艦これの進め方   作:sognathus

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内容が薄い……。


20:変化

二日目の建造と開発(地味な結果だったので割愛)午後の演習も終わり、提督は最後の仕事(執務)に勤しんでいた。

提督はその日の昼は食堂で食べようかとも思っていたのだが、提督のおかげ(?)で幾分か機嫌を直した鳳翔による加賀への料理指導が早速始まっているらしく、初日くらいは邪魔するのも悪いと思ったのでまた大淀に食事は運んでもらった。

その際に、明日には顔を出すと大淀に伝えるようにも頼んでおいた。

 

そして今、提督はプリンタで出力した報告書を大淀に添削してもらいながら、発案書や申請書といった他の書類についてもデータとして落とし込んでいつでも作成できるようにするなど内職にも精を出していた。

まだ二日目であるが、たった一日前と比較しても作業はスムーズになっている気がした。

添削によって修正が必要とされた箇所も前よりは少ないし、大量の書類に押す印鑑も画像データとして取り込んであるので押印された状態で印刷も可能だ。

作業の効率化のおかげで昨日より大分早く終わりそうだなと提督が思っていた時だった。

 

扉をノックする音が聞こえたと思ったら返事も待たずに川内が飛び込んできた。

 

「提督! 次は何処に出撃する? もう日も暮れてきたからまた夜戦ができるよね?!」

 

「川内、失礼よ」

 

提督の行動によって艦娘達の態度が軟化したのは喜ばしいことだが、かといってプライベートならいざ知らず職務中にこのような態度は大淀は見過ごせなかった。

せっかく静かに仕事を堪能していたのにこれでは気が散って作業が遅れてしまうかもしれないという懸念もあった。

提督はと言うと、机に乗り出してピョンピョン跳ねながら出撃をせがむ川内に視線を向けることもなく、パソコンの画面を見つめたまま平坦な声で応じた。

 

「出撃って、次の海域の制圧の事?」

 

「うん!」

 

「却下」

 

「えぇ?! なんでぇ?! 私今日も演習に出て強くなったよ!」

 

いきなり希望が却下されたので川内は不満そうに提督の袖を引く。

 

「ちょ、袖掴まないで。あーもう……強くなったって言ってもなぁ……」

 

提督はデータから今日までの演習の結果のファイルを開いて確認しながら言った。

 

「強くなったって言っても演習では未だに敗け続きだしな。せめて一度でも勝てるくらいになればねぇ」

 

「提督がちゃんと指揮をしてくれたらまた勝てるよ! 前の時もそうだったじゃん!」

 

「あれは勝てる見込みが十分にあると判断したからだよ」

 

「次は違うっての?」

 

「うーん……いい? 前の海域だって勝てる()()()があると判断しただけなんだよ? 楽勝じゃない。お前達帰ってきた時ボロボロだったじゃん」

 

「それは……」

 

川内は提督の言葉に口ごもる。

確かにあの戦いは楽しくはあったが楽勝ではなかった。

どちらかというと辛勝に近い。

 

「次の海については今のところその()()()も薄いんだよ。川内一人が頑張れても他の子も付いてこれるようじゃないと」

 

「うぅ……わかったよ」

 

「悪いけどもう少し我慢して遠征と演習頑張って。そしたらその内出撃できるから」

 

「はぁい……」

 

川内はトボトボと部屋を出ていった、と思ったら直ぐに戻ってきた。

流石にこの展開は予想していなかった提督は呆れ顔で今度は川内の方を見て訊いた。

 

「今度は何?」

 

「なら私にも何か提督の手伝いさせて!」

 

「えっ」

 

これは意外な申し出だった。

まさか川内の方からそんな事を言ってくるとは。

それと同じことを大淀も思ったらしく彼女は珍しい物を見るような目で川内を見ていた。

 

「いや、手伝いと言ってもなぁ。俺と大淀で丁度良いしなぁ……」

 

「えー、何か私にもやらせてよー!」

 

「お、おい揺らすな。ちょっ……どうしたんだよ今日は?」

 

「どうもしないよ!」

 

「いや、どうかしてそうだから訊いてるんだけど……」

 

「川内、今日の遠征は終わったんでしょう? なら部屋で待機してたら?」

 

「つまらない!」

 

「…………」

 

提督はここに来て川内の言葉もありなるほどと思った。

つまりは今までは部屋に居た方がマシだった状況が余裕ができていろいろと興味を持つようになったのだ。

 

「子供かっ」

 

あまりにも解り易過ぎる流れと行動につい提督は言葉に出してツッコんでしまった。

 

「子供ってもしかして私のこと? 子供じゃないし!」

 

「そういう反応が子供なんだよ……。まぁそうだなぁ……じゃあちょっと俺の後ろに来て」

 

「了解っ」

 

やっと提督に構ってもらった川内は嬉しそうに、かつ素早く言われた通りに彼の後ろに回った。

川内は提督が何やら四角くて色がついて光っている物を覗き込んでいる事に早速興味を持った。

 

「わっ、なにそれ」

 

「後で教えてあげるから。それよりいい? 俺が上から数字を…‥えーと、上から下へ数字がパッと出てくるから、出てくる数字が止まった時の合計の数がこの書類に書かれている数値と同じかどうか教えて。違ったらその差。いい?」

 

「……? 分かった!」

 

「本当に大丈夫……? まぁ行くよ」

 

提督は自分が組んだ計算式をスタートさせると画面の数字が彼が言ったように次々と表示されそれがどんどん増えていく。

川内はそれを見て初めて玩具を貰った子供のように目を輝かせ、早速書類の事は忘れて興奮した様子で提督の肩を掴んで揺らしだした。

 

「凄い! これどうなってんの?」

 

「ちょ?! おいっ、やめ……のしかかっ……!」

 

途中から川内に伸し掛かられた提督はその重さに負け、ゴンという音と共に机に頭をぶつけて沈黙した。

 

「あっ……」

 

やってしまったと思ったときには遅かった。

 

「川内……」

 

「あ、あはは……」

 

重いプレッシャーを感じる声にギクリとして川内は振り返る。

そこにはせっかく順調だった書類作業を邪魔された挙げ句に提督まで暫く行動不能にされた事に甚く機嫌を損ねた大淀の()()があった。

 

「笑って誤魔化すくらいなら、昨日みたいに敷地内にまた荷物が届いてないか確かめてきなさい!」

 

「りょ、了解!」

 

川内は大淀の怒声に素直に従い、彼女は忍者の如く迅速に執務室から撤退していった。

そして実際に彼女によって新たに届けられていた荷物が発見されたのだった。




展開が遅いから数日後とかにした方がいいかなぁ……。

頭痛がまだするので返信はまたまとめて後ほど。

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