恋姫†BASARA 家康伝    作:時正

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1 関ヶ原の戦い

関ヶ原の合戦

幾多の兵士達が己の主のため、傷つき倒れていく。

屍の山が築かれたその最奥で。徳川家康、石田三成が向き合い互いの心の内をぶつけ合っていた。

「家康・・・家康ゥッ!!」

「三成・・・」

「なぜだ・・・なぜ・・・秀吉様を!私を裏切った!!家康ゥゥッ!!!」

「すまぬ・・・三成」

「ふざけるな!教えろ、家康」

「貴様はなぜ、秀吉様を裏切り、不敬にもその尊き命を奪った!!」

「秀吉殿では、民のすべてを笑ませられぬと思ったからだ」

秀吉は拳を握りしめ三成へと答える。

「秀吉様では民のすべてを笑ませられぬと言ったな」

「ああ、そう確信している」

「秀吉様のお力を侮る貴さまが気に食わない。すべての民が救われるべきとも思わない」

「だが・・・あえて聞く」

三成は縋るように、何かを振り払うように家康へと訊ねる。

「私と共にあるならば、それもかなうとは考えなかったか?」

「!?・・・それは・・・」

家康は答えにつまり視線をさまよわせる。

「そうか・・・やはり・・・・そうなのだな」

三成は怒りに震える。

「そのように劣化した魂が、私の知る貴様であるものか!!」

「!?」

三成の気迫が燃え上がり、家康は気圧され一歩下がってしまう。

「消滅しろ家康」

三成は自分の胸に手を当て叫ぶ。

「私の友は此処にいる!それは断じて、貴様ではない!!」

三成は刀を抜き、遅れて家康も構える。

そして互いに走り出し、拳と刀がぶつかり合う。

「友、か・・・お前の口からそう言ってくれたのは初めてだな」

「私は心にもないことは口にしない・・・!それは貴様が一番知っているはずだ、家康ゥッ!」

互いに攻撃を躱しあいながら語る。

「貴様ならば、私の心をわかると思ったッ!」

三成の神速の剣が家康の胴を切り裂かんと振るわれる。

「そのつもりだったが・・・やはり、届かなかったのだろうな」

しゃがんで躱しアッパーを打つも躱される

「私と貴様の二人が居れば!どんな戦だろうと乗り越えられたはずだッ!」

一瞬で家康の後ろを取り抜刀するも飛び上がり躱される。

「ああ、ワシもそう思う・・・!だが戦に勝つだけでは、誰も笑えはしないんだッ!」

三成へと落下しながら拳を落とすが、バックステップで躱される。

地面へと当たった家康の拳が、地を割り吹き飛ばす。

三成の斬撃を紙一重で躱し、右わき腹へボディーブローを繰り出すが。三成は一歩下がり躱す。

「償え・・・そして斬解されろッ!忌むべき現実の、偽形の友よ!」

「償い・・・それはすべての後に!愛ずべき現実の、真の友よ」

家康の拳が三成の腹を捉える。

ズン!

到底人が殴った時に出る音ではない、とても響く音。

だが、そんな拳を貰ったはずの三成はそのまま勢いを利用して後ろに跳び、家康を切りつける。

とっさに躱すが、頬を薄く切られてしまった。

「あの日の友・主(わたし)を返せッ!!家康ウッ!」

「もはや過去は顧みない、わしは進むぞ!三成ッ!」

三成の刀を裏拳で弾き、がら空きになった体へと正拳突きを叩き込む。

ズドン!

体がくの字に折れた三成の顎にアッパーを繰り出し、打ち上げる。

ガガガガガガガガガ

打ち上げられ動けない三成に連撃を繰り出すが、フィニッシュブローで大振りの腕を踏み台にされ。

飛び越えながら背中を切り裂かれる。

「ぐうッ!」

「ごふゥッ!」

互いに膝をつき、家康は背中から血を流し、三成は吐血していた。

「秀吉様!秀吉様ァーーッ!どうかこの復讐劇に!私の魂魄、その全てを費やす許可をォォッ!!」

「三成・・・忘れえぬワシの友よ・・・」

「どうかワシに、己が夢を追い求める許可を・・・」

「家康ゥゥゥッ!!」

「三成ィッ!!」

拳と刀の打ち合い、永遠に続くと思われたその攻防はたったの一撃で終わった。

「ぐあああぁぁぁ!」

家康の拳が三成の胸を貫いたのだ。

「いえ・・・やす」

「・・・さらばだ・・・・友よ」

三成は倒れ、動かなくなった。

家康はフードをかぶり三成の遺体の横に座り込む

「ぐ・・・う・・・うう」

拳を握りしめ、涙がこぼれぬようこらえる。

三成との思い出が蘇っては消えていく。

手を開き、三成の血で汚れた自らの手を見つめる。

「大丈夫だ…忠勝」

今は亡き忠勝との約束を胸に立ち上がる

「ワシは、立ち止まりは」

ドス

「が!?」

家康は後ろから心臓を貫かれてしまった。

「済まないな東照」

「まつ・・・なが?」

「私に背中を見せて、気づいていなかったのでね」

「つい、突っついてしまった」

「許せ東照」

済まぬ・・・忠勝、三成、秀吉殿

この日、関ヶ原の合戦にて徳川家康、石田三成は相打ちになり終わった。

家康の死の真実を知る者は居ない。

「ふむ、次は誰に会いに行くかな」

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