ふしぎキュゥべえ編もとい、
気だるいほむら編の続きとなります
キュゥべえは数人の魔法少女の様子を見まわった後、いつものようにほむら宅に入り込んでいた。
夕刻に近い時間ではあるが、すっかり日も伸びている。曇天の空だが、まだまだ明るい。窓からの弱い光が、薄暗い部屋に差し込んでいる。
ほむらはその窓際のソファの背に、だらりと身を預け、窓の外を眺めていた。
キュゥべえは赤い目を瞬かせ暫しほむらを観察するものの、ほむらに動きはなく。
キュゥべえは、ゆっくりほむらに近寄った。
「やあ、ほむら。今日は買い物にいくと、いっていたと思ったけれど?」
「あら、キュゥべえ。その予定だったのだけれど、雨が降っているのよ」
ほむらは窓の外へ視線を向けたまま答えた。
「とても弱い雨だよ。降ってない時もあるようだ」
「そうね。それでもその中を、わざわざ出かけたくはないわ」
「ろくに食べ物がないじゃないか。わざわざ出かける必要はありそうだけど?」
「問題ないわ」
ほむらのいつもの無気力な様子に、キュゥべえは目を瞬かせる。
「これから日本は梅雨の時期だろう?まったく。その調子では、思いやられるね」
キュゥべえの呆れたような言葉に、ほむらは首を傾げた。
「そうね。天気がよければいいのだけれど。キュゥべえ、協力してくれる?」
「天気のことで、ぼくが手助けできることはないと思うけど?」
「そんなことないわ!」
「!!」
ほむらは、がばりと起き上がり、とても楽しそうに微笑みながらキュゥべえに視線を向け。
「今、紐を持ってくるわね!」
いそいそと部屋の中を物色しだすほむらに、キュゥべえは目を瞬かせた。
「天候回復と紐の関係がよくわからないのだけれど」
「てるてる坊主を吊るすのに必要でしょ?」
ほむらは当たり前のことを聞くなとばかりに言い放ちつつ、がさごそと紐を捜し続ける。
「てるてる坊主ね。それは知っているけれど……」
キュゥべえは嫌な予感を感じつつ身構えた。
「……ぼくを吊るしても、意味はないと思うよ?」
「意味はあるわ。てるてる坊主なのだもの」
やはり。身の危険を感じつつキュゥべえは、じりじりとほむらから距離を取る。
「だいたい、てるてる坊主の効果だって眉唾ものだろう?」
「そうね。でも、あなたがてるてる坊主なら意味はあるわ」
「……?」
「すくなくとも、私のココロは晴れるもの」
探し当てたビニール紐を手に、ほむらはにっこりと微笑んだ。
「……いや、そんな得意げな顔されても、ちっともいいこといってないよ?」
「それにてるてる坊主は、中国の
「なにがぴったりか、わけがわからないよ。よくもまぁそんな嘘っぱちをすらすらいえるものだね」
「あら?私はインディアンなのよ?嘘はいわないわ」
「だから!それ!」
紐を持ちにじりよるほむらとキュゥべえは、睨みあう。
「ちょっと待って!」
暫しそうしていた後。キュゥべえが声を上げた。
「?」
「どうやら雨は止んでいるよ?」
ほむらがキュゥべえの視線の先、窓の外に目を向ける。その先には、雨の止んだ雲の合間から陽光が差し、ほのかに虹が浮かんでいたのだった。
……儚げに美しい虹は、なんだかとても彼女らしくて。
「…………」
静かに虹を見つめ涙を滲ませるほむらを、キュゥべえは暫し見つめた後。
「ほらほら、折角じゃないか、買い物にいったほうがよくないかい?」
キュゥべえは、ほむらをたき付けた。
「ん、そうね。キュゥべえ、今晩は何にしようかしら?」
「そうだね。カレーがいいんじゃないかな?」
いそいそと買い物の準備をするほむらに、キュゥべえが答える。
「ええっ?あなた、カレー好きねぇ。あんまりそんなだと、黄色くなるんじゃない?」
「……まあね」
クスクス笑うほむらに、キュゥべえは首を竦める。
ほむらでも簡単に調理可能。栄養があり、数日ストックとして残る。具材が変われば飽きも来ず、ライス・麺・スープとアレンジ可能という。キュゥべえ的には無敵のほむらのエサ一択のレシピなのだった。
「しかたないわね。何カレーにするかは、おいおい決めましょうか」
キュゥべえの思惑を知ってか知らずか、ほむらは楽しそうにエコバックを手に取り、ドアを開けたのだった。
近年、ゲリラ豪雨ばっかで梅雨っぽくないかも
今年はどうかもですねー?
いろいろたいへんですけど、がんばりませう!
→嘘つかないのは、インディアンだよ?ってご指摘
ええっ!修正しました……。