文学少女②の投稿がやっと出来ました。
よろしくお願いします。
地獄の時間から数時間後、ジーバは今夜食べる分の食料を調達し終え街を出ようとしていた。
本当ならば3日分の食料は欲しかったのだがこの街は他の街に比べ物価が高く1食分しか食料が買えなかった。
理由は分からないがこの街の富裕層が関係しているらしい。
余計なことに首を突っ込むのはジーバの性分では無いし、ベアも面倒くさがって関わろうとは思っていない為この問題はもう忘れることにしよう。
次の街へ行けばどうせいつもの値段で食料が調達できるだろう。
ベアを抱え、そそくさと街を出ようとしていたいたジーバに後ろから大きな声をかける元気な少女の姿が映った。
「ジーバ!!ごめんなさい!持っていくもの厳選していたら遅れてしまったわ!!」
そう、常人では無い女ロロット・シュヴァンテである。
数時間前に出会った奴とまさか一緒に旅をするとは思ってもみなかった。
金色の髪の毛を腰まで伸ばし、エメラルドグリーンの瞳はまさしくお人形と言えるだろう。
そんな奴がゴールも分からない、いやまだスタートラインにすら立てているかも分からないこの旅に同伴しようとするなんて頭のネジが5本くらい取れている証拠だろう。
ジーバは断固拒否したいのだが何を隠そうぬいぐるみであるベアがコイツを気に入ってしまったのだ。
なので仕方なくはないが仕方ないのである。
「いいのか」
「ん?何が?」
「死ぬぞ」
奴は手を顎に当て、んーと考え出した。
そうしてキッパリとこう答えたのだ。
「死んだ時は死んだ時よ。私の人生はその程度だったって事。でもそうやって死んでいくのも美しいと思わない?」
訂正。
頭にはネジどころか何も入っていなかったらしい。
ジーバはため息を着くとスタスタと歩き始める。
慌てて着いてくるコイツを見向きもせず街を出た。
すると抱えていたベアがいつもとは少し違う雰囲気を醸し出していたので気になって見つめているとおもむろに話し始めた。
「まぁ、邪魔なら切り捨てればいい。なんと言っても俺達の願いを叶えるのが最優先だからな。安心しな大概の事は俺がどうにかしてやる。お前もアイツもな」
こんなキザなセリフを言うやつだっただろうか。
ベアは感情が豊かだ、それに先程の感情が追加されただけの話。
深く考えるのをやめ再び前を向く。
だがそうだ。
ジーバたちにはやるべき事がある。
ただそれに向かって進むだけ。
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街を出てから数時間が経つか経たないか辺りで急激に当たりが暗くなってきた。
肌寒い風が吹き始めてジーバを震わせる。
それを見兼ねたロロットはバックに入れてあった厚手のローブを取り出した。
「はいジーバ。寒いでしょう?これ着なさいな」
そう言って無理やりジーバの手に厚手のローブを握らせ自らもそれと類似したローブを着始めた。
「いらん」
「だめよ!風邪ひいちゃうじゃない!」
自ら握らせたローブを奪い返し無理矢理着させる。
ロロットは極度のお節介焼きであり、それをジーバはあまり好まなかった。
好まないのもそうだが拒む理由の半分くらいはどうしていいか分からないのである。
今までぬいぐるみと2人で行動していたし、なんなら戦闘以外はほとんど1人でこなしてきている。
そんなジーバだからこそいざ第三者が介入すると途端に分からなくなるのである。
「分かった」
ロロットの好意を甘んじて受ける。
コイツに限っては断りやら無視やらをすると余計に面倒くさくなるからもう受けるしかないのだ。
「今日はどこまで行くの?宿は?」
「決まってない」
「えっ?何も?」
「何も」
答えるのが面倒くさくて流しているとベアがジーバの代わりに色々答えた。
「俺たちゃ宛なんてなんもないぜ。ただ地図に書いてある国、都市を回って俺たちに必要な情報を集めているだけだからな」
そう、だから未だにスタートラインに立っているかもわからないのだ。
様々な伝承を聞いて回っているがそれが本当なのか嘘なのかもわからない状態なのである。
聞いたそれらをこの目で確かめて初めて本当か嘘か分かり、尚且つそれが本当のことだとして私たちの目的を成すために必要なことなのかも見定めなければならない途方に暮れるものなのだ。
「ふぅん。そうなのね。ま、いいわ。それより今夜の宿なのだけれど……」
確かに聞かれてもないことベラベラとぬいぐるみが話したが深くは突っ込まずにそのままスルーするとは思ってもみなかった。
やはりコイツ色々と、主に頭の中のポテンシャルが常人と比べて格段に良い出来になっているのだろう。
そうでなければこんな態度は取れない。
コイツがいると全てにおいてペースが乱れる。
本当に嫌な奴だ。
「野宿でいい」
心の中に溜め込んだヘイトを出さぬようロロットの質問に答えるジーバ。
「野宿?まぁ仕方ないわね。ここから次の街まであと1日はかかるもの。でも野宿できる道具とかあるの?テントとか」
随分とあっさりした答えにジーバは驚いた。
もう少し抵抗があると思っていたのだがそうでも無いらしい。
つくづく不思議な女である。
「テントなんてない」
「あら!そんなのでどうやってこの寒空の下を一晩過ごすのよ!」
「ベアがいる。そしてお前は火だるまにでもなればいい」
皮肉と言うよりはもはや悪口レベルの言葉を投げつけるのだが奴は泣きべそを書くどころか目をキラキラとさせてジーバを見つめていた。
そのキラキラした目からは見たことあるのかと心の声が漏れているようであった。
「見たことあるのかしら!?」
そら見た事か。
コイツは感情というものが隠せない。
いや、隠そうとしていないだけか。
どっちにしろ隠し事のできないタイプの人間であった。
「ない。それとも体験してみるか?」
体験するのは少し……と躊躇うコイツであったが何かにメモを取っており、その顔は笑みを浮かべ少し楽しそうであった。
余談ではあるが野宿をする際、ロロットが持参していた寝袋に2人と1匹?で夜を明かしたことはまた別の機会にでも話そう。
文学少女との旅はまだまだ続きます。
次回は文学少女メインのお話です。
よろしくお願いします。