最高傑作は今日もAクラスで過ごす   作:クリッピー

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長らくおまたせしました。
モチベが上がったり下がったりで全くでしたが何とか・・・・・・


六世ちゃん奮闘記part2

「あ、あのー・・・・・・」

 

 部屋に戻った私は、もじもじしながらおれさんに話しかけてみるが返事は帰ってこない。

 こちらはかなりの緊急事態なので、用件だけでも伝える。

 

「お花を摘みに行きたいのですが、ど、どこにありますか?は、早くしないとかなり危ないのですが・・・・・・」

 

(「それを早く言えー!!トイレはな、入り口の近くにあるドアを開けばある!こんなところでお漏らしなんて絶対するなよ!」)

 

 かなり怒り気味なおれさんにトイレの場所を教えてもらい、何とか難を乗り越えることが出来た。

 

(トイレに行った後も何度も質問してしまい、危うく醜態を晒すところでした。それにしても、トイレを出た時におれさんが嘆いていた言葉、(「もうお婿にいけねえー・・・・・・」)とはどういう意味なんでしょうか?後で調べてみましょう)

 

(「調べなくてもいい。てか、調べても出ねえと思うが」)

 

「えーっと、おれさんは私の心の中を読めるのでしょうか?」

 

 私が心の中で思ったことに、おれさんが言葉を返してきたので、そのことについて質問してみる。

 

(「おれの声がお前に聞こえるように、お前の心の声もおれに聞こえるんだ。分かったか?」)

 

「・・・・・・ということは、おれさんの声は心の声になるのですか?」

 

(「まあそんな感じだ。だから、他人がいるところでおれと話したいなら心の中で俺を呼べ。いや、常にそうしろ」)

 

(分かりました)

 

(「うむ。良い心がけだ」)

 

 おれさんの言われた通り、声に出すのではなく心の中で言ってみると、しっかり返事が来た。

 

(フフ、秘密の会話みたいで面白いですね)

 

(「そうだろ?面白いだろ?」)

 

 こういうことをしていると、何かいけないことをしているみたいで凄く楽しかったりする。

 もっと話しをしようと、おれさんに話しかけようと思ったら、この部屋のドアが開いた。

 部屋に入ってきたのは、男子3名、1人は何故か酷い女装をしている。

 

(だ、誰か来ましたね・・・・・・)

 

(「折角の機会だ。おれだけでなくあいつらに色々と教えてもらえ。面白いことが起こるから」)

 

 それを聞いて首を傾げたが、すぐにその答えが分かった。

 

「部屋の中に入ったら美女が!これは夢なんかじゃないよな!?」

 

「少しは感情を抑えろよ・・・・・・」

 

 部屋に入ってきて何故か興奮気味の男の子を見て、その隣にいた女装をしている男の子が呆れていた。

 興奮気味の男の子は、そんなことお構い無しにこちらにやって来て、顔を近づけてくる。

 

「俺に出来ることがあるなら何でも言ってください。何でもしますので」

 

「あ、えーっと・・・・・・」

 

 いきなりの出来事に戸惑って顔を背けてしまった。

 

(ど、どうしましょう・・・・・・?)

 

(「さっき言った通り、何か教えてもらえ」)

 

 おれさんに言われて顔を元に戻すと、やはり至近距離に先ほどの男の子の顔があった。

 

「ま、まずは少し離れてくれませんか・・・・・・?そんなに見つめられるのは好きじゃないので・・・・・・」

 

「分かりました。それで何かありませ────いててて!」

 

「少しは自重しろ、司城」

 

 司城と呼ばれた男の子が私から少し離れると、後ろから髪の長い男の子が来て耳を引っ張って遠ざけくれた。

 その隙を見計らって、女装している男の子はこちらに来て謝ってきた。

 

「うちの馬鹿がいきなり変なことを言ってすまない」

 

「あ、いえ、いきなりだったので驚いただけなので大丈夫です・・・・・・それよりあなたたちは・・・・・・?」

 

「俺はAクラスの橋本で、さっきのが司城、その後ろにいるのが鬼頭だ。それで、そっちはなんて名前なんだ?この船にいるってことは1年だと思うんだが」

 

「私は黒瀬六世です。よろしくお願いします」

 

「よろ────って、は?」

 

 私の名前を聞いた橋本くんは目を丸くした。

 

いや待て。黒瀬六世って、黒瀬が女装してる時に使う名前だろ・・なのになんで目の前見知らぬやつが使ってるんだ・・・・・・?

 

「だ、大丈夫ですか・・・・・・?」

 

 いきなりブツブツ言い始めた橋本くんを心配していると、また部屋に誰かがやって来た。

 今回は2人で、両者共に女の子だ。片方の女の子は、足が悪いのか杖を使って歩いている。

 

「何をしているんですか、あなたたちは・・・・・・」

 

「・・・・・・あー、いや。俺たちの部屋に知らない女子がいて、名前が黒瀬の女装している時の名前だったもんでな」

 

「・・・・・・少し聞きたいこととは違いましたが、その方はそちらにいらっしゃる方でいいんですね?」

 

「ああ」

 

 橋本くんと何かを話していた女の子はこちらにやって来る。こちらをしっかりと見据え、一挙一動も見逃さないような感じのようだ。

 

「私は坂柳有栖と言います。よろしくお願いいたします。あなたの名前は黒瀬六世というので間違いありませんね?」

 

「はい、そうですけど・・・・・・」

 

どうやら橋本君の言っていたことは本当のようですね・・・・・・

 

「??」

 

 坂柳さんは先ほどの橋本くんのようにまたブツブツ言い始めた。それも、2人ともが私の名前を聞いてあんな状況に陥っている。

 

(何かおかしな点でもあったのでしょうか?)

 

(「そのことについて何も言ってなかったな。実はな────」)

 

 おれさんが言うには、私である黒瀬神威は目の前にいる坂柳さんに、罰ゲームという名目で女装をさせられていた。その時に坂柳さんが黒瀬神威に与えた名前が、私の名前である黒瀬六世ということらしい。

 それで合点はいったが、この先どう対処すべきなのかが全く分からない。先ほどの話し合いのよう私の説明をすべきなのか、それともあまり情報のない黒瀬神威になりきってこの場を凌ぐべきなのか。

 

 頭を悩ませていると、坂柳さんと一緒に来ていたもう1人の女の子が溜め息交じりに話し出す。

 

「スタイル良すぎるその子が黒瀬なんて有り得ないでしょ、普通」

 

「確かに。名前ばかりに気を取られてしまい、その部分を見落としていました。ありがとうございます、真澄さん」

 

 それに対して真澄さんと呼ばれた人は簡略的な言葉で返し、胸の前で腕を組む。

 その言葉を聞いた坂柳さんは私に視線を向けこちらの全体を観察し始めた。そして視線が胸にいった瞬間、結論を出した。

 

「これを黒瀬くんというのはかなり無理がありますね」

 

「じゃあその子は・・・・・・」

 

「今のところは黒瀬くんが罰ゲームが嫌になったから用意した身代わり、影武者と思っています」

 

「それしか考えられないでしょ」

 

「そこまで実行できるあいつを尊敬してしまう自分がいる・・・・・・」

 

「あいつがそんなことをするとは・・・・・・見損なったぞ!」

 

 出てきた結果に真澄さん、橋本くん、司城くんがそれぞれ違う意見を述べる。

 私が何か言う前に、私の設定が黒瀬神威の影武者ということになってしまった。

 

(こ、これは・・・・・・何か良からぬ方向にいってしまっている気がします!おれさん、これは大丈夫何でしょうか!?)

 

(「黒瀬神威である俺が出てきたらボコられるぐらいだ。安心しろ」)

 

(それってダメなやつじゃないですか!)

 

 おれさんに助けを出してみたが、どうやら黒瀬神威はおれさんから恨みでも買っているようで見捨てられてしまった。

 

(ここは私が説明して誤解を解かなくては・・・・・・!)

 

「皆さん、私は黒瀬神威の────」

 

「橋本くんは真嶋先生に彼女が試験に参加していいのか聞いてきてください」

 

「はいはい、分かりましたよ」

 

「私は黒瀬k────」

 

「司城くんと鬼頭くんは黒瀬くんを見つけ次第、ここに連れてきてください。手段は問いません」

 

「鬼頭、黒瀬を見つけたらボコってやろうぜ!」

 

「そうだな・・・・・・」

 

「わ、わたs────」

 

「真澄さんと六世さんは私と一緒にここへ残ってください」

 

「はぁ・・・・・・」

 

(全く聞いてもらえなかった!!)

 

 誤解を解くため全員に真実を話そうとしたが、坂柳さんの言葉に全て遮られてしまった。そのせいでもっと悪い方向に。

 指示を聞いた橋本くんたち男子陣は部屋の外へ出て行ってしまい、中に残ったのは女性陣の私たちだけなった。

 

(そ、そうだ!坂柳さんは感じ的にAクラスの1番上にいるはず!坂柳さんを説得出来れば誤解も)

 

 私は坂柳さんを説得させるために話しかけてみることにした。

 

「坂柳さん!」

 

「どうかしましたか?」

 

「私は影武者なんかではなく、本物の黒瀬神威です!本当なんです!」

 

「安心してください六世さん。あなたが黒瀬くんに脅されている身であることは知っているので」

 

「いえいえ、違いますって!私はおどさr────!」

 

「こんな可愛い子を脅して影武者にするとか、あいつ最低野郎すぎるでしょ」

 

(更に状況が悪くなってしまった!ごめんなさい、黒瀬神威!)

 

 微笑みながら話す坂柳さんと黒瀬神威をごみのように言う真澄さん。

 話すごとに酷くなっていくこの状況に、私は黒瀬神威に向けて心の中で謝っておく。

 

「ていうか、黒瀬の影武者人選おかしすぎない?」

 

「確かにそうですよね。もう少し考えるべきかと・・・・・・」

 

 そう言った2人の視線は何故か胸に注がれていた。私もそちらを見ると、ブラウスのボタンとボタンの隙間から谷間が見えた。

 

「!?!?」

 

「さっき見た時、あんなんじゃなかったよね・・・・・・?」

 

「先ほどまではボタンがはち切れそうでしたが、今はもうはち切れますよね・・・・・・」

 

 その表現は適切で、言い終えたタイミングでちょうどボタンが弾け飛んだ。それも坂柳さんの方向に向かって。

 目の前にボタンが落ちた坂柳さんは床に落ちたそのボタンを拾い、ギュッと握りしめた。

 

「これも黒瀬くんの計画でしょうか。そうでしたら楽しくなりそうですね」

 

 その顔は笑顔なのに全く笑っていなかった。

 

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