お前が何言ってんのかちょっとよく分からない   作:開屋

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登場人物紹介

岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。『曲がったことが大嫌い』と言う人に限ってイデオロギーを持っている人は少ないといった旨の論文を将来大学で書きたいと思っている。

上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。席順は基本出席番号順のため、生まれ変わったら『渡辺』という名字になりたいと思っている。


明らかにアイツは調子に乗ってる

「なぁ上田、前々から思ってたんだけどいいか?」

 

「何だ?」

 

「童謡で『海は広いな大きいな~』って歌詞の歌あるじゃん?」

 

「ああ確かに。それがどうしたんだ?」

 

「歌詞の続きにさ、『月がのぼるし日が沈む』ってあんじゃん。あれっておかしくね?」

 

「おかしいって何がさ?」

 

「だってさ、観測地点がウチの家でも月は昇っていくし、日が沈んでいく様子が見えるんだよ? それなのに海は『広い』と『大きい』ってだけの理由でマウント取って月が昇るという事と日が沈むってことの何か世界を掌握したかのような物言いしてるんだもん。明らかにおかしいだろ?」

 

「お前の着眼点とその不満を見つけ出す能力がおかしいよ」

 

「大体広いし大きいからって何なんだよ。そもそも大きいも広いも大して変わんねえじゃねえか! そんな手段を使ってでも自分をデカく見せたいと思ってんのかあぁ!?」

 

「落ち着け、今のお前めちゃくちゃ小さいヤツみたいだぞ」

 

「ただデカいだけってことを誇大にアピールしてるだけで世界の摂理を自分のモンにしようとしてる海の方がしっかり物事を考えてるウチよりよっぽどちっぽけだろ」

 

「もう少しマトモなことに頭使ってたらそうだと言いたかったんだけどな」

 

「あんなデカいだけで実用性もないくせにサイズの一点特化で天下取ったつもりでいるのがウチには腹立つんだよ」

 

「地球の七割を占めてるのは十分天下取ってるモンだと思うけどな」

 

「でもウチはちゃんと物事を考えられるべき者こそが天下を取るべきだと思うんだよ。それをあんなただただ存在しているだけで全てに対して我が物顔でいるのが納得できん」

 

「海の我が物顔って何だよ、波か?」

 

「もういっそ地球上の海を全部埋め立ててしまってそんな生意気な面させないようにしようぜ。そしたらあの歌だって『人間様はすごいな偉大だな』から続けてあの歌詞に繋げて来れるってもんだ」

 

「俺にとってはそんな考えをしてるヤツが天下を取ろうという話をしていることが何よりも恐ろしいんだが」

 

「えー、だって人間は数も多いじゃん。絶対天下取れるよ」

 

「お前今の発言でこれまでの海に対する否定を全否定したの気づいてないの?」

 

「うっさいなぁ、仮にサイズで海に勝てなくても人間には知恵ってもんがあるんだ」

 

「お前には無いものだな」

 

「だから人間は海に勝てるんだって。ただデカいだけじゃないんだし負ける訳が無いに決まってる」

 

「お前は一度タイタニックを見ろ」

 

「タイタニックぅ? でもあの作品じゃ主人公の女の人空飛んでるじゃん。『飛んでるわ』って言ってたし……待って、それなら尚更無敵じゃん!」

 

「どうして断片的な知識でそうまで間違った解釈が出来るのだろうか」

 

「とにかくウチはいっぺん海にギャフンと言わせるべき時期が来ると思うんだ」

 

「弥勒菩薩の救済よりも先だろうけどな」

 

「何だよさっきから否定的なことばっか言いやがって……大体海とかあっても意味ないじゃん」

 

「……一つ聞くが、お前の好きな食べ物って何だ?」

 

「マグロのかぶと煮」

 

「他には?」

 

「ふぐ刺し」

 

「よくもまぁお前ここまで話持って来れたな」




44,5話辺りまでは毎日一話ずつ、0時に投稿しています。
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