二人の“誓い”は運命を変える   作:坂本パン

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 最近、雪下の誓いのBlu-rayを買ったのですが、結構絵の修正されてるんですね。
 なんでアマプラのは修正版じゃないんでしょうかね?


[第十三話]クラス・セイバー

「クッ…投影開始(トレース・オン)!」

 

 セイバーとの打ち合いは苛烈を極めた。干将・莫耶は何度も砕かれ、そのたびに投影して生み出す。

 

 美遊とイリヤも支援しようと魔力砲を飛ばすが、信じられない程に高密度の黒い魔力の霧により阻まれる。

 

 遠坂とルヴィアの宝石魔術も、セイバーの対魔力を超えるにはランクが足りない。

 

 俺も、剣戟に置いて防御に徹するのならば五分を保てるが、攻めきる事が出来ない。異常とも呼べるセイバーの勘の鋭さに、こちらの攻めは凌がれる。安易にその懐に潜り込めば、切り捨てられるのは俺だろう。

 

 このままでは、既にキャスター戦で消耗しているこちらの不利。元より、この身はアーチャーだ。近接戦闘はセイバーに一歩劣る。この拮抗もいつまで保たせられるか分からない。

 

 状況を打開する為には、もう一人英霊(・・・・・・)が必要だ。

 

 逡巡するが、そう余裕も無い事に心の中で悪態をつく。

 

「美遊!!……頼む!!」

 

 良いんだね?

 そう言いたげな美遊に、頷いてみせる。

 

 美遊が飛行の特訓をしていた折に、二人で話し合った俺達の奥の手。そう、このカードの本来の使い方。

 

「―――告げる!汝の身は我に、汝の剣は我が手に。

 聖杯のよるべに従い、この意この理に従うならば応えよ!

 誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者!我は常世総ての悪を敷く者――。

 汝三大の言霊を纏う七天!抑止の輪より来たれ、天秤の守り手――!」

 

 通行証(カード)を介した英霊の座への間接参照(アクセス)

 

「クラスカード、ライダー…」

 

 クラスに応じた英霊の力の一端を写し取り、自身の存在へ上書きする疑似召喚。

 

夢幻召喚(インストール)!!!」

 

 美遊の姿が変わる。多少差異はあるが、その姿は少し前に戦ったライダーそっくりだった。

 

 一度俺は距離を取り、遠坂・ルヴィア・イリヤの三人の前に陣取る。

 

「士郎、あの力美遊も使えたの!?」

 

「質問は後にしてくれ!そこを動くなよ、これからセイバーの宝具を誘う!」

 

「はぁ!?」

 

 混乱する三人を置き去りに、投影を始める。

 

 俺の代わりにセイバーの相手をしている美遊は、変則的な動きで相手を翻弄している。

 

 ライダーであれば、セイバーより敏捷で勝っている。そして、美遊が眼帯を外した。

 

 石化の魔眼(キュベレイ)。完全にセイバーを拘束するには至らなかったようだが、それでも充分だ。

 

「―――偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)!!!」

 

 放たれた一矢。

 セイバーの鎧は砕け、傷は負わせた。しかし、やはり直撃はしていない。魔眼の影響下にあっても、あの勘の良さによりダメージを軽減されたようだ。

 

 だが、それで良い。負傷させ、追い込んだ。そうすれば、必ず敵は宝具を使用する。

 

「お兄ちゃん、わたしは信じてるから」

 

 いつの間にか俺の隣に戻ってきていた美遊がそう言う。

 

「あぁ、任せろ」

 

 作戦の要は俺だ。

 致命的な隙を生み出す為に、敢えてセイバーに宝具を打たせる。そして、それを防ぐ事が出来るのは、この場では俺だけだ。

 

 思い浮かべるは、この英霊が持ち得る中で最高の防御力を誇る盾。

 

 セイバーに渦巻く魔力が収束する。

 同様に、隣にいる美遊の魔力も高まる。

 

「―――I am the bone of my sword…」

「―――約束された(エクス)……」

「―――真名開放…メドゥーサ…」

 

 三人の魔力が高まり、吹き荒れる。

 

熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)――!」

勝利の剣(カリバー)ーーー!!!!」

 

 花弁が開き、俺達の前に広がる。

 黒い極光が、全てを飲み込まんとする。だが、防ぎきれる。防いでみせる!

 

「行くよ!!」

 

 天馬に跨がった、彼女の鎖付きの杭が黄金の手綱に変化する。

 

騎英の手綱(ベルレフォーン)!!!」

 

 それは流星の如き勢いで聖剣の光を掻き消しながら、セイバーへと突貫した。

 

 幻獣による、攻守ともに最高レベルとされる物理攻撃。

 それを食らっては、セイバーといえどひとたまりも無かったようだ。

 

 破壊による煙と、魔力の残滓が収まった時、そこにはセイバーのカードがあった。

 

「終わった…か」

 

 なんとか俺達は生き延びた。

 

 こうして、長かった夜はひとまず終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

「ルビー…なんか私、役立たずじゃない!?」

 

「……………大丈夫!イリヤさんには一番魔法少女っぽいというアドバンテージがありますから!」

 

「今の間はなにーー!?」

 




補足1:セイバーの強さはちょっと盛ったかもしれないです。士郎は一度セイバーのカードに勝っているので、黒化英霊のセイバーにも一人で勝てるかもしれません。後ろにいる凛やルヴィアにセイバーの注意が向かないようにしていたので、全力を出せなかったという事にしておいてください。

補足2:この時点で美遊がカードをインストールする展開に。理由は、士郎がカードの本来の使い方を既に見せているので、隠匿する必要性も無かった為。メタ的な事を言えば、劇場版HFのオマージュの為にそうしました。
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