オーバーロードRTA 王国救済の裏技   作:星デルタ

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第五話の裏技

 生みの親にアゾット剣をキメていくRTA、はーじまーるよー。前回はイジャニーヤとうまく接触できたところまででしたね。今回はイズエルク領の八本指を一掃し、来るべき王国大粛清のための下準備を行っていきます。

 

>イジャニーヤとの接触が済んでから2か月が経過した。あなたとラナーは手紙で密に連絡を取り合い、あなたの独断による行動が王宮で問題となった時に後ろ盾となってくれる約束を交わしている。彼女とはその他にも沢山の雑談をしたが、自分と同じ知的レベルの相手との会話はとてもいい刺激となってくれる。

 

 こえー…。八本指対策のついでとして手紙で『人を思いやろう』『好きな人には優しくしよう』などと精一杯の情操教育を施していますが、実際に会わないと成果が不明で恐ろしいですね。樽一杯のワインに泥水を入れたらそれは泥水だと言いますが、逆に泥水をワインにするにはどれだけワインを注ぎ込めばいいんですかね……?

 

>「……報告は以上。詳しい事はここに書いてある」

 そう言って渡された資料をあなたは詳しく読み込んでいく。イジャニーヤは想像以上の働きをしてくれた。あなた一人ではどこかで八本指に気付かれてしまっていただろう。

 

 倍速中に八本指に関する情報がほぼ集め終わりましたね。今回のイジャニーヤは有能なようで良かったです。ホモ君の職業であるノーブルは人を使うと相手のステータスに補正が入るので、それのおかげかもしれません。

 さて、集めてもらった情報はイズエルク領の八本指と貴族の取引に関わるものですね。これだけでも十分な証拠ですが、ホモ君の明晰な頭脳であれば金や情報の流れから八本指と繋がっている他の貴族も炙り出すことができます。これは貴重な情報なので後々使いましょう。

 そして尊敬していた父親が汚職クソ野郎だったことが分かったホモ君はショックでいっぱいですね。無意識に見ないふりをしてきたのも限界なようです。ほんとは最初から分かってたんだルルォ!? しゅーくせい! しゅーくせい! さっさと粛清!しばくぞ!(騒音走者)

 

>イジャニーヤに集めてもらった情報をあなたは何度も精査したが、結論は同じだった。あなたの父親、レイモンド・モルデラ・デイル・イズエルクがこのイズエルクに蔓延る汚職の中心だと、調査した全ての証拠がそう示している。

 

>尊敬していた父親。いつも厳しくも優しかった父親。周りから隔絶された頭脳を持つあなたが健やかに成長できたのは、ひとえに家族の温かい愛情があったからだ。そんな彼が、裏では八本指と手を組んでいた? あなたにとって目標でもあった父親の不祥事に、あなたは精神の平衡を失った。

 

 ああ^~ホモ君の曇り顔かわいいんじゃぁ^~。必死に何かの間違いだと証明しようとしても無駄で可愛いね♡ お前も覚悟決めろ?

 

>八本指がつけていた裏帳簿、イズエルク家と八本指の取引が記された証文、父親の部屋から見つかった大量の汚職の記録…。証拠は十分に集まっている。これらを集めて王都へ告発すれば、確実にあなたの父親は捕まるだろう。そしてそれは、イズエルク領に蔓延る八本指を一掃することにもつながる。

 

>しかし、そこであなたの思考が止まる。王国法に照らし合わせて、父の行為は国への背信行為にあたる重罪だ。イズエルク家の権力では彼を守ることが出来ない。他の貴族たちへの見せしめの意味でも、父は確実に火刑に処され、殺されてしまうだろう。

 

>汚職に手を染めながら、それでもあなたに全幅の愛情を注いでくれた父。父のような貴族になりたいと思い、あなたは今まで努力してきたのだ。そんな彼を、自分の手で処刑台に送る。それは正しい事だろうか? そんな訳がない。しかし父を見逃せば、八本指によって苦しめられる全ての領民を見捨てることとなるのだ。

 

>決断を下すことが恐ろしい。正しさを信仰していたあなたは今、その正しさによってこれ以上なく苦しめられていた。

 

>あなたの手が、震えながら着火の魔道具へとのびる。あなたは――。

 

→全ての証拠を焼き払った

→父を告発することを決めた

 

 はい、選択肢が入りましたね。ここは滅茶苦茶重要な分岐点です。

 ここで下を選びホモ君の父親をぶちぶちにぶち殺すことで、ホモ君はブレーキが壊れてラナーと同じ精神的な異形種の境地に至ることが出来ます。ラナーがクライムのために全てを裏切ったように、ホモ君は正しさの為に全てを犠牲にするスーパーマシーンホモ君として完成するわけですね。王国救済がまともな精神で出来るわけないだろ! さっさとお前も正義の化身になるんだよ!

 

>あなたは魔道具を掴み、部屋の隅へ投げ捨てようとする――

 

 

 

 ――急に、あなたの手を誰かが掴んだ。

 

 ファッ!?

 

>「お返事がないので、勝手に失礼しました。許してくださいね?」

そう言って、あなたの友人であるラナー王女は宝石のような笑顔をうかべた。

 

>なぜ、彼女がここにいるのだろう。うまく回らない頭でそう尋ねると、彼女は再び嬉しそうに笑ってこう言った。

「私だったらこのくらいの期間で証拠を集め終わると思いまして。それに、あなたに教えてもらったことを実践したいと思ったんです」

自分が教えたこと…? そう疑問に思っている自分を嬉しそうに眺めて彼女はこう続けた。

「うふふっ……。初めて会った時は自信満々でしたけど、そのような顔もなさるのですね? 酷い顔をしてらっしゃいますよ。 私で良ければ、話してみてくださいませんか?」

 

 ファファファのファ!? 止めろ、知らないイベントを起こすのはヤメロー! ふざけるな!ふざけるなぁっ!馬鹿野郎!!(切嗣感)

 

>彼女の笑顔に誘導され、まるで懺悔するようにあなたはラナーに全てを話した。

尊敬していた父親が、裏では民を苦しめていたこと。自分は父と正義のどちらを選ぶか迷い、最後には正しさを選ぼうとしていたこと。

そんなあなたの話を聞き終えたラナーは、にっこりと笑ってこう言った。

「苦渋の決断をしたのですね。…さぞかし辛かったことでしょう。私で良ければ、あなたに第三の選択肢を与えてあげられますよ?」

第三の選択肢? ラナーが発した意外な言葉に、あなたの頭脳が慌ただしく回転し始める。

「私の屋敷で、あなたの父親をかくまってあげます。汚職の責任を取らせて、あなたが独断で放逐したということにしましょう。もちろん他の貴族は血眼で探すでしょうが、まさか王族の居住に踏み込むなんてことが出来るわけありません」

 

>確かに、それは名案の様に思えた。父親を殺すこともなく、八本指を退けることもできる。まさに一挙両得の提案だ。

>しかし、それで得をするのは自分だけだ。彼女は罪を犯した貴族をかくまうという、特大の爆弾を抱えることとなる。彼女にはそんなことをする理由がまったく無い。

「ふふっ。そんなの当然じゃないですか。……私、あなたと会うまでずっと王宮で一人ぼっちだったんです。訳の分からないことを言う不気味な子だって周りから嫌われてて。それでもあなたと出会って、あなたに認めてもらって、見える景色が変わったんです。今私が幸せでいるのは、全部あなたのおかげなんですよ? 最初に理由もなく助けてきたのはあなたの方じゃないですか。ちょっとは私にも、あなたを助けさせてください。」

そう言って彼女は微笑んだ。

 

 ヤメロー! ヤメロー! ホモ君はここで正義マシーンとして完成するんだ! 父親を助けたら中途半端になっちゃうだろうが! こんな!こんなもの! うう…壊れちゃった…私の手作りチャート…。

 

>ラナーの提案に乗り、あなたはそのままラナーとその護衛達を連れて父のもとへ向かった。

 

>父は最初は八本指との繋がりを否定していたが、自分が集めた証拠を見せ、その上でラナー王女に保護してもらう予定であることを伝えると、大人しく汚職を認めた。

 

>家督の相続を慌ただしくすませ、父は母を連れてイズエルクを去った。監視も兼ねて、ラナーも自分の屋敷へ戻るようだ。

>馬車を見送り、自分ひとりとなった屋敷へと戻る。本当にこれで良かったのだろうか…。手紙は書くとはいえ、家族との別れにあなたの心は深く沈んでいた。

>しかし貴方の胸には、父親が最後に言った『お前は自慢の息子だよ』という言葉が温かく根付いていた……。

 

 …………(呆然)。

 あっ、名誉値が入ってきてホモ君の肩書が『イズエルク家当主』に変わりました……。何だったんでしょうか今のイベントは。悪い夢かな?

 ……とりあえず自分の主義として完走はします。全く未知のイベントだったので、これがどういう条件で発生してどんな影響があるのか確かめないと次回のチャートに活かせませんからね(PDCAサイクルを回す社畜の鑑)。

 それにこれがガバだとはまだ決まっていません! 走者の豪運によって引いたレアイベントで、タイムを縮めてくれる可能性だってあります! なあに、歴戦の走者である私の腕を信じてくださいよ! 不測の事態があってもオリチャーなんてお手の物ですって!(空元気)

 ふう……。それではキリがいいので今回はここまでにしておきましょうか。ついでに確実に助からないであろうホモ君の父親の冥福でも祈っておきましょう。それではさようなら、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっ、うふふふふ……っ」

「ああ、すいません。そう怯えないでください。人に対して怒りを抱くのは初めてなので、上手くできないんです。ふふふふっ、怒っているのに笑いが出るなんておかしいですね?」

「汚職? 別にそんなことどうでもいいんですよ。私はね、あなたが彼の視線をずーーーーっと独占していることが最初っから気に入らなかったんです」

「彼の黄金のような金髪も、サファイアのような眼も、私を暖めてくれる太陽のような笑顔も。全部私のものなんです。わかりますか? あなたのものじゃないんですよ?」

「ふふっ、でも……。私、彼に色々なことを教えてもらったんです。『好きな人には優しくすること』はもうやりましたから、今度は『人を思いやること』をしないとですね!」

「レイモンドさん? あなたに余命を一か月差し上げます」

「あなたは不幸な事にも、一か月後に警備を潜り抜けた八本指によって粛清されてしまいます」

「ですからそれまでに、彼に沢山手紙を書いてあげてください。あなたの筆跡や文章をコピーして、あなたが死んだあとは私が書いてあげます」

「うふふっ、彼との文通が倍になったわ…! きっと悲しむだろう彼を思いやるっていう言い訳もついてきて、なんてお得なんでしょう!」

「本当にありがとうございます、レイモンドさん。せめて死ぬときは苦しまないようにしてあげますね?」

「返事はどうしましたか? もっと爪を剥がされないとお返事できませんか」

「……はい、いいお返事です! ああ、そうそう。手紙は検閲するので、余計なことは考えないようにしてくださいね?」

「はいっ、お利口! うふふっ。一か月間、精一杯おもてなししますね!」

「それでは、さようなら」

 





ラナーちゃん大勝利! 希望の未来へレディ・ゴー!!
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