これは是非とも祝わねばなるまい!!
今回は前回投票で多く票をとったキャラも登場させますので、見逃さないように目を凝らしてください。
では、ウンメイノーライブ事件スタートです。
『ライブ当日』
雲ひとつも無い快晴の空である。
イベントを行うには丁度いい天気。
何より、今日は重大イベントであるツヴァイウイングのライブ。会場の周りは多くの人だかりで溢れている。
ある者はライブを待ち遠しく思い、ある者はグッズ確保のために奔走し、ある者は屋台で働いたりと様々な目的を持つ人でいっぱいだ。
「ここかぁ……ライブの場所はぁ……!」
あの茶髪の男性も恐らくはかなりのファンであろう。
ツヴァイウイング最高と書かれた法被を羽織り、両手にはサイリウムを握っていることから、かなり分かりやすかった。別世界じゃ、戦いに快楽を見出してそうに思える。
そんな人で溢れた会場に一人の少女が歩いている。
名を立花響。人助けが趣味な女子中学生。好きな物はご飯×ご飯のベストマッチ!。
そんな彼女は親友とライブを一緒に来ることになったのだが、昨日からテンションが上がっており、約束した時間よりも一時間も早く来てしまっていた。それ故に、時間潰しがてら屋台を回っていた。
焼きそば、お好み焼き、フランクフルト、チョコバナナ、綿飴等など、食べる事が好きな響にとってどれも魅力的なもので正直迷っていた。そんな決めかねていた時、
「そこの嬢ちゃん!」
響はたい焼きの屋台から初老の男性が声を掛けてくる。
「お嬢ちゃん、たい焼きなんてどうだい?
うちのたい焼きは外はカリッ、中はふわふわもちもちで最高だ!」
「うーん、じゃあたい焼き3つください!」
はいよ!という注文を受け取った男性は、奥から誰かに向けてあれの準備を頼むと言って、たい焼きを作る準備を整えてる。
「?」
そしてその準備が終わったらしく、奥から1人の若い男性が現れた。
手作り感満載のボディスーツを着ており、バイクのヘルメットを被っている。
「どうよお嬢ちゃん!これがうちの新兵器、
『鯛焼き名人アルティメットフォーム』だ!」
「えぇ…」
あまりの光景に思わず苦笑いする響。
ノリノリな店主のテンションには着いていけてないようだった。
「こんなナリでたい焼き作れんのかと思ってるだろ?
安心して見てな!」
と店主は自信満々に響に語る。
そしてたい焼き名人はたい焼き器の型に生地を素早く流してこんでいく。
早い。
あれほどの重力感溢れるスーツを来ているのに、その作業スピードはとても早く、響きに一切の不安を感じさせなかった。
それどころか響が少し考えている間に、いつ間にか焼きあがっている。
恐ろしく早い焼き上げ。
焼き加減も申し分ない見た目。まさしくたい焼き名人と言うに相応しい。
「はい、お待ちどうさまです。オマケに1個入れてたから沢山食べてな!」
「わぁ~!ありがとうございます!」
響はたい焼きの入った紙袋を受け取り、店主に挨拶をしてその場を後にする。
「この世界もだいぶ歪み始めてきているな…」
遠目から響を見つめている一人の青年。懐から黒い筒状の万華鏡を取りだし、彼女に向けて覗き込む。
万華鏡特有のあざやがな模様は見えず、どこまでも続く闇しか見えない。まるでこの世界の未来を予期するかのように不気味であった。
一見した後は、その青年は人混みの中へと紛れて姿を消す。
彼の先程言った言葉が、何を意味しているのかは本人しか分からない。
『ライブ開始の数分前』
「では…引き続き頼む
勿論、
ライブ会場の地下の実験場。
通話を切り、風鳴弦十郎は携帯を胸ポケットにしまい、はぁ~と溜息をつく。
「あらぁ~どうしたのかしら?弦十郎君?」
透き通った猫なで声を発しながら、弦十郎に近づくおば、麗しき美女。名を櫻井了子。
「あぁ、了子君か
例の遺跡跡地での調査報告が来たんだが、未確認一号を追えるモノはやはりなかったらしい。」
「そう、ダメ元でやってた調査だし仕方ないわ
今はこちらの方を優先しましょう、司令さん♪」
考えすぎの弦十郎を思ってか、茶花を入れる了子。張り詰めていた弦十郎の顔も、少し緩む。
「ありがとう、了子君
今は起動実験に集中するとしよう」
弦十郎は視線をあるモノへと移す。
彼が先程言った起動実験に大きく関わり、今この会場でツヴァイウィングのライブの真の目的でもある聖遺物。
名を『
古代の人々によって造られ、現代まで破損のない状態で現存されている完全なる聖遺物。
この鎧の起動させるため、ツヴァイウィングのライブを利用しているのだ。
モニターから奏と翼の様子を確認している弦十郎は、怪訝な顔を浮かべている。
「………」
嫌な胸騒ぎがする。
弦十郎の根拠の無いただの六感に過ぎないが、後にこの胸騒ぎが現実になる事を、今の彼は分からない。
それと同時に、櫻井了子も誰の目にも映らないように邪悪な笑みを浮かべている
『同刻 控え室』
「はぁ……」
緊張と不安に押しつぶされかけている少女「風鳴翼」は、思わず溜息を着く。
引き込み事案な性格の彼女にとって、今日ほどの大舞台にいつも以上のプレッシャーを受けていた。今回はライブだけではなく、聖遺物の起動実験の任務も含まれているからだ。
失敗してはいけない。絶対に成功させなければならないと意気込んでみたものの、いざ当日になると気持ちが180度反転してしまっている。
「(どうしよう…私に出来るのかな?)」
胸を締め付けられるように苦しい。
翼が不安に包まれている、その時であった。
「わっ!」
翼の後ろから大きな声が響く。
不意な出来事に驚いた翼は思わず立ち上がり、すぐさま後ろを振り向く。
「どうだ、驚いたか?」
「か、奏!
急に驚かさないでよ!」
振り向いた先にいたのは、自身の相方の奏であった。
ニヤニヤと笑みを浮かべながら翼を見ている。
「へへっ!
でも、これで緊張はほぐれただろう?」
「あっ…」
確かに翼にまとわりつく様な緊張は消え去っていた。奏なりの翼を思っての発破なのだろう。
ライブの成功。ネフシュタンの鎧の起動実験の事を一瞬忘れることが出来た。
凄く心の中が軽くなったような気分なった翼は、深呼吸をして息を着く。
「ありがとう…奏」
自信を気遣ってくれた奏に感謝を告げる翼。
「気にすんなよ
さあそろそろ時間だし、いこうぜ!」
迷いのなくなった翼は、奏に追従する形でステージを向かってかけて行く。
「………」
掛けて行った二人を物陰から見つめるフードの男。
何処か悲しげな雰囲気を出して、その場を後にした。
『ライブ開始より数時間後』
まるでこの世の地獄を見ているようだった。
先程まで華やかで盛り上がっていたこの場所は、ある厄災によって一瞬にして廃墟も同然なモノへと変わっている。
夢でも見ているのなら、こんな夢覚めて欲しいと思えるだろう。だが無慈悲にも、これは現実。受け入れる他ない。
今こうして見つめている光景に私は手出しはできないのだから。
「いつか…心と身体…全部からっぽにして、
思いっきり歌いたかったんだよな。」
ああ…やはり運命は変わらないようだ。私という
私が余りにもちっぽけな存在に過ぎないのか、はたまた世界の修正力が半端でないほどの力なのか。
「………」
やはりまだ迷っている。
本当に彼女を助けてしまっていいのかと。
覚悟を決めたはずなのに、どうして躊躇してしまう。見ている側だった時は…悲しみこそあれ彼女の死を受け入れた。
短い時間とはいえ、彼女との対面を果たした。
生きている。今を生きているんだ彼女は。
目の前で血反吐を吐きながらも、一人の少女の盾となって戦った。
既に体はボロボロであるはずなのに…
ああ…そうか…。
やはり私は覚悟が足りていなかったらしい。問答の末に答えを出したつもりでいた。
浅はかな自分を殴りたいと思っていると、彼女は滅びの歌を口にする。
「Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el baral zizzl
Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzl」
瞬間。
辺りは光に包まれる。
莫大なエネルギーの奔流は、ノイズ達を瞬く間に消滅させていった。
正しく絶唱と呼ぶに相応しい威力であろう。
だが…発動した本人は倒れ込み、虫の息であった。
「………」
そんな彼女に近づく私。瓦礫の隙間をくぐり抜けながら歩いていく。
何を言おうか、考えていると私は驚いた。最初に口を開いたのは彼女なのだから
「あんた…あん時の…人……だろ……?」
思わず、ギョッとした。
何故と思った。
あの時はこの服の効力で認識を変化させていたのに。
頭の中で疑問ばかりが募っていく。
「はは…何となく…雰囲気が…似てたからさ……」
自身が死にかけているにも関わらず、彼女は耐え難い苦しみを感じている状態なのに、笑みを浮かべて話をかけてきた。
「なぁ…私って…誰かを救うことが……出来たかな……」
「ッ!?」
彼女はノイズによって人生を狂わされた。
しかし復讐を思って生きていた人生の中で様々な出会いを持って変わっていった。
心の底から自分が変われたかを問われる。
何故だろう…なぜ私は泣いている。
そうか…私はやはり…
「あぁ…君は救っていたさ。だからこそ…君はここで死んではいけない
君の運命は私が変える…だから君も!生きることを諦めるな!!」
そう言うと私は戦姫降臨歴を開き、空白のページを彼女に向ける。
「あぁ…」
短い返事を終えた彼女は光に包まれて、本の中へと消える。
覚悟は決めた。絶対に救う。
「貴様か…貴様が奏を!!」
気配を感じた方を振り向く。そこには怒りの形相を浮かべ、天羽々斬を振り上げた翼。
恐らく先程の光景を見て、私が奏を殺したと勘違いしたのだろう。
彼女が冷静なれる状況ではないので…
「風鳴翼…次に出会う時は…もっと腕をあげておくといい」
本の中に封印していた閃光弾を発動させ、その場から消える。
「絶対に許さない…私は…貴様をムッコロス!!」
こうして…ライブ事件は幕を閉じた。
新たなる運命を孕んだこの世界の行く末は…誰にも分からない。
次回の戦姫絶唱シンフォギアは、
『ご飯!×ご飯!ベストマッチ!!』
「不破さん、ゴリラになる」
「エボルトと契約して魔法少女に変身」
の三本です。(※本編には関係ありません)
次回もまた見てくださいね!
ジャン!ケン!逢魔時王必殺撃!!
進めて欲しい番外編は?
-
地獄兄妹編
-
鏡の中の片翼編
-
漆黒の吸血鬼編
-
俺たちの戦場編
-
本編見たい