「マドカといったか」
「!」
まどかが違和感に振り向くと、袖のない長ラン学生服のようなものを身にまとった、青い肌に端正な顔立ち、長身長髪に魅惑的な肉体の女が立っていた。背中に生えているのは翼なのだろうか?弧を描くそれは禍々しい鎌にも見えた。
「あなたは……」
「私は冥王ジェダ・ドーマ。円環神マドカ、以後お見知りおきを」
眉をよせるまどかに、ジェダは微笑みながら目礼した。
「ああ。これは仮の姿だが、この世界は男子禁制なのだろう?」
ジェダと名乗った女はいたずらっぽく微笑み首を傾げる。
「君の世界は実に興味深い。理想的だ」
「……」
静かに語るジェダに、まどかは警戒した。モリガンさんに感じは近いけれど、なんだろう。危ない感じがする。
「私をあのモリガン・アースランドのような快楽主義者と一緒にするのはやめてくれないか?不愉快だ」
「!」
ジェダの言葉にまどかは目を見開いた。
「私はね、君のように魂の救済を実現したいと思っているのだ」
「……」
探るようなジェダの瞳に、眉をよせるまどか。
「君は魔法少女達の魂を受け止め、救済しているだろう?でも、君の力は強力だ。君の世界は強大だ。もっと多くの魂を受け止め救う事ができる。人界を魔界を、並行世界のことごとくの魂を受け止める器になることができるのだ」
ジェダは熱く語る。その狂気に満ちた視線にまどかの身体は竦む。ここまでの悪意、いや狂気を突きつけられたことはない……。まどかは目を見開き、息を呑む。
「私は君を尊敬する。自分の全てを投げうって他を救済した君をだ。そんな君だからこそわかってくれるはずだ。もっともっと、救われなくてはならない魂があるのだ。あらゆる世界に。あらゆる次元に!」
そんなまどかに、ジェダはにじり寄る。
「ねえ。いい加減にして」
まどかを守るように黒い蝙蝠羽根が広がった!
「なにかと思えばドーマのやつね。この娘達はよろしく楽しくやってるのよ。巻き込まないでちょうだい」
現れたモリガンはジェダからまどかを隠すようにに立ち、臨戦態勢の構え。その隣には赤い蝙蝠翼の小柄なリリスが、やはり敵意剥き出しの視線を飛ばしていた。
「あのひとは……」
「ごめんね、まどかちゃん。あれは私と同じ魔界三大貴族当主が一人、ジェダ・ドーマ。しみったれたつまらないやつよ」
「やれやれ。ずいぶんないわれようだ。君らがここに出入りしていたとはね」
ジェダは目を細めた。その視線はモリガンを相手にせず、まっすぐまどかに向けられていた。
「マドカ。わかるだろう?魂には救済が必要なのだ。君にはもっと多くの魂を救済する力がある。それなのにそれでいいのかい?円環女神マドカ」
「…………!」
「まどかちゃん、あんなやつの言葉を聞いちゃだめよ!」
唇を噛み視線を下げるまどかに、モリガンは声を掛ける。
「今日はここまでにしよう。また来る」
ジェダは去っていたが、まどかの表情は険しいままだった……。
あ。ヴァンパイアセイヴァーとのクロス編です!
まどかぴんち!
フラグ立てた飴ちゃんさんのせいだと思います!