・クロスオーバー
・独自解釈
・原作改変
・キャラ崩壊
・不定期更新
・拙い文章
・大人は嘘つきではないのです。間違いをするだけなのです
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「場所」とは重要だ
この世で唯一無二を意味する座標ではないかと、ある人は言った
では、自分が突如として全く見知らぬ「場所」にいたとしたら
それは自分自身のアイデンティティの欠落と同じことではないか?
そして今――彼、「古城 誠之助(こじょう じょうのすけ)」がいるのはそんな「場所」――
「この場所はどこだ………?」
山?どこの?
そんな疑問に答えてくれる者は誰もいない
あるのは静寂と木々のざわめく音だけ――
いや!微かにだが人の悲鳴の様な音が彼方から聞こえる!
「襲われている?誰が?分からない…が、俺はそこに行かなきゃならねぇ…!」
彼の誇り高き精神を持つ彼が、悲鳴を無視できるはずはなかった!
そう、たとえそれが彼にとって未知の世界であろうと――
焦る気持ちを抑え、彼が辿り着いた場所には血塗れの少年がいた
いや、正確には血塗れの少年と、それを今にも喰わんとしている異形の姿があった
「どういうことだ?これは?あれは吸血鬼か?兎も角、俺の前で人を喰わせるわけにはいかねぇ!」
「なんだぁ?俺の食事を邪魔しようっていうのかぁ!?アイツの弟子でもないくせに!?」
まるで複数の手を重ねたような大柄な異形が、食事を邪魔した者を殺さんと肥大化した複数の腕を伸ばしてくる
このままでは彼はなすすべもなく喰われてしまうだろう――だが、彼は、古城誠之助は、その腕を殴りつけた!
「ぎゃあああああ!?馬鹿な!俺の腕がぁ!あぁ崩れて再生しねぇ!?」
「ば、馬鹿な!日輪刀を使わず鬼の腕を!?」
「波紋法、貴様ら吸血鬼を殺すための技だ!」
波紋法とは!簡単に説明すれば、水に波紋を起こす様に呼吸法によって肉体に波紋を起こし、太陽光の波と同じ波長の生命エネルギーを生み出す秘法である!
この鬼にとっては奇しくも、最も苦手とする太陽光を浴びることと同様であった為、肉体が崩壊してしまったのである!
生涯を通して起こり得なかった事態に動揺してしまうが、その隙を逃すほど古城誠之助という男は甘くはなかった!
「おおお!!!震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!刻むぞ血液のビート!山吹き色の波紋疾走!!!!」
「こ、この俺が刀も持っていないこんな奴にぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
あふれ出るほどの生命エネルギーを叩き込まれた鬼は、頸を斬られた時と同様に身体を崩壊させていった!
助けられた少年は、今目の前で起きたことが信じられないのか、口をぽかんと開けたまま固まっている
「ふぅーやれやれだぜ……少年、怪我はねぇか?」
「あ、ああ…助かった、礼を言う。お前みたいな奴が最終選別に参加しているとはな……」
「最終選別?なんだそりゃ??」
彼が首を傾げるのも当然である!何故ならば彼がいた世界では吸血鬼はいても、鬼を狩る鬼殺隊などという存在はいなかったのだから
最も彼の中では鬼も吸血鬼も大した違いはないのであったが――
「なに?最終選別を知らないのか?」
「初めて聞いたぜ。その前に、少年の怪我を手当しなきゃならんな。どれ、具合を見せてみな」
「……すまないな」
幸いにも少年――錆兎と名乗った――の怪我は比較的軽傷で済んでいたため、波紋法を使わずとも応急処置で何なく対応することができた。
そして手当の最中に錆兎から聞いた話に、誠之助は大きな衝撃を受けた!
最終選別について、鬼について、そしてここが自分といた世界とは違うということに!
「(今まで世界中を旅して様々な文献を見て来たが――”過去”に”日本”に鬼なんて生物がいたなんてことは聞いたことがねぇ!ここが過去なのか、世界そのものが違うのか分からねぇが――ここは俺がいた時代と同じじゃねぇし、人を喰らう外道がいる!!)」
そう!この男にとって時代や世界が異なるということは問題ではなかった!
何故なら、人に害をなす外道がいるということ、それこそが彼にとって優先される事柄だからだ!
「(俺がここに呼ばれたことには――理由がある。きっと”鬼”を倒す、そのために呼ばれたのだ!)」
この世界にとって大きな転換となる日の夜は静かに更けていった――
――7日後早朝
「錆兎!」
「義勇か…無事だったようだな」
誠之助と錆兎は、その後も特に問題なく最終選別を終えた。
道中、聞かされていた義勇という友人の元へと錆兎は駆けて行った。
「お帰りさないませ」「おめでとうございます。ご無事でなによりです」
双子だろうか――白い髪で着物を着た女の子が2人、最終選別を終えた者たちを出迎えた
彼女達は鬼滅隊のことを説明すると、次に刀を作るための鋼を選べと言ってきたので参加者たちは思いおもいに、玉鋼と呼ばれる石の塊のようなものを手に取っていく
「あなた様は選ばれないのですか?」
「刀を作るためというのであれば不要だぜ。造ってもらった所で――俺はそれを使わないからな」
「……どういうことでしょうか?」
「使い慣れていない武器を使うよりも、ぶん殴った方が早い。人間、最後に頼れるのは己の肉体だ」
「は、はぁ……?」
鬼を倒すには日光か日輪刀で頸を斬るしかないというのがこの世界の常識なので、少女が誠之助に見せるこの反応も仕方ないことなのである
この世界にとって異物なのは誠之助の方なのだから――!
「あの…本当によろしいのですか?」
「流石に刀はなぁ――そうだ、例えば防具にはできないか?こう…腕に着ける籠手のような感じだと有難いんだが」
「籠手…ですか?伺ってみないと何とも言えませんが、それでも?」
「大丈夫だ。できそうであれば、それで頼む。俺の想定と違えば、必要になるかもしれないからな」
少女にとって本日2度目の衝撃も、誠之助にとって何でもない風に流されてしまった
人の機微に聡い誠之助だが――この男が持ち得ている優れた観察眼は戦闘以外では基本的に機能しないのである
藤襲山――最終選別が行われていた山のことである――から離れた誠之助は、錆兎と連れの義勇に別れを告げ、1人旅の準備を進めていた
長年の吸血鬼ハンターとしての、もしくはその血に流れる記憶が彼に告げていたのだ、進むべき道を!
己はそこにたどり着かなければならない!そして、それは己にしかできないことなのだと!
「行くぞ!」
古城 誠之助、エジプトへ旅立つ―――!
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