ダーウィンズゲーム 簒奪の異能者   作:かい

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(登録者数増えてて)Foo↑気持ちぃ~。
このまま増やしていきたいから投稿していくゾ〜これ。
急に汚くなってごめんなさい!何でもしますから!

ちなみに、今回の話は割と無理矢理感あります。
特に主人公くんの行動がね……手榴弾に吹っ飛ばされて脳味噌シェイクされてたからちょっと情緒不安定なんですよね……。


game#4 警察

突然、意識が浮上した。

何も感じていなかった深海から、水面が見える程度まで。

そして次に感じるのは、消毒液の匂いや何かの花の香り。

間違いなくここは、俺の部屋やあのデパートなどではない。

この独特の匂いの数々は、

 

「病院……」

 

そう、病院だ。

瞼を開けると、蛍光灯から発せられる灯に思わず目が眩む。

重苦しい上半身を起こし、周囲を見渡すと真っ白なベッドや体に繋がれた管、俺が着ている病院服が目についた。

どうやら、俺は入院しているらしい。

 

安堵と呼ぶべき感情が、全身を満たしたような気がした。

あの糸目男はいないのだと、もう安全なのだと。

そう思ったら、心底安心した。

そして、

 

「……あー、あー!」

 

叫んだ。

誰に対してでもなく、胸の奥から湧き上がってくるぐちゃぐちゃの感情に従って叫ぶ。

友達を殺した。

その翌日に、名前もわからない男を殺した。

たった2日で二人も殺し、殺されかけた。

アキラから奪ってしまった異能、生来の王(レナトゥス)が無ければ間違いなく死んでいた。

 

「そんでもって、警察にはバレないよう情報隠蔽……ご苦労なこったなぁダーウィンズゲーム!?」

 

辞めたい。

だが、ダーウィンズゲームは一度始めれば死ぬまで辞めることは出来ない。

俺はこの先一生、いつ起きるかもわからないバトルを恐れながら生活しなきゃならないのか……?

 

「警察にはバレないよう情報隠蔽、か。その話、詳しく聞かせてもらいたいが、良いかな」

「な……!?」

 

誰かが、立っていた。

先程まで閉じられていたはずの病室の扉が開けられ、黒スーツの男がポケットに手を突っ込んで。

眼鏡の中心を押さえながら、コツコツとブーツを鳴らしながら近づいてくる。

脂汗が垂れ、生唾を飲む。

 

「私は綾小路海斗、警視です」

 

やっぱ警察関係者かよクソったれ……!

ダーウィンズゲームの情報を一般人に洩らしたらアカウント削除、つまり死亡となる。

一般人なら誤魔化せたかもしれないが、警察はマズい。

特にこの人は、俺を逃がさない、と言わんばかりの気迫がある。

 

「……警視さんが、何の用すか?」

「一週間前、ここの近くのデパートで爆発事件が起きたのは知っているかな?」

「はぁ、まぁ知ってます」

 

知ってるどころか当事者だよ!

あぁクソ、マジで生きた心地がしねぇ……!

早く帰ってくんねぇかなぁ!

 

「そこでまた新たな人型アートと、その側で倒れている君を見つけた。我々警察は君があの事件になんらかの形で関わっていると考えている」

 

鋭い、とは思わない。

現場で誰かが眠っていたら、その人物を怪しまないわけがない。

というか、糸目男との対戦から3日も気絶していたのか。

 

「知りません」

「……君がそう言い張るなら、まぁ良い。では次だ」

 

綾小路さんのその言葉を聞いて、拍子抜けした。

てっきり、とことん俺からダーウィンズゲームの情報を搾り取ると思ったのに……いや、好都合だ。これ以上詮索してこないなら、何の問題もない。

 

「腹が減ってないか?」

「腹……ですか?まぁ減っ――うっ!?」

 

そりゃあ一週間も何も食べていなければ腹は減るだろう、と思って意識を傾けると、後悔した。

俺の胃は、俺の想像以上に固形物を求めていたのだ。

グーグー鳴るだけならまだしも、キリキリキリと胃痛まで感じる。

腹と背中がくっつくとはまさにこの事だ。

今なら嫌いな椎茸やなす、ピーマンでも食せる自信がある。

あぁ、断食している人間は皆こんな激痛を味わっているというのか?

 

「君が目覚めた時に渡そうと思っていたパンだ。食べると良い」

 

目の前の簡易テーブルに置かれたのは、計3つのパン。

カレーパン、メロンパン、アンパン。

近くのパン屋さんのものだろう、俺も見たことがある。

しかし、空腹のせいかいつもより何倍も美味そうで、そして輝いて――いや、今はそんな考察はどうでもいい。

 

「あ、ありがとうございます。いただきます……!」

 

とりあえず、いただこう。

アンパンに手を伸ばし、袋を力ずくで破り思いっきりかぶりつく。

美味い、という感想しか出てこない。

今まで何回も食べているはずなのに、今までで一番美味しいのは何故だろう。

空腹とは最高のスパイスだ、と誰が言ったかは覚えてないが、中々どうしてその通りだ。

 

何度も喉につっかえながらも、胸を叩いて水を飲み込んで胃に流し込む。

一週間ぶりの固形物だからか、胃が驚いて痛みを感じるも完全無視。

気付けば、綾小路さんがくれたパンは無くなっていた。

 

「ふぅ……ありがとうございました。あの、今はお金持ってないんで……」

「いや、金はいい。それより、目覚めた事を早く両親に知らせると良い。それと、ナースコールもしておくんだ」

「あ、はい」

「諸々の用事が済むまで、私は外で待っていよう」

 

そう言って、綾小路さんは部屋から出て行った。

……一体、あの人は何がしたくて来たのだろうか。

そう思いながら、俺はナースコールをするのだった。

 

◆◇◆◇

 

4時間後。

検診やら家族との面談やら諸々が終わり、午後5時が回った頃。

俺は外出許可を取り、外へ出ていた。

ちなみに、親に届けてもらった服とショルダーバッグを身につけている。

 

「……ホントに待ってたんすか、綾小路さん」

「待つ、と言ったからにはな。それより伊月くんこそ、体調は良いのかね?」

「はい。まぁ、異様に痩せてたのはマジでビビりましたけど……」

 

そう、痩せていたのだ。

具体的な数値は覚えていないが、腹は肋骨がくっきりと見え、顔もこけている。

日常生活に支障はないだろうが体力は落ちているだろうし、元の体重に戻るまで何ヶ月かかるか。

 

「外に出てすぐですまないが、事情聴取をしたい」

「……はい」

 

大丈夫、ダーウィンズゲームの情報を漏らさなければ良いんだ。

気をつけていれば、なんとかなるだろう。

そう覚悟を決めた瞬間、またも大きく腹が鳴った。

 

「……あ」

「フッ、パン3個じゃ足りなかったか?」

「あー、えっと、すいません……」

「仕方あるまい。では、少々早い夕食はどうかね?これから病院食もあるだろうが」

「えっ、良いんですか!?じゃ、じゃあお願いします!」

 

病院食は量が決まっており、昼食はあまり多くなかった。

夕食もあの量しか食べられないのかと憂鬱としていたが……まさか外食をさせて貰えるとは。

今はちゃんとお金を持ってるし、ありがたくいただこう。

というわけで、

 

「ここだ」

「定食中村屋……」

 

そんな名前の店に来た。

病院から徒歩10分ぐらいだから大分と近い……いや、そもそも病院の場所知らなかったな。

と、そんな事を考えながら店に入る。

木製のテーブルとイスに、壁に立てかけられた数々のメニュー。

いかにもな定食屋だ。

 

綾小路さんと共にカウンター席に座り、同じ親子丼を頼む。

そうして待つ事3分、綾小路さんが話を切り出してきた。

 

「さて、先程事情聴取とは言ったが、これから君が話す事は本部に流したりはしない」

「え?」

「そもそもとして、私は今日は休みだ。休みの日まで働いていては体を壊す」

 

ヤバい、なんかやりにくい。

親切なのはわかるし、ダーウィンズゲームの情報を知りたいという明確な目的はわかってるのに、言い表しにくいがやりにくい。

 

「デパートの件、別に君がやったわけではないのだろう」

「ま、まぁ……」

「主犯ではないが、完全に無関係でもない。そんなところか。君と話して、強くそう思う」

 

限りなく真実に近い、確信を突かれている。

どうする?逃げるか?

いや、逃げたところでいずれ追いつかれるのがオチだし、尚のこと怪しまれる。

だが、ダーウィンズゲームの事を話さずこの人を納得させる術を、俺は持っていない。

 

「そして、君の口から出たダーウィンズゲームと情報隠蔽。君は何か隠している。だが、それを話さないときた」

「……そ、れは……」

「何か話せない事情があると私は思っている。同時に、ダーウィンズゲームというものが何かしらの情報隠蔽を行っている事もな」

 

この人は、一体どこまで掴んでいるのだろう。

『警察にはバレないよう情報隠蔽……ご苦労なこったなぁダーウィンズゲーム』……あの呟きから、どこまで。

と、そのタイミングで綾小路さんの親子丼がきた。

 

「ん……?」

「どうしたんすか?綾小路さん」

「いや、実に奇妙なんだが……受け取れないんだ」

「はい?」

 

見れば、綾小路さんが伸ばした腕は親子丼を受け取っていない。

ギリギリのところで、宙に止まっている。

故意じゃないのか?

取り敢えず、綾小路さんを助けよう。

 

「大丈夫すか……あっ!?」

 

親子丼を持とうとした腕は、しかし俺の意思とは別に綾小路さんの腕を掴んでいた。

なんだ?何が起きている?

何か、何か危険だ。

ここにいては危険だと、最近よく感じる勘のようなものが訴えてくる。

逃げましょうと叫ぼうとして、気付く。

声が出せない。

声を出そうという意思があっても、体が動いてくれないのだ。

そして、

 

「なぁに警察にダーウィンズゲームの情報漏らそうとしてんだよ。んな事しちゃあテメェが消されちゃうだろ?」

 

明らかにプレイヤーと思われる男の声が、真後ろから聞こえた。

こいつが、この異常な”何か”を引き起こしているのか?

 

「テメェがたんまりと持ってるポイント……まとめていただくぜ!」

『Encountering Battle is open!』

 

最早聴き慣れた機械音が、ポケットに入れているスマホから鳴り響く。

計3人目のダーウィンズゲームプレイヤーとの対戦が、始まった。




こんなペースで対戦とか早すぎない?と思うかもしれませんが、それには理由があるのです。
早く原作に行きたいゾ……。

他のは3話か4話じゃもう原作入ってるのに、これは6話か7話からなので大分遅いんですね(なんならヒロインは1話で出てるの多い)
カナメどころかみんな大好きヒロインすら出てないという所業。
そういや今のところ男キャラしか出ていない……まずいですよ!
というわけでこのペースが早スギィ!という方は感想で言ってください(乞食)
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