世界を救うために旅を続ける勇者ヨシヒコとその仲間達。
彼らを導く神、仏から神託を受けるため、パーティの一員メレブが声を上げる!
「おーい!仏!」
その呼びかけにもくもくと雲がわき、その合間から桃色の少女が顔をだした!
「えっ?」
見るほうも見られるほうも、目を丸くする。
「えーと、仏は?」
おずおずとヨシヒコが声を掛けた。
「仏様?あ、うーん。たぶん、間違い伝波じゃないですか?」
「そ、そうなのか」
少女の言葉に、ヨシヒコは目を開く。
「そ、それより、ダンジョーさん!」
「おお?」
「あの時はありがとうございました!」
「?」
桃色の短いツインテールのその娘は、深く頭を下げた。とはいえ、ダンジョーにその憶えはない。
「ムラサキさんも、ありがとうでした!」
「うん?」
やはり憶えのないムラサキも眉をよせる。
「メレブさんの呪文も凄かったです!」
「ふふふ!」
まんざらでもないメレブは気持ち悪い笑みを浮かべた。桃色の少女はそうした面々を、嬉しそうに眺める。
「ちょっ!私にはなにかないのか?」
声を掛けてもらえなかったヨシヒコは動揺する。
「え?ん?んーとくにないかなって」
「なっ!」
扱いの雑さにヨシヒコの顔が歪んだ。
「ま、待て!なんかこう、もうちょっとあるだろう?」
「んーないかな」
よろよろと活路を見出そうとするヨシヒコに、まどかはトドメをさす。
「あっ!仏様に繋がりました。仏様!今ダンジョーさんから連絡が着て……。はい、はい」
視線をさ迷わせるまどかを眺める一行。
「ええー!はい、わかりました」
会話は終わったようだった。眉をよせた桃色の少女は一行に向き直る。
「え、えーっと。まずは、私はまどかといいます。よろしくおねがいします」
ぺこりとまどかは頭を下げた。
「諸所の事情により、今回のお告げは仏様に代わって私が務めます!」
「お、おう……」
一行はついていけずに、とりあえず頷く。
「さて皆さん。ん、んー。伝説の剣はその先の村にあるようです……」
「…………」
「そこの村長なんですがー……」
眉をよせ、まどかはへんな口調で語りだす。仏のマネをしているつもりらしいが、残念なことにすっかり腐った古畑任三郎といった様。
――そうしてとにかく。まどかは全ての情報を伝えたのだった。
「…………」
やりきったまどかは、上目遣いに一行の様子を見やる。
んふー!そのきらきらした瞳から、自信のほどが窺えた。
「あ、ああ……仏っぽかたんじゃないかな?うむ」
「そ、そうだよ!仏より全然よかったって!」
「……うむ。まあまあだったぞ」
ダンジョー、ムラサキ、メレブはフォローのコメントでまどかを労った。安堵したまどかは、ほっと胸をなでおろす。
「いや、全然駄目でしょう」
ところがその場を、ヨシヒコの一言が凍らせた!
「その口調、仏のマネですか?全然似てませんよ。大体、似ても似つかない可愛い外見なのに、その程度じゃお話になりません」
「………」
「ば、ばか!ヨシヒコ!」
驚きに目を丸くするまどかに、一行は慌ててヨシヒコを止める。
「マドカ!ほ、ほらっあんなの気にするなって!」
「う、うむ!そうだぞ?」
ヨシヒコの率直な意見が堪えたのか、まどかは眉をよせ唇を噛む。
「……い」
「うん?」
「もう一回やらせてください!」
まどかは必死の表情で叫んだ!
「よし、わかった!やってみろ!」
「え、ええー」
やる気のまどかにヨシヒコは大きく頷く。その様を三人は心底げんなりと二人を眺めた……。
――その特訓?は、仏が止めに入る三日後まで続くことになる。
まさかの『勇者ヨシヒコと魔法少女』スピンオフ作品!
うわ、ごめんなさいー!