ皇帝は、味方ごと対空砲で撃つように命じる。断れば、首を飛ばされかねないので、部下たちは逃げ惑う自軍の航空魔導仕ごと地上戦艦の対空砲や供与されたボフォース40ミリ機関砲で対空砲火を行う。
無論、高速で飛び回るバルキリーに当たるはずが無く、逆に味方の魔導士を殺すだけで、挙句に爆撃機の安全の為に破壊されるばかりであった。対空設備をあるていど破壊すれば、バルキリーは引き上げる。後は爆撃機の出番だ。
「敵機械獣、退いて行きます!」
「どうだ!? 余の軍の前に…」
「い、いえ! 謎の編隊が接近中! で、デカい!? なんて大きさだ!」
去ったと思ったら恐ろしい脅威が迫って来たので、ムジリ帝国軍は恐怖する。
襲来した爆撃機はB-36やB-52と言った大型級であり、数は一個大隊で爆撃編隊を取っている。無論、この爆撃を受ければ悍ましいことになるだろう。直ぐに対空砲火を行うが、設備はバルキリーに破壊されまくったので、爆撃機には蚊ほどにもならない。直ぐにムジリ帝国軍六百万に爆弾の雨が降り注がれた。
無数の2000ポンド爆弾の雨は密集していた六百万を吹き飛ばした。数十分にも及ぶ爆撃により、地上戦艦や機動兵器を吹き飛ばす。歩兵は言わずもかな、爆風や破片で死んでいた。その被害は全軍の半数以上に渡る。
「て、敵軍が…!?」
阿鼻叫喚の地獄な上に総崩れなムジリ帝国軍に、遅れて攻撃してきた南方軍集団の主力が襲い掛かる。
十分もの事前砲撃で更に戦力を削られ、それが終われば陸戦部隊による蹂躙が始まる。ムジリ帝国軍は真面に反撃できず、高機動型陸戦ザク、リーオー、ドラゴス、72式の大群は押し寄せる戦車や歩兵戦闘車に蹂躙されるだけだ。
「な、何故だ!? なぜ我々が蹂躙されているのだ!? 蹂躙されるのは彼奴等の方であろう!?」
「み、味方は総崩れです! もはや我先へと逃げ出し始めております! 皇帝陛下、撤退のご指示を!!」
正気を失った皇帝に、部下は撤退の指示を請う。これを聞いて皇帝は正気に戻ってか、直ぐに逃げるように指示を出す。
「撤退だ…! 撤退するのだァ! このままでは余は女たちに八つ裂きにされてしまう!! 急ぐのだァ!!」
指示に応じ、皇帝の旗艦は自分だけ我先へと逃げ出し始めた。無線機が使えない所為で真面に撤退の指示が届いていないのか、殆どの将兵は逃げ遅れて帝国再建委員会の追撃で撃破されていた。地上戦艦も主砲を撃つことなく、ティーガー戦闘ヘリのミサイル攻撃で撃破される。
ムジリ帝国軍は兵力六百万の内、四百万以上を喪失したが、地上戦艦や機動兵器と言った重装備はまだ残っている。取り残されたのは、歩兵ばかりで、直ぐに追いつかれて戦車や歩兵戦闘車、随伴歩兵らに虐殺された。逃げ遅れた味方を助けず、我先へと逃げるムジリ帝国軍の退路に、アガサ騎士団の連隊の防衛線が立ち塞がる。
「な、なんだあの布陣は!? あれも敵か!?」
「いえ、レーダーは緑の反応を示しておられまする! アガサ騎士団のラルスキー連隊で、防御の布陣を取っておると聞いております!」
退路に防衛線を構築しているアガサ騎士団の連隊に、皇帝は何だと怒鳴り散らせば、部下は味方の物であると言うが、自分の退却を邪魔する騎士団に皇帝は苛立つ。
「余の退路を塞ぐとはけしからん! 吹き飛ばしてしまえ!!」
「お、お止め下さい! あれは盟主の軍ですぞ! 攻撃すれば我がムジリ帝国は…!」
「煩いぞ! 余を守らず、その退路を塞ぐような連中など味方ではないわ! 敵だ!!」
この状態では何を言っても無駄と判断してか、部下らは味方に砲撃するように命じたが、アガサ騎士団の連隊には電子戦が仕掛けられていないのか、友軍認識装置は働かず、ムジリ帝国軍の火砲は撃てなかった。
「う、撃てないようです!」
「なんだと!? ならば踏み潰してしまえ! 余の退却を邪魔するような奴らなど、踏み潰してしまうのだ! 全力で行けッ!!」
錯乱した皇帝の異常な指示に、部下たちは従うしか生きる術は無く、それを実行しようと操艦手に全速前進を命じた。
『止まれ、ムジリ帝国の軍よ! ここからはアガサ騎士団のラルスキー連隊の防衛線である! 直ちに停止するか迂回し、その場で再編の後、前線に戻られたし!!』
当然、防衛線を構築中であるアガサ騎士団の連隊より、停止命令が出される。拡声器を使って停止するか迂回するように指示を出すが、今のムジリ帝国には聞こえていない。
「連隊長殿! ムジリ帝国の奴ら、止まるどころかこっちへ猪の如く突っ込んできます!!」
「な、なんだと!? 伝令を生かせて直接伝えるのだ!」
即座に連隊本部に報告され、連隊長は伝令にムジリ帝国軍の旗艦まで向かわせ、止まるか迂回するように告げるが、聞く耳を持たない。挙句に速度を上げるばかりであった。
『聞こえんのか臆病者共! 止まるか迂回せぬか!!』
近付いたグレイズに乗る伝令が罵声染みた指示を出すが、指示に応じる者はおらず、ムジリ帝国軍の地上戦艦の艦隊はそのまま連隊が構築した防衛線を踏み潰した。
突如となく押し寄せた味方の地上戦艦や人型兵器の大群に騎士たちは踏み潰され、駐機されているグレイズ、ゲイレール、バーザム、グフも設備と共に轢かれた。雇われ兵のワルキューレの部隊やエルフにドワーフも同様の被害を受けており、散り散りに逃げ始めた。
「危ない!」
「きゃっ!?」
帝国再建委員会の長距離偵察隊に自分らのことを話していた兵士はこの連隊の所属だったのか、見習騎士の栗毛の少女を突き飛ばし、身を挺して彼女を踏み潰さんと走る高機動型陸戦ザクより守った。無論、その兵士は踏み潰されてしまう。
彼より身を挺して守られた少女はそこに蹲り、ムジリ帝国の機械の巨人の大群が過ぎ去るのを震えながら待った。数分後、味方を踏み潰してでも敗走するムジリ帝国軍は首都の帝都へ逃げ込んだのか、全て通り過ぎていた。生き延びた者は半数以上いたが、戦闘など出来る状態では無かった。そればかりか、人数合わせに雇い入れたワルキューレの将兵等とエルフやドワーフは逃げていた。
雇われ兵たちが勝手に逃げ出す中、少女は先輩を探して一人この地獄絵図の中をさまよう。
自分より上の騎士等は全て轢き殺されるか踏み潰されており、誰を頼りにして良いのか少女には分からない。そこに、利き腕を潰された騎士がまだ息をしていた。少女は直ぐに寄り添い、付近の散乱した医療箱を取って適切な治療をしてから声を掛ける。
「あ、あの…! 騎士殿…! まだ生きておられますか…!?」
「ん…? わ、若過ぎるな…年齢からして、騎士見習いなのか…?」
「は、はい! 騎士となるため、前線での見学をしようとここへ参りました! ルージーと申します!」
治療を受け、声を掛けられて目を覚ました騎士は、騎士見習いのルージーを見て驚く。これにルージーは自己紹介を行えば、騎士も自分の名を告げる。
「ルージーか、俺はルジリアン・ルセンダーだ。俺と似たような名前だな。それより、我がアガサ騎士団ラルスキー連隊は味方に踏み潰されたようだな。まだ生きている者は居るか?」
「みんなも私の同期も死んでるご様子で…雇われ兵たちはみんな逃げてしまって…!」
「もういい、これ以上聞けば死んでしまいそうだ。クソっ、あのイヴ人の魔導士共は、俺たちを殺したりしないだろうな…!?」
ルージーより状況が最悪と聞いたルジリアンは、先行して偵察に来た帝国再建委員会の魔導士を見て、不安な気持ちになり始める。
二人の前に降りた航空魔導士は、ターニャ・デグレチャフであった。二名の前に降り立ったターニャは直ぐに本部へ報告し、もしもの時に備え、持っているG36A突撃銃の安全装置を外して近付く。
近付いて来るターニャに二名は驚いたが、ルージーは敵であると判断して偶然にも近くに落ちてある剣を拾い、その剣先を向ける。両足も剣を構える手を震えており、ターニャは持っているプラスチックが多用されているライフルの銃口を向ける。
「待て…! 貴官らの軍に投降したい…!」
抵抗したのなれば、二人とも殺されるだろうと思ってか、ルジリアンは痛む身体で起き上がり、残った左手でルージーから剣を取り上げて捨て、ターニャに投降したいと言った。
これにルージーが睨み付ける中、ルジリアンはガントレットの紐を口で解き、それを地面に一旦落としてから拾い上げ、ターニャに手渡す。相手に外したガントレットを渡す行為とは、騎士が降伏したと言う印である。これを手に取ったターニャは、本部に報告してから二名を捕虜にする。
「こちらフェアリー12、二名の捕虜を確保。護送車を要請する」
爆破は次回に持ち越しです。
次回もまた募集キャラが登場予定です。