なんでアマプラのは修正版じゃないんでしょうかね?
「クッ…
セイバーとの打ち合いは苛烈を極めた。干将・莫耶は何度も砕かれ、そのたびに投影して生み出す。
美遊とイリヤも支援しようと魔力砲を飛ばすが、信じられない程に高密度の黒い魔力の霧により阻まれる。
遠坂とルヴィアの宝石魔術も、セイバーの対魔力を超えるにはランクが足りない。
俺も、剣戟に置いて防御に徹するのならば五分を保てるが、攻めきる事が出来ない。異常とも呼べるセイバーの勘の鋭さに、こちらの攻めは凌がれる。安易にその懐に潜り込めば、切り捨てられるのは俺だろう。
このままでは、既にキャスター戦で消耗しているこちらの不利。元より、この身はアーチャーだ。近接戦闘はセイバーに一歩劣る。この拮抗もいつまで保たせられるか分からない。
状況を打開する為には、
逡巡するが、そう余裕も無い事に心の中で悪態をつく。
「美遊!!……頼む!!」
良いんだね?
そう言いたげな美遊に、頷いてみせる。
美遊が飛行の特訓をしていた折に、二人で話し合った俺達の奥の手。そう、このカードの本来の使い方。
「―――告げる!汝の身は我に、汝の剣は我が手に。
聖杯のよるべに従い、この意この理に従うならば応えよ!
誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者!我は常世総ての悪を敷く者――。
汝三大の言霊を纏う七天!抑止の輪より来たれ、天秤の守り手――!」
「クラスカード、ライダー…」
クラスに応じた英霊の力の一端を写し取り、自身の存在へ上書きする疑似召喚。
「
美遊の姿が変わる。多少差異はあるが、その姿は少し前に戦ったライダーそっくりだった。
一度俺は距離を取り、遠坂・ルヴィア・イリヤの三人の前に陣取る。
「士郎、あの力美遊も使えたの!?」
「質問は後にしてくれ!そこを動くなよ、これからセイバーの宝具を誘う!」
「はぁ!?」
混乱する三人を置き去りに、投影を始める。
俺の代わりにセイバーの相手をしている美遊は、変則的な動きで相手を翻弄している。
ライダーであれば、セイバーより敏捷で勝っている。そして、美遊が眼帯を外した。
「―――
放たれた一矢。
セイバーの鎧は砕け、傷は負わせた。しかし、やはり直撃はしていない。魔眼の影響下にあっても、あの勘の良さによりダメージを軽減されたようだ。
だが、それで良い。負傷させ、追い込んだ。そうすれば、必ず敵は宝具を使用する。
「お兄ちゃん、わたしは信じてるから」
いつの間にか俺の隣に戻ってきていた美遊がそう言う。
「あぁ、任せろ」
作戦の要は俺だ。
致命的な隙を生み出す為に、敢えてセイバーに宝具を打たせる。そして、それを防ぐ事が出来るのは、この場では俺だけだ。
思い浮かべるは、この英霊が持ち得る中で最高の防御力を誇る盾。
セイバーに渦巻く魔力が収束する。
同様に、隣にいる美遊の魔力も高まる。
「―――I am the bone of my sword…」
「―――
「―――真名開放…メドゥーサ…」
三人の魔力が高まり、吹き荒れる。
「
「
花弁が開き、俺達の前に広がる。
黒い極光が、全てを飲み込まんとする。だが、防ぎきれる。防いでみせる!
「行くよ!!」
天馬に跨がった、彼女の鎖付きの杭が黄金の手綱に変化する。
「
それは流星の如き勢いで聖剣の光を掻き消しながら、セイバーへと突貫した。
幻獣による、攻守ともに最高レベルとされる物理攻撃。
それを食らっては、セイバーといえどひとたまりも無かったようだ。
破壊による煙と、魔力の残滓が収まった時、そこにはセイバーのカードがあった。
「終わった…か」
なんとか俺達は生き延びた。
こうして、長かった夜はひとまず終わりを迎えた。
「ルビー…なんか私、役立たずじゃない!?」
「……………大丈夫!イリヤさんには一番魔法少女っぽいというアドバンテージがありますから!」
「今の間はなにーー!?」
補足1:セイバーの強さはちょっと盛ったかもしれないです。士郎は一度セイバーのカードに勝っているので、黒化英霊のセイバーにも一人で勝てるかもしれません。後ろにいる凛やルヴィアにセイバーの注意が向かないようにしていたので、全力を出せなかったという事にしておいてください。
補足2:この時点で美遊がカードをインストールする展開に。理由は、士郎がカードの本来の使い方を既に見せているので、隠匿する必要性も無かった為。メタ的な事を言えば、劇場版HFのオマージュの為にそうしました。