岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。最近のマイブームはドアなどの隙間を覗き込んで『Here's Journey』と言う遊びらしい。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。国の首都を非常に多く覚えているが、この作品においてそれがフィーチャーされる予定は今のところ未来永劫無い。
「上田ー、模試の国語どうだった?」
「まぁボチボチかな、可もなく不可もなくって感じだし」
「へぇ、まぁあんなテスト意味無いしどうでもいいけど」
「そんなどうでもいいことをどうしてわざわざ聞いた?」
「だってさー、今回の模試ってマークシートじゃん? あんなの絶対正確な数字出ないよ。運ゲーだし」
「この前のマークシートの模試でも似たようなこと言ってなかったか? 百点満点中の三点とかいう大記録打ち立てた上で」
「だからあれも運が悪かっただけだし……それに今回は倍だったし」
「むしろマークシートだったら基本的に四択だから運悪くてもそんな世紀末的な惨憺たる点数出ないだろ、六点って何だよ十点満点のテスト受けたのか? それとも逆張りしてたのか?」
「模試の逆張りって何だよ、そんな不毛な無言の抵抗しねぇよ。むしろうちなら堂々とカンニングするね」
「堂々と言えたこと以外は褒められることじゃないけどな、てかそれすら褒められるような事でもないし」
「とにかくウチはこんな運試しなんかじゃなくて自分の実力がマックスで出せるようなテストを受けたいんだよ」
「さっきの成績が端的にお前の実力を表していると思うぞ、これ以上にないくらいにな」
「だって四択だったらさ、分からなくても四つに一つは正解になるんだよ? つまりは少なくとも二十五点は保証されてるっていう訳だ。こんな不完全な方式考えたヤツ絶対ロクな奴じゃないって」
「え、何? もしかするとお前だけ別のテスト受けてたの? どの立ち位置からその発言してんの?」
「だからマークシートってのはもう少し形を変えるべきだと思うんだよ」
「こんなに分かりやすいクレームの縮図初めて見たわ……んでどんな愚案を?」
「そうだな……もっと選択肢増やすとか。五、六十個くらい選択肢あれば勘で正解するっていうことはないっしょ」
「ロト6かよ。どうして少しの点数取るのにそんなギャンブル要素取り入れちゃったんだよ」
「でもこれならマジで当の本人の力がそのまま点数に反映されるでしょ?」
「万一そうだとしてもキツ過ぎるだろ。そんな地獄の模試嫌だよ、的中させたことに対するリターンが小さすぎるんだよクソみてぇな投資話みたいになってんじゃねえか」
「でも試験での入試とかって自分の未来に対する投資みたいな感じじゃん? だからもしかしたら早いうちにそういう経験をさせておくっていうのも悪くないんじゃ」
「世知辛すぎるわ。嫌だよそんな現実の突きつけ方。大体それならお前はどうなるんだよ」
「どうなるって?」
「だってただでさえ今のお前の点数映す価値無しじゃん、だって六点だぞ六点。それがもっと下がるってことじゃん。もうそれ投資の厳しさと言うかその範疇でも初心者が大型投資したFXレベルだよ。失敗が約束されてんじゃねえか」
「六点じゃなくなるウチはろくでなしってか! ガハハ!」
「何なの? 酒入ってるの?」
「ないってないって。ウチ、至って平常心だよ?」
「……まぁいいや、とにかくそんなマークシートの方式は無理だろ、絶対時間足りないし」
「まぁ時間が足りなくなったら、とりあえずパッと目に入ったのをガーって塗りつぶしちゃえばいいんじゃない?」
「お前が特に国語がダメな理由が分かった気がするよ」