岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。英語のテストで『何が起きたか彼には分からなかった』という文章を英訳する問題で『WTF』と書き、先生の度肝を抜いた。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。裸眼の彼は非常に視力が悪いが、雰囲気で岩崎は察知できるらしい。いっそもう好きなんじゃね?
「なぁ、ウチはどうしても納得ができないんだ。」
「へー、それは大変だ」
「ウチが言いたいのはテニスのことなんだけどさ」
「へぇ~、悩みがあるって大変だな」
「ちったぁ興味示してくれよ、せっかく人が真剣になってるってのに」
「真剣にやれば何もかも意味があるものになるとは限らんと思うし、お前のそれに関しては十中十十一意味の無いものだと思うが」
「十一割って何だよ百分率ブチ抜いてんじゃねぇか。字面で見たら謎解きの暗号みたいになりそうだな十中十十一って。てか百歩譲って十中八九でいいじゃん」
「いやそしたら残りの一、二割の無駄が生まれるから……それを排除したかった」
「何だその捻くれた断捨離。ミニマリストでもやらないだろ」
「俺にとってはお前の話を聞かんことが最大の断捨離みたいなもんだ」
「んなこと言わなくてもいいじゃん。せめて少しは聞いてくれよ。あのさ、テニスって漢字で書いたら『庭球』じゃん?」
「ここから話を無視をするという選択肢は?」
「もれなくお前にとってのバッドエンドに直行する。めっちゃ授業中邪魔してやる」
「……はいはい、んでそれがどうした?」
「庭でテニスなんかできるかっての! うちの庭だったらテニスはおろか卓球さえも台を置くスペース厳しいぜ? 何だよ庭球って」
「んなこと言われても知らんっての。何もかもお前が世界に中心を回ってる訳では無いってことだ」
「でもさ、そんなクソデカい庭持ってる人なんてほんの一握りじゃん? よっぽどの高給取りとかもしくは王族皇族レベルじゃね?」
「まぁ言わんとせんことも分からんでもないが、低級の人間がそのレベルには及ぶわけないし仕方ないんじゃない?」
「だからってこんな不条理良いの? ウチの感覚では文字通りの『庭球』のレベルで出来る球技ってバランスボールに乗るくらいだよ?」
「よかったじゃん、狭いならぴったり嵌って地面に落ちることもないし」
「んな箱庭には住んでねぇよ、てかそれはもう箱だろ。段ボールとかそのレベルじゃん。とにかく庭球って言い方は良くないってば」
「それならどんな表現が良いんだ?」
「それは分からないけど……うーん、テニ球?」
「ネギ玉みたいになってんじゃねぇか」
「だってそんなこと言われてもスッとは出てこないって」
「じゃあもう今まで通り庭球でいいだろ」
「いややっぱりそれじゃダメだって!」
「ねぇ、この会話のループいつ終わんの? 俺もう十分すぎるほどこの会話のラリー続けたと思うんだけど」
「いや、まだ満足し足りないね。まぁでもせめて庭球って呼ばれる由来が知れたらいいんだけど。それが納得できる理由ならまだ許せる」
「んなもんスマホとかで調べたらあるだろ」
「……まぁそれはそうか」
「ってことでこの会話のラリーは、ネットに情報が引っかかるだろうしこれで終わりな」
「あっ、それはズルくね? アウトだよアウト」
「アウトでもラリーは終わるだろ」