円環物語   作:ぶんた

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その11

 世界を救うために旅を続ける勇者ヨシヒコとその仲間達。

 彼らを導く神、仏から神託を受けるため、パーティの一員メレブが声を上げる!

 

「おーい!仏!」

 

 その呼びかけにもくもくと雲がわき、その合間から桃色の少女が顔をだした!

 

「えっ?」

 

 見るほうも見られるほうも、目を丸くする。

 

「えーと、仏は?」

 

 おずおずとヨシヒコが声を掛けた。

 

「仏様?あ、うーん。たぶん、間違い伝波じゃないですか?」 

「そ、そうなのか」

 

 少女の言葉に、ヨシヒコは目を開く。

 

「そ、それより、ダンジョーさん!」

「おお?」

「あの時はありがとうございました!」

「?」

 

 桃色の短いツインテールのその娘は、深く頭を下げた。とはいえ、ダンジョーにその憶えはない。

 

「ムラサキさんも、ありがとうでした!」

「うん?」

 

 やはり憶えのないムラサキも眉をよせる。

 

「メレブさんの呪文も凄かったです!」

「ふふふ!」

 

 まんざらでもないメレブは気持ち悪い笑みを浮かべた。桃色の少女はそうした面々を、嬉しそうに眺める。

 

「ちょっ!私にはなにかないのか?」

 

 声を掛けてもらえなかったヨシヒコは動揺する。

 

「え?ん?んーとくにないかなって」

「なっ!」

 

 扱いの雑さにヨシヒコの顔が歪んだ。

 

「ま、待て!なんかこう、もうちょっとあるだろう?」

「んーないかな」

 

 よろよろと活路を見出そうとするヨシヒコに、まどかはトドメをさす。

 

「あっ!仏様に繋がりました。仏様!今ダンジョーさんから連絡が着て……。はい、はい」

 

 視線をさ迷わせるまどかを眺める一行。

 

「ええー!はい、わかりました」

 

 会話は終わったようだった。眉をよせた桃色の少女は一行に向き直る。

 

「え、えーっと。まずは、私はまどかといいます。よろしくおねがいします」

 

 ぺこりとまどかは頭を下げた。

 

「諸所の事情により、今回のお告げは仏様に代わって私が務めます!」

「お、おう……」

 

 一行はついていけずに、とりあえず頷く。

 

「さて皆さん。ん、んー。伝説の剣はその先の村にあるようです……」

「…………」

「そこの村長なんですがー……」

 

 眉をよせ、まどかはへんな口調で語りだす。仏のマネをしているつもりらしいが、残念なことにすっかり腐った古畑任三郎といった様。

 

 ――そうしてとにかく。まどかは全ての情報を伝えたのだった。

 

「…………」

 

 やりきったまどかは、上目遣いに一行の様子を見やる。

 んふー!そのきらきらした瞳から、自信のほどが窺えた。

 

「あ、ああ……仏っぽかたんじゃないかな?うむ」

「そ、そうだよ!仏より全然よかったって!」

「……うむ。まあまあだったぞ」

 

 ダンジョー、ムラサキ、メレブはフォローのコメントでまどかを労った。安堵したまどかは、ほっと胸をなでおろす。

 

「いや、全然駄目でしょう」

 

 ところがその場を、ヨシヒコの一言が凍らせた!

 

「その口調、仏のマネですか?全然似てませんよ。大体、似ても似つかない可愛い外見なのに、その程度じゃお話になりません」

「………」

「ば、ばか!ヨシヒコ!」

 

 驚きに目を丸くするまどかに、一行は慌ててヨシヒコを止める。

 

「マドカ!ほ、ほらっあんなの気にするなって!」

「う、うむ!そうだぞ?」

 

 ヨシヒコの率直な意見が堪えたのか、まどかは眉をよせ唇を噛む。

 

「……い」

「うん?」

「もう一回やらせてください!」

 

 まどかは必死の表情で叫んだ!

 

「よし、わかった!やってみろ!」

「え、ええー」

 

 やる気のまどかにヨシヒコは大きく頷く。その様を三人は心底げんなりと二人を眺めた……。

 

 

 ――その特訓?は、仏が止めに入る三日後まで続くことになる。




 まさかの『勇者ヨシヒコと魔法少女』スピンオフ作品!
 うわ、ごめんなさいー!
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