達也の『朧月』は絶えず怪しい光を纏い続けている
先ほどの怪しい光による攻撃を見た呂剛虎は警戒を強め、攻めづらい状況になっていった
『朧月』の怪しい光の正体は、達也が開発した『分解』と『精神干渉』を組み合わせた複合魔法と呼ばれるものだった
見た目の通り、怪しい光が対象に触れると炎に包まれて消滅する。
これを達也は『
本来ならば人目の多いところで使いたくはなかったのだが、強化された呂剛虎の力に焦りを生じた為に使ってしまったのだ
達也「呂剛虎…これを俺に使わせたその実力は認めよう。だが、御当主様の命令は貴様の抹殺。悪く思うなよ」
達也の攻撃を躱し続けている呂剛虎だったが、ついにその身体に刀による傷が生まれてしまった
「グワァァァァ!!」
傷口には青白い炎が広がり、少しづつダメージを与えていく
しかし、そこは世界で五本の指に入るほどの強者
すぐに立ち上がり、『鋼気功』を発動する
達也はそれを確認すると、もう一度突撃した
呂剛虎は『鋼気功』を纏ったことで受け止める体勢ができていた
達也「残念だったな。この攻撃は…防げない」
達也の刀が呂の身体を突き刺し、貫通した
「グハッ…」
達也「さらばだ、【人喰い虎】」
刀から炎が生まれ、それは数秒で全身まで広がり、呂の体は灰となって消え去った
それと同時に、達也も刀を床に突き刺しつつ、膝をついた
真由美「達也君!?達也君、大丈夫!?」
膝をついた達也を真由美が咄嗟に駆け寄って支えた
達也「すみません、真由美さん。油断しました」
そう言って達也が示したのは左脇腹部分
達也「あのとき、奴が俺にナイフを突き立てたんでしょう。まだ心臓じゃなくて良かったです」
真由美「馬鹿っ!!達也君の大馬鹿者!」
達也「すみません…」
達也はすぐに自分の体に『再生』を施すと、『飛行魔法』で空を飛んだ
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一方、穂波は魔法協会のメインデータバンクで待機していた
達也の予想が正しければ、もうまもなく姿を表すと
そして、そんなさなかに扉が開かれた
しかし姿は見えない
穂波(なるほど、これが例の『鬼門遁甲』ですか。)
扉が開かれるとともに、CADを操作すると、部屋が夜に包まれ、流れ星が何かを
「グフッ、、」
その大きなダメージにより、隠れていた男が姿を見せた
穂波「『鬼門遁甲』たしかに厄介な術です。ですが、私の前では無力だったようです。」
「なぜ、、」
穂波「達也様より警告を受けておりました。『鬼門遁甲』の詳細とともに。そこで考えたのです。もし姿が見えなくても閉まっている扉の先に侵入するときならば見えなくても当てられることにね。幸い、貴方はその魔法を過信しすぎて呑気に入ってきてくれましたから。さて、今頃は御当主様の命により呂剛虎は死んでいることでしょうし、周公瑾も囚えられたことでしょう。残りはあなたです。大亜連合特殊工作部隊隊長
「忌々しい四葉め…!この屈辱は必ず」
穂波がもう一度手をかざすと、何筋かの流れ星が陳の肉体を貫いて、肉体を消滅させた
穂波「さて、総仕上げと参りましょう。でもまずは達也様と合流しなければ…」
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戦線は仕上げの局面に入っていた
上陸部隊は八割方掃討を完了しており、残るは偽装揚陸艦や残っている残存兵力のみとなった
達也と穂波の姿は横浜ベイヒルズタワーにあった
風間「さて、四葉達也殿。3年前のように貴殿の力を借りたい。あの偽装揚陸艦は環境汚染に繋がるウラニンを燃料としており、撃沈は不可能。」
達也「となると、戦略級魔法で消し飛ばすべき。ということですか。」
風間「そのとおりです。」
達也「かしこまりました。」
「目標、30ノットで大島・小笠原間を走行中。迎撃可能です。」
達也は戦略級魔法用の特別なCADを取り出すと、照準合わせの為に『精霊の目』を使った
達也「照準確認。何時でもいけます。」
風間「戦略級魔法『
引き金を引くと偽装揚陸艦の中心部分に付着していた水滴を起源として巨大な爆発が起こった
「地震、津波の心配は無し。成功です。」
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翌日、達也たちの姿は対馬にあった
あのあと、横浜で起きたゲリラ戦闘は完全に日本側の勝利に終わっていた
その時、司令部から通信が入り、鎮海軍港に大艦隊が集合しているという情報があった
見立てでは数日中に侵攻を開始し、日本の九州地方・中国地方・四国地方のいずれかを占領すると予想されていた
日本は横浜の後処理に追われていて、対処が難しいと言うことで、四葉真夜を経由して達也へと戦略級魔法の使用を打診された
真夜も憎き大陸の為にそれを二つ返事で許可し、今に至るというわけだ
風間「では、改めて説明する。本作戦は鎮海軍港に集結した大艦隊を駆逐し、3年前から続く大亜連合との抗争に決着をつけることだ。そして、本件は統合幕僚会議の認可を得た作戦である。」
達也もCADの準備を終えて、真ん中に立つ
風間「準備はいいですかな?」
達也「ええ。これで3年前からの因縁も終わることでしょう。」
風間「うむ。では、戦略級魔法『質量爆散』、発動!」
達也「『質量爆散』、発動します!」
達也の『精霊の目』が照準に定めたのは旗艦に取り付けられた重さ約1kg程の戦闘旗
達也が引き金を引くと、戦闘旗を中心として大きな爆発を引き起こした
その衝撃に画面がホワイトアウトし、それがもとに戻るとそこには魔法によってできた大穴ができていた
鎮海軍港、及び大艦隊は消滅した
若い士官達は目の前の光景に耐えきれず、トイレに向かって胃にあったものを吐き出したりと、撃った側でもダメージ(精神的)ができていた
「反応…消滅しました」
「よし、作戦は終了した!全員急いで帰投準備に入れ!」
灼熱のハロウィン
後世の歴史家は、この日のことを、こう呼ぶ。
それは軍事史の転換点であり、歴史の転換点とも見做されている。
それは、機械兵器とABC兵器に対する、魔法の優越を決定づけた事件。
魔法こそが勝敗を決する力だと、明らかにした出来事。
それは魔法師という種族の、栄光と苦難の歴史の、真の始まりでもあった。
これで、横浜騒乱編は終了になります
次回は番外編(というか追憶編)を挟んだあと、少しというか結構飛んでスティープル・チェイス編に入ります
来訪者編・星を呼ぶ少女編・ダブルセブン編は行いませんのでご注意ください
ですが、話の都合上、一高・二高・三高で交換留学はあり、パラサイトも一応出現していましたが、それは四葉家と七草家の介入によってすぐに片付けられているので、そのまま原作通りの展開になります
ダブルセブンは設定から七草の双子が一高ではなく四高に通うので無しです
では、また次回をお楽しみに