円環世界。
まどかが一人、お茶をしている時だった。
「まどかー!聞いてよー!」
「なあに?さやかちゃん」
泣きついてくるさやかに、まどかは目を丸くする。
「『トリャーガの塔』だようー!」
「あーそれ?そこはちょっとなぁ」
円環世界の住人である魔法少女は、まどかに申請する事によって円環世界に限定的な支配領域を獲得することができた。支配権を獲得した領域では、その魔法少女の望む世界構築が可能となる
『トリャーガの塔』はそういったものの一つ。数人の魔法少女が共同で支配するそこでは、ファンタジーRPGのような体験ができるという事だった。自分の能力は限定的に封じられ、ゲームとして設定されたスキルの使用を認められるようになる。そのスキルを使い、塔を攻略するという遊戯なのだという。
娯楽の少ない円環世界で爆発的に流行り、現在同じような多くの特別領域が存在することとなる。
とはいえ、そういった事情で。まどかが介入できない案件なのだった。
「だって、あんなの無理ゲーだって!あいつら頭おかしいって!6階層のボス、半端ないんだって!」
「うーん。それは運営にいってもらわないと……」
「いったよ?いったらさ、円環様のお気に入りがーとか、プークスクス!とかいうんだよ?」
「私に直談判とか思い切りずるしようとしてるんだし、しかたないかなって」
「なんとかしてよー!」
のんきにどら焼きを齧るまどかを、さやかはぐいぐい揺さぶる!
「だめだっていってるのにー。さやかちゃんはホントだめだなぁ。あ!」
「ん?」
何か思いついたようなまどかに、さやかは首を傾げた。
「ちょうどいいお友達がいるかも。相談してみる?」
まどかはにっこり微笑んだ。
*****
「『トリャーガの塔』?うーん。そんなゲーム聞いたことないけどなぁ」
黒髪の青年は頭を掻く。
「そうねぇ」
栗色の長髪の娘も首を傾げた。
「でも。パパ、ママ。お友達が困っているのです……」
ディスプレイに映る黒髪の少女が力なく俯いた。
「ねぇ……」
栗色の髪の娘の視線を受け、黒髪の青年は小さく頷く。
「俺達がユイの頼みを断るわけないだろ?助っ人にいってやるさ!」
「ほんとう?!パパ、ママありがとう!」
二人の温かい眼差しを受け、ディスプレイの少女、ユイはにっこりと微笑んだ。
「あ、それと。このゲームのアバターは女の子じゃないとだめなんだって」
「ええーっ……」
「うふふ。面白いんじゃない?」
苦虫を潰した青年を、娘は面白そうに見やる。
「うう、くそ。GGOのアバターでいけるのかなー」
「ふふ。楽しみね。キリト君!」
眉をよせるキリトを、栗色の髪の娘、アスナは楽しそうに眺めた。
――こうして。伝説級プレイヤーであるキリトとアスナの『トリャーガの塔』参戦が決定した!!
メイプルさんもアップしているかも、しれません?