四葉家の死神 四高ver.   作:旭姫

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【死神】、出陣!

幹比古の案内で真由美達のもとに向かっていた達也は道中で話しかけられた

 

「四葉、吉田」

 

達也「十文字克人、お前も避難していないのか?」

 

達也達第四高校が辞退したことによって繰り上がりで学生会場警備責任者となった十文字克人である。

 

「それはこっちの台詞だ。それに、俺は警備責任者として生徒の安全を守る義務がある。」

 

達也「そうか。どうやら一高控え室に何人か残っているようだ。」

 

「では、合流しよう。」

 

―――――――――――――――――――

 

一高控え室に入ると達也は案の定ため息を吐いた

 

達也「どうして避難していないんですか?」

 

真由美「ごめんね~、データを消さなきゃいけないから…」

 

達也「それでもこんなに人数は要らないだろうが!」

 

真由美「仕方無いじゃない。皆私が心配って言って着いてくるんだもの。」

 

達也「そうか…!?」

 

達也は真由美との会話中に急激な殺気を感じて、CADを後ろに向けた

 

真由美「達也君?」

 

達也の異常な行動に真由美はすぐに『マルチ・スコープ』を発動して状況を確認する

 

そして、見えた状況に驚く

 

真由美「嘘っ!?」

 

そこにはこの会場に向かって突進してくるトラックの姿があった

 

達也は真由美に見られているのを気にせずに分解魔法『雲散霧消』を発動する

 

真由美の視ている先でトラックが霧状になって消えた

 

真由美「ありがとう、達也くん。」

 

―――――――――――――――――――

 

その頃、外の見回りをしていた十文字克人は埠頭に止まっていた船からミサイルが放たれているのを見付けた

 

すぐに『ファランクス』を張る

 

十文字克人の『ファランクス』は4種・8系統に対応できる障壁魔法で十文字家の持つ【鉄壁】に由来する魔法である

 

克人の『ファランクス』の精度はとても高い

 

無媒体で発動出きるだけでなく強度はその年齢ではおそらく歴代最高とも言われるレベル

 

そして、放たれたミサイルは『ファランクス』のかけられた克人の方、正確には論文コンペの会場へと進んでいく

 

『ファランクス』が当たるタイミングで横からソニック・ムーブのような攻撃によってミサイルは防がれた

 

それと同時に一台の白い車が停車した

 

「〈ソニック・ムーブ・ランチャー〉、一○一の方ですか」

 

「国防陸軍第一○一旅団独立魔装大隊大尉、真田繁留であります。」

 

「十文字家当主代理の十文字克人です。」

 

「我々をご存じとは、さすがは()()()()()()()。お見逸れいたしました。」

 

真田大尉は克人の眉がピクッと動いたのを認めた

 

「失礼……では、参りましょうか。十文字代表代理殿。」

 

――――――――――――――――――――――

 

「ご無沙汰しております、四葉達也殿。」

 

達也達の目の前には敬礼をした女性と達也を呼んだ男が立っていた

 

女性には少尉の階級バッチが、男性には少佐の階級バッチがついていた

 

達也「ご無沙汰していますね、風間少佐」

 

そして、周りには達也と目の前の軍人との関係に驚いている一団がいた

 

それは今入ってきた十文字克人も同じ

 

「私は国防陸軍少佐、風間玄信です。訳あって所属はご勘弁願いたい」

 

「貴官があの風間少佐ですか。私は師族会議十文字家代表代理十文字克人です。」

 

風間少佐は十文字克人の簡単な自己紹介を受け取ると改めて達也の方を向いた

 

「3年も立てば色々と状況は変わるものですね。」

 

達也「世間話はいいです。それよりもわざわざ貴方が来たという理由は?」

 

「まずは今の状況をお話ししましょう、藤林!」

 

風間に声をかけられた女性、藤林(達也の記憶では、九島家から嫁入りした人間がいて、その娘に響子という女性がいる)が状況を説明し始めた

 

「はっ!…我が軍は現在、保土ヶ谷駐留部隊が侵攻軍と交戦中。また、鶴見と藤沢より各一個大隊が当地に急行中。魔法協会関東支部も独自に義勇軍を編成し、自衛行動に入っています。」

 

「さて、保土ケ谷に陣取っていた我々も此方へと集まっている。そしてこの状況において3年前の【沖縄の英雄】には是非とも協力して貰いたい」

 

【沖縄の英雄】というワードに一部の人間が反応した

 

「国防軍は皆さんに対し、沖縄の件について守秘義務を要求する。本件は国家機密保護法に基づく措置であるとご理解されたい。」

 

が、それを風間少佐は制した

 

達也は最後まで腕を組んで、黙っていた

 

達也「いいでしょう。それが私が御当主様より賜った命令でもありますから。ですが、私は別行動とさせていただく」

 

「構いません。国防の為であれば。」

 

達也「了解した。…というわけで、悪いが俺はすぐにでも出る。レオ、後は任せた。」

 

レオ「任せな。達也も死ぬなよ。」

 

達也「ふっ、誰に言っているんだ。四葉の当主になろうって奴がこんなところで死ぬわけがないだろ。」

 

レオ「それもそうだな。じゃあ、学校で会おうぜ。」

 

達也「そうだな。」

 

達也とレオは拳を当てる

 

「四葉殿。彼女達は我々がお守りいたします。」

 

達也「頼みましたよ。穂波、付いて来い。」

 

穂波「はっ!」

 

達也「さぁ、3年前の決着をつける時だ!」

 

2人は部屋を出て、会場の外に出ると、ちょうど一台の車が停車する。

 

運転席の窓が開き、中から出てきたのは本家関連の用事で達也を補佐する花菱兵庫だ。

 

「着替えは用意しております。お乗りください」

 

達也「わかった。」

 

2人はすぐに車に乗って移動を始める。

 

やがて1つの建物の地下に駐車すると、駐車した場所に1つの自走車が一台入るくらいの大きさのコンテナが置かれていた

 

「お二方の戦闘服はそのコンテナの中に御用意してあります。」

 

それから達也と穂波はそれぞれ戦闘服に着替えて出てきた

 

達也のは四葉が開発した伸縮性と動きやすさを兼ね備えたバトルスーツで、色は活動時間が夜ということが多いために闇に隠れるための黒色である。

 

穂波のも伸縮性と動きやすさを意識した結果、少し身体のラインが出てしまっているバトルスーツで、色は男性用と区別するために少し黒に近いグレーである。

 

どちらも四葉家で使われている戦闘服であり、その性能や耐久力は本家のお墨付きである。

 

ちなみに、真夜も持っていて、真夜専用の特別仕様だとか

 

そして、達也と穂波にも後日、特別仕様の物が贈られることが既に確定している

 

達也「行くぞ。」

 

達也と穂波はそれぞれ腰に巻いてあるベルト状CADに内蔵された『飛行術式』を使って飛び上がった。





というわけで、【死神】出陣でした。

達也と国防軍の人間達が沖縄で顔見知りではあるんですが、友好的ではなく、どこか余所余所しい関係になっています

利害の一致による一時的な協力関係って奴です。

次回から横浜は戦場です。

では、また次回
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