達也の目の前に現れた大男、呂剛虎は武人として凄まじいほどのオーラを出している
達也はオーラを見る事はできないので分からないが、ここに美月がいたのなら卒倒していたであろう程である
2人の間に緊張感が走る
無音の中、達也と呂剛虎の間を風が吹く
これが開戦の合図だった
先手を取ったのは呂剛虎の方だった
彼が達也へと突進を仕掛ける
達也は冷静に交わして『ドライ・ブリザード』を放つ
しかし、そのドライアイスの弾丸は呂にあたる直前で消えた
そのカラクリは呂の纏う『
『鋼気功』とは、気功術を元にして皮膚に鋼よりも固い鎧を展開する技術を魔法化したものだ。
想子を自分の身体の周りに層を作るように纏うことで、感覚的に『術式解体』のような効果を得ることが出来る
また、『鋼気功』には想子の纏い方によって情報強化の効果や対物障壁の効果を得ることが出来る
達也「やはり厄介だな、『鋼気功』は。」
今の『鋼気功』は情報強化のようだ
達也は情報強化だとわかると『
『鋼気功』が消えたのを感じた呂は驚愕した
が、そこは世界最強の戦闘魔法師の1人、すぐに再起する
しかし、達也はその隙を見逃さない
すぐに『分解』で呂の右肩を撃ち抜いた
「グワッ!!」
達也「右腕をやられようとも殺意を消さない。さすがは世界最強の戦闘魔法師。だが、もう見切った」
呂が『鋼気功』を発動すれば、達也は『術式解散』をして、『分解』で身体の関節の部位を1個ずつ破壊した
やがて、四肢を全て穿つと達也は刀を振り下ろす
呂の精神に傷を与えて、意識を刈り取った
達也が呂の意識が無いこと、死んでいないことを確認すると、穂波に連絡をいれた
少しすると、一台の車が達也の前に現れた
車の扉が開かれ、中から出てきたのは、四葉家筆頭執事葉山忠教だった
達也「まさか筆頭執事の葉山さんが来るなんて…」
「奥様より、捕縛の命を受けておりますので。」
達也「こいつをどうするつもりで?」
「情報を抜いたあとは国防軍に引き渡せとの命です」
達也「そうですか。」
葉山は部下に命じて呂を拘束して車にいれた
「綺麗に関節を分解し、外傷も出血も見られないとは。さすがの腕前ですな。これで調査がやりやすくなりました」
達也「それはどうも。」
「さて、呂剛虎の捕縛は完了しました。協力感謝いたします。」
達也「問題ありません。俺も襲われたので」
「それでもです。あ、後で奥様に連絡を入れて下さい。達也様の事をとても心配なさっていたので」
達也「わかりました。」
達也との会話が終わって車にのった葉山はそのまま四葉本家へと退いていった
車が消えたのを確認して家に戻ると、認識阻害の結界を解除した
それから数日後、論文コンペがあと2日に迫った10/28
達也の元に真夜から連絡が届いた
真夜『こんばんわ、達也さん。』
達也「こんばんわ、母上。」
真夜『今日は報告があります。まずは、先日達也さんが捕まえた呂剛虎から情報を抜き取ったところ、論文コンペの日、つまり10/30に横浜へと侵攻を始めるつもりです。狙いは優秀な魔法師の拉致、そして魔法協会関東支部からデータの奪取。』
達也「やはり、攻めてくるのですね。」
真夜『ええ、そのようね。それと、国防軍に呂の身柄を送った所、彼への取り調べで判明した拠点を全てを神奈川県警との共同操作で潜入。隊長の陳山祥は取り逃したものの、部隊はほぼ逮捕出来たそうですよ。』
達也「それで、聖遺物のデータはどこから?」
真夜『どうやら国防軍のデータバンクから漏洩していたようね。まったく…使えるのか使えないのかわからないくらい低レベルね。』
達也「そうだったんですか。あ、聖遺物の研究も多少は進んでいますが、まだ解明は終わってません。」
真夜『国防軍には渡してはダメよ。』
達也「わかってますよ。巻き込んだ罰だと思わせます。…ところで、戦争の情報を俺に開示したのはどうしてですか?」
真夜『開戦した場合、四葉家次期当主として前線に参加し、敵侵略部隊を壊滅させなさい。場合によっては戦略級魔法の使用も認めます。』
達也「了解しました。」
真夜『冬休みは帰ってきなさいね~。』
達也「わ、わかりました。」
真夜『じゃあ、当日は任せたわ。』
達也はこの通話が終わるとすぐに〈朧月〉と『シルバー・ホーン・トライデント』の調整を始めた
開戦の日は近い
今回はここで切ります。
次回、論文コンペ当日です。
では、また次回