進撃の巨人 もしもこんな世界があったのならば 作:molte
6話です
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クリスタ突然宣言のお泊まり会は、各々の親御さんとの連絡がスムーズについたみたいで取り敢えずは確定となった。
少し難航している者もいたが、どうやら上手くいったみたいであった。ミカサの兄さん(リヴァイ)が心配していたことは意外で、あの人格を知るエレンは印象が変わったようだった。
「まだ夜まで時間あるし、何かゲームでもする?」
「いいね!」
「じゃあ王様ゲームやろうよ!」
エレンの提案に首を振る者は居なかったが、クリスタの提案にクリスタ以外の女性陣はやや困った表情になっていた。
「お、おいクリスタ。考え直さないか?」
「ユミルはやりたくないの?」
「「グハッ!」」
クリスタの暴走(?)を止めようとしたユミルであったが、天使スマイルに耐えることはできず、見事成仏し「死んでねぇーわ!!」…なかったみたいだ。それとライナーが巻き添え食らってた。
「王様ゲームってなんだ?」
「僕も聞いたことがないね」
どうやら1番知ってそうな博識のアルミンは知らず、エレンは単純に聞いたことがない感じだった。
「じゃあ説明するより実際にやってみた方が早いかもね」
「エレン。クジみたいなものはあるか?」
「ないけど紙で作ればいい?」
「人数分の紙とそれをいれる袋の様な物がいるね」
「わかった。持ってくるよ」
王様ゲームの概要を全く知らないエレンはベルトルトとライナーとマルコにより、なんとなくそれっぽいものを頭に浮かべ上げたらしい。アルミンはこのやりとりの間にミーナに説明してもらっている最中であった。
(運試しみたいなもんか?)
エレンが考えている物と王様ゲームは近いようで遠い存在にある。そして運試しなんて生易しいものでは無いということをこの後、大きく身に染みる事になることを彼はまだ知らない。
「うん!これで準備完了だね」
クリスタが綺麗に切ったクジを、ミーナから説明を聞き終えたアルミンが、不正がないように人数分の封筒に一枚ずつクジを入れ、それを受け取ったエレンが無造作にシャッフルした。
「ルールを確認しよう。まず王様の命令は絶対であること。でも出来ないような命令した場合は、その人は今後のゲームに参加が出来ないこととする」
「結構厳しいルールだね」
「でもこれくらいしないとライナーが何しでかすかわからないからね」
そう言われ、ライナーはユミルに睨まれていた。
身振り手振りで否定していたが、効果は全くの皆無であろう。
「続けるよ?…そして命令は"○番が△番に(全員でも可)□□□をする"と言った形にしてもらう。けど特定の1人か全員のみの2つの選択しかできないよ」
「あんまり融通が効かないんだね」
「何回かやってみてルールは変更するかもね」
「次に原則として男子から女子へのお触りは禁止、けど双方の同意があれば目は瞑るよ」
アルミンの説明にまたもやライナーはユミルに睨まれていた。
「最後に不正がないように自分が引いたクジを隣の人に渡してその人が持っている封筒に入れる。以上が今回の王様ゲームのルールだよ」
(アルミンのやつよくこんなのすぐに思いつくな)
ミーナから王様ゲームの概要を聞いただけでアルミンはパッと思いついたらしい。末恐ろしいとエレンは改めて自覚させられた。
「みんな確認した?」
アルミンの一声に参加者全員が頷く。
「せーの」
「「「「王様だーれだ!!」」」」
数秒の沈黙の後…ゆっくりと手を挙げたのは。
「私だな」
どうやら初回の王様はユミルのようだ。フフンと少し自慢気な顔をしているのは彼女が余程、嬉しかったことを示唆している。
「じゃあ2番が10番の上に乗って10番が腕立てをする。で」
「俺が腕立てか」
「私がエレンの上に乗ればいいのね」
最初にしては盛り上がりには欠けるお題であったもののいきなりどでかいの持ってこないあたり、ユミルは場の流れをよくは分かる人間である。
とは言いつつもこの命令に風呂入った後に汗かくような事はしたくないと思ったエレンと少し乗り気なクリスタがいた。
「回数はどれくらい?」
「んまぁ、10回で」
エレンがユミルに回数を聞いた後、クリスタは急に恥ずかしくなったのかエレンの上に両肩を持ちながら座った。
「クリスタ落ちそうになったら言ってくれ」
「わ、わかった」
エレンは平常心を装っている様に思えるかも知れないが、当の本人の心拍数は数字を数えると共に増加して、彼の女性耐性が低いのを知っているアルミンはエレンの無理している様子を見て一人で笑っている。
「9…10。思ったより早かったね」
「うっせ」
「?」
アルミンが悪魔の笑みを浮かべてエレンに話しかけている時、彼らにしか分からない謎の会話にマルコは首を傾げていた。
「「「「王様だーれだ!!」」」」
特に何の余韻もなく、次のゲームが始まる。
「次は俺だぜ!」
「ジャンか…それでなにを命令するんだ?」
そうだなぁと呟いてから5秒程の長考をして少し訴え掛けるように
「手を繋ぐってのはどうだ?」
「ま、まぁいいと思うけど」
まだ入学してミカサが復帰する以外に目立ったイベントというイベントがない。(個々人ではあるかもしれないがジャンはおそらくそこまで考慮してないだろう)
そこでこの機会にジャンによる命令で一石投じようとしている魂胆である。
「5番と9番が手を繋ぎこれから2ゲーム終了するまで続ける。ただし2ゲームの間にもし離さなければならないのなら離すのを許可するけど、なるべく手をつなぐことを遵守してほしい」
ジャンの意外にもしっかりとした説明にこの場にいる皆は少々、面食らってしまったが特に咎めることもなかった。
「ジャンが恋のキューピットになるんだね」
「まぁそういうことになるのか」
「で、5番と9番は誰だなんだ?」
ユミルの問いに口頭で答える者はおらず、そっと2本の腕が高々と上がった。
「ベルトルトと…ブフゥwwライナーかよw」
「ふふっ」
当事者の2人は萎えて意気消沈し、王様のジャンも同性同士のペアを頭に入れてなかったためかどこか悔しそうにして、ホモかよとユミルにいじられていた。
「この絵面やばいな」
思っているよりこの状況は酷いものである。金髪ゴリラと薄ノッポが正座をして手を繋ぐなど誰が得するだろうか、いや誰も得しないだろう。
「つ、次にいこうか」
「「「「王様だーれだ!!」」」」
「次は…クリスタか」
「んーじゃあ3番と6番がハグ!!」
クリスタの意気揚々とした声に
「お、俺が6番だ」
ライナーが周りを伺うような姿勢で数秒間を開けて、犯人が白状するかのように恐る恐る声を上げた。
「チッ…私だ」
不満げにユミルがライナーを一睨みした後、降参とばかしに両手を挙げる。
「けどルールにある通りにお互いの同意が必要だからね」
少し気まずい空気に気を遣ってか、マルコが2人に助け船を出した。
「じゃあ私もライナーもこの命令に同意しない…これでいいだろう?」
ユミルはため息をつくそぶりをし、ライナーの方を向いて彼の頷きを見てから2人の総意を口にした。
この2人は高校一年生にして大人っぽさと言うか他の人と比べて頼りがいがある。ライナーはよく軽口を言われるものの、大事な場面では皆の兄貴分というか渡り鳥の先頭のような頼もしさがあり、実際エレンもアルミンも中学生時代によく助けられていた。
ユミルは女子高生にしては平均を超える長身にしてクールビューティーな外見と性格、絡んでみれば喜怒哀楽が分かりやすい表情豊かなギャップも一部の男子生徒に人気があるし、意外とこの2人、似ているのかもしれない。
「同族嫌悪というやつなのか?」
「なにいってのあんた」
この間、キース先生担当の世界史の授業で習った言葉を、実際に使ってみたコニーだったが、アニには一蹴されてた。その光景を見て、最近のコニーの言動による評価を改めようとしていたエレンは安堵したのだった。
「アルミン。この場合はどうなるんだ?」
マルコは混乱したこの状況の打開案と疑問をぶつけたが、本人的にはアルミンがどのように対応するか楽しみにしているみたいだった。
「命令は変わらずユミルとライナーが今回のゲームだけ抜けたということになるよ」
アルミンはこのような展開を予想していたのか、もしくは即興で考えたのかは本人しか分からないがすぐさま対応して見せた。マルコも感心した様子であった。
「クリスタもう一度番号指定をお願い」
「じゃあ7番と11番で!」
クリスタが再度指名した2人はまさかのエレンとアニだった。
「えっと~どのくらいハグすればいいの?」
相手がエレンであってホッとしたアニは直ぐにクリスタに時間の旨を聞く。
「10秒くらいでいいよ」
「わかった…」
(やべぇめっちゃ緊張する)
顔が赤いエレン、先程まではいつも通りのアニも赤面。そしてこの状況を楽しんでいるギャラリー総11名。
「お、俺からいくぞ…アニ」
「う、うん…」
少し蕩けた表情にエレンの理性がゴリゴリと削られていく。
「んっ…」
(エレンの吐息が耳にかかってなんか変な感じする…しかも皆に見られてるし…。あっ…首筋の血管が…。やっぱエレンも男なんだなぁ)
(な、何で抱きついた瞬間に変な声出すんだ!?つかあったけぇ…。女の子ってこんなに柔らかいんだな。裸の時と違っ…いかんいかん。……もうそろそろ10秒経つ気がするんだけど…)
「な、長くないか?」
「ごめんごめん。これくらいにしとこっか」
「ふふっ。そうだね」
小悪魔なアルミンとクリスタは満足したみたいであり、当の2人は小悪魔によってハグしている映像が2人の端末に納められていることを知らないだろう。
「じゃあ次のゲームに―――」
「ジャンの一発ギャグマジおもろいな」
「いやミカサのギャグセンもなかなかよ」
先程行われていた命令はミカサが考えたギャグをジャンがやるというもの。ミカサが考えたギャグはお世辞にも面白いとは言えないがジャンによる持ち味と改良で上手くフォロー出来たみたいだ。
その一つ前のゲームでは、サシャが王様になり全員でホットケーキを作るという命令だった。既に効果は切れているのにライナーとベルトルトが手を繋ぎながら皿を準備する様は見物であった。
「もう時間も遅いし寝るかぁ~」
「そーだ…フアァ~」
「これやばいな」
エレンが呟いた一言にアルミンは同意しようとしたが思わずあくびが出てしまったみたいだ。ライナーは何かに察したみたいだったが
「寝る場所どうしよっか」
よくエレンの家に来るベルトルトは家の間取りを頭の中で思い浮かべる。
「男子はいつもの部屋でいいんじゃない?」
「女子は和室があるから案内するよ」
男子はベルトルトと案の定、危惧していたことが的中し先に寝てしまったアルミンを背負っているライナーが先導して案内。
女子は歯磨きをするといって脱衣所に向かった。サシャはなぜかブドウを片手に向っていったが彼女の行動理念は食欲しかないのだろうか…。
そのうちにエレンは和室に布団を敷きに行った。
「ふぅ~これで良しと」
布団を敷き終え大きく伸びをしたのも束の間、スーっと障子が開く音が聞こえ女性陣が和室へ入ってきた。
「あっ!エレンありがと」
クリスタの開口一番にあげた一言にミカサとアニが少しびっくりしていたが、取り戻して皆でお礼を言った。
「もし何かあったら電話なり呼びに来るなりしてくれ、できる限りで対応するぞ」
「うん!助かるよ」
そうしてエレンはおやすみと行って退室していった。
「アニ。顔がにやけてますよ」
突然に言われた一言、それもサシャから投げかけられた一言はアニのエレンフィルター(?)をうち破るには充分だった。
別にサシャに悪気はないと思うが彼女はどうやらタイミングという言葉を知らないらしい。いやむしろ今のタイミングで良かったか。
「い、いや全然!そっ、ソレヨリモウネナイ?」
「すっごい片言だけど…」
アニは逃げるようにして入り口から一番奥の布団を勢いよくかぶった。
「ま、今日だけは勘弁してやるか」
ミカサがウトウトしているのを見てユミルは言及しないことにして、各々適当に布団の中に入った。
場面は変わって…。
「いよっしゃー!」
「いやライナーのドンキー強すぎない?」
エレンが部屋に戻る数分前、男子部屋ではスマ○ラで盛り上がっていた。ちなみにアルミンは既に寝ている。ライナーが叫んでもアルミンが起きないのは彼の寝付きがよすぎるのと一度寝ると起きないからであってそれは周知の事実だ。
ガチャッという音を立てエレンが戻ってきた。
「おっマルコ、お前プリン使うのか」
ガチキャラじゃないけどねといってエレンにコントローラーを渡す。
「そういえばジャンは?」
皆が大画面に向ってゲームをする中で一人いないことにエレンは気づく。
「ジャンなら寝てるぞ」
ライナーが指を指した方に視線を向けるとお客様用のベットに正しい寝息を立てて寝ているジャンの姿があった。布団がグチャグチャになっているのは彼の寝相が悪いことを物語っている。
「エレンもやろうぜ」
ジャンに布団を掛け直そうとしたがコニーに呼ばれたのとマルコが首を横に振ったので、エレンはス○ブラに参戦することにした。
「エレンってうまい?」
「最近買ったから全然よ」
不意に投げ掛けられたコニーからの質問に、なぜかライナーが得意気に答えた。
「お前に聞いてねぇよ」
これが深夜テンションと言うやつなのかいつもよりウザいライナーがいる。
「一回やって寝るからな」
端から見れば早く寝たいと思うかもしれないが、本人的にはテレビゲームにあまり興味がないのと早く起きないと朝練ができないこと危惧する意味が込められている。
「その攻撃は効かないよーん」
「ウゼェー」
ちなみに開始2分ほどでエレンは残機0。大人げないライナーにコテンパンにやられてしまっていた。
「はいここ!」
「うわー!!」
日付が変わってもいつまでも元気な奴らだ。画面にはライナーによるドンキーの一撃でコニールキナは復帰出来ることなく撃墜。どうしてかマルコはずっとベルトルトを煽っている。何の意味があるのだろうか。彼らにしか分からない何かがあるのだろう。
4人ともゲームに夢中でエレンが既に寝ていることなど気づくはずもないだろう。
そうやって夜は更けていく
☆☆☆
目を覚ますと初めて見る天井だった。頭を回転させてある結論に辿り着く。
(そっか…エレンの家に泊まりに来ているんだっけ)
無理矢理に頭を起こそうとするが春になっても朝の肌寒さは抜けず、もう少し寝ていようと布団を頭が見えなくなるくらいまでかぶる。
すると私の隣からスゥスゥと正しい寝息音が聞こえてきた。おそらくミカサだろうと布団の中から覗いてみると私との距離僅か20cm程の所に昨日、何かと色々あったエレンがいた。
思わずえっ?と大きな声に彼を誘発していまい彼は目を覚ます。なぜここにいるのかそんなことを聞く前に彼の言葉が私の言葉を遮った。
「ん…おはよアニ。よく眠れた?」
「う、うん」
どうして?と理由を聞こうとするも思った通りに口が動かない。
彼が自分の布団から出て、そのまま彼は私の布団に入ってくる。なぜかは理解できない。
しかもお互いに浴衣のような物を着ている。脳をフル回転させても昨日の今日でこんな展開になることなんてどう考えてもあり得ない。
すると何の予兆もなく突然囁くように…。
「アニ愛してる」
嘘かと思った、彼にそんなことを言われるなんて。とても聞きたい言葉だけど今は聞きたくない言葉。かはなぜ分からないこの気持ち。
何もすっきりしないまま私の視界は暗転した。
再び目を覚ました場所はさっきと全く同じの天井。だけど隣にアニの姿はない。
先程自分が見ていた光景は夢なんだと自覚した。さっきはいなかったアルミンやライナー達が寝室にいるし、今と夢の中ではベットの大きさが明らかに違う。
夢の中でキャミソール姿のアニとそして昨日は現実の方のアニとハグをしてしまった。
(いや…いくらなんでも意識しすぎだな)
過剰にアニの事を意識する自分に心の中で悪態をつく。頭を冷やすため少し男臭がする部屋から音を立てないように出て行く。
階段を降り、リビングで誰もいないこと確認して脱衣所に向う。その時ちょうど母さんからLINEが来た。要件は特筆する必要のない内容なのでここでは割愛する。
顔洗い終えた俺は使ったタオルを洗濯機に上手く投げ入れて、小走りで地下にある体育館を目指す。体育館といっても学校にあるような大層な物ではなく、普通の1コートあるだけの物で別室に筋トレ器具が並んでいるだけの物である。要はジム施設だ。
ただ、1コートだけだと物足りないため入って奥側の壁には皆大好きGoogleHomeがプロジェクターを経由して映し出すことも可能で、休憩スペースの冷蔵庫にはキンキンのアイスが入ってる。
朝の日課としてラジオ体操をする。起床後のラジオ体操はとても効果があるらしい。詳しい事はよく分からないけどアルミン曰く、ラジオ体操第1と第2両方やると良い効果があるよと言われたのでやってるだけで深い意味はない。
「エレーン!」
っとここでアルミンが来たみたいだ。後ろには眠そうなジャンもいる。
「おはようアルミン」
「フアァ~眠ぃ~」
あくびと共にジムに入ってきたジャンの頭が爆発して滑り台みたいにエグい角度に斜めってた。
眠そうにもラジオ体操特有の音楽が流れるのを聞きジャンも参加する。
それにしても昨日の男子部屋は酷いものだった。夜中2時頃、一度トイレに行った時に皆寝ていたものの余程疲れていたのかライナーのいびきがすごくて排水溝の音みたいだった。
他にもジャンの寝相が悪いのは再認識したけど、コニーの寝言がうるさすぎた。コントローラーのコマンドずっと叫んでてちょっとむかついた。
割とマジで部屋分割を検討する必要があるぞこれ。
女性陣の方は恐らくまだ寝ているのだろう。トイレに行った後、飲み物を取りにリビングへ行った帰りに通り過ぎた時、特に物音もしなかった。一瞬通っただけだから断定は出来ないけども。それでも夜更かしはお肌の天敵って言うし、その辺りも危惧して早く寝たのかなと考えてみたりする。
でも母さんは化粧品とかそういうの持ってなかった気がする。けど化粧はしている。いつどこでやっているかは知らないけど父さんに会うときには仕上がってるんだよな。
余談だけど確か4年目くらい前に一度母さんの部屋に無断で入った時、滅茶苦茶怒られた。その頃はボールを母さんが管理していたため、秘密で練習するためにこっそり入ったのだ。エレン?と後ろから呼ばれた時優しく呼ぶように聞こえるかも知れないが振り向くと赤鬼がニヤリと笑みを浮かべ、当時小6の俺は見事大目玉を喰らった。
いまだに小6のバスケットボールを母親が管理するのは理解できない。まぁそれほど心配してくれていた、と言うことにしよう。
とここでようやくラジオ体操が終わった。
「じゃあ各々適当に」
終わると同時に音楽アプリのお気に入りプレイリストを再生する。もはや趣味の領域を超えていると言われるほど音楽関連にハマっている。これは俺の短い人生で2つ目にハマった物だった。1つはもちろんバスケ。
毎回、アルミンに気持ち悪いと言われるのは心に来るのでなるべく控えるようにしている。が、最近父さんにレコーディングマイクを買ってもらった事をアルミンに文句言われること覚悟で紹介したら案の定文句を言われた。そして3時間は無視された。
そんな余談より、ちなみにこの場所。母さんと俺以外アルミンと今日始めて来たジャンしか知らない。アルミンが他のメンバーに言ってなければだけどアルミンはそういうタイプじゃないからおそらく4人だけ。
同じ中学のライナーとベルトルトはジムの存在は知ってるけど来たことがない。あいつらが来る時はほとんどの場合で大所帯なのでここより広い屋外のコートを使う。別に秘密にしてるわけじゃないけどタイミングが異常に悪いんだと思う。
朝練は大体30分ほどしかしない、もちろんラジオ体操も含まれるので実質20数分ほどだが、あまりやり過ぎるのはよくない。これもアルミン博士の教えである。
「エレンもう終わろっか」
今日はジャンがいたためか1時間弱で練習を切り上げた。
「そういえばエレンってあの人とサシでやったんだっけ?」
シューズを履き替えて脱衣所へ行く時にジャンが無駄に物々しく、しかもストレートに聞いてきた。
「誰から聞いたんだよ」
少し聞いて欲しくなさそうに不機嫌っぽく言う。アルミンにも言ってないことなので正直聞いて欲しくない。
「いやまぁ、直接見たって感じだけど」
俺の中のあの人なんてリヴァイ先輩しかいない。アルミンはそのことを知っているのでなんとなく察知されただろうな。
「ならそれに触れるのはなるべく控えて欲しいけどな」
脱衣所の扉を開け服を脱ぐ。そのまま少し逃げるようにしてシャワールームに入った。
「エレンどうだったの?」
俺の隣のシャワールームに入るや否や、アルミンが早速聞いてきた。
「全く歯が立たなかったよ」
アルミンには隠し事をしてもすぐバレてしまうので正直に言った。恐らくジャンにも今の発言は聞こえているだろう。
入学初っぱなから少しへこんでしまった。
「全然落ち込んでいる感じがなかったけどね」
「やっとアルミンを欺くことができたかー」
「その様子だと大丈夫みたいだね」
俺の小ボケ(?)でアルミンにガラス張り越しにでも気に留めていないことが伝わったみたい。
「お前ら仲いいな」
ジャンが何か言ってたけどよく聞こえなかったのでスルーしてやった。
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終わり方適当ですが悪しからず。
後半シリアスな部分を入れましたがどうだったでしょうか
次回もお楽しみに