IS-Black Gunner-   作:reizen

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第18話 兵器の前だから我慢します

 校舎から出た俺はそのまま更衣室をスルーして第二グラウンドに直行すると既に生徒たちが何人か来ていた。

 

「篠ノ之兄か。他の二人はどうした?」

「放って来ました。校舎外までは出れたので問題ないでしょう。つうか何だよアレ。発情期か?」

「……お前にそんな顔をさせるとは。想像以上に凄いらしいな」

「何とか俺をカップリング対象から外させたが、正直恐ろしい」

「………そ、そうか」

 

 全く。何で俺がカップリング対象になっているんだ。つうかマジで止めてくれ。リアル的に考えたら吐き気しかしない。やおい穴は存在しないっての。

 列に加わっていると、布仏が展開しているパーカーの袖を引っ張る。

 

「どうした?」

「かんちゃん、専用機もらったってー。昨日の挑発効いたよ~」

「それは良かった」

 

 悪鬼と全力で鬼ごっこした甲斐があった。それにあそこには一学年の生徒は他にもいた。俺を倒そうと企む奴も少なくないだろう。となれば全体的なレベルアップも図れるはずだし、今年度のトーナメントは修羅場と化すだろうな。専用機持ちも決して気は抜けないと思うべきだろうな。ちなみに俺は舐めプします。そもそも平時の出力は通常の20%から30%に留めている上に手を抜いた状態で戦うから十分舐めプだろう。

 

「ところで昨日のアレって、かんちゃんを焚きつけるためだけだよね?」

「最後のはな。優秀な姉がいるとどうしても、な」

 

 これでも人格破綻しているとはいえそれなりに尊敬はしているのさ。

 

「遅い!」

 

 どうやら織斑たちが到着したようだ。

 

「下らんことを考えている暇があったらとっとと列に並べ!」

 

 と出席簿を振り下ろされる織斑。流石に初日で勝手がわからん奴を教えている事は考慮しているだろうが、どうせ本当に下らないことを考えていたんだろう。デュノアをしばいていないのはその辺りが原因か。

 

「では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」

「「「はい!!」」」

 

 流石に二クラスとなればそれなりに声が大きい。特に二組は織斑先生の授業を受けられる事で喜んでいる者も多いだろう。

 

「まずは戦闘を実演してもらおう。凰、オルコット」

「「はい」」

「専用機持ちならすぐに始められるだろう。前に出ろ」

「……めんどいなぁ。何でアタシが……」

「……はぁ。なんか、こういうのは見世物のようで気が進みませんわね」

 

 二人にしては珍しくやる気がない。整理でも来ているのだろうか。というかオルコット、ISはぶっちゃけ見世物だ。プロパガンダもそうだが、そうじゃなかったら代表候補生が俳優業や声優業しないだろ。言っておくけど、俺はISVSで使用されているメンツはリアル性を重視したとはいえ絶対に認めない。

 

「お前ら少しはやる気を出せ。アイツらに良いところを見せられるぞ?」

 

 おい。何で「アイツ」じゃなくて「アイツら」だ。言葉間違えているぞ。

 

「やはりここはイギリス代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!」

「まぁ、実力の違いを見せる良い機会よね! 専用機持ちの!」

 

 気のせいか、さっきからフラグが立っているように見える。

 

『上空からISが一機飛んでくるわ。制御不能状態ね』

『は?』

 

 空を見上げると、確かにこっちに何かが飛んでくるな―――って、あれは山田先生?

 

「織斑、肩を貸せ」

「え?」

 

 俺は織斑の肩に跳んでから、さらに高く跳んでISを展開する。非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)のメインスラスターを噴かせて上昇してこっちに下降してくる山田先生の腕を掴んでその場で回転しつつ徐々に速度を落として止まる。

 

「あ、ありがとうございます! 助かりましたぁ」

「何で制御不能になってんだよ」

「ひ、久しぶりで感覚が……」

「は?」

 

 何言っているんだと思ったが、諦めて下に降りて着地させると織斑先生がこちらを見てきた。

 

「篠ノ之兄、何だそれは。銃姫はどうした?」

「オーバーホールついでに改造中。そしてこいつは一応今のIS技術に合わせて作った予備だ。確か第二世代型」

「………そうだな。だがせめていくつも持っていること自体がおかしい事に気付いて欲しかったな」

 

 周りから厳しい視線が飛んでくるが、俺にとってはどこ吹く風。あっさりバラしているが、警備体制なんて逆に侵入できるのかってくらい厳しいものだ。

 

「まぁいい。とりあえず、お前たち二人には山田先生と戦ってもらう」

「え? あの……二対一で?」

「いや、流石にそれは……」

「安心しろ。今のお前たちならすぐ負ける」

 

 そう宣言した織斑先生。俺も二人の態度は納得できるものだったが、その思いは大きく裏切られることになった。

 

 

 

 

 

 三機が上昇してからしばらくした後、凰とオルコットがあっさりと落ちた。俺はもちろん普段あだ名で呼んでいる生徒たちも驚いている。

 

「くっ、うう……まさかこのわたくしが……」

「あ、アンタねぇ……何面白いように回避崎読まれてんのよ……」

「り、鈴さんこそ! 無駄にバカスカと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

「こっちの台詞よ! 何ですぐにビットを出すのよ! しかもエネルギー切れるの早いし!」

 

 二人の言い争いを他所に、俺はさっきの戦闘の映像を見ながら思い返す。さっきの戦闘でも山田先生にはまだ余裕があったようだ。おそらくかなりの実力を持っていると思われる。今この場で攻めて来たら果たして今の機体で対抗できるか。

 

「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は経緯を持って接するように」

 

 なるほど。それで二人を当て馬に使っていたのか。確かに最初の頃は酷いとは言え、最近の山田先生弄りは目が余るものだろう。そもそも興味なかったが。

 

「専用機持ちは織斑、オルコット、篠ノ之兄、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰だな。では六人または七人のグループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな? では分かれろ」

 

 その指示で物の見事に偏った。俺の所には布仏と……かなりんだったか? がやってきた。自主的に来るという事は人気があると思っておけばいいか。

 

「よし。とりあえず最初の命令だ。耳を塞げ」

「わかった~」

「う、うん」

 

 さてと、俺も耳を塞ぐか。

 

「この馬鹿者共が。出席番号順に一人ずつ各グループに入れ! 順番はさっき専用機持ちを呼んだ順番だ。次にもたつくようなら今日はISを背負ってグラウンド百周させるからな!」

 

 蜘蛛の子が散るように生徒たちはすぐに分かれ始めた。

 

「最初からそうしろ、馬鹿者共が」

 

 さっきから小さく不満が聞こえてくるのでさっきの二人だけで良かったんだが。まぁ任された以上は仕方ない。

 

「ええと、いいですかーみなさん。これから訓練機を一班一機取りに来てください。数は打鉄とラファール・リヴァイヴがそれぞれ三機です。好きな方を班で決めてくださいね。あ、早い者勝ちですよ!」

 

 とりあえず先に機体をマークしておいて、と。

 

「多数決で。打鉄とラファール・リヴァイヴ。どっちがいい?」

「「「「ラファール」」」」

「「打鉄」」

 

 一人返事がなかったが、仮に打鉄だとしても票が足らないのでラファール・リヴァイヴを確保。すぐに移動したこともあって誰も取っていなかったので遠慮なく持って行った。もちろん台車に付いているシステムを弄って一人でも楽に運べるようにしている。

 

「さてと、まずは誰からする?」

 

 声をかけるとかなりんが先に挙手した。

 

「わ、私から……良いかな?」

 

 誰も手を挙げないし、まずはかなりんに決まった。

 彼女は俺の監視の元、持ってきたラファール・リヴァイヴに乗り込んで起動させる。元々座った形で固定されているラファール・リヴァイヴを俺の方で解除させた。それからここから30m地点のところにフラグを展開する。

 

「じゃあ、歩いてあそこまで移動してくれ」

「わ、わかった」

 

 かなりんはラファール・リヴァイヴで歩行をするが、その様子はとても良いものとは思えなかった。

 

「わ、わぁ!?」

 

 俺は咄嗟に鎖を展開して受け止める。

 

「あ、ありがとう」

「どういたしまして。じゃあ、残りの距離を歩いてもらおうか」

 

 なんとか30m歩き切った後に今度は別の人と交代させる。

 一部危うい奴もいたが、その他の奴は普通に出てきていて最後の七人目で事件が起こる。

 

「じゃあ、最後の奴。ラファール・リヴァイヴを装着して」

「………」

 

 だがそいつは中々動かなかった。おそらく二組の奴だろうか。他の二組の奴も俺の方を見てクスクスと笑う。

 

「早くしてくれない?」

「何で?」

「他のみんなに迷惑がかかるから」

 

 このまま黙って静観するというのも一興だろうが、先に俺が折れるんだろうなぁ。ともかく我慢弱いから。飽きてすぐに別の事をし始めるからな。

 

「じゃああなた、土下座しなさい」

「さて、次はかなりんからまた始めようか」

 

 これでも授業中だし、大人しくしてやるつもりだったがそんなふざけたことを聞いてやるほどのんきじゃない。

 

「ふざけないでよ! まだ私が乗ってないじゃない!!」

「乗る気ないんじゃないの?」

「あるわよ!」

 

 だったらとっとと乗れよと思う。何のツンデレプレイだよ。需要ゼロだよ。

 

「さっさと乗れば。かなりんに感謝しながらな」

「ふざけないでよ! 何でアンタの思い通りにならなくちゃいけないのよ!」

「………ああ、あれか。またアンタらお得意の女尊男卑って奴か」

「アンタ何勘違いしてんのよ。高が篠ノ之束の弟だからって調子乗っちゃってさ!! アタシたちに命令できる立場だと思ってんの!? 大体アンタは―――」

 

 から始まる説教を聞いていた俺はかなりんに「もう良いの。次行こう」と言った。

 

「無視するな!!」

「……良いの?」

「別に良い。それよりもさっさとやろうぜ。リーダーになったから仕方なく構ってやっていたが相手にするだけ時間の無駄だ。そもそもいくら女が優遇されているとはいえ「優遇」であって「証明」でないことに気付かない時点でアウトだ」

「なんだかんだで、たけっちって面倒見良いよね~」

「当然。ま、悠夜には負けるがな」

 

 そう言うと布仏は嬉しそうな顔をする。幼馴染が褒められて嬉しいのだろう。

 

「人の話を聞きなさい!!」

 

 さっきから無茶苦茶な女が俺を思いっきり蹴ってきた。

 

「篠ノ之君!」

「たけっち、大丈夫?」

「………」

 

 やれやれだ。まさかここまで馬鹿にされるとは思わなった。

 

「……何のつもりだ?」

「良いから、アンタが持っているコアをすべて寄こしなさい! まだ隠しもってるんでしょ!?」

「………悪いなかなりん。ちょっと降りてくれ」

「……う、うん」

 

 俺はその女の首を掴んで無理矢理ISに乗せた後、素早く投影式キーボードを操作して無理矢理装着させる。

 

「おい篠ノ之兄! 何をしている!?」

「借りるぞ」

 

 近くにいた織斑の班から無理矢理乗り込んだ俺は装着して、さっきの女を誰にも当たらないように蹴り飛ばした。

 

「これより訓練機同士の模擬戦闘を行う。3秒以内にすぐさま離れろ」

「ふざけるな篠ノ之兄!! 何を勝手な―――」

 

 叫ぶ織斑千冬を無視した俺はノロクサと立ち上がろうとする相手を思いっきり踏みつけた。

 

「い、いい加減にしなさいよ!! こんな事して良いと思ってるわけ!?」

「世界を変えた俺の姉が世界に対して脅すならまだ理解はできる。それだけの力を持っているからな。だがお前のような女の役目すら果たさないクズが世界の技術力を超えた俺に対して命令するとはどういう了見だ? ああ?」

 

 二本の近接ブレードを展開してラファール・リヴァイヴの装甲を無理矢理剥がし吹き飛ばした。

 

「この世界がどれだけ低い技術力しかないと思っている? 第二世代と銘打ちながらこのブレードはただ敵を切断するだけしかできない。刀身にビーム刃はない。連結できない。これでは戦艦を簡単に切断できない。したところで何の面白未もない。よくそれで男を見下すことができるな? ましてやお前は生身で空を飛べるのか? 魔法を使えるのか? 自然を操れるのか?」

「そ、そんなことできるわけ―――」

 

 蹴り上げたそいつは体勢を立て直すとそのまま反転して逃げようとするので、ブレードで両翼を切断した後、ブースターを破壊した。さらにはシールドエネルギーをすべて削りきるまで心臓をめがけて剣を突き刺す。

 

「ひっ、ひやっぁああああああああああああッッ!!」

 

 情けない悲鳴を上げる女に対して情け容赦なんてものは、ただシールドエネルギーが切れるまで俺はひたすらブレードで弄んだ。だが途中で飽きたので外部から強制的にIS装甲を解除して逃げ出す相手を、こっちも打鉄を解除して回り込み、逃げようと足をもつれさせた相手の顔にシャイニングウィザードをキメて倒す。

 だがこれではつまらないので、俺は手から水の球を出して奴の顔面にぶっかけた。

 

「え? あ、アタシは―――」

 

 舐めたことを言っているので奴の顔を思いっきり蹴って、顔を踏み潰そうとしたところで織斑千冬が来たので回避する。

 

「いい加減にしろ、馬鹿者が!!」

「だからまだ殺してないだろ?」

 

 そう答えると、思いっきり殴られそうだったので手首を掴んで捻って一本背負い。だが流石は熟練の戦士というべきか、投げられる時に身体を捻って着地して顔を蹴ってくるので回避して織斑千冬の頭を思いっきり頭突きした。

 

「ぐっ……このメスゴリラが……」

「お前も……人の事……言えんだろう……」

 

 お互いがフラフラになりながらも戦おうと立ち上がると、先に復帰した織斑千冬は山田先生を呼んで専用機持ちを今一度集めさせて人数を均等に分け直し、俺とさっき俺が倒した女を連れて保健室に向かった。

 

 

 

 

 

「この馬鹿野郎が」

 

 保健室に俺たちを連れて一通り検査を受けた後、俺は別室で織斑千冬と向かい合って座る。

 

「何もあそこまでする必要はなかっただろう」

「随分温くなったな、ブリュンヒルデ。あの程度の事で「あそこまで」と言われる筋合いはない。死んでないだろう?」

「何でそういう話になる」

「……気に入らないからさ。というか単純にムカつくんだよ、あんな雑魚が粋がる事自体。女が優遇されているのはあくまで「兵器を効率的に動かすためのパーツに乗せるため」であって「男を奴隷のようにこき使うため」じゃない。ましてや、そもそもインフィニット・ストラトスは宇宙に出るための力だという事をわからない奴らが酔うための力じゃねえんだよ。何だったら今すぐ全世界の女に戦争仕掛けてやろうか?」

「……滅多な事を言うな、頼むから」

 

 こっちはいつでもそれをしても良いんだけどな。どうせ俺が勝つし。

 なんて言おうか迷っている織斑千冬を見ていると、急にドアが開かれて姉貴が入って来た。

 

「たっくんがちーちゃんとガチンコ対決五秒前って本当!?」

「アンタは一体何をどう解釈したんだ……」

 

 唐突に現れて唐突に変な事を言い出す姉貴。織斑千冬も呆れていた。

 

「ほえ? 何で戦ってないの……?」

「どうしてお前はそんなに戦わせたいんだ……」

「いやぁ、そっちの方が面白いかなって思って」

 

 面白いからって戦わせようとするなよ。別に戦っても良いけどさ。

 

「それで何の用だ?」

「え? 二人が戦うって聞いて来ただけだよ?」

「………全く。この姉は……」

「大丈夫! 怪我したって翌日には治るから!!」

「………絶対に受けん」

「聞くだけで怖そうだな。気が付けば腕をさらに増設されてそうで」

 

 この姉ならやりかねんとは思うがな。

 

「失礼な! 腕なんか生やさないよ! 竿は生やすかもしれないけど!!」

 

 絶対にこの姉の薬は飲まないと心に誓った瞬間だった。

 

「まぁ、ちーちゃんには豊胸強化の薬を投与しようと思ってるけどね!」

「……あ?」

「ちょ、ちーちゃん怖いよ……」

「………まぁ、姉貴が言ったら嫌味でしかないわな」

 

 箒もそうだが篠ノ之家の人間って胸デカいからな。遺伝子構造からある意味異常ではないのかと思う。……まぁ、それを言うなら一般人から身体能力が高いんではなく技術的な異常者が生まれることはないんだろうが。

 

「でもちーちゃんだって大きいじゃん。ほら!」

 

 そう言って姉貴は織斑千冬の服を弾き飛ばした。意外と似合っていた白いジャージ、さらには下に着けていたであろうブラすらもはじけ飛ぶ。一体どこの平成を代表する主人公だと突っ込みたくなったところで、俺の視界には織斑千冬の胸が入ってくる。

 視界に三年前の俺の部屋、そして俺の遺伝子から篠ノ之束のかけらを手に入れようと襲ってきた女が脳裏に過った。大して美人でもない女が俺を組み伏し、服を脱いで俺のズボンをずらして来る、そのイメージが。

 唐突に吐き気に襲われた俺はすぐに近くにあるシンクに朝食をまき散らす。すべて出したがそれでも止まらず、胃液なども出て来るほどだ。

 

「た、たっくん? どうしたの?」

「………三年前からこうだ。気にするな」

 

 吐いてから少し冷静になった俺はそう返してから口をゆすいで量子化していた洗浄道具を出して軽く泡を噴きつける。これで少しは臭いはマシになるだろう。

 

「三年前とはどういうことだ?」

 

 織斑千冬が聞いてくる。ちょうど姉貴もいるので素直に答えることにした。

 

「俺が篠ノ之束の弟だから、その遺伝子を採取して自分たちで飼い殺しができる天才を作ろうとしたらしい。それぐらいから俺は年上の女に対して興奮するどころかさっきみたいに吐く始末さ。しかも面白いことに男としての機能は残っているからよほどの残念胸じゃなかったら目が移動しちまうから自滅するという、なんとも面倒な機能が不可されちまったわけよ」

 

 我ながら悲しい性である。

 俺はまた吐かないように服を出そうとしたら、殺気を出した姉貴が出て行こうとしたので先に言った。

 

「ちなみにそいつは死んだよ。俺に両耳弾かれた事にビビって逃げ出したら階段から足を踏み外して死んだ。ちなみにその時に「事情聴取」だと言って拷問を受けたが、そっちもキッチリ地獄を見せておいた」

「………大丈夫だよ、たっくん。私が本気を出したら不可能なんてないから」

「いやマジで止めろ!! 余計な事は絶対にするな!!」

 

 精々「お前ら女が調子乗った結果」的な事で言っただけで報復とか必要ないから!! むしろもう十分して来たから!!

 

「でも~」

「でもも何もねえよ! むしろ少しは世界に貢献してくれ!!」

「もうそれは十年前にしちゃったよ?」

「確かにな…」

 

 やっべぇ。反論材料がねえ。

 

「後は彼氏を作る?」

「たっくんと血が繋がってなかったら余裕だね」

「近親相姦はマジで遺伝子的なエラーを起こすから止めた方が良い」

「この天才束さんがそんなミスするとでも?」

「頼むから俺の遺伝子で子ども作るなよ!!」

 

 でもこの姉ならやりそうだから怖い!!

 

「ってかもうアンタはとっとと帰れ。クロエが寂しがっているだろ?」

「あ、うん。そうだね」

 

 何だその顔は。痛いところを突かれたって顔は……何かあったのか?

 

「まぁとにかく早く帰れ。今すぐ帰れ」

「わかったよ……」

 

 何故か疲れた顔をする姉貴は大人しく帰るのを見た俺はため息を吐いた後、俺は白いジャージを作り上げて織斑千冬に渡した。

 

「とりあえずこれを着てくれ」

「……わかった」

 

 ブラジャーに関しては想像したくないし作ってサイズが合わなかったらしぼむ原因にもなるらしいから止めておく。

 

「じゃあ俺はもう帰るわ。停学でも謹慎処分でも好きにしてくれ。反省なんざする気はないし、ISでボコったのは俺なりに優しさだ」

「………その後に思いっきりシャイニングウィザードしてたよな?」

「あれは勢いだ。まぁ純粋にムカついた事は否定しないがな」

 

 それだけ言って俺は残りの午前授業をボイコットするために保健室から出たが、午後から出るように言われてあの姉に巻き込まれた手前、とりあえず顔を出す事にした。




兵器の前でふざけないように。最悪死にます。
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