決勝進出者にもたらされた4時間というインターバルが終わり、ついに本戦ミラージ・バットの決勝戦が始まる。
決勝進出者は一高から司波深雪、二高から1人、三高から一色愛梨ともう1人の計2名、四高から桜井穂波、七高から1名
各選手の顔には既に闘志が見え、達也としてもこの試合が注目だった。
そして、翌日のモノリス・コードは達也達が2位以上になることは確定されているようなものなので、この試合で穂波が優勝すれば、総合優勝が確定する
各選手達がそれぞれ柱に乗り始める
愛梨「貴女が桜井穂波さんですね。」
穂波「ええ。そういう貴女は一色愛梨さんですね。」
愛梨「貴女のことは聞いています。お互い頑張りましょう」
穂波「そうですね。お互いいい勝負をしましょう」
穂波と愛梨は少し会話すると柱に飛び乗った
全員が乗ったのを確認して合図が鳴った
すると、全員の体が
「『飛行魔法』!?」
「ぶっつけ本番でやるって言うのか!?」
達也は一高側で試合会場内に入ってきた真由美と合流して話していた
(ちなみに、横には深雪の担当である中条あずさもいる)
真由美「あれはぶっつけ本番で挑める魔法じゃないわ…勝つためとはいえ私は反対したのに…ところで『飛行魔法』のリークは達也くんの仕業?」
達也「いえ、ただ他校からクレームが入ったみたいで、大会委員に預けてたんですよ。」
真由美「ふ~ん。そうなんだ」
達也「ええ。それにリークされたとしてもたくさん練習を重ねてきた穂波なら負けません。俺は信じてますから。」
真由美「いいわね、婚約者って。」
すると、1人の生徒が突然魔法式に包まれて降りていく
達也「どうやら安全装置は正常に作動しているようです。」
真由美「安全装置ってさっきのやつ?」
達也「ええ。『飛行魔法』はその魔法の特性上、想子を常に吸収しています。つまり、想子切れが起こりやすいんですよ。」
真由美「ってことはさっきの子は想子切れが近いから機械が自動的に魔法の使用を切ったってこと?」
達也「その通りです。観客は空を飛ぶ妖精の演技を楽しむことができて、俺の方はこの魔法の安全性を実証できる。嬉しいことこの上無いです。」
真由美「まさか、達也君が本当に『飛行魔法』を持ってくるとは思わなかったわ。」
達也「穂波のために間に合わせたようなものですから。」
真由美「さりげなく惚気をいれるのはやめなさい!」
そんなこんなで第一ピリオドを終えた時点で1人脱落
第2ピリオドに入って2人脱落した
第2ピリオドを終えて、現在1位は67点で穂波、2位は65点で愛梨、3位は60点で深雪と言う形になっている
そして、ついに最終ピリオドに入った
達也「さて、残りはどうやら3人だけのようですね。」
真由美「しかも残ったのが全員1年生って皮肉よね」
達也「(まぁ全員二十八家関係者だしな)さぁ、後は想子保有量と優勝にかける想いの強さで決まります。(勝ってくれ、穂波!!)」
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深雪は内心焦っていた
四葉家最高傑作と言えるほどの魔法力を持って生まれた深雪は出来損ない(魔法力がないために勝手に思っている)である達也が次期当主になることに反対だった
しかし、今回の九校戦でその考えが揺らいでしまった
一高は達也の技術力や作戦力に負けた
さらに、自身も負けた
達也の出す殺気に自分は動けなかった
つまり、
そんな忌々しい事を思い出してしまった為に冷静さを欠いてしまった
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愛梨は喜んでいた
第三高校に進学した愛梨は新入生総代だと言われた
それで自分はあの一条に勝ったのだと喜んだ
しかし、実際は将輝は四高に行っていたのでそもそも戦っていなかった
そして、一条という明確な敵、というか目標がない愛梨には総代という地位はつまらなかった
そんな時に九校戦で出会ったのだ
自身の力を全力で示せる相手に
桜井穂波、司波深雪
司波深雪はどういうわけか調子が悪いようで今の自分には敵ではなかったが、桜井穂波は違った
今の自分の全力を出しても勝てるかわからない彼女からは覚悟を感じられる
それは、過去の十師族になる一心で頑張っていた自分自身のような…
覚悟の内容はおそらく婚約者である四葉家次期当主の期待に応えるものなのだろう
だからこそ、負けられない。
勝って、第三高校に勝利を届けること
再び愛梨は気合いを入れ直した
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穂波の心は達也に捧げる勝利のみだった
幼い頃から一緒にいたのだから達也の心情ぐらい読み取るのは得意だ。
だからこそ今サイドで勝利を信じている達也の期待に応えるためにも、
そして、胸を張って達也の婚約者であると言い切れるように
穂波は覚悟を見せつけた
「穂波~!頑張れ~!」
愛する人達也からの応援を胸に、穂波は戦う
今までの感謝も込めて
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達也「司波深雪はもうだめだな。残すは一色愛梨か桜井穂波か。」
その達也の言葉通り、深雪は点を思うように伸ばせずにいた
そして、穂波と愛梨は点を重ね続けて、2人の試合となった
愛梨が会場の方を見ると、来ないと行っていた筈の母親がいた
愛梨の母親は海外、それもヨーロッパから帰化してきた魔法師だ。
そんな母親は愛梨をとても愛していた
だからこそ、その期待に応えるためにも愛梨は残り数分、『飛行魔法』と『稲妻』のパラレル・キャストを咄嗟に始めた
穂波もそれに合わせて、速度をあげる
試合終了の合図と共に優勝者として画面に写ったのは
――――穂波だった
そして、一高が3位という結果に終わったことで、この瞬間、四高内では総合優勝が確定した
愛梨「負けたわ。桜井さん」
穂波「私も達也君の応援がなければ負けていたかもしれませんね。…それと私の事は穂波と呼んでください」
愛梨「じゃあ私の事は愛梨と呼んで」
穂波「わかりました、愛梨さん」
愛梨「…別に呼び捨てでもいいのに。まぁいいわ。これからもよろしく、穂波。」
2人が握手をすると観客が大歓声をあげる
それから2人はそれぞれのところへと戻った
穂波が達也のところに戻ると、達也は穂波に抱きつきながら、祝福した
達也「優勝おめでとう、穂波。」
穂波「ありがとうございます。」
今回はミラージ・バット決勝の回になります
深雪は達也の殺気のせいで調子がよくなく、魔法力主義のために本調子がでない為3位
穂波と愛梨が優勝争いを繰り広げる形となりました
次回はノーヘッドドラゴンの殲滅、と行けたらモノリス・コードまでできたらなと思います
では、また次回