【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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前回のあらすじ

アイエエエ!? ニンジャ!? ナンデニンジャ!? ナンデ!?


ガイエス平原での決戦 その8

 ターニャと交戦するヴィルヘルム・エーレンブルグことベイ諸とも主砲で消し去らんとするナチス軍の空中要塞に対し、帝国再建委員会の空軍は総力を挙げて破壊しに向かう。

 第1航空艦隊のみならず、大部分が義勇兵の第3航空艦隊、常備軍の第2航空艦隊が空中要塞撃破の為、総力を挙げて保有戦力の全てを差し向けている。

 

「なんとしても空中要塞を撃破しろ! 地上の同胞達を守るために、絶対に主砲は撃たせてはならん!」

 

 フュカリタと同じく補給を終えたEF-2000タイフーン戦闘機に乗るミロスラーヴァは、傘下の航空団に向けて何としても空中要塞を撃破しろと命じ、自分らを迎え撃とうと迫るナチス軍の航空部隊に向け、僚機らと共に空対空ミサイルを撃ち込む。同じく航空団所属のすべてのタイフーンとバルキリーによるミサイル攻撃を行い、立ち塞がるナチス軍の航空部隊を焼き払う。

 一個航空団によるミサイル攻撃で凄まじい連鎖爆発が巻き起こるが、敵も馬鹿ではない。ミサイルを撃ち落とした敵機が爆炎の中より現れ、ミサイルで反撃してくる。

 

「フレア! フレア!!」

 

 これに通常戦闘機に乗るミロスラーヴァは機体のフレアをばら撒いて躱し切る。他の戦闘機とバルキリーも同じであるが、飛んでいるだけの空戦型モリビトは手にしている火器と外付けのバルカン砲で迎撃するも、落とし切れずに撃墜される。

 

「魔法障壁!」

 

 フレアなど持たない航空魔導士らは魔法障壁を張って防ぎ切ろうとするが、ミサイルは対空機関砲とは違って威力があり、落ちていく魔導士が何名か見える。

 そのミサイルの後からは、ナチス軍の航空魔導猟兵と現地の航空魔導士の大群が第1航空艦隊の要塞攻撃部隊に迫る。前衛をやらされているのは無論の事ながら現地の者たちであり、ナチス軍は彼らを盾に前進してくる。強力な砲撃術式を浴びせても、航空魔導猟兵には届かなかった。

 

「こいつ等、味方を盾にしやがって! 誇り高いアーリア人じゃねぇのか!?」

 

「自分らや認めている人種以外を迫害する連中だ! 誇りなどある物か!!」

 

 アルフィンが現地徴用兵を盾にしながら向かって来るナチス軍の魔導士に誇りが無いのかと指摘するが、これにアーデルトラウトことアーデは人種差別や虐殺などする奴らに誇りは無いと言って、自分らの側面を狙おうとする航空魔導猟兵を撃ち殺す。

 アーデの言うことにアルフィンは納得しつつ、雄叫びを上げながら自暴自棄となって突っ込む現地魔導兵の額にコンバットナイフを突き刺し、手早く抜いてから同じく航空魔導猟兵をHK416突撃銃で射殺した。

 

「アァァァ! あべっ!?」

 

「まぁ、悪役をさせるには持って来いの奴らだからな! 俺らも似たようなことはしてるがよ!!」

 

 帝国再興の為にと言う名の下、自分らも同じようなことをしているので言えないとアルフィンは自覚しつつ、空中浮遊するギラ・ズールを砲撃術式で吹き飛ばした。

 

「クソっ、なんで空にサメが飛んでレーザーを撃って来るんだ!? 誰かサメを追い払ってくれ!」

 

 アーデら第6大隊が奮戦する中、付近で交戦中の第5大隊のフォルモントは、三機のスカイシャークに追われていた。サメが空を飛んでレーザーを撃ってくることにツッコミつつ、応援を要請すれば、同大隊所属のフォルカがそれに応じ、G36A突撃銃に付けた銃剣突撃で一機を撃破した後、残り二機をフルオート射撃で撃破する。

 

「おっ、助かったぜ貧…フォルカ!」

 

「今、貧乳って言おうとしてなかった?」

 

「…言ってねぇよ。言ったのはあそこにいる敵じゃねぇのか?」

 

「あいつ等、殺す!」

 

 助けてくれたフォルカにフォルモントは感謝しつつ貧乳と言い掛けたが、何とか名前を思い出して言わなくて済んだ。

 聞こえていたフォルカは銃剣を向けようとしていたので、フォルモントは敵が言ったと指差しながら言えば、貧乳を気にする彼女は敵兵らを殺しに向かう。

 

「お前ら…貧乳と言ったな!?」

 

「な、何を…!? ぐえっ!?」

 

 フォルモントの嘘にも関わらず、現地徴用の航空魔導士らは騙されたフォルカに皆殺しにされた。

 最初にパンツァーファストⅢ対戦車火器の弾頭を撃ち込み、数名を爆発で殺傷すれば、即座にG36Aに切り替え、突撃しながら残りを射殺していく。最後に残った一人に銃身に付いた銃剣を突き刺し、貧乳と言ったのかを問う。

 この問いに敵兵は訳が分からぬまま、フォルカの突き刺した銃剣で身体を抉られ、息絶えてしまう。その光景を遠目で見ていたフォルモントは、自分を落とそうとして来た敵バルキリーを撃破してから、二度とフォルカの前で貧乳と言う言葉を使わないと誓う。

 

「やべ…あいつの前で貧乳と言うのは、もう止めた方が良いな…」

 

 フォルカの恐ろしい怒りを直で見たフォルモントは、背後より迫る航空魔導猟兵を手刀で殺害してから、彼女の前では二トド貧乳と言わないように自分に言い聞かせ、任務に集中した。

 

「数が多いな。増援はまだ来ないのか?」

 

 第1大隊を率いるヴィルヘルミーナも奮戦していたが、敵の壁が厚く、突破できないでいた。なんせナチス軍は現地徴用の航空魔導士全てを集結させ、手持ちの全戦力も使って空中要塞を死守している。敵も必死に抵抗するので、空中要塞に近付けずにいる。戦闘機やバルキリー、機動兵器も同様である。分厚い壁によって空中要塞は守られているのだ。

 この分厚い壁の隙間を見付けようと、傘下の大隊を固めた炸裂術式を撃ち込むヴィルヘルミーナであるが、中隊規模の重ねた魔法障壁で防がれるか、現地徴用兵の特攻で防がれてしまう。

 

「ちっ、直ぐに穴を…!」

 

「大隊長、増援が来ました!」

 

「やっとか! そのまま圧迫するぞ! 大隊、我に続け!」」

 

 だが、それがいつまで続くとは限らない。帝国再建委員会も必死なのだ。即座に常備軍と義勇軍を合わせた増援が空中要塞へと迫る。それを部下の知らせで聞いたヴィルヘルミーナは、傘下の大隊と共に敵防衛線に圧力を掛けるために突撃した。他の航空魔導士を含める戦闘機やバルキリーの大隊もそれに加わる。

 

「て、敵増援部隊接近! 数は…一個航空艦隊以上!!」

 

 レーダー手から対処不可能な数の到来に、要塞司令官は顔を真っ青にして、もう限界であると口に漏らす。

 

「も、もう持ち堪えられんぞ…! 直ちに主砲発射準備!」

 

「まだ射線上に味方が…!」

 

「構わん! 速くしろ! その程度の損害で煩いぞ!!」

 

「や、ヤヴォール! 直ちに主砲発射態勢に移れ! それと対空警戒を厳となせ!!」

 

 要塞司令官の指示に応じ、副官は指示を司令部要員に伝える。空中要塞は主砲の砲門を開きつつ、ハリネズミの如く敵増援部隊に対空砲火の弾幕を張る。

 この弾幕に地上の味方を守るために突撃を行う帝国再建委員会の増援である第2航空艦隊と第3航空艦隊の部隊の損害は増え、先行するように突撃させられた義勇軍、特に航空魔導士の被害は馬鹿にならない程だ。対空機関砲とミサイル、レーザー、ビーム等に耐え切れず、蠅のように落とされていく。

 

「畜生! こんなの、近付けねぇよ!」

 

 義勇兵として参加している航空魔導士の真下一元は次々と落とされていく味方を見て怖気づき、思わず止まって突破できないと告げる。ウィリー・アーメンガードも同意見であるらしく、イヴ人の将校に言われながらも、部下と自身の身を守るために必死に指令を拒んでいた。

 

「何をしている!? 突撃しろ!!」

 

「無茶だ! 死ぬだけだ!!」

 

 銃口を向けられているにも関わらず、ウィリーは必死に拒んでいる。これほどの人道的な人物が、後ほどターニャの部下の一人になるとは思えないだろう。

 防衛線に阻まれる第1航空艦隊と対空弾幕を引き付ける第2航空艦隊と第3航空艦隊の犠牲もあってか、上方よりガンダムを中心に編成された決死隊が空中要塞へと襲い掛かる。

 

「さぁ、行こうか! ナーニャちゃん!!」

 

『なんで私?』

 

 決死隊の編成は、補給と換装を行って再出撃したタリナのガンダムアヴァランチエクシア、Vダッシュガンダムに乗り換えたナーニャ、他第三世代太陽炉搭載ガンダム、三・五世代ガンダム、ダブルオーガンダムセブンズソード、他Vガンダム三機と言った十二機のガンダムだ。

 この上方より現れた十二機のガンダムタイプに、レーダー手は真っ青になり、言葉を震わせながら要塞司令官に襲来を知らせる。

 

「が、ガンダム…太陽炉搭載機を含む…十二機…!? こ、こちらに接近中!!」

 

「なんだと!? 十二機のガンダムタイプ…! は、速く撃て!!」

 

「駄目です! まだ撃てません!!」

 

 これに要塞司令官は恐怖を覚え、主砲発射を命じるが、副官はまだ撃てないと答える。そんな彼らの事情など、憂慮している処ではない帝国再建委員会の十二機のガンダムは、要塞上部の対空弾幕をすり抜けながら攻撃を始める。

 強力な収束型粒子ビームが放たれ、要塞のバリアを容易く貫通して被害を与える。これに空中要塞は温存してある全てのギラ・ズールをぶつけるが、ガンダムに敵うはずが無く、やられるばかりだ。

 

「邪魔、邪魔!」

 

 GNロングブレードとショートブレードを使い、タリナは障壁とならんとするギラ・ズールを次々と斬り捨てる。追加装備により、ナチス軍にエクシアを止められる術は無い。

 

「一気に突破し、要塞撃破…!」

 

 機体の背部に搭載されたオーバーハングパックの大型ビーム砲を撃ち込んで、一気に数機を撃破した後、ビームスマートガンを空中要塞の中心部に照準を定め、直ぐに発射する。この精密射撃は要塞へと命中し、少なからずのダメージを与える。

 他のガンダムも暴れ回り、一気に要塞の温存部隊を壊滅状態にすれば、待ってましたと言わんばかりにダブルオーガンダムセブンズソードが要塞に突撃していく。

 

「予備部隊、全滅!!」

 

「もういい! 発射!」

 

「今撃てば、当要塞は…!」

 

「構わん! 撃てっ!!」

 

 全滅の報を聞いた要塞司令官は主砲発射を命じれば、まだ安定した出力が無いと言って副官は拒むが、必死になっている司令官は砲術長に発射を命じる。砲門が開き、主砲が帝国再建委員会の地上部隊に向けて発射されようとされた時、要塞に向けて攻撃するダブルオーガンダムがトランザムを起動させる。

 

「トランザム!」

 

 この言葉の後に、ダブルオーガンダムは機体に搭載された七つの剣を要塞へと突き刺し始める。最初は二本のビームサーベルで要塞を高速で斬りまくってから突き刺し、次にGNソードⅡのロングとショートを折れるまで斬り、折れたら捨ててGNカタールの刃をGN粒子で加熱して熱を発生させて斬る。それから最後にGNバスターソードⅡを抜き、その大剣を要塞に突き刺して動かす。

 

「突破できたぞ! 総員、炸裂術式発射!!」

 

 負傷しながらも突破できたアーデらの中隊は炸裂術式で要塞を砲撃し、要塞に少しは被害を与える。これに続く形でフュカリタのアーマード・パック装備のVF-25Sメサイアが全火器を要塞にぶつけた。

 

「地上はやらせない! ありったけで!!」

 

 防衛線を突破した第1航空艦隊の一部と決死隊による攻撃で要塞各所では爆発が巻き起こり、続々と機能が停止する中、要塞の主砲は発射されてしまった。

 

『しまった!?』

 

「いや、地上には当たらない…!」

 

 主砲は発射されてしまったが、余りの攻撃で要塞は傾き、発射した先は太陽がある方向であった。その砲撃でターニャの危機を救い、起死回生のチャンスを与えたとは誰も思うまい。

 

『総員退避! 総員退避!!』

 

「うわぁぁぁ!?」

 

「やったぞ! 敵の地上部隊は全滅だ! ハハハッ! あはははっ!!」

 

 主砲を発射した空中要塞は安定しない状態で撃ったので自爆していき、退避を知らせる警報が鳴り響く中、要塞司令官は敵の地上部隊が自分の要塞で全滅する幻を見ながら爆発に呑まれて吹き飛び、地上へと落下していく要塞と共に運命を共にした。

 空中要塞が破壊されたことで、この世界のナチス軍は即座に撤退していき、現地徴用兵のみが残された。勝敗は決し、勝利したのは帝国再建委員会であった。

 

「やったぞ! ナチ野郎の空中要塞はお陀仏だ!!」

 

「帝国の再興に近付いたぞ! 神聖百合帝国万歳!!」

 

「我らイヴ人の勝利だ!!」

 

 要塞が地上に落下したことで、自分らが完全に勝利したことを実感した帝国再建委員会の将兵等は思わず歓喜し、祝砲と言わんばかりに手持ちの火器を空に向けて撃ち始める。

 トランザムを起動し、全力で要塞に攻撃したダブルオーガンダムは同じ太陽炉搭載機のガンダム二機に抱き抱えられ、母艦へと帰投していく。

 

 アーデルトラウト・ブライトクロイツ

 フォルモント・フォン・ヴェルトラオム

 ヴィルヘルミーナ・ブリュンヒルト・ニュルンベルク・インノゲール・フォン・ビスマルク・シェーンハウゼン

 フォルカ・ラーティ

 アルフィン・テオドール

 ミロスラーヴァ・ユーギン

 ナーニャ・デミグラス

 真下一元

 タリナ・ゴットワルト

 フュカリタ・モーラー

 その他多数

 

 この以下の者たちは全力を出し過ぎてしまい、疲弊しきっており、まだ元気な者に任せて帰投していった。

 

 

 

 リップシュタット連合軍、否、既に連合は崩壊して帝国再建委員会に投降しており、抵抗しているのは現地の者たちだけであった。

 ベルンブルク城に攻め込まれた現地軍の男たちは女如きと蔑むイヴ人に絶対に投降しまいと抵抗を続けるが、殺されるばかりだ。連合軍より兵器や設備を供与されても、扱って日が浅いので、的のように撃破されている。ご自慢の地上戦艦の艦隊は、空軍が送り込んだ一個航空団以上は居る大型爆撃機の爆撃で吹き飛ばされた。

 アガサ騎士団もこれ以上の抵抗は無駄と判断し、騎士たちが剣やそれぞれの得物を手放して敵軍に投降していく中、城に突入した唯一の航空魔導士であるターニャは、主君であるアルゴン王の名誉を守るべく、自分の悪行を証拠の数々を必死に処分するシュルツ・オットー・リップシュタット公を発見した。

 

「あれは敵の総大将の一人…! 捕えれば、昇進物だ!!」

 

 昇進して安全な後方へ行くと言う前世とは変わらぬ願望を持つターニャは、直ぐにリップシュタットを耐えるために彼の後ろに降下する。

 

「はっ!? このシュルツ・オットー・リップシュタット! 我が主君に不利となる事は一切喋らぬぞ!」

 

 書類の全てを焼き払ってそこから離れようとしている最中に、ターニャの存在に気付いてか、腰の剣を抜いて自分の主君であるアルゴン王とアガサ騎士団が不利なる証言はしないと剣を向ける。

 これにターニャは銃を向けることなく、リップシュタットが自分の行ってきた後ろめたい証拠を焼却処分していることに気付き、これを条件にアガサ騎士団を転職先にしようと思い、剣を向ける中年の男に交渉を持ち掛けた。神に記憶を持たされたまま転生される前はエリートサラリーマンであり、特にリップシュタットのような男との交渉は慣れていた。

 

「心配なさるな、アガサの騎士よ。私は貴公と君主を陥れるために来たのではない。交渉に来たのです」

 

「そ、その言葉遣い…ロリータ族の変異種か!? 交渉だと? わしとアルゴン王を脅すつもりか!?」

 

 互いに初対面だ。流石に警戒されるので、ターニャは投げた衝撃で修理に出さねばならないG36A突撃銃を床に置き、危害は加えないことを約束する。

 

「そうではありません。交渉に来たのですよ。貴公が焼却処分している後ろめたい証拠、上層部に報告するつもりは小官にはありませんので」

 

 そう約束するターニャであるが、もしもの時に備えて腰の拳銃は外さず、向こうの出方を見る。リップシュタットは相手がロリータ族と思い、短い腕では拳銃は素早く抜けないと判断してか、剣を腰に差してある鞘に収め、付近の物置に腰を下ろしてターニャの交渉に応じる。

 

「ロリータ族に弱みを握られているようで気に喰わんが…アルゴン王とアガサ騎士団に禍根を残さぬならば、貴様の交渉に応じようでは無いか」

 

「ありがとうございます。小官はターニャ・デグレチャフ空軍少尉、第1航空魔導士師団隷下の第2連隊所属。貴官との交渉に関して、私の要望は…」

 

 サラリーマンとしての経験を活かし、ターニャはリップシュタットと交渉を始めた。

 ターニャのサラリーマンの経験を生かした交渉術に、交渉相手をただの頭の悪いロリータ族だと思っていたリップシュタットは舌を巻き、ただ圧倒されるばかりであった。主君に対し後ろめたい事をしていても、上手く立ち回っていたリップシュタットに取っては、ターニャのようにこちらにも利がある条件を出し、尚且つ納得させるような人物との交渉など初めてであったのだ。

 

「良かろう。その程度の事、わしに取っては安い物だ」

 

 記憶を持ったままの転生する前のエリートサラリーマンとしてのターニャの交渉術に圧倒されたリップシュタットは、彼女の条件を全て呑んで受け入れた。ターニャが出した条件は自分のアガサ騎士団の魔法騎士、即ちマジェスティックナイトの地位であり、リップシュタットに取っては安い物である。

 対するターニャに取ってアガサ騎士団への転職は、正規軍でない帝国再建委員会では不安があり、いつワルキューレに制圧されるか、崩壊してもおかしくないので、願ってもない成果であった。念願の正規軍であり、一大軍閥のアガサ騎士団の転職が確定したターニャは、自分を迎え入れたリップシュタットに頭を下げて礼を言う。

 

「真にありがたき幸せ。このターニャ・デグレチャフ。アルゴン王に忠誠を誓いましょう」

 

「随分と嬉しそうだな…やはり変異種であったか」

 

 自分が聞いた物とは違う考え方を持つターニャに対し、リップシュタットは彼女を変異種と警戒する。至極当然の事であった。本来のロリータ族は、ターニャほどの交渉力を持ち合わせていないのだ。

 帝国再建委員会が不利になった場合、もしくは崩壊の危機にあった場合にターニャはアガサ騎士団に脱走しても迎え入れられ、騎士身分を与えられる。

 

「やったぞ! これで右派テロ組織から卒業だ!!」

 

 これで安泰な生活を得たと思うターニャは幼女らしく喜んでいたが、それは後の事を考えれば、叶うことは無い願いであった…。




次回で終わる…予定です。
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