部屋に幽霊でもいるんじゃないかと思ってます。
さて、今回はエミウォズの新たなる仲間が増えます。
察しのいい方は名前の意味をすぐに見つけられるかもしれません。
ではウンメイノー第3話、どうぞ。(ウワァァァァ!!)
ツヴァイウイングのライブ事件より数日。
新聞やニュースでは、話題が変わらず事件の報道ばかりであった。
ノイズによる災害はさして珍しいものではないが、これ程の大規模な被災の爪痕は大きいのだろう。何より一番の出来事は、ツヴァイウイングの一人『天羽奏』が行方不明となっていることだ。
正確にはノイズによって灰化された人は、死体が残らないため死亡扱いには出来ず、こうして行方不明扱いにする他ないのだ。事実上の死亡宣言であるため、ファンの多くは悲しみにくれたであろう。
最も、一部真相を知っている者は除くが。
「やはりダメだったか…」
ウォズは新聞に目を通し、ふとつぶやく。
先日のライブ事件の影の功労者である彼は苦虫を噛み潰したような表情だった。
『ライブ事件の生存者に対する迫害』
犠牲者の数は原作の世界に比べ、ウォズの仕込みにより大きく減らすことができたが、やはりこればかりは運命づけられているようだった。
どうやら世界の修正力の前には叶わないらしい。
「しかし…彼女ならば乗り越えられるはずだ」
確かに今の響は未熟。
だが原作の彼女は強い精神であらゆる苦行乗り越えた。だからこそ、私が出来ることは信じること。それだけだ。
新聞を畳み、ベンチを立とうとした時であった。
「ん?」
近くのビルから黒服のスーツを着たガタイのいい男二人に投げ飛ばされている女性を見た。
白衣を来てることから何かしらの製造や研究者なのだろう。
「はぁ…再っ悪…これで26回目めなのに…」
女性は白衣に着いた汚れを払い、立ち上がる。
「っ!?」
私はあの女性の顔を知っている。
否、私が見ていただけというだけに過ぎない。
間違いなく、あれは……
「スターリット…」
戦姫絶唱シンフォギアXDのキャラクターのスターリット。
初めて作中で『エレクライト』を使用した者だ。あの顔は間違いない。
だがしかし…一体なぜこの世界に……
一先ずは声をかけてみることにしよう。
「失礼、君の名前はスターリットという名前かな?」
私の存在に気づいた彼女はこちらを向く。
「なぜ私の名前を?
確かに私の名前は葛城スターリット……
天才発明家よ!!」
成程、そういう事か。
恐らく、彼女はこの世界のスターリットだ。
この世界に来て数日しか経ってないが、色々なアニメの世界で登場した人物を何人か見かけている。しかし、必ずしもその人物が物語に出てきた本人と同じという訳ではなかった。
と言うよりも、その本質は容姿だけ似ている別人と言うべきかもしれない。
やはりこれも神の仕業なのか…
偶然という言葉で片付けるには、無理がある。
「すまない、知り合いに似ていたもので」
「気にしないでください、はぁ…それにしてもなんで誰も雇ってくれないのかしら……」
はァ…と大きな溜息を着くスターリット。
彼女の先程の…26回目もダメ、どこも雇ってくれないというワードを聞く限り、恐らく技術者として自分を売りに出しているところなんだろう。
しかし、XD本編でのスターリットの技術力は確かなモノ。
このシンフォギア世界ではそうでないのか?
「失礼だが、どういったものを売り込もうとしたんだい?」
「え、えぇ
でもここで話すのもあれですし、うちに来きませんか?
ここで出会ったのも何かの縁ですし」
確かにこの縁は奇妙ではあるが、同時に何かの面白いものになりそうだ。
これからのことは、ひとまず彼女の家まで行ってから考えることにしよう。
「あぁ…よろしく頼むよ」
歩くこと数分。
私とスターリットはとある寂れた喫茶店の前に立っていた。
「ここが君の家か…喫茶店のように見えるが?」
この喫茶店…『tacica』と書かれた看板を見て、生前に見た特撮のとある喫茶店に似ている。客がいない所も含めて。
「まあ、喫茶店としては潰れてるけど、あとは中に入ってからのお楽しみですよ」
そう言うスターリットの後に続いて店内へと入る。
まあ、案の定と言うべきか。喫茶店として営業していた形跡はあった。
テーブルや椅子、果ては店内にホコリが溜まっているかと思っていたが意外にも掃除は行き届いている。彼女一人でやるにしても大変な作業になるが…
「ん?」
カウンターの奥にポツーンと置かれている冷蔵庫。
何だろうか…平成に染まりきっていた私にはこの後の展開がだいだいわかっている。
「本命はこっちよ」
スターリットは冷蔵庫の扉を開ける。
中は、食材や飲食物が敷き詰められていると普通の人は思うだろう。
しかし、そこにあるのは斜め上を行く答え。地下へと続く階段であった。
「これは…」
「まあ、降りてからのお楽しみ」
私はスターリットに続いて階段を降りていく。
「これは……凄いな……」
まさにラボと呼ぶには相応しい設備で埋め尽くされていた。
名称等はよく分からないが、触るのすら怖い高そうな機械や工具の数々。正しく発明家らしい部屋だと言える。
「凄いでしょう!!最高でしょう!!ここが私の心のオアシスなんですよ!!」
「あっ…あぁ…」
スターリットの勢いに押され、苦笑いを浮かべて返事をする。なんというか…この世界の彼女は某天才物理学者のような性格みたいだ。だがそれはそれで可愛いので許そう。
「それでお見せしたいというのは?」
「はい!こちらです」
そして彼女は奥からサッカーボールぐらいの大きさの赤い球体を持ってきてこちらへと差し出した。まさか棒機動戦士の球体型のロボットじゃないだろうな…。
「ご心配なく、スイッチオン!」
高らかに叫んでスターリットは赤玉のボタンを押す。
すると次の瞬間、赤玉が兎型のロボットへと変形する。
「おお…!」
変形したロボットがスターリットの肩へと乗る姿に思わず、声を出してしまう。確かにこれはすごい発明だ。
「このロボットはレッドラビットMark-2
人が入れない場所や秘境などの探索を目的としたロボットです!
どうでしょう!最高でしょう!!」
「これはすごい!
しかし…これほどの精巧のモノを売り込んできたのに、追い出されたんだい?」
と私は彼女のロボットを感嘆しつつ、核心をつく一言を言う。
うっと苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるスターリット。どうやら本人的にはあまり触れてほしくないことらしい。
「すまない…配慮が足りていなかったよ…」
「いえ…ちょっとこのレッドラビットは…その…制作コストかあまりにも高いのが…問題でして……」
なるほど…。
そういうことだったのか。確かに企業側も幾ら高い技術がある人を雇おうにも、制作コストがかかるものばかり作られては困る。余程余裕がある企業でなければ、雇うのは無理であろう。
しかし…彼女の技術を捨ておくには惜しいものだ。他の発明品も凄いものばかり。
「(そうだ!)」
ここで私は一つの妙案が浮かぶ。
「スターリットさん、私で良ければ資金を援助させてくれないか?」
「え?え?それってつまり…?」
私の突然の発言でフリーズしてるスターリット。
私間髪入れずに直ぐにこう言った。
「資金援助をする代わりに……私に協力して欲しい…」
私は深々と彼女に頭を下げた。
彼女の技術だけが欲しいのではない。この世界が本来ありえないifだと言うのならば、もしかしたらこの先の悲劇を回避することができるかもしれない。そのために彼女には協力者になって欲しい。
「突然こんな勝手な事を言っているというのは分かっている…嫌ならば断っても構わない……」
そうこれは私のエゴでしかない。断られても文句は無い。
「顔をあげてください……私も突然の事で脳の処理が追いついて言っていませんが…先程の話…お受けします……」
「え?」
「貴方と私は出会って数時間しかたっていません…しかし貴方のその真剣な目を信じてみようと思うんです
むしろ…こちらの方がお願いします」
彼女はそう言い、此方へと手を差し伸べた。
私はその手を握り返す。
「改めて…葛城スターリットと言います
よろしくお願いします」
「シュガー・クラフト・ウォズレック
気軽にウォズと呼んでくれ」
この日…ありえない世界で新たなベストマッチが誕生した。
「そろそろ行くか…」
椅子から立ち上がった青年。その右腕にはマゼンダ色のバックルを握っている。
「この世界がどうなるか……見極めさせてもらう」
次回の仮面ライダーディケイドは、
「運命を変えるのは簡単じゃない」
「我が師より賜った槍技、ご覧あれ」
「この世界を破壊する」
次回『破壊者・オン・ザ・ロード 2041』
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