岩崎 花(♀):今作で何か常に文句言ってる人。アートな習字をやろうと思い立ち、自らの筆の進むがまま好き放題した結果、先生に『羽根突きで負けたのか?』と、顔を見られ言われた。
上田 進(♂):今作で岩崎の何の身にもならない話を延々と聞かされる可哀そうな人。第一印象での花は『大人しそうな子』だったらしい。また一つ勉強になったな少年。
「なぁ……オセロって何が楽しいんだ?」
「何か一部の層からお叱り受けそうな発言だな、行きなり物騒なこと言うんじゃないよ」
「だってさ、自分の周りを別の色に挟まれただけで自分を失ってしまうんだよ?」
「……ん?」
「そんな何一つテメェの中で筋を通さない生き様でホントに人生楽しいのかよ!?」
「落ち着け急に熱血マンガの先生みたいになるな。ってかお前が最初に言ってた対象ってオセロの駒の方かよ」
「だって実際の例で考えてみなよ、ウチが『冷たいものが飲みたいな~』って思って自販機に行って冷たい飲み物を買おうとした瞬間にたまたま両サイドにいる人間が、あったか~いの方のぜんざいを飲みたいって思ってたら、ウチもあったか~い方のぜんざいを飲まなきゃいけなくなるんだよ?」
「今までの中でもトップクラスに何言ってんだお前」
「何がオセロの駒は白か黒だよ、全然自分の意思が介在していない癖に自分は白か黒かのハッキリした両面性を持ってるっていう訳? さすがに人生やっていけないよ」
「オセロの駒に意思があるというお前の考え方の方がやってられんわ」
「さっきからウチのいうこと全否定じゃん上田。それならお前がオセロの駒の幸せについて考えてみろよ」
「もうホントに何言っちゃってんの? オセロの駒の幸せって何だよ、哲学?」
「何でそうやってウチが真剣に考えてることを無下にするかなぁ」
「むしろそんなことを真剣に考えようとしているお前を救っているつもりなんだがな」
「そうか、お前は色んな人生の荒波に揉まれた結果角が取れて丸くなっちまったのか、さながらオセロの駒のように……」
「どうしたんだよ、何か変な本でも読んだのか?」
「とにかくウチは周りに何もかも合わせるだけの人生なんてあんまりだって思うの!」
「お前はもうちょっと相手に合わせる努力をしろ。てかもう会話の次元から違うんだよ、お前だけ会話にz軸が絡んでるせいで俺が捉えれる範囲超えてるんだよ」
「相手に合わせる会話なんてそれこそ自分を曲げることになるからやだね。ウチはとことんウチなりの道を進んでいくよ。何せちゃんと自分を持ってるんだから」
「アウトロー過ぎるんだよお前の道は」
「そんなんウチの知ったこっちゃない。さっきのオセロの駒の理論で言えばウチは決して誰にもひっくり返されないからね!」
「何だそれ、お前だけ何か違う駒使ってんの?」
「見方次第ではそうかも。それがウチなりのオンリーワンだよ。それこそ表も裏も全く同じ色の決して変えられない存在こそがウチだ」
「いい話風に言ったのかも知れんが、そうなるとお前と同じ色の駒が存在しない以上、誰もお前の色に他の駒を変えることはできなんだけどな」
「うっ……じゃあ上田もウチと同じ色ってことで」
「やだよ、そんなサイケデリックな色には染まりたくないわ」
「サイケデリックって……さすがにそんな変な色じゃないよ」
「じゃあお前はどんな色だと思ってんだ?」
「んー……自分の好きな色でいいんだったら灰色かな」
「何でよりにもよってそんな中立的なヤツ選んだんだよ」