しかもこのバトルはこの話だけで終わるっていうね('ㅂ' )
「最近の科学は部屋の大きさも
サブアリーナの受付で待ちながら和幸はしみじみとつぶやいた
「まあ今の人類が
同じく待たされながら千佳が話をふった
「ん?俺のところ母上しか家にいないから別に何時までいてもいいけど?」
「母上って…いつの時代の人よ……」
「え?俺ん家いつも『母上、おなかすいたー』『はいはーい』って日常茶飯事だけど?」
「母上口調軽いなオイ」
そんな無駄口を叩きながら練習場がセッティングされるのを待つ
「そういやーあれから上手く形作れるようになったのか?日本刀?」
和幸が話題を振ると千佳の表情が一気に曇る
「入学式の時よりかはマシになったけど…気を抜くと液体に戻るんだよねー…」
あれからHOPEの起動授業は入学式後、今日までに3回あったわけだが、千佳は相変わらず無理やり日本刀に形を整えて授業を受けていた
それはそれで凄いことではあるが、集中力が切れるなど何かの拍子にぐにゃっと形を変えてしまうのだという
授業を受け持つあの車椅子の先生ですら
「今までに例を見ないケースですねーまあゆっくり自分にあう形を見つけてくださいねー」
と言って解決策が出ていない
かなり稀なケースなのだろう
「まあ…とりあえず練習場できたみたいだしやろーぜ?練習をさ」
そう千佳に言って一足先に和幸が
「まあこの練習で変な
千佳が練習場に入ったことを確認して和幸が壁に埋め込まれたタッチパネルを素早く操作する
入り口がすぅーっと消えていき、密室になった
「んじゃー行くぜ?」
和幸は素早くHOPEを起動し、両手にソードトンファーを持ってボクサーのような構えをとった
「…おっけー」
例のごとく無理やり形作った日本刀を両手で持ち、目の前で構える千佳
それを聞いた和幸は素早く地面を蹴る
「うりゃあ!」
千佳に突進して行った
そのまま左の拳を突き出すようにして千佳に斬りかかる
ガキィン!
千佳が上手く左のトンファーを弾いて後ろに下がる
もちろん当たっても怪我のないようにガーディアン見習いのHOPEには制限がかけられてはいるがそれでもそこそこの威力はある
男の和幸の一発をその程度に抑えた千佳もなかなかではある
「おりゃ!戻りが遅せーぞ!」
もちろん一発で止まるような和幸ではない
再び間合いを詰め、上下左右から攻撃を仕掛けていく
それを後ろに下がりつつも1つ1つさばいていく千佳
ぐにゃ
「!」
と、和幸の左の攻撃を受け止めた瞬間千佳の日本刀が曲がった
「もらった!」
左手を引き、そのままの勢いで回転し裏拳の要領で和幸が右側から襲いかかる
しかし
ガキン!
「…甘いよ?」いつの間にか千佳の左手には日本刀ではなく
「はっ!」
「やべっ!」
危険と僅かな風圧感じて下がる和幸
今さっき和幸がいた場所を千佳の右手にもつ
「…いつ見ても何が出てくるのか分かんねぇよな、それ」
口調は飄々としてるが内心ヒヤヒヤしながら和幸は言った
「こっちだってパッと思いついたの出してるんだから何が出るかなんてその時次第だよ?」
肩で息をしながら千佳はトンファーとダガーを再び日本刀の形に戻した
千佳の変な特技
それは今までに見たことや聞いたことのある武器を瞬時に呼び出すことだ
日本刀の形を維持できなくなるとどうしても丸腰になってしまうがそれは実戦ではかなり危険な状態になる
それの応急処置で何でもいいから武器を出すというのがこの特技の始まりだった
ただそれがあまりにも素早くできる上、出せる武器も多種多様、さらには千佳がその全てをそこそこ使いこなせるためもうこれで戦えば良くね?と和幸が思っているのも事実である
ただ千佳本人は納得しておらず、
「自分に合う武器が欲しい!」
と言っているがやはりHOPEを起動すると最初は銀色スライムが出るのが実際のところである
「今度はこっちから行くよ!」
千佳は日本刀の切っ先を和幸に向けると走り出す
「おう、来い!」
それを迎え撃つため和幸も走り出した
* * * * * *
15分後
千佳と和幸は床に座り込んでいた
「はあっ…はあっ…なにが特技使いたくねぇだ。日本刀から薙刀に変化して、距離を取ったら銃に変わるとか最早反則レベルだろ」床に寝っ転がりながら和幸が恨めしそうに千佳を見た
「はーっ、はーっ、はーっ…それを……全部……防いだのは………誰だよ…」
今にも過呼吸になるんじゃないかというほど息を切らした千佳は壁に寄りかかって和幸を見やった
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
そこに響く警報音
「…何?」「何だ?」
お互いそのままままあたりを注意深く見回す
と、次の瞬間天井に穴が空き上から白く濁った物体が落ちてきた
「うわぁ?!」
慌てて横に転がり回避する和幸
間一髪避けたがその物体はちょうど和幸と千佳の間に落ちてきた
「こいつは!」落ちてきた物体を見て千佳が飛び起きて戦闘態勢をとる
和幸も起き上がりながら確認する
白く濁ったスライム状の体
赤い目
両脇から生えている鋭く尖った触手
大きさは小さくてずんぐりしているが間違いない
「なんで
それは人類の敵であり
ガーディアンの戦うべき敵だった
「って、驚いてる場合じゃないよ!和幸非常ボタン!!」
「お、おう!」
向かい側にいる千佳が素早く銃を呼び出し牽制攻撃を開始する
攻撃を受け
いくら今目の前にいる
だからとりあえず外にこっちの状況を伝えなければならない
だが────
「ダメだ、ウンともスンとも言わねえ!」
「うっそぉ!」
タッチパネルをいくら叩いても反応しない
そうこうしているうちに
「とりあえず分かったことは────」
タッチパネルの操作を諦めた和幸は両手にソードトンファーを呼び出ししつつ
「
腰を捻り先ほどの練習の時の要領で
「なっ?!」
だが手に斬った感触が伝わってこない
せいぜい
へこんだという事は────
「危ない!」
『ウオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
「ガッ?!」
案の定
思いっきり壁に叩きつけられ、息が詰まる
あまりの痛みに壁に背中をつけたまま動けない
「なんで…」
切れない、と思って和幸は自分の手元を見やって原因に気づく
「ただのトンファーに戻ってる…!」
「ってか部屋のガス濃度下がってるんじゃない?!」
千佳も事態に気づいたらしく銃で
この部屋のガス濃度はアリーナで一括管理されてる
たぶんタッチパネルが壊れたということはそこの管理システムごと壊れたんだろう
その証拠に千佳の銃も連射速度が落ちているようだ
「ジリ貧じゃねえかよ!」
じりじりと近づいてくるUTに悪態を吐きながら和幸はHOPEを変形させて自分と千佳の周りにシールドを張る
あっても大して効果はないが全くないよりかマシだ
だが
ドンッ
「カハッ…!」
まともに受け身を取れずに床に叩きつけられ、息が漏れる
肺が潰れるんじゃないかと思うほどの痛みだ
身体の全身が痛みで動かない
HOPEは集中力が切れたせいでブレスレット状戻ってしまった
かろうじて和幸が頭を上げて見渡すと壁際に千佳がうつ伏せに倒れているのが見えた
もしかしたら気絶しているのかもしれない
と、思っていると首周りに何が巻きつき、和幸はグイ、と空中に持ち上げられる
このままだと首の骨を折られるか喰われるかのどちらかだろう
正直、身体はほとんど動かない
それでも、と和幸の頭はフル回転を始める
だけど現段階では連絡手段はない
おまけにHOPEを使いたくてもガス濃度が低下した今の状況だ複雑な武器を使うのは不可能という完全死亡フラグ
なにより俺の後ろには千佳がいる
なんとか意識が戻るまで時間を稼ぎたい
なら、やることは1つだ
和幸は覚悟を決める
────今だ!
「起動!!!」
自身の目の前に棒を2本出現させる
いけぇ!
『ウオオオオオオオオオオ?!』
和幸の意思を体現するように棒は
和幸の首から触手が離れ、なんとか地面に着地する
「このまま…」
時間稼ぎを、と言いかけた和幸の手元からアラーム音
『HOPEガス濃度低下、形を維持できないため強制シャットダウンを行います』
「…へ?」
瞬間、突き刺さってた棒が粒子化し和幸の手元に戻る
そして再びブレスレットの形に戻るとウンともスンとも言わなくなった
「おい?おいおいおい!今動かなくなるのかよ!ピンチなんですけど?!」
ブレスレットを手で掴みながらガンガン振ってみるが勿論反応ナシ
顔を上げると
『グルルルルルルルル………』
今にも噛みつかんばかりの怒り顔
「…やっぱブチ切れてますよねー………」
為す術 なし
逃げる術 なし
もう無理だ
ペタンと和幸は座り込む
人間でいう右ストレートの要領で串刺しにでもするんだろう
和幸の頭の中でこれまでの記憶がぐるぐると渦巻きだす
────ああ、これが走馬灯っていうのかなぁ
後ろに引かれた触手が和幸に真っ直ぐ向かってくる
和幸は目を閉じた
* * * * * *
「…勝手に死亡フラグたててもらっても困るんですがねぇ」
呆れた女の声で和幸が目を開ける
「!?」
和幸の目に映ったのはついさっき和幸を串刺しにしようと突き出された触手
と、それを遮る銀色の壁
何かに気づき後ろに下がろうとした
ガガガガガッ
「させるかバカヤロウ」
無数の
「覚悟はできてんだよな?」
今まで後ろにいた声の主が和幸の横に並ぶ
「千佳…?」
和幸は見上げながらそいつの名前を呼んだ
「…千佳?」
「下がって」
再び声をかけた和幸は千佳の表情からただならぬものを感じ、急いで壁際まで後退した
和幸が完全に下がると千佳は自然な動作で左手を軽く横に振るった
その瞬間
ザシュッ
『ガウっ?!』
「で、
そう言って一歩踏み出す千佳の表情は見えない
でも後ろの和幸からでも分かるほどの殺気を放っていた
相手ももそんな殺気を感じているのだろう、槍に縫いつけられてた触手を切り落として後ろに飛びのいた
「覚悟しなよ」
それと同時にさっきまで突き刺さってた槍が細かい粒子となって千佳の周りに集まり、白い粒子となって千佳の周辺で渦を巻く
その状況に和幸は心なしか、部屋の温度がが下がったように感じた
『グルヴァ!』
今まで距離を取っていた
そのまま千佳にむかって真っ直ぐ飛んでくる
そんな接近戦を仕掛けてきた
「うるさい、消えろ」
千佳はバッと右手を前に突き出す
その動きと共に千佳の周辺で渦巻いていた白い粒子が一気に
ドドドドドドドッ!
数多くの武器となってUTに降り注いだ
今度は、
ドサッという音とともにUTが倒れ
「…は?」
その状況に和幸はぽかんと千佳とUTを交互に見比べる
通常破壊された
消滅しないってことはつまり…
『いやー、さっすがだねー!あの規模とはいえ2人でUTを倒しちゃうなんてー!!』
…唐突にスピーカーから明るい男の声が響く
「…先生?!」
『そうですねー、先生ですねー。いやー斎藤さんのオリジナル武器がずっと出ないって話だったからね、ぽんっと実戦状況下においてみたらどうかなーっと思ってやったんだけど結果オーライだねー』
和幸も千佳も言葉を失っている
それをいいことにペラペラ喋り続ける先生
『うん、斎藤さんの能力の初期段階は粒子だね。そこから状況に合わせて自分で合う武器を作り出す能力だから近中遠距離どこでも対応できるから使い勝手がいいよー。たぶんいつもの練習はHOPEガス濃度が高いのが裏目に出ちゃって塊としてでてきたんだろうねー。』
「あの先生」
『なんだい?』
ずっと無言だった千佳がチラリと今だにラグを伴って存在している物体を見やり、スピーカーに向かってたずねる
「じゃあこの
『それは訓練用のプログラムだね、まあそこそこ強かったっしょ?ちなみに部屋の外に連絡取れなくしたのはその方が緊張感増すかと思ってねー』
「……………………先生、いっぺん死んで見ます?」
その瞬間千佳の周辺に先ほどの比ではない量の白い粒子がブワッと発生
「『ちょっ、ちょっと落ち着いて!』」
それをなだめた和幸の必死の努力は語られることはない
* * * * * *
和「よーするに本当は粒子化しなきゃいけないんだけどHOPEガスの濃度が高すぎて粒子が合体してたってことか?」
千「そういうことらしいね。現象としては気体中にある水分が液体となって出てきた感じかな?」
和「なるほど分からん」
千「………まあ形にしやすくするガス濃度を減らしたことにより上手く粒子が分散されて本来の形になったんだよ!!!」
和「…(強引すぎる気がするのは気のせいだろうか…?)」
千「まあそんなことは置いといてプロフィールよプロフィール!今回は自分こと斎藤千佳の紹介をさせていただきますね」
名前:斎藤千佳
性別:女
所属校:鷹杳学園
武器:粒子化、
属性:???
その他:負けず嫌い。成績はそこそこなものの、HOPEの適性能力はなかなか高め。
和「おい、
千「ん?二つ名だね。基本は粒子なんだけど場合によって出す武器が違うし、同じガーディアンなら全く同じ武器で同じように戦うことができるからねー。そこからついたみたい」
和「二つ名ってつくもんなの?」
千「つくよ。自分でつけたり他人が勝手につけたり…ちなみに自分のは勝手につけられた方ね」
和「へー…俺は別にいらないな」
そんなこと言ってもつけますけどね!(作者の声)
和「ところで次回はどうなるんだ?」
千「そろそろ物語が動くらしいよ?ただ次は鷹杳学園以外の生徒がでるかもって」
和「鷹杳学園以外って…誰が出てくるんだよ?」
千「中学時代の知ってるやつらしいよー」
和「ということはあいつだったりしてな、ほら、お前の初こ…」
千「うわああああああああああ!待った!!ストップ!!!(ここで和幸の口を塞ぐ)」
和「ふがぁ?!(は?!)ふぁなふぇ!(放せ!)」
千「それ以上言うなあぁぁぁ!」
和「ふぁぶぁっふぁから!(分かったから!)お、落ち着けって!」
千「はぁ…はぁ…」
和「…まあ次回作も期待しててくださいねー!」