円環物語   作:ぶんた

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その13。下

「いい、まどかちゃん。あんなやつのいう事を聞いちゃだめよ?破滅するわよ」

「は、はめつ……!」

 

 モリガンの言葉にまどかは目を見開いて、ぽつりとつぶやいた。破滅するわけにはいかない。自分の破滅は救済してきた魔法少女達、救済するであろう魔法少女達の破滅でもあるのだ。なんとしても阻止しなくてはならない!

 

 破滅エンドを回避するべく、まどかは脳内会議を行うことにした!

 議長鹿目まどか。

 議員鹿目まどか。

 書記鹿目まどか。

 

 神妙な面持ちのまどか達がテーブルを囲んだ。

 

『では第一回円環世界破滅回避のための作戦会議を開幕します!』

 

 ヒゲを付けた議長まどかが木槌を叩いた!

 

『意見のある人はいますか?』

『はい』

『はい。では鹿目まどかさん、どうぞ』

『モリガンさんの言うように、いう事を聞かなければいいと思います!』

『でも、いいのかな。もっと多くの人を救うことができるかもしれないんだよ?』

『困っている人がいるのなら、そうした人を私が助けることができるなら思うと……』

『でも私だけの問題じゃないよ?多くの魔法少女達も巻き込まれることになるんだよ?』

『ううっ。それは絶対駄目』

「まあそうやってなんでもかんでもってわけにはいきませんよ」

『そうだよね。なんでもかんでもってわけには……』

『『って、だれー?!』』

 

 声の主に、まどか達は驚愕の視線を向けた。

 

「おや。挨拶がまだでしたね。いつもニコニコあなたの隣に這いよる混沌、ニャルラトホテプです!ニャル子とお呼びくださいまし」

『『!』』

 

 銀色の長髪。頭頂部に長く弧を描くアホ毛が揺れる。日本人離れした美少女がにっこりと自己紹介をした。

 

『は、はあ。そのニャル子さんがなぜここに?』

「いえね、邪神会議が開催されると聞きまして。這い寄る邪神ランキング1位の私としては参加するしかあるまいと!」

『え、いえ。私は邪神じゃ……』

「……私は燃える邪神ランキング1位クー子。よろしく」

『あ、はい……』

 

 ニャル子の隣のクー子は、黒いリボンで赤い長髪をツインテールに結った紅眼の美少女だった。抑揚のない小声でまどかに声を掛け、小さく頷いた。

 

「ええっ!二人ともずるいよ!ボクもええっと、吹き飛ばす邪神ランキング1位のハス太だよっ!」

 

 クー子の隣。金髪に黄色い服装の小柄な人物が元気に挨拶をした。

 

「あら。じゃあ私はビューティー夢魔ランキング1位なのよ?」

『モリガンさん!』

「ワタシはラブリー夢魔ランキング1位だよ!」

『リリスちゃんまで!』

 

 当たり前の顔をしてその場にモリガンとリリスまで居ることに、まどか達は仰天する。

 

「ところでまどかさん?あなたはなにランキング1位なんです?」

『私?!』

 

 ニャル子の問いかけに、まどか達は固まった。

 

「やれやれ。ランキングの一つも制覇してないようでは、邪神として半人前もいいところですね」

「まったくだわ。いい、まどかちゃん。あなたは子供で、子供がなんでもかんでも抱え込もうとしちゃ駄目なのよ。あなたにはたくさんのお友達がいるでしょ?頼りなさい」

『モリガンさん……』

 

 モリガンは微笑みながら、悪戯っぽくまどかにウインクをした。

 

「折角ですから、邪神先輩として一肌脱いでもいいですよ?」

「……私も手伝ってもいい。ニャル子が人肌に脱ぐと聞いた」

「ボクもがんばるよ!」

『みなさん……』

 

 思わぬ暖かい言葉に、まどか達は目を瞬かせる。

 

『ありがとうございます。でも、私の脳内会議に入り込むのは今後禁止です!』

『『異議なし!』』

 

 まどか達の決議によって第一回円環世界破滅回避のための作戦会議は、部外者立ち入り禁止を可決して閉幕した。




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