艦これの進め方   作:sognathus

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(元々の)提督の艦隊が少し出る話


30:もしかしたら

「なぁ金剛、相棒が鎮守府(ここ)に来なくなってからどれくらい経ったっけ?」【武蔵改二:レベル160】

 

「もう今日で3日目ネ」【金剛改二丙:レベル174】

 

「ふむ……こんな事今まであったか?」

 

「今まで散々画面の向こうで愚痴を言いながらモ、ずっと続けてきたのヨ? ……あるわけないじゃナイ……」

 

「……そうだな」

 

提督が元々指揮していた艦隊のトップ2の二人は、ある日こんな事を話していた。

提督は艦これ(このゲーム)を社会人になって間もなくしてから始めたので、今ではもうすっかりアラフォーである。

しかしそれは、今に至るまで続けていたからこそのこの年齢なのであり、あの生来飽きっぽい男がこれほど長く一つのゲームを続けているのは驚くべきことであった。

故に二人は、提督が重大な理由もなく艦これをやめるはずがないとお互いの結論は一致したのだが、かと言って画面越しでしか知らない自分達の提督のプライベートの事などゲームのキャラ(彼女たち)が把握できるはずもない。

故に今日もこうして待機という名の暇を持て余していた。

 

「……そういえばこんな事聞いたことあるか?」

 

「ふぁっと?」

 

「これはいつかの演習相手の誰かに聞いたんだが、そいつの提督は艦これ(私たち)の二次創作が好きでな?」

 

「Hmm?」

 

「よくその提督の友達と二人でその手の話題に花を咲かせていたらしい」

 

「? それがどうしたっていうノ?」

 

「まぁ聞け。それでな? その提督の艦娘が漏れ聞いた話の中に……」

 

金剛は武蔵の話を聞いてそのあまりにも突拍子もない内容に呆れることしかできなかった。

 

「はぁ? 異世界に転移ィ?」

 

「あくまで二次創作のネタだ。何しろ艦これ(私たち)の二次創作など腐るほどあるらしいからな」

 

「はぁ……でも、いくら何でもそれをテートク失踪の理由に結びつけるのはチープな発想ヨ」

 

「馬鹿を言うな。私たちが実はこうして意思を持っていて、提督たちが見ていないところでは割と自由にしている事実だって、十分に彼らからしたら有り得ない事だろう?」

 

「……」

 

「金剛、私はな。何かこう……気に入らないのを感じるんだ」

 

「これはまた随分 rough ネ」

 

「私たちだから感じる不快な雰囲気と言うべきか。まぁそんなやつを何となく、な?」

 

抽象的過ぎて論ずるに値しないと言える話だったが金剛は心の中に武蔵の話を完全に聞き捨てられない自分が居る事も自覚していた。

お互いに非常識な存在なら他にも非常識な存在がいてもおかしくはないという考えは解る。

解るのだが……。

 

「だからってワタシたちに何ができるわけでもナイネ」

 

「確かに。だがこうは考えられないか? もし相棒の奴がそういった事態に巻き込まれたのだとしたら、それは提督(アイツ)非現実の世界(私たちの側)に来たって事だ」

 

「テートクはワタシたちにとってはイレギュラー。だから何かしらの影響が出る事を期待しているのデスカ?」

 

「そういう事。この私たちの前に広がる出撃の時以外は海しかない世界を見ろ。案外奴は此処と繋がる何処かに居て、もしかしたら別の鎮守府で艦隊指揮をしているのかもしれないぞ?」

 

「……そー考えたら何だか無性に腹が立ってキタワ」

 

「じぇらしぃってやつか?」

 

「of course 当たり前じゃナイ。7年間もワタシたちを磨いてきてくれたのヨ? それなのにもしかしたら他の鎮守府()の娘とよろしくやってるかもなんて考えたら、そりゃ多少は hot にもなるワ」

 

「くくっ、らしくなってきたじゃないか。ならいっちょ、一緒に彼方に向かって一斉射でもしてみないか? 案外提督(アイツ)に届くかも知れないぞ?」

 

「You’re intersting」

 

ニッっと笑ってそう言う武蔵に金剛は笑みは笑みでも獰猛な笑みを浮かべた。

その笑みは大火力を誇る戦艦故の攻撃性、または今まで溜まってきた鬱憤に対するストレス、もしくはただの純粋な悪戯心から浮かんだものかもしれない。

どちらにしても金剛は武蔵の誘いに乗った、彼女の提案を心から面白く思った、故に艤装を展開し砲身を虚空へと向けた。

武蔵もそれに合わせて自慢の51cm連装砲を金剛と同じ方向に合わせる。

 

「Ready?」

 

「応」

 

「3、2、1……」

 

「発射!!」「Fire!!」

 

轟音を響かせて撃ち出された砲弾は、白煙を纏いながら最大弾道高まで達するとやがて海面へと落下し大きな水飛沫をあげる。

……と思われたが。

 

「あ」

 

「あ」

 

二人の声が同時に重なった。

彼女達が放った砲弾は海へ落ちる途中でパリッという音が聴こえそうな放電現象に見舞われると何処かへとその姿を消したのだった。

それは乙女の想いが起こした奇跡だったのか、世界の欠陥(バグ)を偶然突いただけだったのか謎だったが、一部始終を目撃した二人は放った弾が提督に届く事を祈るのだった。

 

 

「提督! 砲撃です! 位置はまだ特定出来ていません!」

 

「えぇ……まさかとは思ったけどあの音本当に砲撃音だったのか」

 

「弾は鎮守府近海に着弾したので実質的な被害はありませんが、周囲の警戒を厳としましょう」

 

「ああ、うん。なるべく気をつけてね。ところで砲撃って何発くらいあったのかな」

 

「確認したのは一発だけですが、あの音と着水した時の水飛沫の大きさから恐らく戦艦の砲撃かと思われます」

 

「……そうか」

 

提督はまさかの敵の強襲かもしれない事態に肝を冷やしつつ、その敵の中にいるであろう戦艦がル級である事を祈った。

 

(頼む。タ級はまだ厳しい気がする)




公私ともにやや忙しくて睡眠時間も少なくてストレスフル
感想返信は……もう少し待って下さいorz

そういやもう一発の砲弾は何処へ行ったんだろ
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