ダーウィンズゲーム 簒奪の異能者   作:かい

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やべぇよやべぇよ……この調子でオリジナル異能出してたらすぐ尽きちゃうよやはりヤバい(確信)
ストックが後10個ほどしかないので、これから戦闘は激減します。
いやまぁ、新しく異能を考える事も出来ますがそれやったら未来の俺が困っちゃうしお寿司。

あ、そういえば前回出てきた警視、綾小路さんはちゃんと原作にもいます。
カスミちゃんすこ(唐突CO)


game#5 インヴァージョンワールド

3人目のダーウィンズゲームプレイヤー。

その男が後ろにいて、今俺に対戦を挑んだ。

しかし、さっきからずっと後方に振り向けない。

 

「フンッ!」

「ごぁっ……!?」

 

その間に側面、つまり脇腹を殴られ、俺はいくつもの椅子を薙ぎ倒しながらぶっ飛ばされた。

しかし、受け身が取れない。

取ろうという意思はあるのに体に反映されず、早くも全身はボロボロだ。

 

「どうだ……と言っても、返事も出来んよな」

 

なんだ?こいつの異能は。

今の俺に起きてる現象は、間違いなく目の前の男の異能のものだ。

しかし、それがなんなのかわからない。

綾小路さんと俺が同時にかかっていたから指定するタイプではなく、おそらく効果範囲が存在する。

 

そして、あの時綾小路さんに親子丼を渡していた店長には異変がなかった。

つまり、あの時椅子に座っていた男と店長の距離が異能の効果範囲か。

ざっと7か8メートルほど……。

 

「へぇ、諦めてないな、お前。すごいぞ、俺の拳をモロに受けて反撃する意思を見せた奴は珍しい。誇って良いぞ」

 

口を開け。

開いてなんとか時間を稼いで、この状況を打開しろ。

俺はこんな所で死にたくない。それに、出来ればこの男も殺したくない。

 

「え――?がっ!?」

 

そう、決意を固めた瞬間。

自然と、まるで俺が意識したかのように頭が持ち上がり、そして地面に叩きつけた。

手加減したわけではない一撃は激しく脳を揺らし、耐え難い痛みが頭を揺らす。

 

「なんっ!?あぁっ!?」

 

なんだなんだなんだ!?

なぜ、俺は自分で自分を傷つけている!?

そう混乱している間にも、体は一人でに動き出す。

今度は地面に転がっている椅子を持ち上げ、男に投げた。

 

「おっ、とぉ……!」

 

無事ガードされるも、少し後ずさった。

この距離ならどうだ……?

 

「……お前は誰だ?なんで俺を狙う」

 

喋れる。

何の問題もなく、いつも通り言葉を出せた。

 

「……チッ、なんだよ、お前甘ちゃんか。3戦もしたんだから慣れてると思ったんだがなぁ」

「答えろッ!なぜ俺を狙った!?」

「あのなぁ、なぜもどうもねぇだろ。テメェがポイントをたんまり持ってたから挑んだ。それだけだ」

 

あぁクソ、やっぱりそういう手合いかよ。

ポイントの為に、容赦なく人を殺す人間。

 

「話はもう終わりか?なら、とことんやり合うぞッ!」

「ざっけんなよクソッタレ!」

 

男が右足を踏み込んだ瞬間、俺も後方に跳ぶ。

が、

 

「うぉっ!?」

 

思ったより力んでしまったのか、スライド式扉をぶち破って外に飛び出して地面に尻餅をついた。

なんだ?扉直前までジャンプするつもりだったが……なんでこんな跳んだんだ?

 

「フンッ!」

「ッぶねぇっ!」

 

男が投げてくる椅子を避け、体勢を整える。

凄い、【レナトゥス】で体重が減っているおかげか、異様に体が軽い。

これならなんとか、制限時間まで耐えれるか?

 

「素晴らしいジャンプ力だ。痩せ細っているように見えるが、宗教にでも入っていたのか?」

「あいにくと無神教だ」

「そうか。これは申し訳ない事を聞いたなっ!」

「ヅゥッ!?」

 

男が投げた椅子の足が弁慶の泣き所に命中し、体が硬直する。

いくら【レナトゥス】があろうと、痛みはちゃんと感じるのでこれは仕方のないことだ。

しかしまぁ、そんな言い訳など男には関係ないわけで。

 

「フンッ!」

「がふっ……!」

 

容赦なく顔面を殴られ、とんでもない激痛を感じながら地面を転がった。

まただ。また、視界がチカチカと点滅する。

しかも痛みのせいで思考が纏まらない。

 

「……格闘技はかじっていないのか。それにセンスも感じない。倶楽部に誘うのはナシだな」

 

一歩、一歩と男が近付いてくる。

あいつの異能圏内に入ったのか、立ち上がれなくなった。

意思はあるのに、体が動いてくれない。

そして頭上に男が現れ、

 

「……随分と呆気ない終わり方だが、なッ!」

 

俺の顔面に向かって拳を振り下ろす、直前。

まるで時でも止まったかのように、男の動きが静止した。

あぁ、やっとか。

 

「な……ぐぅ……」

 

そして、男は仰向けに倒れた。

ビクビクと痙攣しており、かろうじて呼吸は出来るって感じか。

おそらく吸引量が少なかったのだろう。

しかしまぁ、上手く発動してよかったとつくづく思う。

それに、

 

「……アンタの異能の正体も暴けたしな」

 

先程までとは違い、何の問題もなく言葉を発せた。

男の異能はかなりの脅威だったが、タネが割れてしまえばそれまでだ。

簡単に、とはいかないまでも対策できる。

立ち上がり、今度は俺が男を見下す。

その瞳は、僅かな恐怖と確かな困惑に染まっていた。

 

「テ、メェ……何をしたぁ……!?」

「俺の異能だよ。【毒素創造(ポイズンメーカー)】って言ってな。空気中に散布された神経毒をアンタは吸い込んだんだ」

 

一週間前、糸目男から奪った異能だ。

とはいえ使えるのは神経毒の方だけで、皮膚を溶かす猛毒は使えなくなっている。

創作物でよく見る、『奪った異能は弱体化する』というやつだろう。

 

「クク……追い詰められて、たのは俺の方、だったか……」

「最後に聞かせろ。アンタの異能は、範囲内にいる奴の行動を逆転させる。だな」

「あぁ、正、解だ」

 

考えてみれば、簡単な事だった。

綾小路さんは親子丼を受け取ろうと思ったから、体は受け取らなかった。

男の方に振り向こうと思ったから、体は振り向かなかった。

死にたくないと思ったから、体は死ぬような行動を取った。

男を殺したくないと思ったから、体は男を殺す為に椅子を投げつけた。

 

全部が全部、思った事と反対の行動をしているのだ。

それがわかれば後は簡単、立ち上がらないと思うだけで、体は自動的に立ち上がってくれる。

 

「……こりゃ、死ぬな、ぁ俺……なぁ、お前」

 

男は笑う。

糸目男のように、微笑を浮かべている。

まだ諦めていない、勝機があると思っている目だ。

嫌な予感がする。

早く気絶させようと【ポイズンメーカー】でさらに神経毒を散布すると同時、男が口を開いた。

 

「生きたい、か……?」

 

生きたいか、だと?

……そりゃあそんなの死――

 

「ぅぐっ!?」

 

死にたい、と思考する前に、俺の手が自らの首を絞めた。

バカな、俺は生きたいなんて思考してないぞ!?

 

「ぐぁぁ……!?」

 

しかし、首が絞められているのも事実。

なんとか、死にたいと思考するんだ。

 

「生き、ろ……お前は、生きるん、だ……」

「か、ぁ……!うっ、せぇ……!」

 

男の言葉が、耳を通して脳に伝わる。

それか?

そのせいか?

聞こえる言葉さえ、反転して行動するのか……!?

マズい、ぬかった。ここまでの異能だったのか……!

クソッ、死ね、死ね、死ね、死ね!俺、死ね!

 

「ケ、ホ……」

 

そして、意識が途切れる寸前。

首を絞めていた手が、地面にぽとりと落ちた。

何度も深呼吸を繰り返し、肺に酸素を取り入れる。

 

「ゲホッゲホッ!オゥエ!」

 

気付けば、男の声も聞こえなくなっている。

……あぁ、なるほど。

俺が死ねと思考したから首締めが解けたんじゃなくて、男が気絶したから異能が切れたのか。

 

「はぁ、はぁ……はぁ、プレイヤーってのは……どいつもこいつも、覚悟ガンギマリかよ……」

 

そんなしょうもない事を呟きながら、俺はこの男をどうするか、思考を巡らせた。




インヴァージョンワールド(反転世界)
自身から半径5メートル以内の人間の行動を、反転させる能力。
例えば腕を上げたいと思えば腕を下げ、何かを喋りたいと思えば何も喋らず、何かしなければと思えば体は何もしなくなる。
無意識下の行動は反転しないので活動は出来るが、もし意識的に呼吸をしようと思えば。
呼吸をしようという意思が消えるまで、呼吸が出来なくなる。
そしてもし生きたいと思えば、体は死のうとする。

初見殺し全一の異能(当社比)
ですがいかんせん範囲が狭いため奇襲がメイン、遠距離から銃で撃たれたらどうしようもないです。
もしタネが割れても思考を反転させなければならないので、やはり近距離戦闘は強い。近距離戦闘しか出来ないという点に目を瞑ればなぁ!
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