ダーウィンズゲーム 簒奪の異能者 作:かい
自分が考えたやつだけではキツいのもありますが、何より読者兄貴がどんな異能を妄想してるのか気になります。
いつか活動報告で募集する時が来るかもしれないので、妄想を温めておいてください。
あの女は、ダーウィンズゲームプレイヤーではない。
ではなんだ?と問うても、答えられる者は誰もいない。
殺し屋あたりが一番近そうだが……。
「だからトいってやる事に変わりハない。あの女を殺ス」
「同感だ」
プレイヤーだろうがなかろうが、あの女は綾小路さんを殺そうとしたのだ。
ならば、反撃しなければならない。
女との距離を確かめようと顔を出した、その瞬間。
何重にも響く銃撃音が、耳朶を打った。
慌てて顔を隠すと同時、銃弾が瓦礫に衝突する音と、数瞬遅れて薬莢の音が微かに聞こえる。
……これで瓦礫が崩れる事はないだろうが、それにしても滅茶苦茶だ。
短機関銃であろうものを両手に抱え、正確にこちらを狙うエイムも、それを可能にする身体能力も。
……いや待て。
なぜあの女は銃なんかで俺たちを狙う?
あれでは隠れている俺たちはおろか、障害物の瓦礫すら壊す事はできない。
何か意図があるはずだ。意図、意図、意図……。
「……俺たちを、釘付けにするため……?」
そう呟くと同時、ダンジョウが動く。
先ほどと同じように全身を青銅色に染め、上を見上げ、上……?
ダンジョウと同じように空を見上げると、あった。
小さな黒い何かが、こちらに迫っている。
「手榴弾ダ!俺の後ろに隠れロ!」
手榴弾。
その単語で思い出すのは、つい最近の事。
あの糸目男との戦闘、その最後だ。
あぁ、間違いなく体がトラウマになってる。
それに、隠れろといってもダンジョウの後ろに行くには女の射線を掻い潜らねばならない。
短機関銃で撃ち抜かれるだろうし、女だってそれを狙ってあれだけ撃ってきた。
手榴弾で吹き飛ばされるか、短機関銃で蜂の巣になるか、2つに1つ。
カァンと、手榴弾が地面に反射する。
直後、凄まじい爆音に思わず目を瞑った。
また、あの地獄のような激痛を覚悟したが、
「……ん?」
来ない。
覚悟していたより、衝撃も痛みもなかった。
ゆっくりと目を開けると、ダンジョウがうつ伏せになっているのが視界に入る。
……もしかして、庇ってくれたのか?
手榴弾を体で覆う事で……無茶苦茶すぎるだろ、ソレ。
だが、おかげで助かった。
礼を言おうと口を開くと同時、またも後方でピンを抜く音がする。
「クソッ、ジリ貧だ……!」
このまま篭っていても、消耗戦で殺されるのがオチだ。
銃声は止んでいる。
ここはいっそのこと、突っ込むのが正解なんじゃないか?
俺には【
だが、銃弾なんて喰らうのは初めてだ。
耐えられるのか、痛みに。それ以上に接近してどうする?まだ
「はぁ……ふぅー……」
考えても仕方がない。
やる事は見えてる、接近して、【
そして、毒が効き始めるまで耐える。
勝利条件はそれしかない。
「っ!待て!イヅキくんッ!」
綾小路さんの静止を無視し、瓦礫から体を出す。
目の前に広がるのは、白い煙だった。
さっきのは、スモークを焚いた音だったのか。
……この煙の中じゃあ、俺の姿を視認する事は困難だ。
なら、一気に突き抜ける!
「『これはメリケンサックではない』」
「は……?」
瞬間、耳元で響くそんな声。
脳処理が追いつく前に、目の前にはメリケンサックが置かれていた。
腕でガードする隙も、避ける暇もなく、思いっきり顔面を殴られる。
顔面が潰されたような脳みそが揺られる感覚、訳がわからないまま、後方に吹き飛ばされた。
地面に倒れる。
誰かが、女が馬乗りになる。
スモークの影響で未だ視界は白いが、それでも女の装いだけは確認できた。
何か黒い仮面を付けていて、それを見てピンときた。
あれ、サーモグラフィーだ。
どこかで聞いた事がある。
体温を検知するサーモグラフィーは霧や煙幕の中でもある程度は透視でき、捜索や探知目的で使用されると。
だが、わからない事もある。
この女、どこからサーモグラフィーなんて取り出した?
見た感じ手ぶらだったし、このぶかぶかのレインウェアの中にしまっているとしたらなんらおかしくはないが、いくらなんでも早すぎないか?
手榴弾とスモーク弾を投げて、サーモグラフィーとメリケンサックを装着して、出入り口からかなり離れているここまで走って、俺をぶん殴った。
……多分、この違和感の中に異能が紛れ込んでいるんじゃないか?
だが、まぁ、今そんな事を考えているのは現実逃避みたいなもので。
女は再度俺を殴ろうと拳を振り上げ……そのまま動かなくなった。
「イヅキッ!今だ!」
「う、ラァッ!」
女は俺を殴ろうと思考した。
それがアイカワの【
なら俺は、この女の顔面を殴、らない!
その思考は反転して肉体に反映され、女の顔面に拳が突き刺さる。
加速しきれず姿勢も悪いので、大した威力は出ない。
しかし、すぐさま女の横っ腹にアイカワの脚が入った。
俺から見て右方向に吹き飛ばされる女の口から小さな呻き声と、
「『これはナイフではない』」
そんな言葉が、聞こえた。
段々と見えるようになってきた視界の中、赤い液体が飛ぶ。
それは左方向、つまりアイカワからのもので……アイカワの左足から、鮮血が溢れた。
「ぐっ、がぁぁぁぁぁぁ……!?」
女の手にはメリケンサックではなく、ナイフが握られている。
テレポートの類、か……?
いや、そんな事よりも。
この女は今、迷いなくアイカワの左足を切り裂いた。
【インヴァージョンワールド】の影響下にあるにも関わらず、だ。
つまり、この女は【インヴァージョンワールド】を知っている!
「くそっ!」
冗談じゃない……!
アイカワも影響が出てしまうが、【ポイズンメーカー】を発動させる。
だが、煙に隠れた女の顔にはいつの間にか……ガスマスクが付けられていた。
……おいおいおい、ホントにまずいぞ、ぱっと見でわかるはずのない俺の異能まで知られてしまっている。
「ヌンッ!」
あぁ、俺だけだったら間違いなく死んでただろうな。
女に向かって拳を振るうダンジョウを横目に、アイカワを抱えて綾小路さんの場所まで後退する。
「ぐ、うぅ……」
意識は残っているようだが、今の状況では逆に辛いだろう。
見た感じ骨には達してないが、かなり深く切り裂かれている。
【レナトゥス】は治癒系の異能だが、その効力は俺にしかない。
元通りになるには何ヶ月……いや、何年か?
「イヅキくん。アイカワ君は私が看る。君は加勢に行きたまえ」
「……わかりました」
大丈夫だ。
やる事は、やらなきゃいけない事は変わらない。
あの女を殺す。それが、俺の勝利条件だ。
正直女の異能についてはもうわかると思います。
あれだけヒントというかネタバレしまくってるんで。
まぁ、女がどんな存在なのか、というのに辿り着いてる人はいないと思いますが。
もうストックがない……というかいつもないので、また筆がノってる時に書き上げたいと思います。