仮面ライダーアマゾンズ season3   作:フクロー兄貴

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前回、1話で大変なミスを犯してしましました。劇場版で悠のネオアマゾンズドライバーは破壊されているのにニューオメガに変身させてしまうという…指摘してくださった方本当にありがとうございます。しっかり訂正させて頂きました。次からはそんな事がないよう努めます…。それではEPISODE2どうぞ。


EPISODE2 THE REMAINING REASON

 

「橘本部長。どうやら彼は理性が残っているようです」

 

白い白衣に身を包んだ研究員が、橘にオオカミアマゾンの『ハク』の近況を報告する。すると、橘はこんな疑問を投げかける。

 

「薬品の投与である程度制御が出来そうか?」

 

はいと答える研究員に、少し不満気な顔をしながらも、計画の変更の指示を与えた。

 

「ハクには新たなアマソンズドライバーを。シグマ体は、また新たに」

 

わかりましたと答えると、研究員は新たなアマゾンズドライバーの保管されている部屋へ向かった。部屋に入ると、厳重にされている金庫があった。研究員は6桁の数字を入れて、金庫を開ける。そこには、白銀に輝く狼の造形をしたアマゾンズドライバーが保管されていた。瞳のような造形部分はオオカミアマゾンの様に細長く鋭く、ドライバーの内部を守る外側は、怒った狼の毛が逆だっているようにトゲトゲしかった。耳の様なもの右耳だけは前側に押し倒せるようになっており、これを使って肉体強化や変身を行うようであった。傍においてあった狼の様な造形のアマゾンズレジスターと新たなアマゾンズドライバーを手に取ると、研究員はハクが収容されている無菌室へ向かった。全てが真っ白で、何も無い部屋に足を鎖で繋がれて座っているだけのハク。右腕には、簡単な薬剤投与器、『アマゾンズレジスター』が付けられている。そこへ新たなアマゾンズドライバーを持った研究員が、入ってくると、ハクは高い青年の声で叫んだ。

 

「来るな!」

 

少し後ずさりながらも、ハクに近付く研究員。黒い髪に、つり目のハクは、研究員に睨みをきかせる。そんなハクに、研究員は話し掛ける。

 

「君は一欠片も人肉を食べていない。人間を食うのが怖かった。違うか?」

 

ハクは少し動揺し、唇を噛む。ゆっくりハクに近づく研究員は、アマゾンズドライバーと新たなアマゾンズレジスターを見せた。

 

「これがあれば、君は人間を見て少しも食べたいと思わなくなる。それに、アマゾンとしての力も大幅に強化される」

 

「そうやってまた僕を洗脳するんだ!」

 

立ち上がって叫ぶハク。研究員は、そんな事はしないと説明した。

 

「これはただ単に食人衝動を無くすだけで、本来の君の人格は破壊されたりはしない」

 

そう言うが、更にハクは噛み付いてくる。

 

「僕の人格は破壊されなくても、お前らの言うことは絶対の、お前らで言う理想の忠犬になるんだろ!」

 

完全に図星の反論に、声が出なくなる研究員。その反応に更に激昂するハク。それを見兼ねた橘本部長は無菌室に入ってくると、また別のアマゾンズレジスターを見せた。

 

「これは薬品の投与が途切れること無く、ハク君が暴走して人を食うことも無くなる。まあ、食人衝動は完全には抑えきれないがね。これに洗脳作用は全くと言ってほどない。これをつけてくれ」

 

研究員に渡すと、橘は部屋から出ていった。研究員は、アマゾンズレジスターをハクにつけようとするが、ハクが暴れて中々付けられない。やっとアマゾンズレジスターを付け終わると、ハクは諦めたように抵抗をやめた。研究員はアマゾンズドライバーを手渡すと、足に繋がっている鎖を解いた。前につけていたアマゾンズレジスターも外すと、ハクに言った。

 

「これで君はある程度自由に活動できる。4Cの監視の元でだがね」

 

そう言うと研究員は部屋から去っていった。ハクは、無菌室から出ると、橘に呼び止められた。

 

「ハク君、君には黒崎隊に行ってアマゾンを狩ってもらう」

 

突然の指示に、困惑するハク。

 

「かつての仲間を狩るということだ。心苦しいだろうが、頑張ってくれ」

 

「え、ちょっと」

 

橘はそのままどこかへ行ってしまった。取り敢えず黒崎隊とやらに合流しようと、黒崎隊の人間を探すが、全く見当たらない。正直、今の環境が苦しくて堪らないハクは逃げようと考えを張り巡らせていた時だった。

 

「おい!」

 

怒ったような声が聞こえた方へ振り向くと、全身黒の服に、タレ目だが怒っているように見える瞳をした、黒崎隊隊長、黒崎武がいた。

 

「お前が俺らと一緒にアマゾンを狩るなんてなぁ。あの時の借りは返してもらうぞ」

 

そう言ってハクの顔面を1発殴る黒崎。ハク自身心当たりはあったが、なぜ殴られなければいけないのか分からなかった。これからは仲間なんじゃないのか?

黒崎に腕を引っ張られ、どこかへ向かうハク。ある部屋の前に着くと、黒崎は扉を開けハクを押し入れた。ハクが起き上がり、周りを見渡すと、1人を除いて全員が包帯を巻いていた。胸に巻いている隊員や、腕に巻いている隊員など、様々だった。

 

「こいつら全部お前がやったんだよ!」

 

そう言ってハクの腹を蹴り上げる黒崎。更にハクの髪を鷲掴みにし、耳元で囁く。

 

「ごめんなさいは?」

 

「う…ごめ…んなさい…」

 

 

 

 

夜の11時。居酒屋は、会社帰りの会社員に埋め尽くされていた。

 

「はーい。少しお待ちください」

 

次々と注文を受けては、ビールや焼き鳥を客席へ運んでいく悠。悠はいつもより、少し元気が無かった。5年ぶりのアマゾンとの戦い。悠の心は少し荒んでしまった。自分の中の何かがまた暴れだしてしまう。戦いが好きな“本当の自分”を…。接客をこなすうちに時間はどんどんと過ぎていき、客も少なくなり、ついには閉店時間を迎えた。暑苦しい店内でかいた汗を白いタオルで拭き取ると、居酒屋の店長が焼き鳥と水を差し出す。

 

「腹減っただろ。食え、悠」

 

「ありがとうございます…志藤さん」

 

悠の働く居酒屋の店長は、かつて共にアマゾンを狩っていた駆除班の仲間、志藤真だった。

 

「今日は元気ねぇなぁ悠」

 

若い男の声は、ここで働く従業員の1人、長瀬裕樹。

 

「やっぱ…あれか…」

 

少しトーンを低くして呟く長瀬。

 

「何なんだよまた!」

 

そう叫び、カウンターに拳を叩きつける長瀬。

 

「おい裕樹。また戻ってるぞ」

 

チッと舌打ちをすると、顔をうつ伏せた長瀬。長瀬を心配し、声をかける悠。

 

「大丈夫。すぐ終わる。僕が全部終わらせる」

 

少し顔に笑みを浮かべたかと思うと、長瀬はまた声を荒らげた。

 

「いつ終わるんだよ!いつ、俺の苦しみを終わらせるんだよ!タクはアマゾンになって、死んで、健太は片足無くして…千尋とイユは…」

 

そういった時、長瀬は自分の言った事の重大さを知って、すぐさま悠に謝る。5年前、千尋と呼ばれる人の遺伝子を持ったアマゾンによって生まれた悲劇。それを終わらせたのは水澤悠…。

 

「俺もう帰るわ」

 

そう言って立ち上がると、店の奥の部屋に行き荷物を抱える長瀬。

 

「じゃっ」

 

それだけ言って長瀬は自分と両親の住む家に帰っていった。原付を走らせ、家へと帰る長瀬。10分ほど走らせ家に着いた長瀬。もう真夜中なのに点いている電気を不審に思いつつも、家の鍵をバッグから取り出し、鍵を開けようとするが、鍵が開いているのに気付く。おかしい。いつもは絶対鍵がかかっているはず。悪寒が走った長瀬は、乱暴にドアを開けると、靴を脱ぎ捨て、玄関のすぐ近くのリビングに入った。

 

「おかえり裕樹」

 

いつもの母の声。後ろ姿だが、いつもと変わらぬ母の姿に安心すると、長瀬は荷物を自分の部屋へ置きに行った。自分の部屋に入り、荷物を置くと、母が風呂に入るように言う。はいと返事をして下へ降りると、着替えの服と下着をタンスから取り出し、脱衣所へ行く。服を脱ぎ全裸になると、長瀬は浴室の扉を開けた。浴室に入ると、生臭い血の匂いが充満していた。床や壁には何やら赤い液体が飛び散っている。ふと、浴槽へ目をやると、そこには目を開いたままの血だらけの父の姿があった。湯は血に濁り赤くなっている。

 

「うわあ!」

 

驚愕のあまり、腰が抜けてしまった長瀬。一体何が…母さんが殺したのだろうか…?ふと気配を感じ、脱衣場の方を見ると、そこには紫の管のようなものが浮き上がった母の姿があった。

 

(嘘だ…嘘だ…なんで母さんがアマゾンに…それも…溶原性細胞を持った…!)

 

 

 

 

長瀬は高校時代、TEAM Xというグループを作り、不良仲間とアマゾン狩りをしていた。不良仲間の1人、山下拓也が溶原性細胞に感染し、アマゾンになり、仲間の健太の足を切断しなければいけないほどまでにし、TEAM Xは解散。やがて一緒にアマゾンを狩っていた仲間の1人の千尋も自分の生を全うし、1人残された長瀬は学校へ復帰する。意外にもクラスメイト達は仲良く接してくれて、険悪だった家族仲も修復されていった。やがて高校を卒業した長瀬は、大学に通いながらアルバイトに勤め、大学を卒業したあとも、フリーターながら、日々努力を積み重ねていた。全てが…全てが上手くいくはずだったのに…。その時、長瀬の何かがプツンと音を立ててきれた。

 

 

 

 

「消え失せろ害虫ぅぅ!」

 

不敵な笑みを浮かべながらフクロウアマゾンに変身した長瀬の母。エプロンの下には少しポッチャリとした体が隠れている。瞳は大きく、叫ぶ長瀬を優しく恐く見つめていた。全裸の長瀬はシャワーの水を出すと、熱湯にしフクロウアマゾンにかけた。さすがに熱かったのか少し怯むフクロウアマゾン。その隙を見計らい脇をとおりすぎた長瀬は、台所へ走るとナイフを手に取った。ゆっくり振り返り、ゆっくりと詰めてくるフクロウアマゾン。長瀬は恐怖と悲しみで体が強ばるが、意志を強く持ち、ナイフをフクロウアマゾンに突き付ける。

 

(お前はもう…母さんじゃねぇ)

 

「ゴミムシだァァァァァァァァ!」

 

そう叫び、ナイフをフクロウアマゾンに突き刺す長瀬。しかし、フクロウアマゾンはビクともせず。長瀬を鋭利な爪で引き裂こうとする。長瀬は咄嗟の判断で避けきると、台所から抜け出し、脱衣場へ向かうと、脱衣場に置いてあった携帯を取り出して、悠に連絡した。

 

「母さんが…アマゾンになった…来てくれぇ!」

 

突っ込んでくるフクロウアマゾンに気付き、咄嗟に避ける長瀬。携帯は遠くに飛んでいってしまった。立ち上がろうとした時、足元がふらつき尻もちをついてしまう長瀬。生まれて初めて母の前で、悲しみの涙を流した。

 

「ふっ、やっぱ辛いよなぁ…。悲しいよなぁ…。母さん…」

 

涙が滴り落ちる。涙でクシャニクシャになってしまった長瀬の顔を、包容力のある手で優しく撫でるフクロウアマゾン。長瀬は、その姿がアマゾンであろうと、今の姿は優しい母にしか見えなかった。フクロウアマゾンは、長瀬の頬に小さな傷を付ける。長瀬は、少し痛がるも、何も声を荒らげ無かった。傷をつけられた頬から血が流れると、フクロウアマゾンはその血を舐める。死を覚悟した長瀬が、何もかも受け入れようとした時だった。脱衣場に悠が現れた。腰に巻かれたアマゾンズドライバーのグリップをゆっくりと回す。

 

「アマゾン…!」

 

憎しみの籠った声でそう叫ぶと、悠はアマゾンオメガに変身した。赤く光る瞳は、フクロウアマゾンを鋭く見つめている。フクロウアマゾンの傍に駆け寄り、フクロウアマゾンを長瀬から引き剥がすと、そのまま外へ走っていった。長瀬がゆっくりと立ち上がり、脱衣場を出ると、志藤さんが立っていた。

 

 

 

 

真夜中に響き渡るアマゾン達の唸り声に、近隣住民が気付き、近くの建物に続々と光が点っていく。住民たちはベランダや窓から身を乗り出すと、携帯でオメガとフクロウアマゾンの戦いを撮っている。暗闇の中光るオメガの赤い瞳。フクロウアマゾンのエプロンごと体を切り裂くと、血とともにエプロンの綿が飛び散る。オメガが思い飛び蹴りをかますと、フクロウアマゾンはその吹き飛ばされた勢いを利用してそのまま羽を使って飛ぶ。オメガに対し、フェイントを仕掛けながらトリッキーな攻撃を仕掛けるフクロウアマゾン。オメガの隙を着いて突っ込んでくると、何とか反応したオメガがフクロウアマゾンの羽を掴み、共に中へうかぶ。フクロウアマゾンの筋力は凄まじく、オメガを乗せているのにも関わらず3階建ての建物程の高さまで飛ぶ。オメガは掴んでいる羽を力の限り引きちぎって、地面に落下する。オメガの手にはフクロウアマゾンの羽が握られている。羽を片方失ったフクロウアマゾンは地面へと落下する。着替えが終わった長瀬は、急いで家から出ると、羽を失った母であったアマゾン…そして羽を持っているオメガがいた。オメガは羽をどこかに投げ捨てると、羽を失いもがいているフクロウアマゾンに向かって飛びかかった。首を掴み、腹を殴って空中へ吹き飛ばすと、落下して来るフクロウアマゾンの落下速度を利用して、渾身の力で腕をフクロウアマゾンに向かって高く突き上げる。オメガの腕がフクロウアマゾンの腹を突き破ると、フクロウアマゾンはミイラの様に干からびてしまった。自分にのしかかってくるフクロウアマゾンの死体を投げ飛ばすと、オメガはゆっくりと変身を解いた。悲しみを背負った目で悠とフクロウアマゾンの死体を見つめる長瀬。志藤はゆっくり長瀬に近付くと、耳元でさりげなく言った。

 

「俺の仲間にもな、母がアマゾンになった奴がいる。そいつはな、その悲しみを背負って自分でその母アマゾンを殺した。今のお前にできることはな、アマゾンを狩って狩って狩り尽くすか、静かに生きていくしかない。それは好きにしろ」

 

そう言い捨てると、悠の方へ行く志藤。

 

「志藤さん!俺、アマゾンを狩る!全部狩って狩って狩り尽くす!」

 

ゆっくり振り返る志藤。

 

「よく言った」

 

 

 

 

閉店中の居酒屋に集められた元駆除班、高井望、三崎一也、福田耕一、そして水澤美月と、それに同行しているハチ。元駆除班を集めた志藤は、具体的な話をしだした。

 

「また新たにアマゾンが動き出した。それに、何故だか知らないが溶原性細胞を持ったアマゾンもだ」

 

溶原性細胞と聞いて、身が硬直する元駆除班。

 

「そこでだ。また新たにアマゾン狩りをしようと思ってな。こいつらを加えて」

 

そう言って出てきた長瀬と悠。悠には対して驚かなかった元駆除班だが、志藤が長瀬を入れると言ったのにはミナが驚いたようだ。

 

「大丈夫なんすかこの坊ちゃん入れて」

 

もう23歳の長瀬を坊ちゃん呼ばわりする一也に腹が立つも、長瀬は昨日の真夜中に起こったことで怒ることは出来なかった。元駆除班は、高校時代の長瀬について知っている。口は悪いが、情熱的で、本当は良い奴…。だが、若すぎるという理由や、実力が伴っていないという理由で、アマゾン狩りにはほとんど介入出来なかった。

 

「大丈夫だ。こいつには山ほどアマゾンと戦う理由がある」

 

そう言って、福田に目をやる志藤。

 

「フク、裕樹はお前が面倒みろ」

 

「はい」

 

事前に長瀬に話を聞いていた福田は、長瀬を同情の目で見ながら答えた。

 

「よし、久しぶり2全員集まった事だし、飯食うか!」

 

志藤が沈みかかっていた場の雰囲気を盛り返し、盛大に言った。

 

「やっぱり志藤さんの焼き鳥が食いたいっすよね!?皆。それとも…ここは坊ちゃんが!?」

 

坊ちゃんと言われ、一也の方を向く悠と長瀬。悠のも、前は坊ちゃんと呼ばれていたのだ。

 

「あ…ごめんごめん。水澤の坊ちゃんね!まあ別にヒロちゃんでも良いけど?」

 

直ぐにあだ名を修正する一也に苦笑しながらも、じゃあ俺が作ると言う長瀬。

 

「長瀬に出来るのか?」

 

相変わらずしけた顔で言う望。

 

「おい望。孤児院での態度とは全く違うな」

 

志藤さんが冗談交じりで言ったつもりだが、望は別にと言ってそっぽを向いてしまった。

 

「あーあーあー!のんちゃん拗ねちゃったじゃないですか!」

 

大袈裟に言う一也。望の前に出ると、望に言った。

 

「はい!子供にするみたいに、俺にもギュッて!」

 

「うっせー!だまれ!」

 

少し照れたように言う望。

 

「相変わらずお元気で!」

 

悠は、この暖かい雰囲気に、少しだけ安堵した。

 

 

 

 

「局長、溶原性細胞に感染した人間が一人見つかったそうです」

 

研究員の男が札森に言う。いつもダラっとしている札森も、流石に恐怖を感じる。

 

「もしかして…オリジナルがまだ残ってたり?」

 

そう問いかける札森を否定すると、考えられる仮説を述べる研究員。

 

「考えられるのは、前のアマゾンが病院を襲撃した時、一体取り逃したのですが、どうやら注射器が10本ほど盗まれたそうです」

 

つまり…と、目を配らせる札森。

 

「はい、恐らく、注射器で自分の細胞を採取し、人間に注入したのかと…」

 

ふっとひと安心する札森。しかし、まだ安全ではないことを札森に伝える研究員。

 

「もしアマゾン達が水源に溶原性細胞を持ったアマゾンの1部を放り込んだら…」

 

「よし。全部隊を総動員してアマゾンを狩らせよう」

 

そう言う札森。

 

「今のアマゾンにも腕輪はついてるから位置特定はできるでしょ?」

 

そう言う札森に、言いにくそうに言う研究員。

 

「実は…橘本部長がそのシステムを壊してるんですよねぇ…」

 

はぁ…

 

溜息をつくと、札森はまたダルそうに持っているタブレットで肩を叩いた。

 

 

 

 

「はぁ?溶原性細胞に感染した人間が見つかった?」

 

札森から連絡を受けた黒崎は、机を蹴り上げた。チッと舌打ちをすると、椅子に腰掛けた。

 

「まだか調査班はァ!」

 

通信係の小林に怒号を散らす黒崎。

 

「来ました!場所は…」

 

調査班からの連絡を受けた黒崎隊はすぐさま黒いバンに乗り込むと、植田はすぐさまバンにエンジンをかけ、走り出した。一緒にバンに乗っているハクに、黒崎は話し掛ける。

 

「仲間を狩る覚悟はあるんだろうなぁ?」

 

「そうするしかないんでしょ」

 

「随分偉くなったなぁ!返事ははいで良いんだよ!」

 

少し声を上げる黒崎。いつも以上に機嫌が悪い黒崎。それもそのはず。昨日は黒崎隊の休日日だったのに、美空隊がヘマをやらかして、1番近くにいた黒崎が向かわされたのだ。オマケに今日は溶原性細胞に感染した人間の発見。機嫌が悪い訳だ。20分程バンを走らせると、報告のあったもう使われていない倉庫前の道路に到着する。

 

「怪我で前線はれないやつはバンで通信しとけ」

 

そう言って、黒崎とハクと植田はバンから降りる。

 

「こんだけか」

 

そう呟き、倉庫へ歩みを進める黒崎。スナイパーライフルを構えながら、植田はゆっくりと進んでいく。倉庫の目の前まで来た時だった。突然、ゆっくりと倉庫が開いていった。倉庫が完全に開くと、椅子に縛り付けられている女性と、2人のアマゾンと思われる男と女が立っていた。椅子に縛り付けられている女性はもがき苦しんでいる、男に口を塞がれている縄を解かれる。

 

「助けてぇぇぇぇ!」

 

そう叫ぶと同時に、女性に紫の管のようなものが浮き上がる。意味の分からない光景に、少しだけ戸惑っている黒崎。

 

「ハク!変身するんだ!狩るしかない!」

 

植田が咄嗟に叫ぶと、ハクは持たされていた変身用エネルギーほ中ナゲットを食そうとするが、今まで野菜しか食べてこなかったハクは少し抵抗があった。椅子に縛り付けられている女性は煙を発しながらタランチュラアマゾンに変身すると、縛り付けられている縄をいとも簡単に引きちぎり、自由の身になった。横にいた男と女も、それぞれカナヘビアマゾンとキツネアマゾンに変身する。タランチュラアマゾンは、頭部や肩が大きく発達していて、頭部は4つの赤く光る目がある。腰の方には、糸を出す小さな器官が備わっており、体中は黒く、短い毛で覆われている。カナヘビアマゾンは、体中が茶色い鱗で覆われているが、無駄なものがなく、機敏に動き回れそうだ。頭部少し横にながく、赤い小さなつぶらな瞳がついており、口は蛇のようで、舌を時折出していた。キツネアマゾンは細身で、体は黄色と茶色の毛で覆われており、首にはマフラーの様に尻尾が巻きついていた。目はつり目で、口は小さいながら、中には鋭い歯を持っていた。三体のアマゾンがゆっくりと黒崎の方へ歩み寄ってくる。黒崎は持っているアサルトライフルを放つが、カナヘビアマゾンの鱗に弾かれてしまう。

 

「早くアマゾンになれ!」

 

そう叫ぶ黒崎の声を聞いて、ハクは思いっきりナゲットにかじりつく。思ったよりも美味しい肉の味に、ハクは虜になった。変身することも忘れ、ムシャムシャとナゲットをしゃぶり尽くす。ハクが腰に巻いている新たなアマゾンズドライバー、ニューアマゾンズドライバーは、既に瞳部分が黒く発光し、変身可能状態だった。ナゲットを食い尽くし、そこら辺に投げ捨てると、ニューアマゾンズドライバーの右耳部分を、優しく押し倒した。耳はゆっくりと元に戻る。

 

「アマゾン!」

 

力強く叫ぶと、辺りには白銀の炎が上がり、炎が晴れるとそこに立っていたのは、全身を白い皮膚に覆われ、その皮膚には少しグレーのようなアマゾン模様が入っており、頭部は口部分から顔全体を拘束具のような銀の鎧が付けられており、瞳は今までのオメガなどとは違い、細く吊っている。口部分は拘束具のような鎧を付けられているが、鋭い牙のようなものが確認できる。胸部には胸を守るように銀の鎧が、両手には、篭手のように銀の鎧が、両足にも同じように銀の鎧が付けられていた。

 

「ハア…ハア」

 

今ここに、新たなアマゾン。『アマゾンウルフ』が誕生した。

 

 

 

 




遂に忌まわしき溶原性細胞が現れてきました。元々人間だった仁さんがアマゾン細胞を注射した結果、溶原性細胞を持っているという描写が本編にあったので、アマゾン細胞を人に注入することで溶原性細胞が生まれるのかなと思いそう言う描写を作りました。もし間違っていても、目をつぶっておいてください!お願いします。
そして、EPISODE2も見ていただきありがとうございます。今のとこモチベーションが保たれているので、今の調子なら完結まで進めそうです!これからも応援よろしくお願いします!
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