こんな物語があったらいいなと書き綴っています。
更新は遅いですがどうかよろしくお願いします。
むかしむかしのそのまた昔。
とある森の中に魔女が住んでいた。
その魔女は人間からも魔物からも恐れられるほどの強力な魔ーーーー使うすごい魔女だった。
ある日その魔女は気まぐれに作っていた新しい魔法で人間界でも魔界でも禁忌とされているーーーー魔法を作ってしまった。
その魔法の事は瞬く間に人間界と魔界に伝わり、世界中を驚かせた。
人間界と魔界は手を組みその魔女を倒す事を決め、力を合わせてーーーーに成功した。
それから世界は魔族と人間が手を組み争ーーーー無くなった。
その魔女はーーーー目前で、
ほら、これで争いーーーーくなった。
と言い放ちーーーーに着いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「と言うのがこの街に伝わる伝承だけど、お気に召したかしら?」
ウエイトレス姿の綺麗な女性はそう答えた。
「と言っても、所々文字が霞んでて読めなかったけどね」
ウエイトレス姿の綺麗な女性は舌をチロっと出しながら可愛く着け応える。
それを横目に女性の半分くらいの背丈の少女は被っていたフードも取らずにため息を漏らす。
「はぁ、よく分かった。ありがとう」
実際は欲しかった情報など無く、我慢しようとしていたため息を思わず漏らしてしまう程には落胆していた。
お礼を言い、背を向けようとすると女性に止められる。
「あら、それだけでいいの?まだこの話には続きがあるけど」
少女は少し考えたがどうせ大した情報など入らないだろうと思いその誘いを断った。
いかんせん少女には時間がなかったのだ。
いち早く的確で有力な情報が必要であり、そんな戯言など聞いている暇がない。
しかし、せっかくの時間を割いてまで伝承について話してくれた女性に無碍なことは出来ず
「いいや、それだけ聞ければ充分。世話になったな可憐な女性よ」
捨て台詞と共にチップ替わりの100ウォル玉をピンと指で弾きその女性の手元まで届かせる。
少女は満足めいた顔で酒場を後にしたのだった。
「100ウォルって…今の世の中じゃ水1杯も飲めやしないよ…」
女性の悪態も耳には届かずに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて、どうしたものか」
酒場を出た少女は隠していたでかでかとした熊のぬいぐるみに話しかける。
傍から見れば背の小さい可愛らしい少女がおままごとのように熊を家族に例えて話しているようにしか見えない。
しかしながらそのぬいぐるみはきちんと答えた。
「しゃあねぇよ。こんなチンケな街じゃあんくらいが限度だろうよ」
多少口の悪い所はあるが意思疎通できるだけで周りからは浮く存在となる。
道行くものに腹話術やら痛い子やら散々なことを言われる少女は少しムッとした顔になり、ぬいぐるみを再び隠した。
「あっ、てめぇ。なんでまた隠しやがる」
「うるさい。喋るな。場所を変える」
悪態をつくぬいぐるみを他所に人通りの少ない路地裏へと移動した。
路地裏は人っ子一人いず、話すには絶好の場所であった。
ローブの下に隠していたぬいぐるみをいい所にあったゴミ箱の上に置き、少女は話し始める。
「整理する。伝承は全て異なっていた」
体を大の字に広げゴミ箱の上に座っていたぬいぐるみは少し食い気味にその言葉に答える。
「そりゃ、五カ国数百都市を回ってるからな。そりゃ違ってくるだろうよ。それよりもよぉ、この俺をこんな小汚いゴミ箱の上に置くたぁいい度胸してるな?殺すぞ?」
「私が死ねばお前も死ぬ。それでいいなら殺せ」
まるでいつもの日常かのように流す。
実際いつもの日常なのだが。
しかしながら本当に口の悪いぬいぐるみである。
少女はそう思いながらもそのぬいぐるみと一心同体だと思うと目眩を通り越して吐き気すら催してくる。
だが、それを我慢できるほどにはこのぬいぐるみを好きだった。
いや、好きにならざる負えないと言うのが正しいか。
そんな無駄なことを考えているとぬいぐるみは先程の悪態などなかったかのようにケロッとした態度で話し始めた。
「でもさっきの女の話聞かなくて良かったのか?続きがあるみてぇだったけど」
「聞く必要ない」
端的に答える少女にそうかい、と答えるぬいぐるみ。それも日常であった。
「へいへいそこの君」
その声はいきなりであった。
髭を生やしたロン毛の男たち3人組はナイフを片手に少女に近づいて行く。
少女は溜息をつき、ゴミ箱の上に置いていたぬいぐるみを抱く。
「殺されたくなかったら有り金全部と身ぐるみ全部寄越しな。そのぬいぐるみもな。ぎゃははは」
なんとも下品な笑い声と共にジリジリと近寄ってくる。
少女は言われた通りに纏っていたローブと腰に着けていた1000ウォル入っている巾着を地面に置く。
「おいおい、こんな綺麗な女の子がまだこの街にいたとは予想外だぜ」
長い銀髪を靡かせながら真っ黒な目で男たちを見ていた少女はその場から動こうとはしなかった。
逆も然り、男たちは成長したらまさに絶世の美女になるであろう少女を目の前に言葉は発するものの動けずにいた。
「血を拭くのは面倒。見るのも嫌。丸呑み」
「あいよ」
ぬいぐるみの声と共に男たちの怯えた顔が視力の悪い少女でもはっきりとわかる。
ぬいぐるみの頭の部分だけがみるみると大きくなり大きな口を開ける。
恐怖やらその他多数の感情が入り乱れるその顔をぬいぐるみ視点で見る少女はその光景が嫌いだった。目を背けたくても背けられないこの瞬間だけはどうにも受け入れ難いものがある。
「ぎゃ」
短い悲鳴と共に3人は跡形もなく消えた。
ぬいぐるみは口元から少し血がたれていること以外以前の姿に戻っている。
「血を拭くのは面倒と言った。自分で拭け」
「仕方ねぇだろ。3人もいたんだ、そりゃ血の一つや二つ着くに決まってんだろ」
相変わらず口の悪いぬいぐるみだが、このままの訳には行かずしょうがなくなにか拭くものを探していた。
数十秒の後、やっと見つけた拭くものでぬいぐるみの口元を拭う。
「おい、これゴミ箱の中にあった鶏肉串の袋じゃねぇか?匂いが、おい、やめろこんな汚いもので拭くんじゃねぇ殺すぞ」
「黙れ」
一蹴するとぬいぐるみは舌打ちをかますがなすがままである。
ゴシゴシとぬいぐるみの口元に着いた血を拭いながら今後の方針を練り直す少女だったがぬいぐるみの声にその思考を一時中断する。
「でもよぉ、なんであんなクソ野郎の言いなりになんてなりやがったんだ?」
「油断させるのが1番楽」
口元を動かさずに喋るぬいぐるみからもちろんため息など出るわけが無い。が、ため息が出た時のような擬音語をぬいぐるみは発した。
「お前って、なんて言うか中身はほんとにクソ野郎だよな」
クソ野郎という事は本人も多少自覚はしていたがこうもはっきり言われるとなんだか腹が立つ。
少女は手に持っていたぬいぐるみをゴミ箱に叩きつけた。
「あっ、てめぇ。ゴミ箱に叩きつけるこたぁねぇだろ!汚ねぇな!」
「黙れ。私がクソ野郎ならお前はクソ野郎以下の生ゴミだ」
バンバンと何度もゴミ箱に叩きつけ、持っていた足の部分がほつれ始めていた。
もちろん少女は気がついていたがそんなものは関係ない。
このやり場のない感情を吐き出したかったのだ。
「生ゴミだからゴミ箱ってか!?ふざけんな!おい、マジでやめろ足取れる足取れる!」
少女はフンと鼻を鳴らしやり場のなかった感情を全て吐き出した。
正直足のほつれなどこのぬいぐるみには関係ない。手足が取れようがこいつは頭さえ残っていればそれで事足りるのだ。
さすがに頭がなくなってしまえば行動も制限され、男たちを殺したような派手なことは出来ないのだが。
再び深いため息を吐く少女。
ローブを纏い巾着を強く腰にまく。
ぬいぐるみをローブの中に隠し、決まらなかった方針を考えながら路地裏を後にするのだった。
どうでしたでしょうか?
駄文にお付き合い頂きありがとうございます。
更新はのろのろですが頑張っていきたいと思います。
こんな感じですが今後ともよろしくお願いします