【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
アムレート・グレンケア
蒼き革命のヴァルキュリアに登場する主人公。
大罪人と呼ばれる五人の内の実行役。この作品では帝国再建委員会に召喚された英霊的な存在。階級は陸軍大尉。
義勇陸軍の突撃猟兵師団に属し、中隊を率いている。
武器は大剣とC8カービン、USP自動拳銃。
ヴィルヘルム・エーレンブルグ
ディエスイレに登場する敵キャラの一人。主にベイと呼ばれる。
この作品ではナチスこと第四帝国に属しており、階級も中佐に格上げされている。
フライジンガーの要請に応じ、帝国再建委員会との決戦にやって来た増援。
大決戦と聞いてワクワクしており、無断で敵味方見境なしに殺し回る危険人物。
オリキャラ
名前:フェリシア・ジュメール
性別:イヴ人
年齢:101歳
階級:陸軍曹長
所属:帝国再建委員会 陸軍歩兵部隊
武器:HK416
募集キャラ
名前:キム・ジェイン
性別:男
年齢:22歳
階級:たぶんえらい。
所属:ある蛮族の酋長の息子。
武器:国民突撃銃。
キャラ提供はGー20さん
名前:ヒレ
性別:男
年齢:18
階級:底辺
所属:蛮族
武器:斧、ボウガン
名前:カツ
性別:男
年齢:17
階級:底辺
所属:蛮族
武器:剣
名前:ナン
性別:男
年齢:30
階級:中堅の蛮族
所属:蛮族
武器:鉄製の盾、剣
三名のキャラ提供は団子狐さん
名前:メカシャーク
性別:サメ
年齢:サメ
階級:サメ
所属:リップシュタット連合軍 第四帝国(ナチス)
乗機:スカイメカシャーク(スパロボ的な性能だとメカザウルス・バドや円盤獣ギルギルとかの序盤に出てくるゲッター/マジンガー系の飛行型ザコ相当)
概要:B級ホラーサメ映画に出てくる、フリー素材ナチスが改造した空飛ぶサメ。シャーク!
キャラ提供はリオンテイルさん
イメージ戦闘BGM
https://www.youtube.com/watch?v=cOyTkxRmWDY
「あ、あいつが増援だと言うのですか!?」
リップシュタット連合軍が決戦に向けて全戦力を投入する中、フライジンガーは本部に増援を要請していた。来るのはフライジンガーが嫌悪する人物であり、彼が来ると聞いて通信映像に映る上司に別の者に変えてくれと告げる。
「あんな奴よりロート・シュピーネかヴィッテンブルグ大佐を! せめて超人兵一個大隊を!!」
『私の決定に不服かね? ともかく、君に送れる増援はヴィルヘルム・エーレンブルグことベイ中佐だけだ。彼なら戦況をひっくり返せるだろう。これで君の失態も幾つか覆せると思うがな』
「ぬぅ…! 了解いたしました。私は現地アーリア人の移送を指揮します」
『あぁ、減った分を補えていないがな』
フライジンガーは上司の決定に抗議したが、この世界において失態を犯したが為に聞き入れて貰えず、決定に従う他無かった。通信が切れた後、近くの物に怒りをぶつけて八つ当たりする。
「クソっ! 本来であれば総統の座は俺の物だったんだぞ! それをあの若造が…!」
怒りを露にするフライジンガーの上司とは、若い総統であり、本来であれば総統の座はフライジンガーであったはずだが、若い総統は遥かに優秀であるために第四帝国の総統の座に着いたのだ。
これにフライジンガーは不服であり、いつの日かクーデターでも起こしてその座を自分にしようと暗躍し続けている。しかし、フライジンガーの下剋上は幾人かに気付かれてしまっている。敢えて放置されているに過ぎないのだ。
そんな男の執務室に、彼が最も嫌うヴィルヘルム・エーレンブルグが入って来る。
『閣下、エーレンブルグ親衛隊中佐がお越しです!』
「連れてこい。能書きは良い!」
『はっ!』
部下が来たと報告すれば、フライジンガーは自分の椅子に座り、入らせるように指示した。それから白髪で赤目を隠すサングラスを掛けた182センチの柄の悪そうな男が入って来る。
「ただいま着任いたしました! ヴィルヘルム・エーレンブルグ親衛隊中佐です! 以後、お見知りおきを!」
軍人を装って挨拶と敬礼をしているが、サングラス越しから見える赤い目からはフライジンガーを見下すような視線が感じられる。
ヴィルヘルム・エーレンブルグことベイは挨拶が済むなり態度が変わり、将軍であるフライジンガーに経緯も敬語すら使わず、何処の配置になるかと乱暴な口調で問う。
「で、俺は何処の配置なんだ? フライジンガー親衛隊上級大将殿」
「この似非吸血鬼め! 私は貴様より階級が上なのだぞ! なんだその態度は!?」
両手をポケットに突っ込み、自分を舐め腐った態度で問うベイに、フライジンガーは激怒して机に拳を叩き付ける。これにベイは鼻で笑い、勝手に付近の椅子に腰を下ろし、怒りを逆なでするような口調で謝罪する。
「おいおい、怒んなよ。あんたの尻拭いをこの俺がやってやるんだからよ。この俺が好きに暴れりゃあ、あんたは降格されることも無けりゃあ、粛正されることも無いんだぜぇ? 大船に乗ったつもりでいろよ、上級大将殿よ」
自分に対し一切の敬意を表さず、逆に俺の好きにさせろと言わんばかりの態度にフライジンガーは机に仕舞っているピストルを取り出し、撃ち殺してやろうかと思っていたが、ベイに敵うはずが無かった。
所属する第四帝国において、ヴィルヘルム・エーレンブルグなる男は最強戦力とも言える聖槍十三騎士団なる怪物集団に属する者であり、ただの人間であるフライジンガーが敵う相手ではない。
ピストルを取り出し、安全装置を解除して撃っても、目前の腹立たしい態度を取る似非吸血鬼の男は弾丸を掴み、易々とフライジンガーを殺すことだろう。
それが分かっているフライジンガーは手を出せず、気に喰わない怪物集団の一人であるベイの好きにさせることにした。
「好きにしろ…! ただし、余りやり過ぎるなよ」
「いや~、ありがとうございます上級大将殿! では、ヴィルヘルム・エーレンブルグ親衛隊中佐、任務に邁進して参ります! では、自分はこれにて!」
好きにしろと言えば、ベイは急に態度を改めて敬語を使い出し、ナチス式の敬礼してから執務室を後にした。
帝国再建委員会とリップシュタット連合軍が総力を挙げて出撃し、決戦場であるガイエス平原にてぶつかった。
最初に攻撃したのはEFー2000タイフーン戦闘機に護衛された対地攻撃装備の同型機であり、防衛陣地を構築して待ち構えていたワルキューレ陸軍の防衛線に爆弾の雨を降らせた。数百発の爆弾で陣地が蹂躙される中、そこへ予定よりも早く来たシェイファー・ハウンド戦闘団による蹂躙が始まる。
「キャァァァ!?」
英国製FALことL1A1ライフルを持つワルキューレ陸軍の歩兵部隊は、余りにも速いシェイファー・ハウンド戦闘団の急襲を受け、反撃することなく逃げ始めた。戦車も後退を始めるが、戦闘団の戦車部隊や歩兵戦闘車に破壊されるばかりだ。
「逃げるな! 戦え! アァ!!」
将校が逃げる兵士たちを止まるなと言うが、予想よりも速く来たシェイファー・ハウンド戦闘団の歩兵部隊に撃ち殺され、残りは逃げられないと判断して投降し始める。
「フン、やる気が無いな」
配下の部隊が担当の防衛線を予想よりも速く制圧したことに、レオパルド2A7主力戦車のキューボラから上半身を出して確認したカヤは、ワルキューレのやる気の無さに呆れる。そんなカヤの元に、隷下に入れた歩兵大隊の連絡将校が、獲得した捕虜をどうすべきかと問い詰めて来る。
「中佐殿、捕虜はどうしましょうか?」
「合流予定の後続の歩兵師団にでも引き渡せ! とにかく我々は、進出できるところまで進出する!」
「了解です!」
聞いてきた連絡将校にそう返せば、カヤは側面の方を向いて首に掛けている双眼鏡で様子を見る。
「ッ!? 側面の装甲擲弾兵中隊! 敵歩兵の大群だ! 蛮族共だ! 直ちに迎撃せよ!!」
側面警戒を任せている機械化歩兵中隊こと装甲擲弾兵中隊に、刀剣類を持った歩兵の大群が迫っているのを双眼鏡で見付けたカヤは、即座に無線機で知らせた。警戒はしているはずだが、その中隊は再編されたばかりの将兵で構成されているのか、迎撃が遅れていた。これにカヤは苛立ち、砲手に援護するように指示する。
「あいつ等、何をもたついている? 砲塔、九時砲塔に旋回…いや、何か来る!」
砲塔を旋回させようとしたが、中隊に迫る蛮族の集団に単独で突っ込む一両の味方の戦車が居た。それはレオパルド1A5主力戦車であり、操縦しているのはライヤ・ローラン曹長だ。
「キャァァァ!!」
戦車長を含め、車内にいるライヤを除く者たちが悲鳴を上げる中、彼女が操縦する戦車は数十名の蛮族の戦士を撥ねる。
「ぼげっ!?」
「うぇばっ!?」
蛮族の底辺であるヒレとカツが、ライヤのレオパルド1に撥ね飛ばされた。無論、全速力の戦車に撥ねられれば即死であり、二名は確実に死亡する。
「ん、なんか轢いたか? まぁ、良いや! もっと轢き殺すぜ!!」
人を轢き殺した感覚を少しは感じたライヤだが、気にせずに突っ込んでくる蛮族の集団を轢き殺し続けた。これにはカヤも茫然としていた。
側面中隊の援護に回ったアンナの戦車小隊に、蛮族のナンが率いる騎馬隊が襲い掛かる。
「敵騎兵多数! 榴弾と機銃で応戦して!」
キューポラの覗き穴から蛮族の騎馬隊を確認したアンナは的確に指示を飛ばして応戦するが、数が多過ぎて迎撃しきれず、ナンに取り付かれてしまう。
「この鉄の化け物め! 死ねぇぇぇ!!」
取り付いたナンは持っている剣でアンナのレオパルド2主力戦車を突くが、当然ながら貫けるはずが無い。
「砲塔、急速旋回!」
「えっ? なんで?」
「良いからやって!」
アンナの指示に観測手は首を傾げるが、彼女の気迫に押されて砲塔を勢いよく回した。結果、急速に開店した砲身に身体をぶつけられたナンは地面に叩き付けられ、打ち所が悪かったのか、そのまま死亡した。
「うわっ…えぐ…!」
死んでいるナンやライヤに轢き殺された蛮族の戦士たちを見て、アンナの戦車部隊に随伴していた歩兵部隊の一人、フェリシア・ジュメール陸軍曹長は口を抑える中、上官に言われて引き続き襲い掛かる敵集団への迎撃を行う。
「まだ敵は居るわよ!」
「了解!」
上官に言われ、HK416カービンで自分の分隊と共に迎撃する。
「あの人機、速いぞ!?」
『旧型のモリビトではないのか!?』
付近に展開するアガサ騎士団のグフやグレイズを中心とした部隊に、アマガネが駆る人機モリビトH型が単機で襲い掛かる。彼女が駆るモリビトは別物とも言える性能であり、一気に二機のグフが撃破され、続けざまにグレイズのコクピットが棒で突き刺されて無力化される。
「あいつらも、こんな気分だったのかな?」
素早く棒を引き抜き、複数のヒートソードやバトルアックスを持って斬りかかるグフやグレイズタイプに対し、アマガネは前世の事を思い出しつつ最初のグフの斬撃を躱して棒を胴体に叩き付けて撃破する。続けざまにグレイズの頭部に棒を打ち込み、倒れたところで棒をコクピットに突いて乗っているパイロットを殺す。
『おのれよくも!』
最後の剣と盾を持つグレイズ・リッターに対しては、斬撃を躱しながら棒を叩き付けようとするが、左手の盾で防がれる。即座にアマガネは突きを躱して敵機の胴体を蹴り上げ、機体本来の武装であるブレードを腰より取り出し、それで敵機の左腕の関節部を斬り落としてから胴体に突き刺して無力化した。アマガネが単独で戦っているように見えるが、背後では彼女に随伴する同型機が複数いるので、背後を安心して戦っているのだ。
『左側面より戦術機多数!』
「っ!?」
両手が普通の手になっている大振りの斧を持ったグフ重装型をブレードで突き刺して撃破した後、部下より戦術機大隊の接近を知らされた。左へ視線を向ければ、多数の戦術機のF-16がこちらに向け、突撃砲を撃って来る。即座にシールドを持つモリビトH型がアマガネ機の前に立ち、突撃砲の嵐から守る。射撃兵装を持つ機が迎撃を試みようとするが、増援として現れたガリア軍のヌーベル・ジムⅢ部隊に妨害され、挙句にAMX-30戦車で編成された多数もやって来て、中隊揃って釘付けにされてしまう。
このまま数で磨り潰されるかと思ったが、遅れてやって来た航空魔導士による対地攻撃が開始され、戦車部隊は壊滅した。襲撃した第5大隊の一員であるファルカ・ラーティー少尉は背中のパンツァーファウストⅢ対戦車火器を取り出し、他の隊員と連携を取りつつ、自分らに向けてビームを撃って来る取り出したパンツァーファウストⅢの弾頭を撃ち込んで一機を撃破する。
「敵機撃破! 次!」
一機の撃破を確認すれば、パンツァーファウストⅢの使い捨ての発射機を外し、背中の新しい発射機を引き金に取り付ける。次に同大隊に属すフォルモント・フォン・ヴェルトラオム少尉が部下らと共に戦術機大隊に仕掛け、攪乱させれば即座に離脱して、カヤのシェイファー・ハウンド戦闘団に攻撃させる。
「攪乱成功! 陸軍の人、バンバン撃ってくれ!」
『了解! 敵戦術機大隊に一斉射! 撃て!!』
フォルモントより要請を受ければ、カヤは配下の戦闘団と共に敵戦術機大隊に一斉射を放ち、その大部分を撃破して撤退に追い込んだ。アマガネの隊を襲っていたヌーベル・ジムⅢ部隊も、大隊規模の航空魔導士の急襲によって退散した。
「モタモタしていれば、昇進の機会を失うな」
地上のシェイファー・ハウンド戦闘団の活躍や同じ師団に属する他の大隊の活躍ぶりを見て、ターニャは昇進の機会を奪われそうだと焦りながらも、こちらに迫る敵航空魔導士やVF-8ローガンの大群に備えた。
「ん、なんだあの物体?」
こちらを迎撃してくるリップシュタット連合軍の魔導士やVF-8の大群の中に、奇妙な物体が混ざっていることをターニャは見逃さなかった。
それはスカイシャークと呼ばれるサメ型の戦闘ロボであり、機械を埋め込んで改造したサメ、名付けてメカシャークが操縦していた。この手の映画を見たことがあるターニャは驚愕する。
「(まさか、B級ホラー映画のサメも居るのか!? ナチスと思ってウルフェンシュタインに出て来そうなメカだと思ったが、まさかサメが出るとは…!)」
心の中で驚愕しつつもターニャは昇進の為に連合軍の航空魔導士やVF-8と交戦しつつ、向かって来るスカイシャークと対峙する。やはりメカシャークが入っているだけであって大きく、スカイシャークの巨大な口がターニャを噛み砕こうと開く。それを軽やかに躱したターニャは即座に詠唱した砲撃術式を撃ち込み、スカイシャークを撃墜した。
「あ、呆気ない…!? あっ…」
余りにもあっさりと撃墜できたことにターニャは逆に驚いたが、周りを見て他のスカイシャークがあっさりと味方の戦闘機やバルキリー、空戦型のモリビト、航空魔導士に撃墜されるのを見て察してしまう。
「ただの雑魚メカか。まっ、B級映画だしな」
自分が思ったのとは違うスカイシャークの低性能っぷりに、ターニャは自分を噛み砕こうと背後から迫って来たスカイシャークを殺して奪った剣で両断した。真っ二つに切れる中、搭載されているメカシャークも同じく両断され、ターニャの真下で爆発した。
目下のところ、一番厄介なのはファイターとガウォーク形態の二種類にしか変形できないVF-8ローガンであり、ターニャは二機編隊で攻撃してくるVF-8に手を焼きながらも、何とか一機を撃破し、ガンポッドの掃射を躱しながら決死の覚悟で二機目のキャノピーに張り付き、左手に溜め込んだ魔弾を撃ち込んで撃破する。
「ふぅ、ロボテック設定のVF-8の方が断然厄介だわ。一人、二人と航空魔導士が死んでいる…!」
少し息を切らしつつ、ターニャはガンポッドや空対空ミサイルで落とされる味方の航空魔導士を見て、的のように落とされるスカイシャークよりVF-8が一番の脅威だと判断し、数名の敵魔導士を撃破したアーデに、戦闘機かバルキリー、あるいはモリビトを要請した方が良いのではと提案する。
「中尉殿、敵のローガンは脅威過ぎます。戦闘機や機動兵器にやらせては?」
「たかが軽戦闘機如き、我々航空魔導士が落とせねば何とするのだ!? 前も対処できたのだ! 文句を言ってないで戦え!!」
この提案にアーデは航空魔導士が空軍内で下に見られると言って聞き入れず、二機編隊で行動するVF-8にフェリーチェと他二名を引き連れて攻撃に向かった。
「ちっ、軽戦闘機の排除は戦闘機の仕事だろ。意地になりおって」
聞き入れられなかったことに苛立ちながらも、ターニャは迫りくる連合軍の航空魔導士やナチスの航空魔導猟兵の排除に当たった。敵を押しているが、こちらの被害も無視できない状況になっていたが、それでも帝国再建委員会は前進を続ける。
「そんな空飛ぶサメ如きに、イヴ人が怯える者か!」
多数のスカイシャークの編隊に対し、EF-2000タイフーン戦闘機に乗るミロスラーヴァは機銃を撃ち込んで数機を一気に撃墜する。後続の随伴機も同様に機銃を発射して更にスカイシャークの編隊に多大な被害を与えた。ミロスラーヴァ配下の航空団は少しばかりの損害であるが、立ち塞がる多数の連合空軍の航空機を撃破しながら確実に前進している。
「第1航空魔魔導士師団、制空権は確保したぞ! 地上のノミ共を一掃しろ!」
ある程度の制空権も確保できたのか、ミロスラーヴァの指示でヴィルヘルミーナの大隊が対地攻撃に移る。
「ホルシュタイン中尉、地ならしを」
『了解!』
大隊長の指示に応じ、エリカは地上スレスレで超高速の低空飛行を行い、その衝撃波で刀剣類を持って雄叫びを上げながら突っ込む蛮族の集団を吹き飛ばす。
「グェアァァ!?」
エリカに吹き飛ばされた蛮族の一団を率いていたキム・ジェインは、切り札の国民突撃銃を撃つ間もなく吹き飛ばされて死亡した。残った集団に対し、ヴィヘルミーナの大隊による対地攻撃が行われ、一瞬にして数千人の蛮族の集団は屍となる。
損害を受けながらも予定通り前進する帝国再建委員会に、数で勝るリップシュタット連合はやられて後退するばかりであった。だが、そんな連合にはヴァルヘルム・エーレンブルグと言う危険すぎる切り札があった。
「クソっ、なんだこの数は!? そんなにダイヤが欲しいのか!?」
一方、帝国再建委員会の侵攻軍本隊の背後を守る常備軍と義勇軍全部隊は、リップシュタット連合の増援であるサクソニー帝国にロスヴィエト帝国、ユーソニア合衆国の連合部隊の足止めを行っていた。
増援の数は凄まじく、幾ら叩いても無限の如く湧いて出て来るかのように戦車や航空機、MSやAS、戦術機が突っ込んでくる。いずれも大国ならではの物量であり、本隊がリップシュタット連合の息の根を止めるまで食い止めねばならなかった。
更に三ヶ国はメックと呼ばれる独特な兵器も所有しているようで、人間ばかりで構成された義勇軍の将兵等を次々と排除している。イヴ人で編成された常備軍も同様だが、義勇軍ほどに絶望的ではない。
「ヒィィィ!? 殺されるぅぅぅ!!」
メックの大群に蹂躙され、追い詰められた義勇軍の歩兵の一人は頭部のない両手に鋭利な鎌を付けたメックに斬り殺されようとしていたが、空から現れた大剣を振るう青年に命を助けられる。
青年が歩兵を殺そうとしていたメックを両断すれば、続けざまに他のメックに斬りかかって次々と撃破し、随伴の敵歩兵に対しては、大剣を地面に突き刺してから銃紐で吊るしてあるC8カービンを取り、素早く単発で撃ち殺していく。
後続の隊員も合流すれば、陣地を蹂躙していたメック部隊は後退を始め、随伴歩兵らもその後に続いて後退した。
「あ、あんたは…!?」
自分の命を刈り取ろうとしていたメックを両断し、更には周辺のメックを大剣と己の身体能力で一掃した黒髪の青年に何者かと問う。
「アムレート・グレンケア陸軍大尉だ。緊急要請を受けて来た。そちらの生存者は?」
「あっ、はい。自分一人であります、大尉殿! 増援と共に維持でありますか?」
「いや、ここは放棄だ。後方五キロで残存兵を集めて再編が行われている。お前もそこに合流しろ。殿は我々がやる」
「了解! ご武運を!!」
アムレートと名乗った青年は、生き残りに後方に下がるように伝えれば、歩兵は敬礼してから彼が指示した通りの場所へと走っていった。他の部隊も後退しているので、アムレートの隊はその殿を務める。
「やれやれ、また殿ですかい。俺たちの誰かが死ぬぜ?」
「その発言、聞かなかったことにする」
「おぉ、こわ…!」
部下の一人が殿をすることに悪態を付けば、アムレートは腰のホルスターよりUSP自動拳銃を素早く引き抜き、部下の背後から忍び寄り敵兵を射殺した。これに部下も冗談交じりで返しながら、東ドイツ製のAK-74突撃銃で後続の敵歩兵に対処する。
他の部下たちも各々が持つ銃で応戦しつつ友軍の殿を務める中、アムレートは拳銃を仕舞い、C8カービンを取り出して後退しながら押し寄せる敵歩兵の対処に当たる、メックが現れれば、C8カービンから手を放して背中の大剣を抜き、攻撃を躱しながら手近なメックを斬りかかる。単独ではまずいのか、旧式のアサルトライフルを持つ部下たちがアムレートを援護していた。
「はぁっ!!」
手近な大型メックを斬り倒した後、次なるメックに斬りかかり、後退中の味方の脅威となるメックを破壊し続けた。